2026年1月2日・3日に開催された第102回箱根駅伝で、駒澤大学は総合6位、10時間44分50秒でフィニッシュした。往路は7位と苦戦したものの、復路では3位の成績を残し、最終10区では佐藤圭汰が区間新記録を樹立。伊藤蒼唯の6区区間2位、小山翔也の1区駒大新記録など、個人の力を示す走りも光った。
一方、2025年の箱根駅伝で総合2位、2025年11月の全日本大学駅伝で優勝を果たした駒澤大学にとって、2026年の総合6位は期待を下回る結果だった。なぜ優勝争いから後退したのか。区間順位とタイム、藤田敦史監督のレース後の課題、青山学院大学との比較、そして2027年大会に向けた新チームの動向から、その理由を読み解く。
【2026年最新結果】駒澤大学は総合6位、往路7位から復路3位へ

第102回箱根駅伝の駒澤大学は、総合10時間44分50秒で6位。優勝した青山学院大学の10時間37分34秒とは7分16秒差だった。前回大会の総合2位から順位を落とし、3年ぶりの総合優勝は実現しなかった。
大会公式記録と駒澤大学陸上競技部の発表によると、往路は5時間23分00秒で7位、復路は5時間21分50秒で3位。復路では上位のタイムを記録したものの、往路で生じた差を完全に埋めることはできなかった。
ここで押さえておきたいのが、「復路3位」の意味だ。これは復路5区間の合計タイムによる順位であり、総合順位が3位まで上がったという意味ではない。駒澤大学は復路で追い上げたものの、総合では7位から6位への浮上にとどまった。
一方、上位争いは僅差だった。4位の早稲田大学は10時間44分29秒、5位の中央大学は10時間44分31秒。駒澤大学との差はそれぞれ21秒、19秒しかない。4区での失速がなければ、最終順位が変わっていた可能性を考えさせる結果だ。
2026年大会の結果を整理すると、駒澤大学は優勝争いから大きく離れた一方で、上位復帰のための基礎となる走力を失ったわけではない。復路のタイムと10区の区間新記録は、そのことを裏付けている。
【全10区間の順位・タイム】小山翔也から佐藤圭汰までの成績一覧
駒澤大学の区間成績を確認すると、10区間のうち区間2位が2人、区間賞が1人。加えて、1区と6区では大学記録を更新した。反対に、4区の区間19位や、2区・7区・9区の順位が、総合成績を押し上げきれなかった要因として浮かび上がる。
以下は、駒澤大学陸上競技部と箱根駅伝公式サイトで公表された第102回大会の記録だ。
| 区間 | 選手 | 区間タイム | 区間順位・記録 |
|---|---|---|---|
| 1区 | 小山翔也(3年) | 1時間00分48秒 | 5位・駒大新記録 |
| 2区 | 桑田駿介(2年) | 1時間06分19秒 | 8位 |
| 3区 | 帰山侑大(4年) | 1時間00分51秒 | 2位 |
| 4区 | 村上響(3年) | 1時間03分24秒 | 19位 |
| 5区 | 安原海晴(3年) | 1時間11分38秒 | 7位 |
| 6区 | 伊藤蒼唯(4年) | 56分50秒 | 2位・駒大新記録 |
| 7区 | 谷中晴(2年) | 1時間03分38秒 | 9位 |
| 8区 | 山川拓馬(4年) | 1時間04分34秒 | 4位 |
| 9区 | 菅谷希弥(2年) | 1時間09分17秒 | 10位 |
| 10区 | 佐藤圭汰(4年) | 1時間07分31秒 | 1位・区間新記録 |
区間成績で特に目立つのは、3区の帰山侑大、6区の伊藤蒼唯、10区の佐藤圭汰だ。帰山は区間2位で上位争いを支え、伊藤は山下りで駒大新記録をマーク。佐藤は最終区間で区間新記録を樹立し、最後までチームの意地を示した。
ただし、駅伝は個人の好記録を足し合わせるだけでは勝てない。区間賞級の走りがあっても、他区間で生じたタイム差を取り戻せなければ、総合順位には反映されない。2026年の駒澤大学は、その難しさが表れたチームだった。
【総合6位の理由】4区の失速と区間配置の変更が誤算に
総合6位に終わった最大の要因は、往路4区での失速と、それに伴うレースプランの崩れだ。3区終了時点では区間2位の帰山侑大が好走し、チームは総合3位につけていた。しかし、4区で村上響が区間19位となり、順位は7位まで後退した。
