2026年10月28日現在、ラグビーウェールズ代表は、スティーブ・タンディHC(ヘッドコーチ)のもとで再建を進めています。主将を務めるのはフッカーのデウィ・レイク。2026年シックス・ネーションズでは1勝4敗に終わり、夏のネイションズチャンピオンシップでも強豪国との実力差が浮き彫りになりました。一方、ルイス・リース=ザミットら攻撃面で違いを生み出せる選手もそろい、2027年ラグビーワールドカップを見据えたチームづくりが続いています。
ウェールズ代表の最新メンバーは誰なのか、11月の試合日程はいつなのか、そして現在の実力はどの水準にあるのか。ウェールズラグビー協会(WRU)の発表、2026年の試合結果、国際大会の記録をもとに、主力選手から再建の課題まで整理します。なお、10月27日には負傷に伴う代表メンバーの変更も報じられており、最新の招集状況を把握するうえで重要な動きとなっています。
【2026年最新情報】ウェールズ代表を率いるHCとチームの現状

ウェールズ代表は、イギリスを構成するウェールズの男子15人制ラグビー代表チームです。赤いジャージーとドラゴンのエンブレムで知られ、シックス・ネーションズやラグビーワールドカップで長い歴史を築いてきました。
2026年のチームを理解するうえで欠かせない人物が、ヘッドコーチのスティーブ・タンディです。タンディは2025年に代表の指揮官に就任し、世代交代と競争力の回復を担っています。2026年シックス・ネーションズでは、若手と経験豊富な選手を組み合わせながら戦いましたが、結果は厳しいものになりました。
タンディ体制が目指すのは、単に選手を入れ替えることではありません。セットプレーの安定、タックル後の攻防、ボールを保持した際の判断、そして試合終盤まで戦い方を維持する力を組み合わせ、代表として再現性のあるラグビーを確立することが課題です。
主将のデウィ・レイクは、フォワード陣の中心となるフッカーです。ラインアウトのスローイングやスクラム、密集戦での働きに加え、試合中の意思統一を担います。主将自身のパフォーマンスだけでなく、若い選手をまとめ、劣勢でもチームの規律を維持できるかが問われます。
2026年10月に発表された11月シリーズのメンバーは、2027年ワールドカップを見据える意味でも重要です。タンディは新戦力を試しつつ、レイク、ジャック・モーガン、アーロン・ウェインライト、トモス・ウィリアムズらを軸にチームの骨格を整えようとしています。
【最新版】ラグビーウェールズ代表のメンバー39人と主将デウィ・レイク
2026年10月20日に発表された11月のネイションズチャンピオンシップ招集メンバーは39人です。その後、10月27日にウイングのリオ・ダイアーがハムストリングの負傷で離脱し、スカーレッツ所属のマクス・ペイジが追加招集されました。以下は、この変更を反映したメンバーです。
フォワード(22人)
リース・バラット、タイン・バシャム、アダム・ビアード、リアム・ベルチャー、ジェームズ・ボサム、リース・カレ、ベン・カーター、ライアン・イライアス、セブ・デイビス、トマス・フランシス、アーチー・グリフィン、ケイン・ジェームズ、ダフィッド・ジェンキンス、デウィ・レイク(主将)、ディロン・ルイス、アレックス・マン、ジャック・モーガン、タイネ・プラムツリー、ニッキー・スミス、ギャレス・トーマス、アーロン・ウェインライト、テディ・ウィリアムズ。
バックス(17人)
ジョシュ・アダムズ、サム・コステロウ、ダン・エドワーズ、ガブリエル・ハマーウェブ、ジョー・ホーキンス、ルイ・ヘネシー、チー・ホープ、エディ・ジェームズ、マックス・ルウェリン、エリス・ミー、ルーベン・モーガン=ウィリアムズ、ブレア・マレー、アネウリン・オーウェン、マクス・ペイジ、ルイス・リース=ザミット、トム・ロジャース、トモス・ウィリアムズ。
招集リストは試合ごとに負傷やコンディションによって変更される可能性があります。上記は11月シリーズに向けた招集メンバーであり、各試合の先発15人やリザーブ23人を示すものではありません。
主将デウィ・レイクは、代表の前線を支える存在です。フッカーとしてセットプレーを安定させるだけでなく、密集戦での運動量やコンタクトの強さも求められます。ウェールズが強豪国に対抗するには、レイクを中心としたフォワード陣がスクラムやラインアウトで互角以上に戦えるかが重要です。
