エンプレス杯の過去のレース結果を調べると、2026年のメモリアカフェの優勝をはじめ、テンカジョウ、オーサムリザルト、グランブリッジなど、ダート牝馬路線を彩ってきた名馬の記録が並びます。1955年に創設されたこの競走は、川崎競馬場のダート2100mで行われるJpnIIのダートグレード競走です。長い歴史を持ち、牝馬ダート路線の実力を測る一戦として位置付けられています。
競走名の正式表記に使われる「農林水産大臣賞典」や、1990年までの名称「キヨフジ記念」にも、レースの成り立ちを知る手掛かりがあります。加えて、過去10年の歴代優勝馬と上位入線馬、人気別成績、3連単配当を振り返ると、上位人気の信頼度と伏兵が絡む波乱の両面が見えてきます。2026年の最新結果と合わせて、エンプレス杯の歴史、コースの特徴、馬券検討に役立つデータを整理します。
【まず押さえたい】エンプレス杯はどんなレース?

エンプレス杯は、神奈川県川崎競馬組合が川崎競馬場で施行する牝馬限定の重賞競走です。2026年は5月13日に第72回が開催され、メモリアカフェが優勝しました。地方競馬全国協会のダートグレード競走特設サイトでは、古馬牝馬路線の上半期を代表する競走として紹介されています。
競走の基本情報は次のとおりです。
- 競走名:農林水産大臣賞典 エンプレス杯(キヨフジ記念)
- 格付け:JpnII
- 開催競馬場:川崎競馬場
- 距離・馬場:ダート2100m、左回り
- 出走資格:サラブレッド系4歳以上牝馬
- 2026年の負担重量:定量55kg
- 2026年の1着賞金:4,000万円
JpnIIは、ダートグレード競走における格付けです。中央競馬の芝のGIIと名称が似ていますが、エンプレス杯は地方競馬の川崎を舞台に、JRA所属馬と地方所属馬が出走できる交流競走として行われます。
このレースの特徴は、単に牝馬限定の重賞というだけではありません。2100mという比較的長いダート戦で、スタミナに加えて折り合い、位置取り、勝負どころでの加速が問われます。中央所属馬の実績だけでなく、川崎を含む地方競馬のコース経験や、長距離のダート適性も評価したい競走です。
【歴史と名称の由来】キヨフジ記念からエンプレス杯へ
エンプレス杯の歴史は1955年にさかのぼります。創設時の名称は「キヨフジ記念」。川崎競馬でデビューし、中央競馬へ移籍した後、1951年に優駿牝馬(オークス)を制した名牝キヨフジの名を冠した競走です。
キヨフジは中央競馬で実績を残した後、川崎に戻り、現在の川崎記念につながる開設記念も制しました。地方競馬から中央へ進み、再び川崎で結果を残した競走馬の歩みが、現在まで続く重賞の名称に刻まれています。
地方競馬全国協会のダートグレード競走特設サイトが紹介する沿革を整理すると、名称だけでなく、距離や開催時期、競走体系も時代とともに変わってきたことが分かります。
- 1955年:「キヨフジ記念」として創設。
- 1960年ごろ:距離が2000mとなり、その後もしばらく同距離で実施。
- 1991年:「エンプレス杯」に名称変更。「キヨフジ記念」は副称として残る。
- 1995年:JRAとの交流重賞となり、中央・地方の有力馬が競う舞台へ発展。
- 1997年:当時の格付けでGIIに位置付けられる。
- 1998年:現在と同じダート2100mへ変更。
- 2024年:開催時期を春の5月上旬へ移し、負担重量もグレード別定から定量へ変更。
- 2026年:第72回を開催。メモリアカフェが優勝。
名称の「エンプレス」は、英語で女帝や皇后を意味する「empress」に由来します。牝馬の頂点を争う競走にふさわしい名称である一方、旧称のキヨフジ記念は、川崎競馬の歴史を象徴する名牝への敬意を今に伝えています。
また、正式な競走名には農林水産大臣賞典が冠されています。川崎競馬の公式資料でも「エンプレス杯(キヨフジ記念)」という表記が使われており、現在の名称と旧称が併記される理由は、競走の歴史を引き継いでいるためです。なお、優勝杯の提供元は時期によって異なり、2004年までは日刊スポーツ新聞社が優勝杯を提供していました。
名称変更によって過去の歴史が途切れたわけではありません。1955年の創設から続く競走として記録をたどることが、歴代優勝馬や競走成績を正しく理解する第一歩になります。
【過去10年のレース結果】歴代優勝馬と上位3頭を一覧