文化放送の往路終了後インタビューで、藤田敦史監督は3区までは予定どおりだったものの、4区のアクシデントによって厳しいタイム差が生じたと説明した。村上は走行中の12〜13キロ付近で足に痛みが出て、ペースを上げられなくなったという。
4区の問題は、単に1区間で順位を落としたことだけではない。往路は5区間を通じてタイム差を管理する必要があり、中盤で大きく遅れると、後半の選手が本来の役割を超えて追い上げを迫られる。駒澤大学は3区までの好位置を生かせず、山上りの5区へ厳しい状況でたすきをつないだ。
加えて、山川拓馬主将が12月に入ってからぎっくり腰となり、練習を十分に積めなかったことも、区間配置に影響した。藤田監督は往路終了後、当初考えていた配置を大きく変更せざるを得なかったと振り返っている。5区の安原海晴は急きょの起用となったが、1時間11分38秒で区間7位にまとめた。
復路では、伊藤蒼唯が区間2位で追撃を開始した。しかし、7区の谷中晴は区間9位、9区の菅谷希弥は区間10位で、順位を大きく押し上げるまでには至らなかった。8区の山川も区間4位と健闘したが、往路の遅れを帳消しにするには十分ではなかった。
最終10区の佐藤圭汰は、1時間07分31秒の区間新記録でフィニッシュ。報道によると、佐藤は大会前に大腿骨の疲労骨折を経験しており、状態がぎりぎりまで不透明だったという。区間新記録は個人の能力を示す一方、チーム全体が万全な状態で本番を迎える難しさも浮き彫りにした。
つまり、2026年の総合6位を「選手の走力不足」だけで説明するのは正確ではない。故障による配置変更、4区のアクシデント、複数区間でのタイムロスが重なった結果だ。個々の区間で力を発揮できた選手がいたからこそ、コンディション管理と10区間全体の安定性という課題が、より鮮明になった。
【歴代優勝回数と青山学院大学との比較】駒澤大学の実力は落ちたのか
箱根駅伝の歴代優勝回数で見ると、駒澤大学は2026年大会終了時点で8回。直近では第99回大会の2023年に優勝している。一方、2026年大会を制した青山学院大学は9回に到達し、2024年から3連覇を達成した。
駒澤大学は2002〜2005年に4連覇を成し遂げた実績があり、箱根駅伝の優勝争いを何度も制してきた名門だ。2023年には出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝の大学三大駅伝を制覇。2025年の箱根駅伝では総合2位に入っており、2026年の6位だけで長期的な競争力を判断するのは早い。
もっとも、青山学院大学との比較では、現時点の差も明確だ。2026年大会の総合タイムは青山学院大学が10時間37分34秒、駒澤大学が10時間44分50秒で、7分16秒の差がついた。往路では4分52秒の差があり、復路でも駒澤大学は青山学院大学に2分24秒及ばなかった。
この数字から読み取れるのは、駒澤大学に区間上位の選手がいても、青山学院大学のように往路・復路の両方で高い水準を維持する必要があるという点だ。箱根駅伝は、エースが活躍するだけでは勝ち切れない。山上り・山下りを含め、全区間で大崩れを防ぐ選手層が総合優勝を左右する。
駒澤大学に必要なのは、過去の優勝回数を根拠に復活を確信することでも、1大会の6位を根拠に低迷を断定することでもない。区間配置の再現性、主力の故障予防、そして各区間でタイム差を広げない安定感を、実際のレースで示せるかが評価の基準となる。
【プロの結論】駒澤大学の箱根駅伝2027年展望と区間エントリーの注目点
2027年の箱根駅伝を占ううえでは、2026年の箱根駅伝だけでなく、その後の新チームの結果も確認する必要がある。2026年10月12日に開催された第38回出雲駅伝で、駒澤大学は総合7位、2時間07分45秒でフィニッシュした。チーム記録を更新した一方、優勝した早稲田大学には1分49秒及ばなかった。
明るい材料は、1区を走った1年生の鈴木大翔が22分42秒で区間賞を獲得したことだ。4区の小山翔也も17分24秒で区間4位、駒大新記録をマーク。加えて、箱根駅伝2区を経験した桑田駿介は出雲6区で区間6位の走りを見せた。若手と経験者の双方に、今後の戦力となる材料がある。