ジャック・モーガンは、ブレイクダウンやタックル、ボール争奪戦で存在感を発揮するバックローです。2023年ワールドカップでの活躍でも知られ、代表の守備を支える重要な選手です。
ダフィッド・ジェンキンスは、ロックとしてラインアウトや接点での働きが期待されます。若い世代の主力として、経験豊富な選手とともにフォワードの安定を担う存在です。
ルイス・リース=ザミットは、スピードと突破力を備えたバックスの注目選手です。NFL挑戦を経てラグビーに復帰し、2025年に代表へ戻りました。2026年はブリストル・ベアーズでプレーし、ウイングに加えてフルバックでも経験を積んでいます。11月シリーズでは、相手の守備ラインを一気に崩す走力が期待されます。
また、アネウリン・オーウェン、チー・ホープ、リース・バラットは、新しい戦力を見極めるうえで注目したい選手です。10月27日の変更で加わったマクス・ペイジも、クラブでの好調を代表での出場機会につなげられるかが見どころになります。
【2026年試合結果】シックス・ネーションズと夏の戦績を振り返る
2026年のウェールズ代表は、シックス・ネーションズで1勝4敗、夏のネイションズチャンピオンシップで1勝2敗という結果でした。勝利を挙げる試合があった一方、強豪国との対戦では失点が大きく膨らむ試合もあり、チーム再建の難しさが表れています。
主な試合結果を整理すると、次のとおりです。
| 大会・日付 | 対戦相手 | 結果 | 注目点 |
|---|---|---|---|
| シックス・ネーションズ 2月7日 | イングランド | 7-48で敗戦 | 初戦で大差をつけられた |
| シックス・ネーションズ 2月15日 | フランス | 12-54で敗戦 | 守備面の課題が顕在化 |
| シックス・ネーションズ 2月21日 | スコットランド | 23-26で敗戦 | 接戦を勝ち切れず |
| シックス・ネーションズ 3月6日 | アイルランド | 17-27で敗戦 | 上位国との力の差が残る |
| シックス・ネーションズ 3月14日 | イタリア | 31-17で勝利 | 大会最終戦で今季初勝利 |
| ネイションズチャンピオンシップ 7月4日 | フィジー | 39-24で勝利 | 夏の大会を白星でスタート |
| ネイションズチャンピオンシップ 7月11日 | アルゼンチン | 21-35で敗戦 | 競り合いで得点を伸ばせず |
| ネイションズチャンピオンシップ 7月18日 | 南アフリカ | 0-43で敗戦 | 攻撃と守備の両面で課題 |
シックス・ネーションズでは、イングランドに7-48、フランスに12-54と大敗しました。スコットランドにも3点差で敗れ、アイルランド戦も落としましたが、最終節ではイタリアに31-17で勝利。大会を未勝利で終える事態は避けたものの、1勝4敗で最下位となりました。ウェールズが3年連続で最下位に沈んだことは、単年の不振では片付けにくい問題を示しています。
夏のネイションズチャンピオンシップでは、フィジーに39-24で勝利したものの、アルゼンチンには21-35で敗れ、南アフリカには無得点のまま0-43で敗戦しました。特に南アフリカ戦は、相手の強力なフィジカルと組織的なプレッシャーに対して、攻撃を継続する難しさを浮き彫りにしました。
この数字から読み取れるのは、ウェールズに勝つ力がまったくないということではありません。イタリア戦やフィジー戦では得点力を示しました。しかし、相手の圧力が強まった際に、攻撃の選択肢を確保し、失点を抑えながら試合を組み立てる力には改善の余地があります。
【試合日程】ネイションズチャンピオンシップ2026の11月対戦カード
ウェールズ代表が次に臨む大きな舞台は、ネイションズチャンピオンシップ2026の11月シリーズです。ウェールズラグビー協会の発表によると、カーディフのプリンシパリティ・スタジアムで日本、ニュージーランド、オーストラリアと3週連続で対戦します。
