プロ野球の「マイナビオールスターゲーム2026」では、ファン投票とは別に、現役選手が出場選手を選ぶ「選手間投票」が実施されました。日本野球機構(NPB)の公式発表によると、2026年の結果は7月9日16時に公表され、投票者数は759名。セ・リーグでは森下翔太選手が外野手部門で549票、パ・リーグではF.レイエス選手が指名打者部門で455票を獲得しました。
選手間投票の特徴は、ファンの人気だけでなく、実際にグラウンドで対戦する選手たちの評価が選出に反映されることです。ただし、投票できる選手の範囲、対象ポジション、最多得票による選出方法、ファン投票と重複した場合の扱いには、それぞれ明確なルールがあります。2026年のNPB公式要項と結果をもとに、制度の仕組みから得票数の読み方、歴代の動向まで詳しく整理します。
【選手間投票とは?】現役選手が現役選手を選ぶオールスター独自の制度

オールスターの選手間投票とは、プロ野球の現役選手が、オールスターゲームに出場してほしい選手を投票で選ぶ制度です。日本野球機構が実施要項を公表しており、2026年のマイナビオールスターゲームでも継続して実施されました。
投票に参加するのは、セ・リーグとパ・リーグの12球団に所属する支配下登録選手全員です。一方、投票先となるのは各球団が選出した30名の候補選手です。つまり、選手全員が自由に投票先を決めるのではなく、公式に定められた候補者の中からポジション別に選びます。
ファン投票が応援したい選手や人気、話題性なども反映する仕組みであるのに対し、選手間投票では、実際に対戦したときの打撃の怖さ、投手の球威や制球力、守備の安定感、走塁技術など、プロ同士だからこそ感じる評価が票に表れる可能性があります。
もちろん、得票数だけで選手の実力を完全に数値化できるわけではありません。それでも、同じリーグだけでなく、普段は対戦相手となる他リーグの選手からも評価される点は、選手間投票ならではの見どころです。
制度は2008年に始まりました。スポーツメディアのFull-Countが2014年に掲載した制度解説では、2011年から自チームの選手にも投票できるようになった経緯が紹介されています。現在のNPB公式ルールでも、自チーム選手への投票は認められています。
【2026年の公式ルール】投票する選手・対象ポジション・選出方法を整理
2026年の選手間投票を理解するうえで、最初に押さえたいのが「誰が投票するのか」と「どの選手が候補になるのか」の違いです。投票参加者は12球団の支配下登録選手全員ですが、投票対象は各球団が選出した候補者です。
また、セ・リーグとパ・リーグでは投票するポジション数が異なります。パ・リーグには指名打者(DH)部門があるため、セ・リーグは9ポジション、パ・リーグは10ポジションです。外野手は左翼手・中堅手・右翼手に分けず、外野手部門で3名を選びます。
| 確認項目 | 選手間投票のルール | ファン投票との主な違い |
|---|---|---|
| 投票する人 | 12球団の支配下登録選手全員 | ファンが投票する |
| 投票対象 | 各球団が選出した30名の候補選手 | ファン投票の対象規定を満たす選手 |
| 投票ポジション | セ9、パ10(DHを含む) | セ11、パ12の選出枠 |
| 投手部門 | 投手として1部門 | 先発・中継ぎ・抑えに分かれる |
| 外野手部門 | 3名を選ぶ | 3名まで選出される |
| 自チームの選手 | 投票可能 | 所属チームに限らず対象選手から選択 |
| 基本的な選出方法 | 各ポジションの最多得票選手を選出 | 各ポジションの最多得票選手を選出 |
| 2026年の結果発表 | 7月9日16時 | 7月7日に最終結果を発表 |
出典は日本野球機構の「マイナビオールスターゲーム2026」開催要項、選手間投票要項、ファン投票実施要項です。
投票方法にも特徴があります。選手は自チームの選手にも投票できますが、該当する選手がいないと判断したポジションは未記入にできます。すべての部門で必ず誰かに票を入れなければならない仕組みではありません。
選出の基本ルールは、セ・パそれぞれのポジション別最多得票選手を出場選手とすることです。ただし、ファン投票と選手間投票で同じ選手が1位になった場合は、選手間投票の2位を繰り上げません。この重複ルールは、出場メンバー全体を理解するうえで特に重要です。
【2026年の選手間投票結果】セ・リーグ、パ・リーグの最多得票選手は?