エンプレス杯の過去のレース結果を確認する際は、優勝馬だけでなく、2着・3着馬、当日の人気、勝ち時計、配当を一緒に見ると傾向をつかみやすくなります。以下は2017年から2026年までの10開催をまとめた一覧です。人気は各年の単勝人気、3連単は100円購入時の払戻金を示します。
| 年 | 優勝馬(人気・時計) | 2着馬(人気) | 3着馬(人気) | 3連単払戻 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年 | メモリアカフェ(2番人気・2:16.1) | テンカジョウ(1番人気) | レイナデアルシーラ(5番人気) | 5,190円 |
| 2025年 | テンカジョウ(2番人気・2:15.2) | オーサムリザルト(1番人気) | アンモシエラ(3番人気) | 2,720円 |
| 2024年 | オーサムリザルト(1番人気・2:14.5) | グランブリッジ(3番人気) | キャリックアリード(7番人気) | 12,030円 |
| 2023年 | グランブリッジ(1番人気・2:18.7) | ヴァレーデラルナ(2番人気) | テリオスベル(3番人気) | 770円 |
| 2022年 | ショウナンナデシコ(1番人気・2:15.7) | サルサディオーネ(2番人気) | レーヌブランシュ(3番人気) | 3,570円 |
| 2021年 | マルシュロレーヌ(1番人気・2:14.1) | サルサディオーネ(6番人気) | マドラスチェック(3番人気) | 14,920円 |
| 2020年 | アンデスクイーン(1番人気・2:16.9) | ナムラメルシー(8番人気) | パッシングスルー(3番人気) | 66,490円 |
| 2019年 | プリンシアコメータ(2番人気・2:15.3) | ブランシェクール(8番人気) | ビスカリア(1番人気) | 33,530円 |
| 2018年 | アンジュデジール(4番人気・2:16.3) | プリンシアコメータ(1番人気) | サルサディオーネ(6番人気) | 30,930円 |
| 2017年 | ワンミリオンス(1番人気・2:17.0) | リンダリンダ(4番人気) | ヴィータアレグリア(6番人気) | 4,350円 |
この10開催では、オーサムリザルト、グランブリッジ、ショウナンナデシコ、マルシュロレーヌなど、後にダート牝馬路線で実績を積み重ねる馬が勝ち名乗りを上げています。2025年にはテンカジョウがオーサムリザルトをアタマ差で退け、翌2026年はそのテンカジョウをメモリアカフェが上回りました。
歴代優勝馬の顔ぶれからは、同じ馬が長期間にわたって勝ち続けるというよりも、各年の有力牝馬が世代交代を示す舞台になっていることがうかがえます。過去の優勝馬を調べるときは、馬名だけを記録するのではなく、勝ち時計や2着馬との着差、当日の人気まで照らし合わせると、その年のレース内容をより具体的に把握できます。
【川崎2100mの攻略要素】コーナー6回と位置取りが鍵
エンプレス杯の舞台となる川崎競馬場のダート2100mは、向正面の2コーナー付近からスタートし、1周1200mのコースを1周半以上走る設定です。地方競馬全国協会のコース解説によると、最初のコーナーまでは約400mあり、レース全体ではコーナーを6回通過します。
このコース形態では、単純な直線の末脚だけで勝敗を予測するのは難しくなります。コーナーが多いため、外を回り続ける馬は距離のロスが生じやすく、反対に内で包まれると、勝負どころで進路を確保できない可能性があります。スタート直後の位置取りだけでなく、向正面でペースが上がった際に無理なく追走できるかも重要です。
一周目のスタンド前でペースが落ち着く展開もあり、前半で脚を使いすぎず、勝負どころで反応できる馬には評価材料があります。一方、先行馬が競り合ってペースが速くなれば、差し馬が台頭する余地も生まれます。
実際、過去10年の優勝馬には先行タイプだけでなく、差しや追い込みで勝利した馬も含まれます。2026年のメモリアカフェも、2番人気の評価を受けて優勝しました。馬券を検討する際は、前走の着順だけではなく、道中の位置取り、距離適性、川崎コースへの対応力、長い距離で脚を持続できるかを組み合わせて判断することが大切です。