大会は北半球と南半球の代表チームが参加する新しい国際大会で、各チームが夏に3試合、秋に3試合を戦います。勝利は4ポイント、引き分けは2ポイント、敗戦は0ポイントで、4トライ以上を挙げた場合や7点差以内で敗れた場合にはボーナスポイントが与えられます。全6試合の結果をもとに最終順位が決まり、11月27日から29日にはロンドンでファイナルズ・ウイークエンドが開催されます。
ウェールズ代表の11月試合日程は以下のとおりです。キックオフ時刻は英国時間で、日本時間も併記しました。
- 11月7日(土):ウェールズ対日本。英国時間16時40分、日本時間11月8日午前1時40分。
- 11月14日(土):ウェールズ対ニュージーランド。英国時間14時10分、日本時間23時10分。
- 11月21日(土):ウェールズ対オーストラリア。英国時間20時10分、日本時間11月22日午前5時10分。
いずれもウェールズのホームゲームで、会場はカーディフのプリンシパリティ・スタジアムです。日本のファンにとっては、初戦の日本戦が特に注目されるカードになるでしょう。日本時間では日付が翌日に変わる試合もあるため、観戦時には現地時間と日本時間を取り違えないよう注意が必要です。
日本戦は、ウェールズが夏の大敗から立て直せたかを測る試金石です。続くニュージーランド戦では、相手のテンポの速い攻撃に対して守備組織を維持できるかが問われます。オーストラリア戦では、試合の流れが変わった場面で得点を重ね、勝利につなげられるかに注目したいところです。
なお、11月の3試合の後には、11月27日から29日にロンドンでファイナルズ・ウイークエンドが予定されています。対戦相手は各チームのグループ内順位によって決まるため、ウェールズがどの順位で進むかも大会後半の焦点になります。
【注目選手と歴代主将】ウェールズ代表の強みを支える人物たち
ウェールズ代表の現在を理解するには、今季のメンバーだけでなく、歴代主将が担ってきた役割やワールドカップで築いた実績にも目を向ける必要があります。ウェールズは人口規模の小さい国でありながら、国際ラグビーの伝統国として数々の名選手を輩出してきました。
デウィ・レイクは、現在の代表をまとめる主将です。2023年ワールドカップではジャック・モーガンと共同主将を務め、その後も代表のリーダー候補として経験を重ねてきました。フォワードの中核として試合の土台をつくり、若手を含むチーム全体をまとめる役割が期待されています。
ジャック・モーガンは、フランカーとして接点での争奪戦や守備に強みを持つ選手です。タックル、ブレイクダウン、ボールを奪い返す局面は、ウェールズが相手の攻撃を止めるうえで欠かせません。チームが劣勢に立たされたとき、こうした地道なプレーで流れを変えられるかが重要になります。
ルイス・リース=ザミットには、攻撃の局面を一変させる突破力が期待されます。スピードを生かしたカウンターや、キックを追う局面での走力は大きな武器です。一方で、代表が継続的に得点するには、リース=ザミット個人の能力だけに依存せず、スクラムハーフやスタンドオフとの連係、ボールを外側まで運ぶ仕組みを整える必要があります。
トモス・ウィリアムズは、攻撃のテンポをつくるスクラムハーフとして注目されます。相手の守備が整う前に素早くボールを動かせれば、ウェールズのバックスが持つ走力をより効果的に生かせます。反対に、球出しが遅れたり、キックの選択が単調になったりすると、相手に守備陣形を整える時間を与えてしまいます。
ウェールズ代表の歴代主将を語る際には、サム・ウォーバートンやアラン・ウィン・ジョーンズらの名前も外せません。ウォーバートンは2011年ワールドカップで若くして主将を務め、アラン・ウィン・ジョーンズは長年にわたり代表を支えた象徴的な選手です。現在のレイクやモーガンの世代は、そうしたリーダーたちの後を継ぎながら、新たなチームの基盤を築く段階にあります。
ワールドカップでのウェールズ代表の最高成績は、初開催となった1987年大会の3位です。2011年と2019年にも準決勝へ進出し、2023年大会では準々決勝まで勝ち上がりました。優勝経験こそありませんが、世界の上位国と戦える実績を持つ伝統国です。2027年大会で再び上位進出を狙うには、個々のスター選手だけでなく、チーム全体の厚みを取り戻すことが大切です。
【プロの結論】世界ランキングと現在の実力、ウェールズ代表が克服すべき課題
