2026年のJRA調教師引退で大きな節目となったのが、3月3日付で定年引退した国枝栄、小西一男、佐々木晶三、土田稔、西園正都、根本康広、南田美知雄の7名です。アーモンドアイやアパパネ、キズナ、タップダンスシチーなど、競馬史に名を残す名馬を管理した調教師たちが、長年の厩舎運営に区切りをつけました。
JRAは2026年2月10日に引退予定者を公表し、3月3日には引退調教師の管理馬について転厩先を発表しました。3月4日付で移籍した競走馬は合計201頭に上ります。加えて、2026年10月現在のJRA公式プロフィールには、5月20日に引退した萩原清調教師、6月30日に引退した田村康仁調教師も掲載されています。
【2026年最新】JRAで3月3日に定年引退した調教師7名の一覧

JRAの公式発表によると、2026年3月3日に引退したのは美浦所属の5名と栗東所属の2名です。いずれも発表上の区分は「引退調教師(定年)」で、個別の不祥事や健康上の理由による引退として発表されたものではありません。
- 国枝栄(美浦):アーモンドアイ、アパパネなどを管理した名伯楽。
- 小西一男(美浦):ペイシャエスなどを管理。騎手時代から中山競馬場との縁が深い。
- 佐々木晶三(栗東):キズナ、アーネストリー、タップダンスシチーなどを管理。
- 土田稔(美浦):タイキシャーロック、ハイランドピークなどを管理。
- 西園正都(栗東):サダムパテック、ジュールポレールなどを管理。
- 根本康広(美浦):騎手・調教師として長く競馬界に携わり、後進の育成にも取り組んだ。
- 南田美知雄(美浦):カッツミー、サペラヴィなどを管理。
7名の引退は、単に厩舎の責任者が交代するというだけではありません。管理馬の健康状態や調教方針、レースへの出走計画を引き継ぎながら、新たな担当調教師のもとで競走生活を続ける馬もいます。ファンにとっては、これまで追いかけてきた馬の出走情報を確認する際にも関係する出来事です。
なお、2026年の引退調教師全体を調べる場合は、3月3日の7名だけでは完結しません。JRAの「引退調教師プロフィール」には、萩原清調教師の5月20日付、田村康仁調教師の6月30日付の引退も記録されています。3月3日の7名は、あくまで同日に定年引退したグループです。
【通算成績を比較】国枝栄・西園正都ら7名の実績と代表的な管理馬
7名の実績を比較すると、勝利数だけでなく、管理馬が達成したタイトルや競馬界に残した足跡にも違いがあります。以下はJRAの2026年引退調教師紹介に掲載された通算成績と主な管理馬を整理したものです。成績はJRA主催競走の記録です。
| 調教師名・所属 | JRA通算成績 | 主な管理馬 | 転厩した管理馬 |
|---|---|---|---|
| 国枝栄・美浦 | 9,530戦1,123勝 重賞70勝 |
アーモンドアイ、アパパネ、ブラックホーク | 51頭 |
| 小西一男・美浦 | 7,563戦537勝 重賞8勝 |
ペイシャエス、ゴーゴーナカヤマ | 28頭 |
| 佐々木晶三・栗東 | 7,571戦680勝 重賞53勝 |
キズナ、アーネストリー、タップダンスシチー | 24頭 |
| 土田稔・美浦 | 6,788戦386勝 重賞4勝 |
タイキシャーロック、ハイランドピーク | 17頭 |
| 西園正都・栗東 | 8,873戦749勝 重賞32勝 |
サダムパテック、ジュールポレール | 36頭 |
| 根本康広・美浦 | 6,420戦218勝 | アラレタバシル、ネイチャーシップなど | 25頭 |
| 南田美知雄・美浦 | 6,345戦210勝 重賞3勝 |
カッツミー、サペラヴィ | 20頭 |
国枝栄調教師は、7名のなかで最多となる1,123勝を記録しました。JRA公式紹介によると、重賞勝利は70勝。2010年のアパパネ、2018年のアーモンドアイという2頭の牝馬三冠馬を育てた実績は、とりわけ大きな功績です。アーモンドアイはJRA・GⅠ8勝を挙げ、ジャパンカップや天皇賞(秋)などで活躍しました。
西園正都調教師はJRA通算749勝、重賞32勝。サダムパテックで2012年のマイルチャンピオンシップを制し、ジュールポレールでは2018年のヴィクトリアマイルを勝利しました。長年にわたり数多くの競走馬を送り出し、栗東を代表する調教師の一人として実績を積み上げました。
佐々木晶三調教師の代表馬には、2013年の日本ダービーを制したキズナ、2011年の宝塚記念を勝ったアーネストリー、2003年のジャパンカップなどを制したタップダンスシチーがいます。JRA全10競馬場で重賞勝利を挙げたことも、同調教師の実績を語るうえで外せないポイントです。