また、開催時期が2024年から5月上旬へ移った点も見逃せません。以前の3月開催とは前哨戦や各馬のローテーションが異なるため、古い年の成績をそのまま現在の出走馬評価へ当てはめるのは適切ではありません。比較する際は、開催時期と負担重量の変更も考慮しましょう。
【過去の配当・人気別成績】堅い決着と波乱が同居
エンプレス杯の過去10年の人気別成績を見ると、1番人気馬が優勝したのは6回です。残る4回も、2番人気馬が3勝、4番人気馬が1勝しており、優勝馬はすべて4番人気以内でした。この集計だけを見れば、勝ち馬を選ぶうえでは上位人気が比較的有力な競走です。
ただし、優勝馬の人気と、3連単の配当は分けて考える必要があります。2020年は1番人気のアンデスクイーンが勝ったものの、2着に8番人気のナムラメルシーが入り、3連単は66,490円となりました。2019年も2着に8番人気のブランシェクールが入り、33,530円の配当が発生しています。
つまり、上位人気の馬が勝つ傾向があるからといって、3着以内まで人気順に決まるとは限りません。相手候補の選び方によって、配当の水準が大きく変わる競走です。
2017年から2026年までの3連単払戻金を単純平均すると、100円当たり17,450円です。一方、10開催分を金額順に並べた中央値は8,610円となります。2020年や2019年の高配当が平均値を押し上げているため、平均だけを見て毎年大きな配当が期待できると考えるのは早計です。
人気別成績を馬券に活用するなら、次の3点を判断基準にすると整理しやすくなります。
- 勝ち馬の候補:過去10年では4番人気以内が優勝しているため、上位人気馬の距離適性や近走内容をまず確認する。
- 相手候補の評価:過去の高配当は2着・3着に人気薄が入ったケースで発生している。前走の着順だけで評価を下げず、展開やコース適性を検討する。
- 配当の見方:平均値だけでなく、中央値や各年の実際の払戻金も確認し、特定の高配当が傾向を大きく左右していないかを見る。
過去の配当は将来の払戻金を保証するものではありません。人気別成績は馬の能力を直接示す数値でもなく、出走頭数、相手関係、馬場状態、展開によって結果は変わります。データは予想を補助する材料として使い、過去の数字だけで買い目を固定しないことが重要です。
【2026年最新情報】メモリアカフェが第72回を制す
2026年5月13日に川崎競馬場で行われた第72回エンプレス杯は、メモリアカフェが勝利しました。地方競馬情報サイトの競走成績とレース結果によると、メモリアカフェは2番人気で出走し、勝ち時計は2分16秒1。2着には1番人気のテンカジョウ、3着にはレイナデアルシーラが入りました。
上位3頭の着差は、メモリアカフェとテンカジョウが0.2秒、テンカジョウとレイナデアルシーラがさらに0.2秒でした。上位人気の2頭が1、2着を占める一方、3着には5番人気のレイナデアルシーラが入り、過去の結果にも見られる「本命寄りながら相手次第で配当が変わる」という特徴が表れました。
2026年の主な払戻金は次のとおりです。
- 単勝:1番メモリアカフェ、320円
- 馬連複:1-6、250円
- 馬連単:1→6、590円
- 3連複:1-6-8、1,380円
- 3連単:1→6→8、5,190円
3連単は5,190円で、過去10年の中では極端な高配当ではありません。1着・2着に上位人気馬が入ったことが、配当を比較的落ち着いた水準にした要因です。ただし、同じ上位人気決着でも、3着に入る馬や組み合わせによって払戻金は変わります。
2026年の結果を過去の傾向と比較すると、1番人気馬が必ず勝つわけではないことも確認できます。2025年は2番人気のテンカジョウが勝ち、1番人気のオーサムリザルトが2着。2026年はそのテンカジョウが1番人気となり、メモリアカフェに敗れました。人気順は評価の目安にはなりますが、最終的な着順を決めるものではありません。
次回のエンプレス杯を考える際は、2026年の結果だけを基準にするのではなく、過去の勝ち馬、開催時期の変更、2100mへの適性、前哨戦の内容を合わせて確認することが有効です。最新の出走条件や開催日程については、川崎競馬の公式発表を確認するとよいでしょう。
【エンプレス杯過去】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:エンプレス杯の歴代優勝馬で、2026年の勝ち馬は誰ですか?
