プロ野球の始球式で最速の球を投げたのは誰なのか。2026年10月時点で注目される記録は、元投手の内田聖人がNPBの一軍公式戦で計測した147キロ、お笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行が記録した148キロ、そして独立リーグの始球式で内田聖人がマークした150キロだ。ところが、この3つの数字は大会の区分や記録の対象が異なるため、単純に順位だけを比較すると誤解が生じる。
新庄剛志の145キロ、やり投げの村上幸史による144キロ、俳優・間宮祥太朗の139キロなど、歴代の始球式にはプロ顔負けの剛速球が並ぶ。ここでは、スポニチ、日刊スポーツ、オリコンニュース、Full-Count、THE ANSWERなどの報道と球団の公開映像をもとに、歴代ランキング、記録更新の経緯、球速表示の計測方法を整理する。
【結論】始球式最速は何キロ?2026年最新の記録を比較

始球式の最速を一つの数字で答えるなら、独立リーグを含む報道で確認できる記録は内田聖人の150キロだ。ただし、NPBの一軍公式戦、ファームの公式戦、芸能人による始球式という区分を分けて考える必要がある。
2022年8月12日、内田聖人は四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスの本拠地試合で始球式に登板し、150キロを計測した。2024年8月25日にはベルーナドームで行われた西武対楽天戦で147キロを記録。こちらは本人の発信や複数のスポーツメディアで「NPB始球式史上最速」として紹介された。
一方、2025年6月8日にはティモンディ高岸宏行が、オイシックス新潟アルビレックスBC対巨人のイースタン・リーグ公式戦で148キロを計測した。スポニチやオリコンニュースは、この記録を芸能界最速として報じている。
つまり、2026年時点で記録を比較するなら、次のように整理するのが分かりやすい。
- リーグの範囲を広く取った記録:内田聖人の150キロ。
- NPB一軍の公式戦で報じられた記録:内田聖人の147キロ。
- 芸能界最速として報じられた記録:ティモンディ高岸宏行の148キロ。
なお、始球式の球速を一元管理する統一ランキングがあるわけではない。特にファームの公式戦を含めるかどうかで、記録の見え方が変わる。147キロをNPB全体の不動の最速とするよりも、一軍の記録として区分し、ファームの148キロと比較するほうが実態に即している。
【歴代ランキング】150キロから133キロまでの記録一覧
始球式の球速ランキングでは、150キロや148キロのような突出した数字だけでなく、140キロ台の記録を誰が、いつ、どのような舞台で出したかが重要になる。以下は、報道や球団関連資料で確認できる主な記録を、球速の高い順にまとめたものだ。
| 球速 | 投球者 | 記録日・対戦カード | 記録の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 150キロ | 内田聖人 | 2022年8月12日・徳島インディゴソックスの本拠地試合 | 独立リーグの始球式 |
| 148キロ | 高岸宏行 | 2025年6月8日・オイシックス新潟対巨人 | イースタン・リーグ公式戦。芸能界最速として報道 |
| 147キロ | 内田聖人 | 2024年8月25日・西武対楽天 | NPB一軍の始球式で史上最速と紹介 |
| 145キロ | 新庄剛志 | 2008年5月18日・ソフトバンク対日本ハム | 現役引退後の投球。スピードガン表示を記録 |
| 144キロ | 村上幸史 | 2015年5月28日・DeNA対オリックス | 元やり投げ選手による投球 |
| 139キロ | 間宮祥太朗 | 2019年7月23日・阪神対DeNA | 当時の芸能人最速記録として報道 |
| 135キロ | 樽美酒研二 | 2018年6月27日・西武対オリックス | 当時の芸能人最速記録 |
| 133キロ | 関口メンディー | 2018年6月5日・巨人対楽天 | 芸能人による剛速球として話題に |
この表は、異なるリーグやイベントで表示された球速を並べた比較表であり、計測条件を統一した公式ランキングではない。また、150キロと147キロはいずれも内田聖人の記録だが、達成した舞台が異なる。
歴代ランキングを読む際は、単純な球速だけでなく、投球者の競技経験、開催リーグ、計測機器、公式戦かイベントかといった条件を確認したい。そうすることで、数字の大きさと記録の意味を混同せずに済む。
【記録更新の歴史】新庄剛志145キロから高岸宏行148キロへ
始球式の剛速球が話題になるたび、過去の記録が比較対象として掘り起こされてきた。2008年の新庄剛志から、2018年の関口メンディー、樽美酒研二、2019年の間宮祥太朗、2021年の高岸宏行、そして2024~2025年の内田聖人と高岸の記録まで、更新の流れを追うと、始球式に登場する顔ぶれの多様さも見えてくる。