NPBが2026年7月9日に発表した選手間投票結果では、セ・リーグの外野手部門で森下翔太選手が549票を獲得しました。パ・リーグでは、指名打者部門のF.レイエス選手が455票で1位となっています。以下、主要部門の得票数を見ていきます。
セ・リーグの注目結果セ・リーグで目を引くのは、外野手部門の森下翔太選手です。549票で同部門の1位となり、2位の細川成也選手の278票を大きく上回りました。3位にはT.キャベッジ選手が213票で入りました。
- 投手:髙橋遥人選手が275票で1位。
- 捕手:坂本誠志郎選手が125票で1位。2位の大城卓三選手は112票だった。
- 一塁手:大山悠輔選手が389票で1位。
- 二塁手:中野拓夢選手が242票で1位。
- 三塁手:佐藤輝明選手が449票で1位。
- 遊撃手:長岡秀樹選手が211票で1位。
- 外野手:森下翔太選手が549票で1位。
捕手部門では1位と2位の差が13票、一方で外野手部門では森下選手が2位に271票差をつけました。部門ごとに票の集中度が異なり、結果を見る際には順位だけでなく得票差にも注目すると、選手間の評価の分布が分かりやすくなります。
パ・リーグの注目結果パ・リーグでは、F.レイエス選手が指名打者部門で455票を獲得しました。2位の柳田悠岐選手は59票で、レイエス選手に票が集中した結果となっています。
- 投手:伊藤大海選手が97票で1位。2位の平良海馬選手は96票で、わずか1票差だった。
- 捕手:若月健矢選手が156票で1位。
- 一塁手:T.ネビン選手が288票で1位。
- 二塁手:滝澤夏央選手が176票で1位。
- 三塁手:栗原陵矢選手が386票で1位。
- 遊撃手:村林一輝選手が154票で1位。
- 外野手:万波中正選手が324票で1位、近藤健介選手が300票で2位、周東佑京選手が242票で3位。
- 指名打者:F.レイエス選手が455票で1位。
投手部門では、伊藤選手と平良選手の差がわずか1票でした。外野手部門でも、万波選手と近藤選手の差は24票です。選手間投票は最多得票者を選出する制度ですが、2位以下の得票数にも、評価が接近している部門や票が集中している部門を読み取る材料があります。
なお、NPB公式の結果一覧では、「★」が選手間投票での当選、「◎」がファン投票での選出を示しています。両方の印が付いている選手は、ファン投票と選手間投票の双方で選ばれた選手です。2026年の投票者数は759名でした。
【ファン投票と重複したら?】2位が繰り上がらない理由と監督選抜の仕組み
選手間投票でよくある疑問が、ファン投票でも1位になった選手が選手間投票でも1位だった場合、2位の選手が出場できるのかという点です。
2026年のNPB公式ルールでは、答えは「繰り上げなし」です。ファン投票と選手間投票の両方で1位に選ばれた選手がいても、選手間投票の2位を代わりに選出することはありません。その選手枠は監督選抜枠に移行します。
例えば、あるポジションでファン投票1位の選手が選手間投票でも1位になったとします。この場合、選手間投票2位の選手が自動的にオールスター出場権を得るわけではありません。監督選抜の対象枠がその分増え、出場監督が選手を選ぶ仕組みです。
監督選抜は、ファン投票や選手間投票の結果だけでは決まらない出場メンバーを補う役割を持っています。NPBの開催要項では、プラスワン枠を除く30名の選手枠から、ファン投票と選手間投票で選ばれた選手数を差し引いた人数を監督が選出すると定めています。監督選抜ではポジションにこだわらず選ぶことができます。
この仕組みがあるため、選手間投票の結果一覧に2位の選手が掲載されていても、その選手が自動的に出場選手になるとは限りません。最終的な出場メンバーを知りたい場合は、選手間投票結果だけでなく、監督選抜を含む出場メンバーの発表も確認する必要があります。
2026年の主な発表日程は、ファン投票の最終結果が7月7日、選手間投票の結果が7月9日、監督選抜を含む出場メンバーが7月13日、プラスワン投票の選出選手が7月22日でした。選手間投票の結果と最終的な出場メンバーは、別々の発表として捉えるのが正確です。
【歴代の選手間投票】2025年との比較で見えるプロ同士の評価