A1:2026年の第72回エンプレス杯はメモリアカフェが優勝しました。2着はテンカジョウ、3着はレイナデアルシーラで、勝ち時計は2分16秒1でした。
Q2:エンプレス杯は、なぜキヨフジ記念とも呼ばれるのですか?
A2:1955年に「キヨフジ記念」として創設された競走だからです。キヨフジは川崎競馬でデビューし、1951年に中央競馬の優駿牝馬を制した名牝です。1991年にエンプレス杯へ名称変更された後も、キヨフジ記念は副称として残っています。
Q3:エンプレス杯の過去10年は1番人気が強いのですか?
A3:2017年から2026年までの10開催では、1番人気馬が6勝しています。勝ち馬はすべて4番人気以内でした。ただし、2着や3着に人気薄が入った年もあり、2020年の3連単は66,490円でした。勝ち馬の人気と、馬券全体の配当は分けて考える必要があります。
Q4:エンプレス杯の距離と開催時期はいつですか?
A4:川崎競馬場の左回りダート2100mで行われる、4歳以上牝馬限定のJpnII競走です。2023年までは主に2月下旬から3月上旬に開催されていましたが、2024年から5月上旬へ移行しました。2026年は5月13日に開催されています。
Q5:過去の配当を予想に使うとき、何を確認すればよいですか?
A5:3連単の平均だけでなく、中央値、各年の人気順、2着・3着に入った馬、勝ち馬のコース適性を確認しましょう。高配当の年だけを参考にすると実態を見誤るため、複数年の結果を比較し、直近の開催条件や出走馬の状態も考慮することが大切です。
エンプレス杯は1955年にキヨフジ記念として創設され、1991年に現在の名称へ変更された、歴史ある牝馬限定のダートグレード競走です。川崎競馬場のダート2100mを舞台に、世代を代表する牝馬が実力を競ってきました。正式名称に農林水産大臣賞典を冠し、キヨフジ記念の名を副称として残している点にも、この競走の歩みが表れています。
過去10年の結果では1番人気が6勝し、優勝馬はすべて4番人気以内でした。一方、2020年には3連単66,490円の高配当が発生しており、上位人気の信頼度と相手選びの難しさが同居しています。人気別成績だけでなく、勝ち時計、着差、コース適性、展開、前哨戦まで確認することが、過去データを有効に使うためのポイントです。
2026年はメモリアカフェが第72回を制し、テンカジョウが2着に入りました。次回以降のエンプレス杯を調べる際は、この最新結果を出発点に、歴代優勝馬の記録と開催条件の変化を照らし合わせてみてください。歴史とデータを両面から見ることで、単なる勝ち馬一覧では分からないレースの特徴が見えてきます。
※本記事の主な参照資料:地方競馬全国協会のダートグレード競走特設サイト、川崎競馬公式サイト、地方競馬情報サイトの競走成績・払戻データ。