プロ野球選手はタバコを吸うのか。現役選手の喫煙率はどのくらいなのか。こうした疑問に対して、2026年現在、まず押さえておきたいのは、プロ野球選手だけを対象にした信頼できる喫煙率の公表統計が見当たらないことです。一方、元選手の証言や球団の禁煙ルールに関する報道からは、かつての球界で喫煙が身近な習慣だったことや、健康管理を重視する動きが強まっていることが分かります。
現役選手の現在の喫煙状況を、過去の写真や報道だけで判断することはできません。西武の今井達也投手が19歳だった2018年に喫煙問題で処分を受けた事例や、阪神が2024年11月からチーム活動時の全面禁煙を導入した動きは、喫煙をめぐる問題を考えるうえで重要な事実です。公的統計、本人の証言、球団のルール、医学的な知見を整理し、野球選手とタバコの関係を検証します。
【2026年最新】野球選手はタバコを吸う?現役選手の喫煙率と実態

プロ野球選手の中に喫煙経験者や喫煙者がいることは、元選手の証言や過去の報道から確認できます。ただし、2026年現在の現役選手について、誰が喫煙しているのか、球界全体の何%が喫煙者なのかを網羅的に示す公的データは確認できません。
喫煙率を考える際に参考になるのが、厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」です。2025年12月に公表された同調査によると、2024年に習慣的に喫煙している20歳以上の人の割合は、男女計14.8%、男性24.5%、女性6.5%でした。
これは一般成人を対象とした統計であり、プロ野球選手の喫煙率ではありません。競技者だけを抽出した調査ではないため、「プロ野球選手の約4人に1人が喫煙者」といった推定に使うこともできません。
一方、元阪神の鳥谷敬氏は2024年2月、テレビ番組でプロ野球界の喫煙事情について、自身は吸わないとしたうえで、現役時代には遠征バスが喫煙車と禁煙車に分かれるほど喫煙者がいたと振り返っています。試合中にベンチ裏でタバコを吸い、打席に入る前に気持ちを切り替える選手もいたと説明しました。
この証言は、球界に喫煙習慣が存在してきたことを示す一例です。ただし、特定の時期やチームでの経験に基づく証言であり、2026年の現役選手全体の割合を示す統計とは区別する必要があります。
検索されることの多い「プロ野球喫煙者一覧」についても、過去に喫煙が報じられた人物、現役時代に喫煙を公言したOB、現在も喫煙していることが確認できる人物は、それぞれ別のカテゴリーです。過去の喫煙歴があるというだけで、現在も吸っていると判断することはできません。
【報道の真相】現役選手とOBの喫煙事情を過去の事例から比較
野球選手の喫煙報道を読み解くには、本人の発言、球団の公式発表、報道機関による取材記事を分けて確認することが大切です。過去の事例を時系列で整理すると、喫煙の事実が確認できるケースと、現在の状況までは分からないケースの違いが見えてきます。
| 時期 | 人物・出来事 | 確認できる事実と注意点 |
|---|---|---|
| 2013年 | 侍ジャパン周辺の喫煙事情 | ITmediaの当時の記事は、代表チーム周辺の喫煙習慣や、ストレスへの対処としてタバコを挙げる選手の証言を紹介。現在の状況を示すものではない。 |
| 2016年12月 | 埼玉西武ライオンズの未成年選手 | 球団が未成年選手の喫煙を公表し、処分と再発防止に向けた指導を発表。当該選手の氏名は公表されなかった。 |
| 2018年2月 | 今井達也投手 | 当時19歳で喫煙していた事実を西武が公表。厳重注意に加え、同年5月まで対外試合出場停止などの処分を受けた。これは当時の喫煙問題に関する記録であり、現在の喫煙状況を示すものではない。 |
| 2024年2月 | 鳥谷敬氏の証言 | 本人は喫煙しないと説明し、現役時代に見聞きした球界の喫煙事情を紹介。証言は当時の経験に基づくもので、現在の喫煙率を示す調査ではない。 |
| 2024年11月 | 伊東勤氏の証言と阪神の禁煙化 | 伊東氏は現役時代に喫煙していたこと、かなり前に禁煙したことを明かした。同時期、阪神はチーム活動時の全面禁煙を導入した。 |
