2026年10月現在、小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけ・ただまさ)を主人公とするNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』は、2027年1月10日(日)に放送開始予定です。主演は松坂桃李、勝海舟役は大沢たかお、脚本は安達奈緒子が担当します。舞台は幕末。明治新政府から「逆賊」と見なされた幕臣が、日本の近代化に向けて何を成し遂げ、なぜ歴史の表舞台から姿を消したのかを描く作品です。
小栗忠順は、1860年の遣米使節としてアメリカを訪れ、西洋の技術や制度を目の当たりにした人物です。帰国後は幕府の要職を歴任し、横須賀製鉄所の建設や軍制改革、財政・外交政策に携わりました。一方、勝海舟とは同じ幕臣でありながら政治改革の方向性に違いがありました。2027年は小栗の生誕200年にあたります。ドラマの放送日、キャスト、あらすじに加え、史実における功績と「逆賊」と呼ばれた背景を整理します。
【2026年最新】2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』は1月10日スタート予定

『逆賊の幕臣』は、NHK大河ドラマの第66作として制作される幕末歴史ドラマです。NHK財団が運営する番組情報メディア「ステラnet」では、放送開始日を2027年1月10日(日)と案内しています。主演発表は2025年3月3日、勝海舟役の発表は同年10月23日でした。
作品の中心となるのは、幕末の幕臣・小栗忠順です。一般に「小栗上野介」と呼ばれる人物で、1827年に生まれ、1868年に亡くなりました。2027年は生誕200年の節目にあたります。
これまでの幕末ドラマでは、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟など、明治維新につながる人物が物語の中心となることが少なくありませんでした。それに対して本作は、幕府の内部で制度改革や外交に取り組んだ小栗の視点から、幕末の政治と社会を描きます。維新を成し遂げた側だけではなく、旧幕府側の官僚が何を考え、どのような未来を構想していたのかに焦点を当てる点が特徴です。
脚本を担当するのは安達奈緒子。NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』やドラマ10『透明なゆりかご』などを手がけてきた脚本家です。番組の時代考証には岩下哲典、門松秀樹が参加しています。
なお、2026年10月時点では、放送開始日と主要キャスト、作品の基本設定が公表されています。全話数や各回の詳細な展開については、個別の発表を確認する必要があります。
【キャスト一覧】小栗忠順役は松坂桃李、勝海舟役は大沢たかお
『逆賊の幕臣』の大きな見どころは、松坂桃李と大沢たかおが演じる小栗忠順・勝海舟の関係です。2025年3月に主演が発表され、同年10月には大沢たかおの出演が発表されました。その後も2026年を通じて出演者が順次発表され、10月9日には中村倫也、寛一郎、斎藤工、西岡德馬らの参加が明らかになっています。
2026年10月28日時点で発表されている主なキャストをまとめました。出演者の発表は段階的に行われているため、以下は主要人物を中心とした一覧です。
| 役名・人物 | 出演者 | 物語での位置づけ |
|---|---|---|
| 小栗忠順(小栗上野介) | 松坂桃李 | 主人公。幕府の財政・外交・軍事改革に携わる幕臣 |
| 勝海舟 | 大沢たかお | 小栗のライバルであり、近代化を目指す幕臣 |
| 小栗忠高 | 北村有起哉 | 小栗忠順の父 |
| くに | 鈴木京香 | 小栗忠順の母 |
| みち | 上白石萌音 | 小栗忠順の妻 |
| 井伊直弼 | 岡部たかし | 小栗を取り立てる幕府の大老 |
| 安積艮斎 | 中村雅俊 | 小栗の師となる儒学者 |
| 栗本鋤雲 | 青木崇高 | 小栗を支える盟友 |
| 駒井朝温 | 高橋光臣 | 小栗の幼なじみ |
| 滝川具挙 | 宮野真守 | 小栗の幼なじみの旗本 |
| 勝たみ | 瀧内公美 | 勝海舟の妻 |
| 小栗忠道(悌次郎) | 齋藤潤 | 小栗家の養子 |
| 建部政醇 | 飯尾和樹 | 小栗の妻・みちの父 |
| 荒川祐蔵 | 草川拓弥 | 小栗に仕える従者 |
| 徳川家慶 | 宅麻伸 | 江戸幕府12代将軍 |