小西一男調教師は、ペイシャエスやゴーゴーナカヤマなどを管理。土田稔調教師はタイキシャーロックやハイランドピーク、南田美知雄調教師はカッツミーやサペラヴィで重賞タイトルを獲得しました。根本康広調教師も、長年の厩舎運営を通じて競走馬の育成と騎手の成長を支えてきました。
ここで注意したいのは、勝利数だけで調教師の功績を判断しないことです。管理馬の競走実績はもちろん、競走馬の状態を見極める能力、厩舎スタッフとの連携、長期的な育成方針、後進への技術継承なども、調教師の仕事を評価するうえで欠かせません。
【転厩先はどこ?】引退調教師の管理馬201頭が新しい厩舎へ
JRAが2026年3月3日に公表した「引退調教師の管理馬の転厩」によると、7厩舎から移籍した管理馬は合計201頭です。転厩日は3月4日付で、JRAは調教師ごとに馬名と新しい調教師名を一覧にして公表しました。
注目馬の転厩先には、次のような例があります。
- シックスペンス:国枝栄厩舎から田中博康厩舎へ。
- アロンズロッド:国枝栄厩舎から宮田敬介厩舎へ。
- ペイシャエス:小西一男厩舎から高木登厩舎へ。
- ラムジェット:佐々木晶三厩舎から松永幹夫厩舎へ。
- ビッグシーザー:西園正都厩舎から杉山晴紀厩舎へ。
- メイショウフンジン:西園正都厩舎から秋山真一郎厩舎へ。
これらは転厩馬一覧から確認できる具体例で、全201頭の移籍先を網羅したものではありません。個々の馬の新しい調教師を確認する際は、JRAが公表した「3月4日付 転厩馬一覧」を参照するのが確実です。
転厩は、馬の競走生活が終わることを意味しません。新しい厩舎では、馬の状態や適性、これまでのレース内容などを踏まえながら、その後の調教や出走計画を組み立てていきます。転厩直後の成績だけで新しい厩舎の評価を決めるのではなく、一定期間の競走内容や馬の状態の変化を見ていくことが大切です。
また、転厩は馬主の所有権が移ることと同じではありません。今回の発表は、引退する調教師が管理していた競走馬の担当調教師が変更されるというものです。馬主や競走馬の所有関係と、厩舎の所属関係は分けて理解する必要があります。
【引退理由を解説】JRA調教師の定年70歳と3月3日付の仕組み
今回の7名に共通する引退理由は、JRAの定年制度です。JRAの2026年2月10日付発表では、7名を「引退調教師(定年)」として公表しています。報道や本人の経歴紹介でも、JRA調教師の定年は70歳と説明されています。
そのため、国枝栄調教師の引退についても、特定の病気や不祥事を理由とする発表があったわけではありません。JRAの制度上の定年を迎え、調教師免許の有効期間が終了することに伴う引退です。西園正都、佐々木晶三、小西一男、根本康広、南田美知雄、土田稔の各調教師についても、JRAは同じく定年引退として発表しています。
引退日が3月3日になった背景には、調教師免許の有効期間に関する規定があります。JRAの発表では、日本中央競馬会競馬施行規程第50条第2項に基づき、7名の免許の有効期間を2026年3月3日(火曜)まで延長したと説明されています。つまり、3月3日という日付は、単にそれぞれの誕生日に合わせたものではなく、免許の有効期間に関する制度上の取り扱いと関係しています。
小西一男調教師の引退経緯を振り返るうえでは、最後の出走も印象的です。JRAの開催情報によると、3月1日の中山12Rで出走したガーネットウインクが最後の出走馬となり、結果は11着でした。小西調教師はJRAのコメントで、子どもの頃から中山競馬場が遊び場であり、騎手、調教師として70年間をこの競馬場で過ごしてきたと振り返っています。
国枝調教師も3月1日の中山9Rで出走したバードウォッチャーが最後の出走馬となりました。JRAに掲載されたコメントでは、最後の日を迎えた感慨を語り、日本の競馬の今後に期待を寄せています。長年のキャリアに幕を下ろす日が、競馬場での最後の出走と結びついていたことが分かります。
なお、定年引退と、本人の判断による勇退やその他の事情による引退は区別する必要があります。2026年のJRA引退調教師一覧を確認する際は、引退日だけでなく、公式プロフィールや発表に記載された引退区分も併せて見ると、背景を正確に把握できます。
【引退後の活動】国枝栄は厩舎の現場へ、西園正都は後進に夢を託す
調教師の引退は、必ずしも競馬界との関わりが完全になくなることを意味しません。引退後の活動は人によって異なり、馬の世話を続ける人もいれば、競馬をファンとして見守る人、経験を次世代に伝える人もいます。
2026年の引退調教師のなかで、特に注目されたのが国枝栄氏のその後です。日刊スポーツの2026年4月3日付報道によると、国枝氏は4月7日から美浦の小島茂之厩舎で補充員として勤務することになりました。定年で調教師を退いた後も、馬に直接関わる現場で仕事を続ける選択をしたのです。
