フィギュアスケートのペアで、フリースケーティング(フリー)の最高得点はいったい何点なのか。2026年10月現在、ISU(国際スケート連盟)の現行採点方式における世界最高得点は、三浦璃来・木原龍一組、通称「りくりゅう」がミラノ・コルティナオリンピックで記録した158.13点です。
2026年2月16日、ショートプログラムで5位だった日本ペアは、フリーで圧巻の演技を披露。自己ベストを更新する得点で逆転し、日本フィギュアスケート界にとって歴史的なペア種目のオリンピック金メダルを獲得しました。ただし、歴代記録を調べる際には、採点方式の変更によって記録が区分されている点に注意が必要です。旧採点方式では、サフチェンコ・マッソ組が2018年世界選手権で162.86点を記録しています。
【2026年最新】りくりゅうが158.13点でペアフリー世界最高得点を更新

2026年ミラノ・コルティナオリンピックのペア競技で、三浦璃来・木原龍一組はフリー158.13点、ショートプログラムと合わせた総合231.24点をマークしました。ISU公式結果によると、フリーの内訳は技術点82.73点、演技構成点75.40点。減点はありませんでした。
特筆すべきは、フリーの得点だけでなく、競技全体の展開です。2月15日のショートプログラムでは73.11点で5位。翌16日のフリーで首位に立つ演技を披露し、総合得点を大きく伸ばして逆転優勝を果たしました。
ロイター通信などの報道によると、この勝利は日本にとってペア種目で初めてのオリンピック金メダルでした。高い難度の技を成功させる技術力と、プログラム全体を通じた完成度が、歴史的な結果につながりました。
ここで押さえておきたいのは、158.13点がISUの現行採点方式におけるフリースケーティングの最高得点だという点です。過去の採点方式で記録された点数まで含めて、数字の大小だけで史上最高を判断するのは正確ではありません。
【公式ランキング】ペアフリー歴代最高得点の上位ペアを比較
ISU公式サイトの「Progression of Highest Scores(最高得点の推移)」では、2018-19シーズン以降の採点方式に基づくペアのフリー記録が確認できます。2026年10月25日時点の公式統計に掲載された上位記録は、次のとおりです。
| 区分・順位 | ペア | フリー得点 | 大会・記録日 |
|---|---|---|---|
| 現行方式1位 | 三浦璃来・木原龍一組(日本) | 158.13点 | ミラノ・コルティナ五輪/2026年2月16日 |
| 現行方式2位 | ミーシナ・ガリャモフ組 | 157.46点 | 欧州選手権/2022年1月13日 |
| 現行方式3位 | スイ・ハン組 | 155.60点 | 世界選手権/2019年3月21日 |
| 現行方式4位 | ジェームズ・シプレ組 | 149.11点 | 欧州選手権/2019年1月24日 |
| 現行方式5位 | ジェームズ・シプレ組 | 148.37点 | グランプリファイナル/2018年12月8日 |
| 旧方式の歴代最高記録 | サフチェンコ・マッソ組 | 162.86点 | 世界選手権/2018年3月22日 |
| 旧方式・五輪での記録 | サフチェンコ・マッソ組 | 159.31点 | 平昌五輪/2018年2月15日 |
この表で重要なのは、現行方式のランキングと旧方式の記録を同じ順位表として扱わないことです。ISUの公式統計では、2018-19シーズン以降の記録と、それ以前の歴史的記録が区別されています。
ミーシナ・ガリャモフ組の157.46点は、2022年欧州選手権で生まれた記録です。スイ・ハン組の155.60点は、2019年世界選手権で記録されました。両組とも、現行方式で150点を超える高得点を残した代表的なペアです。
一方、サフチェンコ・マッソ組の162.86点は2018年世界選手権での記録で、同組が平昌オリンピックで獲得した159.31点とは別の大会の得点です。159.31点もオリンピックの歴史を語るうえで重要な数字ですが、旧方式における同組の最高得点は162.86点でした。
【採点方式の変更】158.13点と162.86点を単純比較できない理由