この表で特に重要なのは、喫煙が確認された過去の事実と、現在の習慣を混同しないことです。
今井達也投手の事例では、埼玉西武ライオンズが2018年2月6日に公式発表を行い、当時19歳だった今井投手の喫煙を認めました。球団は厳重注意と対外試合出場停止などの処分を決定し、同年4月30日には処分解除を発表しています。
これは本人の現在の喫煙習慣を示す情報ではありません。過去の処分歴だけを根拠に、2026年も喫煙者であると紹介するのは不正確です。
OBの証言にも、現在の状況を考える手掛かりがあります。西武やロッテで監督を務めた伊東勤氏は、2024年11月のスポーツニッポンの報道で、現役時代には喫煙していたものの、かなり前にやめたと説明しました。守備から戻った際など、気持ちを切り替えるためにタバコを吸うことがあったという経験も明かしています。
このように、喫煙経験があること、現役時代に喫煙していたこと、現在も喫煙していることは、同じ意味ではありません。人物別の喫煙情報を調べる場合は、情報が公表された年月日と、本人がその時点で何を説明していたのかを確認することが欠かせません。
【球団別の禁煙ルール】NPB全体でタバコは禁止されているのか
2026年現在、NPBの選手が私生活を含めて一律に禁煙しなければならないという共通ルールは、公開されている情報からは確認できません。球団が独自に設けるチーム活動中の禁煙ルールや、施設内の喫煙場所に関する制限を分けて考える必要があります。
大きな転換点となったのが、阪神タイガースの取り組みです。スポーツニッポンなどの2024年10月の報道によると、阪神は同年11月1日から、チーム活動時や活動エリアでの全面禁煙を導入しました。健康増進とパフォーマンス低下の防止が目的とされ、選手だけでなく監督、コーチ、スタッフも対象となりました。
2026年2月のスポーツニッポンの報道でも、この禁煙方針は継続している取り組みとして紹介されています。甲子園のクラブハウスなどの喫煙スペースをなくし、ビジター球場でも同様のルールを適用するという運用です。
ただし、チーム活動時の禁煙は、必ずしも選手の私生活全般での禁煙を意味しません。2025年1月のデイリースポーツの報道では、阪神のルールについて、宿舎などのプライベート空間での喫煙は認められると説明されています。適用範囲を確認せずに「阪神の選手は全員、完全に禁煙している」と理解するのは正確ではありません。
スポーツニッポンの2024年11月の記事では、日本ハムやロッテなどでも禁煙をルール化する球団が増えていると報じられました。ただし、球団によって対象施設、チーム活動の定義、例外の有無などは異なる可能性があります。すべての球団に同じルールが適用されていると考えるべきではありません。
また、球場の観客向け喫煙ルールと選手向けの規則も別物です。例えば千葉ロッテマリーンズの公式スタジアムルールでは、球場内の喫煙場所や紙巻きタバコの使用場所が定められていますが、これは観戦施設の利用ルールです。選手の私生活における喫煙の可否を、そのまま示すものではありません。
加えて、20歳未満の喫煙は禁止されています。プロ野球選手であっても例外ではなく、未成年者の喫煙は健康問題だけでなく、球団のコンプライアンスや社会的信用にも関わります。2016年と2018年の西武の事例は、その違反が実際に処分につながったケースです。
【プロ野球選手がタバコを吸う理由】ストレスや気持ちの切り替えとの関係
プロ野球選手がタバコを吸う理由として、過去の報道や元選手の証言で挙げられてきたのが、ストレスへの対処、試合中の気持ちの切り替え、休憩時間の習慣化です。
2013年のITmediaの記事では、当時の日本代表チーム周辺の喫煙事情が取り上げられ、プレッシャーから解放される時間やストレス発散を喫煙理由として語る選手の証言が紹介されました。ただし、これは当時の取材内容であり、現在の現役選手に共通する理由を調査したものではありません。