| 徳川家定 | ふかわりょう | 江戸幕府13代将軍 |
| 徳川家茂 | 神尾楓珠 | 江戸幕府14代将軍 |
| 阿部正弘 | 岩田剛典 | 幕政改革に取り組む老中 |
| 徳川斉昭 | 柄本明 | 水戸藩主で幕末政治に影響を与えた人物 |
| 孝明天皇 | 眞栄田郷敦 | 開国をめぐる政治対立の中心となる天皇 |
| 明治天皇 | 奥野壮 | 明治維新期の天皇 |
| 岩倉具視 | 山中崇 | 朝廷側の政治家 |
| 鷹司政通 | 長塚京三 | 朝廷で大きな影響力を持つ公家 |
| 吉田松陰 | 中村倫也 | 倒幕派に影響を与える思想家・教育者 |
| 高杉晋作 | 寛一郎 | 長州藩の志士 |
| 島津久光 | 斎藤工 | 薩摩藩の政治を主導する人物 |
| 島津斉彬 | 西岡德馬 | 薩摩藩の近代化を推進した藩主 |
キャストのなかでも注目したいのは、主人公を取り巻く人間関係の広さです。小栗の家族や盟友だけでなく、将軍、老中、朝廷、薩摩・長州の志士たちが登場します。幕府内部の改革だけを描くのではなく、外交、財政、軍事、朝廷との政治交渉が絡み合う構成になることが、公式あらすじから読み取れます。
また、勝海舟の妻・たみや小栗の妻・みちなど、歴史上の政治家を支えた家族も登場します。大きな政治の転換を、権力者の決断だけではなく、家庭や身近な人間関係からも描く点に注目です。
【あらすじ】遣米使節から幕府改革へ、小栗忠順が目指した日本の未来
公式あらすじの出発点は、万延元年(1860年)の遣米使節です。小栗忠順は日米修好通商条約の批准書交換を目的とした使節団の一員として渡米しました。使節団の中核を担った小栗は、米艦ポーハタン号に乗船。一方、勝海舟は日本の軍艦・咸臨丸に乗り、太平洋を渡る経験をしました。
この航海は、単なる海外訪問ではありません。欧米列強が軍事力と産業力を背景にアジアへ進出していた時代に、日本が独立を維持するためには何が必要なのか。小栗は西洋の制度や技術を目の当たりにし、帰国後、幕府の改革を進めようとします。
しかし、幕府を取り巻く状況は厳しさを増していました。井伊直弼の暗殺、攘夷運動の激化、条約をめぐる朝廷との対立、生麦事件などに伴う外交問題、長州征討による財政負担が重なります。薩摩や長州の勢力が政治的な発言力を増すなか、幕府は国内の対立と外国からの圧力に同時に対応しなければなりませんでした。
小栗は勘定奉行などの要職を務め、財政、外交、軍事の改革に取り組みます。さらにフランスの協力を得て近代的な造船施設の建設を進めますが、幕府の改革を加速させることは、既存の政治体制や利害関係との衝突も意味しました。
物語のもう一つの軸が、勝海舟との関係です。番組の公式紹介では、小栗を制度の内側から幕府を改良しようとするエリート、勝を幕府の枠組みにとらわれず人材の力を生かそうとする叩き上げとして対比しています。二人は異なる方法で日本の未来を考え、ときには協力し、ときには対立します。
そして1868年、戊辰戦争と明治維新のなかで、小栗は幕府の役職を解かれ、上野国の権田村へ退きます。その後、新政府軍に捕らえられ、処刑されました。近代化を志した人物が、新しい時代の始まりとともに命を落とす。この歴史的な逆説が『逆賊の幕臣』の物語を貫くテーマです。
【史実解説】小栗上野介の功績は横須賀製鉄所の建設だけではない
小栗忠順の功績を語るうえで、最も重要な事業の一つが横須賀製鉄所の建設です。ただし、小栗の役割は施設の建設現場で技術者として働くことではありませんでした。幕府の政策担当者として造船施設の必要性を認識し、フランス側との協力を取り付け、近代的な工業施設の実現を推進した点にあります。
横須賀市の公式解説によると、幕府は1865年に横須賀製鉄所の建設に着手しました。フランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーが建設を主導し、フランスから技術者や職工らが招かれました。施設には造船に必要な設備だけでなく、技術を導入し、人材を育てるという目的もありました。
幕府が崩壊した後も事業は新政府に引き継がれ、1871年には第1号ドックが完成します。小栗が進めた構想は、政権交代を越えて日本の造船・工業基盤の形成につながりました。
小栗の功績は、横須賀製鉄所だけに限りません。国立国会図書館の「近代日本人の肖像」は、小栗が遣米使節の一員として渡米した後、勘定奉行や軍艦奉行などを務め、横須賀製鉄所建設、関税率改訂交渉、軍制改革などに携わったことを紹介しています。幕府財政が厳しさを増すなかで、経済、外交、軍事を横断して実務を担った人物でした。