ウェールズ代表の現状は、過去の実績だけを見れば伝統国ですが、2026年の試合結果を重視すれば、再建の途上にあるチームです。世界ランキングは更新日や集計方法によって変動しますが、2026年10月上旬を対象にしたランキング集計では9位でした。順位だけを見ると世界の上位圏に位置する一方、実際の試合では南アフリカやフランスに大差で敗れており、ランキングと直近のパフォーマンスを分けて評価する必要があります。
課題の第一は、守備の安定です。フランス戦の12-54、南アフリカ戦の0-43という結果は、強い相手にプレッシャーをかけられた際の対応が大きな問題であることを示しています。タックルの成功だけではなく、接点でのサポート、守備ラインの連係、相手に連続攻撃を許したときの立て直しが重要です。
第二は、得点パターンの多様化です。リース=ザミットのような決定力のある選手がいても、ボールが外側まで届かなければ持ち味は発揮されません。セットプレーからの前進、キックを使った陣地獲得、速い球出し、相手守備の裏を突く判断を組み合わせ、特定の選手に依存しない攻撃を構築する必要があります。
第三は、選手層と継続性の確保です。負傷者が出たときに同じ役割を担える選手がいるか、若手が国際試合の強度に適応できるかは、長期的な成績を左右します。10月の招集で新戦力が加わったことは競争を生む機会ですが、短期間で全員が代表の戦術を共有するのは容易ではありません。選手個人の調子だけでなく、クラブと代表の双方で出場機会を確保し、継続して経験を積める環境も大切です。
これらの課題を踏まえると、11月シリーズで確認したいのは、単純な勝敗だけではありません。スクラムやラインアウトでどれだけ安定してボールを確保できるか、失点直後に守備を立て直せるか、敵陣に入った際に得点までつなげられるか。こうした試合内容の改善が、2027年ワールドカップへ向けた進歩を判断する基準になります。
日本のラグビーファンにとっても、ウェールズ代表は注目する価値のある相手です。伝統国が世代交代に直面したとき、どのように若手を起用し、戦術を見直し、再び競争力を取り戻すのか。その過程を追うことで、11月7日の日本戦をより深く楽しめます。
【ラグビーウェールズ代表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のウェールズ代表の主将は誰ですか? A1:2026年10月に発表された11月のネイションズチャンピオンシップ招集メンバーでは、フッカーのデウィ・レイクが主将を務めます。セットプレーや密集戦での働きに加え、チームをまとめるリーダーシップが期待されています。
Q2:ウェールズ代表の次の試合はいつですか? A2:2026年11月7日、カーディフのプリンシパリティ・スタジアムで日本代表と対戦します。キックオフは英国時間16時40分、日本時間では11月8日午前1時40分の予定です。その後、11月14日にニュージーランド、11月21日にオーストラリアと対戦します。
Q3:ウェールズ代表のラグビーワールドカップ最高成績は何位ですか? A3:最高成績は1987年大会の3位です。2011年と2019年にも準決勝に進出し、2023年大会では準々決勝まで勝ち上がりました。2027年大会に向けて、再び上位進出を狙えるチームをつくれるかが注目されています。
2026年のウェールズ代表は、シックス・ネーションズの1勝4敗、夏のネイションズチャンピオンシップの1勝2敗という結果が示すとおり、厳しい状況にあります。スティーブ・タンディHCのもと、主将デウィ・レイクやジャック・モーガン、ルイス・リース=ザミットらを軸に、守備の安定と攻撃の再構築を進めています。
11月の日本、ニュージーランド、オーストラリアとの3連戦は、現在のチームがどこまで改善したかを測る重要な機会です。試合結果に加え、セットプレー、守備の連係、攻撃の選択肢、若手選手の成長に注目すると、ウェールズ代表の現在地がより明確に見えてきます。
1987年のワールドカップ3位をはじめ、世界の舞台で存在感を示してきたウェールズ。伝統と実績を持つチームが再建を成し遂げられるのか、そして2027年ワールドカップでどこまで巻き返せるのか。まずは11月の日本戦が、その行方を占う大きな一戦になります。