鳥谷敬氏も2024年のテレビ番組で、試合中にベンチ裏へ行き、打席に入る前にタバコを吸って気持ちを切り替える選手がいたと説明しています。伊東勤氏も現役時代の経験として、守備から戻った際などに短時間タバコを吸うことがあったと振り返りました。
こうした証言からは、喫煙が単なる嗜好品の利用にとどまらず、休憩や心理的な切り替えと結び付いていたケースがあったことが分かります。チームメート同士で喫煙所に集まる習慣があれば、交流の場として機能する場合も考えられます。
一方、ストレスを感じることと、喫煙が必要であることは別です。ニコチンには依存性があり、喫煙によって一時的に落ち着いたように感じても、依存や離脱に伴う不快感が喫煙を繰り返す要因になることがあります。
選手にとって、試合中の緊張やプレッシャーへの対処は重要です。しかし、呼吸法、休息、睡眠、専門家によるメンタルサポートなど、喫煙以外にもコンディションを整える方法はあります。禁煙ルールの導入は、従来の習慣を制限するだけでなく、チームが休憩やストレス管理の方法を見直す契機にもなります。
【体力への影響】タバコは野球選手の呼吸機能や運動能力を低下させるのか
喫煙による健康上のリスクは、厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」などで整理されています。喫煙は呼吸機能の低下や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因となり、循環器系にも悪影響を及ぼします。スポーツ選手にとっても無視できない問題です。
タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、血液が酸素を運ぶ働きを妨げます。また、喫煙による気道への刺激や肺機能への影響は、酸素を取り込みながら運動する能力に不利に働きます。米国政府の禁煙支援サイト「Smokefree.gov」も、喫煙による運動能力や体力への悪影響を説明しています。
野球はマラソンのように長時間一定のペースで走り続ける競技ではありません。しかし、短距離走、盗塁、守備範囲の移動、投球の反復、長時間の試合に耐える持久力など、複数の身体能力が大切です。呼吸機能や循環器系への悪影響は、競技者にとって無関係ではありません。
特に投手は、投球動作そのものだけでなく、登板間の回復、練習の継続、シーズンを通じたコンディション維持も求められます。野手も、走塁や守備の反復、遠征と連戦への対応が必要です。健康状態を長期的に管理する観点では、喫煙によるリスクを避ける意義があります。
ただし、喫煙している選手は必ず打率が低い、球速が遅い、あるいは成績が悪化するといった単純な関係が証明されているわけではありません。選手個人の成績には、技術、年齢、トレーニング、睡眠、食事、けが、体質など多くの要因が影響します。プロ野球選手の喫煙状況と打率や球速を直接結び付けるには、適切な比較研究が必要です。
つまり、喫煙の問題は「吸っていても活躍できる選手がいるから問題ない」という話でも、「喫煙者は必ず競技能力が低い」という話でもありません。競技成績だけでは測れない呼吸器・循環器の健康リスクがあり、長いキャリアを維持するうえでも禁煙には合理性があります。
加熱式タバコについても、煙が少ないことや使用方法が異なることを理由に、健康へのリスクがないと考えるのは適切ではありません。製品の種類にかかわらず、健康影響を考慮して判断する必要があります。
【プロの結論】野球選手の喫煙報道を見極める3つの判断基準
野球選手の喫煙事情を調べる際は、単に「誰が吸っているか」という名前の一覧を見るだけでは、実態を正しく理解できません。情報を評価するには、少なくとも次の3点を確認する必要があります。
1.本人の発言と第三者の目撃情報を区別する。
本人がインタビューや公式発表で喫煙経験を明かした場合と、SNS上の写真や目撃談だけで喫煙者とされている場合では、証拠の性質が異なります。画像が本人のものか、撮影時期はいつか、タバコに見える物体が実際に何なのかといった点も判断材料になります。