加えて、文藝春秋PLUSに掲載された2026年7月9日付の国枝氏本人の手記では、評論家の仕事などの打診もあった一方、馬のそばにいたいという思いから次の道を選んだことが紹介されています。アーモンドアイやアパパネを育てた調教師が、引退後は現場で馬と向き合う仕事に移ったという点は、競馬界におけるキャリアの多様性を示す事例です。
西園正都調教師は、JRAの引退時コメントで、長年の騎手・調教師生活を振り返り、息子の西園翔太調教師に夢を託す考えを語りました。後進の調教師が厩舎運営を続けることは、技術や経験が次の世代へ引き継がれていくという意味でも注目されます。
佐々木晶三、小西一男、根本康広、南田美知雄らの引退時コメントにも、ファンとして競馬を応援し続ける姿勢が表れています。ただし、競馬を見守る意向と、解説者やアドバイザーなどの職務に就くことは別です。引退後の具体的な活動については、本人や所属先による発表があった場合に、その内容を確認する必要があります。
調教師としてのキャリアを終えた後も、馬との関係を続ける道は一つではありません。国枝氏のように現場で働く道、後進の成長を見守る道、競馬をファンとして楽しむ道など、それぞれの経験や希望に応じた選択があることが分かります。
【誤解を整理】アーモンドアイやキズナの転厩先は今回の一覧に含まれる?
今回の引退に関連して、アーモンドアイやキズナの転厩先を探す読者もいる可能性があります。しかし、両馬は国枝栄、佐々木晶三両調教師の代表的な管理馬として知られる過去の実績であり、2026年3月4日付で移籍した201頭の一覧と混同しないことが重要です。
JRAが公表した転厩一覧は、引退する7名が管理していた対象馬について、新しい調教師を示したものです。過去に管理していた名馬すべてが転厩するという意味ではありません。競走馬の現在の状況と、元調教師の代表的な管理馬という経歴情報は別々に確認しましょう。
同じように、「調教師引退」という検索語だけでは、定年引退、勇退、個別の事情による引退、引退後の活動まで、異なる情報が一緒に表示されることがあります。JRAの公式発表では、引退日、引退区分、管理馬の転厩情報がそれぞれ別の資料に掲載されることがあるため、ひとつの情報だけで全体を判断しないことが大切です。
2026年の最新情報を確認する際には、まずJRAの引退調教師プロフィールで対象者と引退日を確認し、次に通算成績や代表馬を見ます。そのうえで、現役管理馬の転厩先を調べ、引退後の活動については本人のコメントや信頼できる報道を確認するという順番が分かりやすい方法です。
【調教師引退】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年3月3日に定年引退したJRA調教師は誰ですか?
A1:国枝栄、小西一男、佐々木晶三、土田稔、西園正都、根本康広、南田美知雄の7名です。JRAは2026年2月10日に引退予定を公表し、3月3日付の引退を案内しました。
Q2:引退調教師が管理していた競走馬の転厩先はどこで確認できますか?
A2:JRAが2026年3月3日に発表した「引退調教師の管理馬の転厩」で確認できます。3月4日付で計201頭が転厩し、調教師ごとに馬名と新しい調教師名が一覧になっています。
Q3:国枝栄元調教師は引退後、競馬界を離れたのですか?
A3:いいえ。日刊スポーツの2026年4月3日付報道によると、国枝氏は4月7日から美浦の小島茂之厩舎で補充員として勤務することになりました。調教師としてのキャリアを終えた後も、馬に関わる現場で活動を続けています。
2026年3月3日に定年引退したJRA調教師7名は、長年にわたって競走馬を育て、数多くのレースで実績を残してきました。国枝栄調教師のJRA通算1,123勝と重賞70勝をはじめ、西園正都、佐々木晶三、小西一男らも、それぞれの管理馬を通じて競馬史に足跡を刻んでいます。
引退に伴い、JRAは管理馬201頭の転厩を発表しました。シックスペンスやペイシャエス、ラムジェットなどの転厩先は、今後のレースを追いかけるファンにとっても押さえておきたい情報です。一方、アーモンドアイやキズナといった名馬は、今回の転厩一覧と過去の管理実績を分けて理解する必要があります。
競馬ファンが調教師引退の情報を調べる際に重視したいのは、引退日だけではありません。定年か勇退かという区分、JRA通算成績、代表的な管理馬、現役管理馬の転厩先、引退後の活動まで確認することで、出来事の背景がより明確になります。
2026年の引退調教師情報は、3月3日の7名だけでなく、その後の引退者も含めて更新されています。JRAの公式プロフィールと転厩発表を基準に、馬の新しい所属先や調教師たちの今後の活動を追うことが、競馬界の変化を正確に理解するための近道です。