新庄剛志:2008年に145キロを計測日刊スポーツによると、元日本ハムの新庄剛志は2008年5月18日、福岡ヤフードームで行われたソフトバンク対日本ハム戦に登場した。現役引退後、初めてグラウンドに姿を見せたこのイベントでは、スピードガン表示で初球145キロを計測している。
ただし、この日のイベントは一般的な一球だけの始球式とは異なり、新庄が森本稀哲と一打席勝負を行う形式だった。したがって、145キロは引退後の投球記録として大きなインパクトを持つ一方、後年の始球式とイベント形式が完全に同一ではない点も押さえておきたい。
村上幸史:やり投げの経験を生かした144キロ元陸上競技選手の村上幸史は、やり投げで世界陸上選手権の銅メダルを獲得した実績を持つ。2015年5月28日のDeNA対オリックス戦では、始球式で144キロを計測した。
村上の記録は、野球経験者だけでなく、別競技で培った投てき能力が始球式でも大きな球速につながることを示す例だ。やり投げと野球の投球動作は同じではないものの、助走や身体の連動、腕を振る能力など、投げる競技に共通する要素が注目された。
関口メンディー、樽美酒研二、間宮祥太朗:芸能人の記録更新2018年6月5日、GENERATIONSの関口メンディーは巨人対楽天戦で133キロを計測した。その22日後の6月27日には、ゴールデンボンバーの樽美酒研二が西武対オリックス戦で135キロを記録。日刊スポーツなどは、樽美酒が当時の芸能人最速記録を更新したと伝えている。
さらに2019年7月23日、俳優の間宮祥太朗が甲子園球場で行われた阪神対DeNA戦で139キロを計測した。日刊スポーツとマイナビニュースの報道によると、間宮は小学生の頃から中学時代まで野球に取り組み、投手経験もあった。始球式の球速は目標の125キロを上回り、当時の芸能人記録を塗り替えた。
この3人の記録更新は、始球式が単なるセレモニーにとどまらず、出演者の競技経験や身体能力が注目される場にもなっていることを物語る。
高岸宏行:2021年の142キロから2025年の148キロへティモンディ高岸宏行は、野球の強豪校として知られる済美高校を経て東洋大学に進学した元野球選手志望者だ。スポニチは2021年4月3日、日本ハム対ロッテ戦のファーストピッチセレモニーで高岸が142キロを計測し、当時の芸能界最速記録を更新したと報じた。
その後も投球を続け、2025年6月8日には新潟で行われたイースタン・リーグ公式戦の始球式で148キロを記録。電光掲示板に表示された数字が球場を沸かせ、スポニチは芸能界最速として紹介した。高岸は2022年から独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスでもプレーしており、芸人活動と野球選手としての活動を並行してきた経歴がある。
高岸の148キロは、芸能人による始球式の記録を語るうえで重要な数字だ。ただし、記録が出たのは一軍の試合ではなくファームの公式戦である。147キロの内田聖人の記録と比較するときは、この違いを見落とさないことが大切だ。
【内田聖人の147キロと150キロ】同じ投手でも記録の舞台が違う
内田聖人の記録が特に注目される理由は、独立リーグで150キロを投げた実績に加え、NPB一軍の試合でも147キロを計測した点にある。
THE ANSWERの報道によると、内田は早稲田実業、早稲田大学などで投手として活躍し、社会人野球のJX-ENEOSを経て米国の独立リーグにも挑戦した。2019年に現役を引退した後は指導者に転身し、ピッチングストラテジストとして活動している。
2022年8月12日:独立リーグで150キロ内田は徳島インディゴソックスの本拠地で行われた愛媛マンダリンパイレーツ戦の始球式で150キロを計測した。球団が「プロ野球世界最速に挑戦」と銘打った企画で、当時、新庄剛志が2008年に記録した145キロを上回る数字となった。
この150キロは、独立リーグで行われた始球式の記録として報じられたものだ。独立リーグはNPB一軍とは別の競技運営区分であり、記録を比較するときは所属リーグを明示する必要がある。
2024年8月25日:NPB一軍の試合で147キロ2024年8月25日、内田はベルーナドームで行われた西武対楽天戦の始球式に登場した。電光掲示板には147キロと表示され、Full-CountやTHE ANSWERはNPB始球式史上最速とされる記録として取り上げた。
内田本人も投球後に147キロだったと発信し、直前のウォーミングアップやスパイクの使用がなかったことに触れながら、150キロを目指していたと明かしている。2025年8月26日のオリックス対ロッテ戦でも始球式に登板し、145キロを計測したことがFull-Countなどで報じられた。
こうした経緯から、内田の記録は単発の話題にとどまらない。独立リーグの150キロ、NPB一軍の147キロ、翌年の145キロという複数の実績を通じて、始球式の球速を比較する際の重要な基準になっている。
【球速表示の計測方法】始球式の数字はどこまで比較できる?