2.喫煙経験と現在の喫煙状況を区別する。
現役時代に吸っていたOBが、その後禁煙している場合もあります。過去の報道や写真だけでは現在も喫煙していると判断できません。現役選手についても、古い情報を現在の事実として扱わず、本人の最近の発言や新しい報道を確認することが大切です。
3.公的統計と個人の証言を混同しない。
鳥谷敬氏や伊東勤氏の証言は、球界の喫煙文化や選手の行動を知る手掛かりになります。しかし、特定の経験談から球界全体の喫煙率を算出することはできません。厚生労働省の一般成人向け統計も、プロ野球選手の割合を直接示すものではありません。
2026年の球界を理解するうえで注目したいのは、喫煙者の数だけでなく、球団がどのような健康管理方針を採用し、実際の運用をどう変えているかという点です。阪神のチーム活動時の全面禁煙は、選手の健康とパフォーマンスを組織的に管理する動きの具体例です。
今後、選手の喫煙に関する公表データや球団別の規定が整備されれば、現役選手とOBの違い、球団間の運用、競技への影響をより客観的に比較できるようになります。現段階では、確認された個別事例と球界全体の傾向を分けて捉えることが、最も正確な理解につながります。
【野球選手タバコ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、プロ野球選手の喫煙率は何%ですか?
A1:プロ野球選手に限定した信頼できる公的な喫煙率は確認できません。厚生労働省の2024年の統計では、一般成人の習慣的な喫煙率は男女計14.8%、男性24.5%、女性6.5%でしたが、この数値をプロ野球選手に当てはめることはできません。
Q2:プロ野球選手の喫煙者一覧はありますか?
A2:過去の喫煙報道や本人が喫煙経験を公表した事例はありますが、現役12球団の選手について現在の喫煙状況を網羅的に確認できる公的な一覧は確認できません。過去に喫煙が報じられた選手を、現在も喫煙している人物として扱わないことが重要です。
Q3:NPBでは選手のタバコは禁止されていますか?
A3:NPB全体で選手の私生活まで一律に禁煙とする共通ルールは、公開情報からは確認できません。球団独自のルールがあり、阪神は2024年11月からチーム活動時の全面禁煙を導入しています。球団ごとに適用範囲が異なるため、個別の規定を確認する必要があります。
Q4:タバコを吸うと野球の成績は悪くなりますか?
A4:喫煙は呼吸機能や循環器系に悪影響を及ぼし、運動能力に不利に働く可能性があります。ただし、喫煙だけを原因として打率や球速が必ず低下すると断定することはできません。競技成績と健康リスクは分けて考える必要があります。
Q5:現役時代に喫煙していたOBは、引退後も吸っているのですか?
A5:必ずしもそうではありません。伊東勤氏は2024年の報道で、現役時代には喫煙していたものの、かなり前に禁煙したと明かしています。喫煙経験の有無だけでは、現在の習慣は判断できません。
2026年現在、プロ野球選手の中に喫煙経験者がいることは、元選手の証言や過去の報道から確認できます。しかし、現役選手全体の喫煙率を示す公的統計や、現在の喫煙状況を網羅した信頼できる一覧は確認できません。
球界では、試合中の気持ちの切り替えやストレスへの対処として喫煙していた選手の経験が語られてきました。一方、阪神が2024年11月からチーム活動時の全面禁煙を導入し、2026年にもその方針が継続していることは、健康管理を重視する姿勢を示す事例です。
医学的には、喫煙による呼吸機能や循環器系への悪影響は明らかです。ただし、個人の喫煙歴だけで競技成績を評価することはできません。選手の喫煙事情を理解するには、健康への影響、球団のルール、本人の発言、情報が公表された時期を総合的に見る必要があります。
今後の注目点は、球団の禁煙方針がどこまで広がるのか、選手の健康管理がどのように進化するのかという点です。噂や古い写真だけで判断せず、公式発表や本人の最新の説明を基に情報を読み解くことが、野球選手のタバコ事情を正確に理解するための基本となります。