小栗の近代化構想を理解するうえでは、次の三つの視点が欠かせません。
- 産業基盤:横須賀製鉄所の建設を推進し、造船や機械技術を国内に根づかせるための基礎を築いた。
- 外交・経済:遣米使節として海外の制度や技術に触れ、関税率改訂交渉などにも関わった。
- 軍制・国家運営:軍制改革や幕府財政の実務を通じ、外国の軍事的圧力に対応できる体制を整えようとした。
ここで重要なのは、近代化を小栗一人の功績に還元しないことです。横須賀製鉄所の実現には、フランス側の技術者ヴェルニーをはじめ、多くの技術者や職工が関わりました。また、施設の建設を可能にする外交交渉、予算、政治的な意思決定も必要でした。小栗は、それらを結びつけて事業を推進した政策担当者として評価するのが適切です。
横須賀製鉄所が明治政府に引き継がれ、その後も発展した事実は、小栗の構想が旧幕府の消滅とともにすべて失われたわけではないことを示しています。『逆賊の幕臣』を見る際には、人物の最期だけでなく、彼が残した制度や施設が後世にどう受け継がれたのかにも目を向けたいところです。
【勝海舟との関係】ライバルであり、近代化を志した二人の違い
小栗忠順と勝海舟は、ともに幕臣でありながら、出自も政治への向き合い方も異なる人物でした。小栗は旗本の家に生まれ、幕府の制度の中心で経験を積んだエリート官僚です。勝は比較的低い家格から身を起こし、蘭学や海軍の知識を身につけて幕府内で存在感を高めました。
二人に共通していたのは、外国の軍事力や技術を理解し、日本が変化に対応する必要性を認識していたことです。しかし、幕府をどう変えるべきかという点では違いがありました。
番組の公式紹介では、小栗は幕府の制度を改良し、組織として国を支える仕組みをつくろうとする人物として描かれます。一方の勝は、幕府の枠組みにこだわらず、能力のある個人が活躍できる道を重視する人物として対比されています。この違いが、同じ危機に向き合いながらも、二人の進む道が分かれていくドラマを生み出します。
ただし、二人の関係を単純な敵対関係として捉えるのは適切ではありません。幕末の政治は、開国か攘夷か、幕府を維持するか倒すかという二択だけで動いていたわけではありません。外交交渉を続けながら軍備を整える、幕府の制度を改めながら政権の維持を図るなど、複数の選択肢が競い合っていました。
また、勝海舟は江戸城の無血開城に関わった人物として広く知られていますが、小栗は戊辰戦争の局面で強硬な抗戦論を主張したため、幕府内での立場を失いました。二人の違いは、単なる性格の差ではなく、政権崩壊の危機に直面したとき、どのような方法で国の将来を守るかという政治判断の差でもありました。
ドラマでは、二人の会話や対立がどの程度史実に基づくのかも注目点です。史実上の役職や出来事と、物語を進めるために構成された人物描写は分けて考える必要があります。とくに「最大のライバル」「理解者」といった表現は、番組が提示する人物関係の見どころとして受け止めると、史実との混同を避けやすくなります。
【なぜ逆賊と呼ばれた?】処刑の背景とドラマが描く史実との違い
『逆賊の幕臣』というタイトルで最も気になるのは、幕府の近代化に貢献した小栗が、なぜ「逆賊」と見なされたのかという点でしょう。国立国会図書館の人物紹介によると、小栗は戊辰戦争に際して強硬な抗戦論を主張し、幕府の役職を解かれた後、上野国の権田村に隠棲しました。その後、新政府軍に捕らえられ、1868年5月27日に処刑されています。
小栗が生きたのは、江戸幕府から明治新政府へと権力が移る激動期です。旧幕府側の軍備や政治的影響力は、新政府にとって警戒の対象となりました。小栗が抗戦論を唱え、幕府の軍事・財政改革を担っていたことは、政権交代後に彼が厳しい立場に置かれる背景の一つとなります。
ただし、「逆賊」という言葉を、当時の裁判で確定した正式な罪名と同じ意味で理解するのは慎重であるべきです。番組タイトルが示すのは、新政府が成立する過程で旧幕府側の人物がどのように扱われ、歴史の勝者と敗者がどのように位置づけられたのかという問題です。処刑の具体的な理由や手続きについては、史料の読み解きと歴史研究を踏まえて考える必要があります。
小栗の評価には、近代化への貢献と、幕府を守ろうとした政治的立場の両面があります。後世から見れば横須賀製鉄所の建設は近代日本の発展につながる重要な事業でしたが、当時の小栗はあくまで幕臣であり、徳川幕府の制度と権力を支える立場にありました。近代化を進めることと、旧体制の存続を目指すことは、必ずしも矛盾しなかったのです。