一方、2026年箱根駅伝でチームを支えた佐藤圭汰、伊藤蒼唯、山川拓馬らの卒業は、新チームにとって大きな変化だ。2027年大会では、残る選手が主力区間を引き継ぐと同時に、箱根特有の山上り・山下りを任せられる戦力を確保できるかが問われる。
藤田敦史監督は2026年度の新チームについて、選手とのコミュニケーションを重視しながら土台づくりを進めてきた。監督就任後に入学した選手が全学年にそろうシーズンでもあり、従来の主力に依存しないチームづくりが課題となっている。
今後の判断材料となるのが、11月1日に予定されている全日本大学駅伝の結果と、冬の箱根駅伝に向けた区間エントリーだ。出雲駅伝では1区で先頭に立つ力を示したものの、6区間を通じた総合成績は7位だった。箱根では距離も区間特性も異なるため、出雲の順位だけで本番の成績を決めつけることはできない。
2027年大会の区間エントリーは、正式発表されたメンバーと直前の選手変更を確認することが欠かせない。注目したいのは、桑田駿介や谷中晴らが長い距離で安定した走りを見せられるか、小山翔也らが主要区間でどこまでタイムを伸ばせるか、そして山の区間に適した選手を配置できるかという3点だ。
【プロの結論】 駒澤大学の2027年大会を評価する際は、出雲駅伝の順位やエースの個人記録だけでなく、全日本大学駅伝でのチームのまとまり、故障者の回復状況、箱根に向けた区間配置の完成度を合わせて見るべきだ。2026年大会の反省を生かし、序盤から終盤まで大きな失速を防げるチームになれば、上位争いに戻る可能性は十分にある。
【箱根駅伝駒澤大学】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:駒澤大学の箱根駅伝2026年の最終順位は何位ですか?
A1:総合6位です。総合タイムは10時間44分50秒で、往路7位、復路3位でした。
Q2:佐藤圭汰の10区のタイムと記録は?
A2:1時間07分31秒で区間賞を獲得し、区間新記録を樹立しました。総合優勝には届きませんでしたが、駒澤大学の最終区間で強い存在感を示しました。
Q3:伊藤蒼唯と小山翔也の成績は?
A3:伊藤蒼唯は6区で56分50秒、区間2位の駒大新記録をマークしました。小山翔也は1区で1時間00分48秒を記録し、区間5位の駒大新記録を樹立しています。
Q4:駒澤大学が総合6位に終わった最大の理由は何ですか?
A4:4区の村上響が走行中の足の痛みで区間19位となり、往路の順位が3位から7位へ後退したことが大きな要因です。主力のコンディション不良に伴う区間配置の変更も、レースプランに影響しました。
Q5:駒澤大学の箱根駅伝の歴代優勝回数は何回ですか?
A5:2026年大会終了時点で8回です。直近の優勝は2023年の第99回大会で、青山学院大学は2026年大会を制して通算9回となりました。
Q6:2027年の駒澤大学の区間エントリーは決まっていますか?
A6:2026年10月28日時点では、2027年大会の最終的な区間エントリーを確定情報として扱う段階ではありません。今後の大学公式発表や大会直前の選手変更を確認する必要があります。
2026年の箱根駅伝で駒澤大学は総合6位に終わった。しかし、伊藤蒼唯の6区区間2位、佐藤圭汰の10区区間新記録、小山翔也の1区駒大新記録など、個々の選手が示した力は確かなものだった。往路7位から復路3位へ巻き返した結果は、チームが最後まで諦めずに戦ったことも示している。
総合優勝を逃した背景には、4区でのアクシデント、主力の故障、区間配置の変更、そして複数区間でのタイムロスがあった。2027年大会に向けては、エースの活躍を待つだけでなく、10区間すべてで安定した走りを実現する準備が求められる。
歴代8回の優勝を誇る駒澤大学が再び頂点を目指すうえで、最も注目したいのは、個人の記録以上にチーム全体の完成度だ。出雲駅伝で見せた若手の台頭を全日本大学駅伝、そして箱根駅伝へとつなげられるか。藤田敦史監督のチームづくりと区間エントリーの発表が、次回大会の行方を占う重要な手掛かりになる。