プロ野球オールスターの歴代選手間投票を振り返ると、単年の最多得票だけでは分からない継続的な評価や、年ごとの変化が見えてきます。NPBは各年度の公式ページで選手間投票結果を公開しており、2024年、2025年、2026年の結果を比較できます。
例えば、セ・リーグ三塁手部門では、佐藤輝明選手が2025年に388票、2026年には449票を獲得し、2年続けて同部門の選手間投票1位となりました。パ・リーグの指名打者部門では、F.レイエス選手が2025年に425票、2026年に455票を獲得し、こちらも2年続けて1位です。
投票者数は2025年が740名、2026年が759名でした。2026年は前年より19名多い結果ですが、この差だけで特定選手への評価が上昇した原因を説明することはできません。候補者の顔ぶれ、シーズン中の状況、各部門の競争状況なども結果を左右し得るためです。
歴代の結果を比較するときは、単純な得票数だけでなく、同じポジションで何年連続して1位になったか、2位との差がどれほどあるか、ファン投票でも選出されたかという複数の観点を組み合わせると、選手間投票の特徴をつかみやすくなります。
また、選手間投票の得票数は、公式戦の打率、防御率、ホームラン数などの成績指標とは異なります。投票結果は、選手たちがオールスターの候補者を選ぶ際の評価を表したものであり、成績表そのものではありません。歴代の結果を読む際にも、数字が示す意味を混同しないことが大切です。
【オールスター選手間投票】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:選手間投票は誰が投票するのですか?
A1:2026年のNPB公式ルールでは、12球団の支配下登録選手全員が投票に参加します。投票対象は各球団が選出した30名の候補選手です。
Q2:選手間投票の結果発表日はいつですか?
A2:マイナビオールスターゲーム2026の選手間投票結果は、2026年7月9日16時に発表されました。ファン投票の最終結果は7月7日、監督選抜を含む出場メンバーは7月13日に発表されています。
Q3:ファン投票と選手間投票で同じ選手が1位になった場合はどうなりますか?
A3:選手間投票の2位は繰り上げ選出されません。その選手枠は監督選抜枠に移行します。
Q4:選手間投票では自分のチームの選手にも投票できますか?
A4:できます。2026年のNPB公式要項では、自チーム選手への投票が認められています。該当選手がいないと判断した場合は、投票欄を未記入にすることも可能です。
Q5:選手間投票の1位になれば必ず試合に出場できますか?
A5:選出ルール上は各ポジションの最多得票選手が選出されます。ただし、ファン投票との重複選出の扱いや、出場選手の最終発表なども関係するため、最終的なメンバーはNPBの出場選手発表で確認する必要があります。
Q6:選手間投票とファン投票では、どちらが実力を反映していますか?
A6:どちらか一方だけで実力を完全に判断することはできません。ファン投票はファンからの支持を、選手間投票は対戦相手を含む現役選手からの評価を反映する仕組みです。投票結果に加え、公式戦の成績や出場状況も合わせて見ると、選手の特徴をより多角的に理解できます。
オールスターの選手間投票は、12球団の支配下登録選手が候補者に投票し、セ・リーグ9ポジション、パ・リーグ10ポジションの最多得票選手を選ぶ制度です。2026年は投票者数759名で、セ・リーグ外野手部門の森下翔太選手が549票、パ・リーグ指名打者部門のF.レイエス選手が455票を獲得しました。
結果を見る際に押さえておきたいのは、最多得票者だけでなく、2位との票差、ファン投票との重複、監督選抜による最終的なメンバー構成です。特に、ファン投票と選手間投票で同じ選手が1位になっても2位は繰り上がらないというルールは、出場選手を正しく理解するうえで欠かせません。
歴代の選手間投票を比較する場合も、得票数の増減だけで評価を決めつけず、同じ部門での継続的な選出や、ファン投票との違いを確認が必要です。NPB公式の投票結果と開催要項を併せて読むことで、オールスターにおける「ファンが選ぶ選手」と「プロが選ぶ選手」の違いを、より具体的に把握できます。