フィギュアスケートの歴代最高得点を調べると、りくりゅうの158.13点よりも、サフチェンコ・マッソ組の162.86点のほうが大きいことに気づきます。では、162.86点のほうが優れた演技だったのでしょうか。点数だけでは、そう断定できません。
大きな理由は、2018-19シーズンに採点方式が変更されたことです。ISUは技の出来栄えを評価するGOE(Grade of Execution)の評価幅を従来のプラス・マイナス3からプラス・マイナス5へ変更しました。技の基礎点や評価方法にも変更が加わり、過去の得点と新しい得点を同じ尺度で扱えなくなりました。
ISU公式の統計案内でも、プラス・マイナス5のGOE導入に伴い、2018-19シーズンから最高得点の統計をリセットしたことが説明されています。それ以前の記録は歴史的記録として扱われています。
旧採点方式と新採点方式の違いを整理すると、次のようになります。
- 旧採点方式:2017-18シーズンまでの採点方式。サフチェンコ・マッソ組の162.86点は、この方式で生まれた歴史的な最高得点です。
- 現行方式の記録:2018-19シーズン以降の統計で比較。GOEの評価幅や技の評価基準などが変更されたため、現行方式の記録は別枠で管理されています。
- 比較する際の基準:同じ採点方式での順位を比較するのが基本です。異なる方式の点数は、数字の大小だけで演技の質を判断できません。
したがって、「フィギュアスケートのペアフリーで158.13点が世界最高」という表現は、現行採点方式の記録を指す場合に正確です。「過去を含めて158.13点が一度も破られていない最高得点」という意味ではありません。
【ショートとフリーを比較】158.13点は総合得点ではない
フィギュアスケートのペア競技では、ショートプログラムとフリースケーティングの2つの演技を行います。総合順位は、両方の得点を合計して決まります。フリーの最高得点と、競技全体の最高総合得点は別の記録です。
2026年ミラノ・コルティナ五輪のりくりゅうの得点を分解すると、違いがはっきりします。
- ショートプログラム:73.11点
- フリースケーティング:158.13点
- 総合得点:231.24点
ショートプログラムの73.11点は、フリーの158.13点に加算され、総合231.24点となりました。フリー単独の世界最高得点を獲得したことと、総合得点で優勝したことは、関連していますが別々の実績です。
また、総合得点の歴代記録を調べる場合には、フリーのランキングではなく、ISUの「Highest Total Scores(総合最高得点)」を参照する必要があります。ショートとフリーの得点を別大会の記録から足し合わせて、実際には存在しない総合記録を作ることもできません。
得点の内訳にも注目しましょう。ISU公式結果によると、りくりゅうのフリーは技術点82.73点と演技構成点75.40点で構成されています。技の難度や実施の質だけでなく、プログラム全体の表現や完成度も得点に反映される仕組みです。
【世界記録更新の経緯】りくりゅうはなぜ五輪で逆転できたのか
りくりゅうの158.13点を語るうえで見逃せないのが、ショートプログラムからフリーへの巻き返しです。ショートで5位となった段階では、総合優勝に向けてフリーで高い得点を出す必要がありました。
2月16日のフリーでは、映画『グラディエーター』の音楽を使用したプログラムを披露。ISU公式結果に記録された技術点82.73点、演技構成点75.40点という内訳が示すように、技術面と演技全体の評価の両方で高い水準を実現しました。
逆転劇の価値は、単に自己ベストを更新したことだけではありません。五輪のように一度のミスが順位に大きく影響する舞台で、ショートの結果を引きずらず、フリーで演技をまとめ、総合優勝までつなげたことにあります。
ロイター通信の報道では、りくりゅうはショートでのミスによって5位となった後、フリーで大きく巻き返し、2位以下に差をつけて金メダルを獲得しました。日本のペア競技に新たな歴史を刻んだだけでなく、158.13点という現行方式の世界最高得点も同時に生まれました。
世界記録は、選手の能力だけで決まるものではありません。技の構成、実施の精度、プログラム全体の完成度、そして大舞台で力を発揮することが重なって初めて到達できる数字です。りくりゅうの記録は、フリーで高得点を出すことが総合順位をどれほど大きく動かすかを示す事例でもあります。