この点が、単純な英雄譚とは異なる小栗忠順の面白さです。近代化に必要な政策を推進しても、その政策を実行する政治体制が崩壊すれば、本人が評価されるとは限りません。制度や技術が後世に受け継がれる一方で、政策を担った人物が政治的敗者として処刑されることもあります。
史実とドラマの違いを考える際には、次の三点を分けて見ると理解しやすくなります。
- 史実として確認できること:小栗の遣米使節参加、幕府の要職での活動、横須賀製鉄所建設への関与、戊辰戦争期の罷免と処刑。
- ドラマ上の構成:登場人物の会話、場面の順序、人物同士の感情や葛藤の具体的な描写。
- 歴史的な解釈:小栗がどの程度近代日本の基盤を築いたのか、処刑にどのような政治的要因が作用したのかという評価。
2026年10月時点では、本編の放送前であり、個々の場面が史実とどのように異なるかを確定することはできません。放送後は、公式あらすじや番組内の描写を、国立国会図書館の人物資料や横須賀市の歴史解説などと照らし合わせることで、史実と脚色をより具体的に比較できます。
また、小栗をめぐる逸話は、後世に広まった話と同時代の記録を区別して読むことが重要です。印象的な言葉や劇的なエピソードが紹介されていても、それだけで本人の発言や実際の出来事だったと判断することはできません。作品を楽しみながら、歴史資料によって確認できる部分と、物語として表現された部分の違いを意識したいところです。
【小栗上野介大河ドラマ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:小栗上野介が主人公の大河ドラマはいつから放送されますか?
A1:『逆賊の幕臣』は、2027年1月10日(日)に放送開始予定です。2026年10月時点で、番組情報メディア「ステラnet」などがこの日程を案内しています。
Q2:小栗忠順役と勝海舟役は誰が演じますか?
A2:小栗忠順役は松坂桃李、勝海舟役は大沢たかおです。脚本は安達奈緒子が担当し、二人の異なる政治姿勢や、幕末の近代化をめぐる葛藤が物語の重要な軸となります。
Q3:小栗上野介の最大の功績は何ですか?
A3:代表的な功績の一つが横須賀製鉄所の建設推進です。小栗は幕府の政策担当者として建設を進め、フランス人技師ヴェルニーらが技術面を担いました。また、遣米使節への参加、関税率改訂交渉、軍制改革などにも携わっています。
Q4:小栗上野介はなぜ「逆賊」と呼ばれたのですか?
A4:戊辰戦争期に強硬な抗戦論を主張し、幕府の役職を解かれた後、新政府軍に捕らえられて処刑されたことが背景にあります。ただし、「逆賊」という言葉を正式な罪名と同一視せず、政権交代の過程で旧幕府側の人物がどのように評価されたのかという観点から考える必要があります。
Q5:小栗忠順と勝海舟は本当にライバルだったのですか?
A5:二人はともに幕臣であり、外国の技術や制度を理解して日本の将来を考えた人物です。一方、幕府の制度を改良しようとする小栗と、既存の枠組みにとらわれない勝では政治への向き合い方が異なりました。ドラマでは、対立だけでなく互いの能力を認め合う関係も見どころとして描かれます。
2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』は、2027年1月10日(日)に放送開始予定です。主演は松坂桃李、勝海舟役は大沢たかお、脚本は安達奈緒子。小栗上野介忠順を中心に、幕末の外交、財政、軍事改革と、明治維新をめぐる政治的な対立が描かれます。
史実の小栗は、遣米使節として西洋の技術や制度に触れ、横須賀製鉄所の建設、関税率改訂交渉、軍制改革などに携わった幕臣でした。その一方で、戊辰戦争期には強硬な抗戦論を主張し、幕府の崩壊後に新政府軍に捕らえられて処刑されます。
この人物を理解する鍵は、「近代化を進めた功労者」と「旧幕府を支えた政治家」という二つの側面を切り離さないことです。横須賀製鉄所の建設に象徴される技術・産業面での先見性と、政権交代のなかで選んだ政治的立場。その両方を見つめることで、小栗忠順の生涯は単なる悲劇ではなく、近代日本がどのように形づくられたのかを考える手がかりになります。
放送では、松坂桃李が演じる小栗と大沢たかおが演じる勝の関係、横須賀製鉄所の建設をめぐる描写、そして「逆賊」という言葉に込められた意味に注目です。物語の迫力を楽しみながら、史実に残る記録とドラマならではの表現を照らし合わせることで、幕末という時代をより立体的に理解できるはずです。