始球式の球速ランキングで見落とされやすいのが、球速表示の計測方法だ。電光掲示板に表示された数字は分かりやすい指標だが、すべての球場やイベントで同じ条件が採用されているとは限らない。
球速表示は計測位置や方式で変わり得る日本医事新報社に掲載された球速計測に関する専門家の解説では、テレビ中継や電光掲示板の球速表示について、初速と終速のどちらを表示するかに一律の規定があるわけではなく、製作側の意図や球場の事情などによって選択されると説明されている。
初速はボールが投手の手を離れた直後の速度、終速は本塁付近に到達した時点の速度を指す。一般にボールは空気抵抗を受けるため、終速は初速より遅くなる。計測機器の設置位置や計測方式、投球と機器の角度なども数値に影響し得る。
そのため、別々の球場で表示された145キロと147キロを比べても、2キロの差が投球能力の絶対的な差をそのまま表しているとは限らない。球速表示は有力な参考値だが、完全に統一された実験条件のもとで測定された数値とは区別して扱いたい。
硬式球・軟式球や投球環境にも注意球速を比較する際には、使用球の違いも考慮したい。硬式球と軟式球では構造や変形の仕方が異なり、同じ投球者でも計測値が一致するとは限らない。加えて、マウンドの状態、投球前のウォーミングアップ、スパイクの有無なども投げやすさに影響する可能性がある。
内田が147キロを記録した際には、本人が直前のアップやスパイクを使用していなかったと発信したことも話題になった。ただし、こうした個別条件だけから、別の投球者が同じ条件で何キロを出せるかを推定することはできない。
「始球式最速」と「投手としての最速」は別物もう一つ区別したいのは、始球式で表示された球速と、投手が練習や試合で記録した自己最速だ。内田は現役引退後もトレーニングを続け、硬式球や軟式球で始球式の記録を上回る球速を計測したと報じられているが、練習時の自己最速と公式イベントの表示記録は同じカテゴリーではない。
「始球式最速」という言葉が示すのは、基本的には始球式という場面で計測された球速の比較だ。投手としての能力全体を順位づけるものではなく、投球フォームや制球力、球種、実戦での安定性などを評価する指標とも異なる。
【プロの結論】歴代ランキングを見るときの判断基準
始球式の球速を正しく理解するには、数字だけで順位を決めるのではなく、記録の範囲を明確にすることが欠かせない。2026年時点の主要な報道を整理すると、次の3点が判断基準になる。
- リーグの区分を確認する:NPB一軍、NPBファーム、独立リーグでは開催カテゴリーが異なる。150キロ、148キロ、147キロは、それぞれの舞台を分けて見る必要がある。
- 誰の最速なのかを確認する:全体の最速、芸能人の最速、元プロ野球選手を除いた最速では、対象が違う。新庄剛志や内田聖人のように競技経験の豊富な投球者と、芸能人の記録を同じ基準だけで評価するのは適切ではない。
- 計測条件と報道時点を確認する:球場の表示、イベントの形式、計測時期を押さえる。過去の記事にある「最速」という表現が、その後の記録更新を反映しているとは限らない。
また、球速が速いからといって、必ずしもストライクが取れるわけではない。始球式では一球のインパクトが注目されるため、球速が高くてもボールが大きく外れることがある。内田が2025年の京セラドーム大阪で145キロを計測した際も、報道では球が高めに抜けたことが伝えられた。
始球式の魅力は、最速記録だけにあるのではない。元選手の技術、芸能人の野球経験、他競技のアスリートが持つ身体能力、そして一球に込められた緊張感が重なり、観客の記憶に残る。ランキングは、その魅力を数字から読み解くための入り口と考えるとよい。
【始球式最速】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年時点で、始球式の最速記録は何キロですか?
A1:独立リーグを含む記録では、内田聖人が2022年8月12日に計測した150キロが注目される記録です。NPB一軍の公式戦では、2024年8月25日に内田が記録した147キロが最速として報じられています。対象となるリーグを区別して考えることが大切です。
Q2:芸能界最速の始球式記録は誰の何キロですか?
A2:ティモンディ高岸宏行の148キロです。2025年6月8日、オイシックス新潟アルビレックスBC対巨人のイースタン・リーグ公式戦で計測され、スポニチなどが芸能界最速として報じました。
Q3:新庄剛志の145キロは、現在も最速記録ですか?
A3:現在の最速記録ではありません。新庄は2008年5月18日のソフトバンク対日本ハム戦で145キロを計測しましたが、その後、内田聖人がNPB一軍の試合で147キロ、独立リーグの始球式で150キロを記録しています。
Q4:始球式の球速表示は、公式に認定された記録なのですか?
A4:球場の電光掲示板に表示された球速は、報道や記録比較の参考になります。ただし、始球式の球速を同一条件で一元管理する統一ランキングとは異なります。計測機器や表示方式、リーグの区分を確認が必要です。
2026年10月時点で始球式最速を比較すると、独立リーグの150キロ、芸能界最速として報じられた高岸宏行の148キロ、NPB一軍の試合で記録された内田聖人の147キロが大きな注目を集める。加えて、新庄剛志の145キロ、村上幸史の144キロ、間宮祥太朗の139キロ、樽美酒研二の135キロ、関口メンディーの133キロといった歴代の記録が続く。
ただし、これらはすべて同じ条件で計測された記録ではない。NPB一軍とファーム、独立リーグ、芸能人という区分を分け、球速表示の計測方法にも目を向けることで、ランキングの意味がより明確になる。
今後、新たな始球式で記録が更新された場合も、注目すべきなのは単に何キロ出たかだけではない。誰が、どの舞台で、どのような条件で投げたのか。その3点を押さえることが、始球式の歴代最速記録を正確に理解するための判断基準となる。