【プロの結論】歴代最高得点を見るときに知っておきたい3つのポイント
ペアフリーの歴代最高得点を正確に理解するには、記録の数字だけでなく、その数字が生まれた条件まで確認することが欠かせません。特に、2026年のりくりゅうの158.13点と、2018年のサフチェンコ・マッソ組の162.86点を比較するときは、次の3点が判断の軸になります。
1.ISUの公式統計で同じ区分を比較する。現行方式の世界最高得点を知りたい場合は、ISUの最高得点推移を確認します。2026年10月25日時点では、りくりゅうの158.13点が1位です。旧方式の記録も知りたい場合は、歴史的記録を別途確認する必要があります。
2.フリーと総合得点を混同しない。158.13点はフリー単独の得点です。231.24点はショートとフリーを合計した総合得点であり、異なる記録指標です。検索結果やSNSの見出しだけを見ていると、両者を取り違えやすいため注意しましょう。
3.点数の大きさだけで演技の優劣を決めない。採点方式が異なれば、技の基礎点や出来栄え評価の仕組みも異なります。旧方式の162.86点と現行方式の158.13点は、どちらもその時代を代表する記録ですが、数値だけでどちらの演技が上だったかを決めることはできません。
ペア競技の魅力は、ジャンプやスロー、リフト、スピンなどの技術に加え、2人の動きがどれほど調和し、ひとつのプログラムとして完成しているかにもあります。記録の背景まで理解すれば、数字を追うだけでは見えにくい演技の価値も読み取れるようになります。
【フィギュアスケートペア歴代最高得点フリー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:フィギュアスケートのペアフリーで世界最高得点は何点ですか?
A1:2026年10月現在、ISUの現行採点方式における最高得点は、三浦璃来・木原龍一組が2026年ミラノ・コルティナ五輪で記録した158.13点です。
Q2:ミーシナ・ガリャモフ組のフリー得点は何点ですか?
A2:157.46点です。2022年1月13日の欧州選手権で記録され、現行採点方式のISU公式統計では、りくりゅうに次ぐ2位に位置しています。
Q3:サフチェンコ・マッソ組の159.31点は世界最高記録ではないのですか?
A3:159.31点は、2018年平昌オリンピックのフリーで記録した得点です。同組は同年の世界選手権で162.86点も記録しています。いずれも旧採点方式の記録で、2018-19シーズン以降の現行方式のランキングとは区別して扱われます。
Q4:158.13点はショートプログラムを含めた総合得点ですか?
A4:いいえ。158.13点はフリー単独の得点です。りくりゅうはショートプログラムで73.11点を獲得し、フリーと合わせた総合得点は231.24点でした。
Q5:なぜ採点方式が変更されると世界記録がリセットされるのですか?
A5:GOEの評価幅や技の評価基準などが変更されると、同じ演技でも得点の算出方法が変わるためです。ISUは2018-19シーズンから最高得点の統計を新たに管理し、それ以前の記録は歴史的記録として区別しています。
フィギュアスケートのペアフリーで、2026年10月現在、現行採点方式の世界最高得点に立つのは三浦璃来・木原龍一組の158.13点です。ミラノ・コルティナ五輪でのこの記録は、ショートプログラム5位からの逆転金メダルとともに、日本のペア競技史に残る成果となりました。
現行方式のランキングでは、ミーシナ・ガリャモフ組の157.46点、スイ・ハン組の155.60点が続きます。一方、旧採点方式ではサフチェンコ・マッソ組が世界選手権で162.86点を記録しており、158.13点を「採点方式を問わない数値上の史上最高得点」と説明するのは正確ではありません。
歴代最高得点を調べる際は、採点方式・フリー単独か総合か・大会と記録日の3点を確認することが大切です。この基準を押さえておけば、2026年最新の世界記録だけでなく、過去の名演技がフィギュアスケート史の中でどのような位置を占めているのかも、より正確に理解できます。