2026年の日本女子サッカーは、アジアの頂点に立った実績と、世界の強豪との対戦で見えた課題の両方が注目されている。なでしこジャパンは3月のAFC女子アジアカップで優勝し、10月の欧州遠征ではハイチに5-1で勝利した一方、ドイツには1-2で敗れた。次の大きな見どころは、11月29日と12月5日に予定されているブラジル女子代表との2連戦だ。
日本サッカー協会(JFA)は、女子代表の競技力向上だけでなく、選手の育成、国内リーグの発展、女性指導者の養成、観戦者の拡大を含む中長期戦略を打ち出している。2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝を経験した世代から、海外クラブで成長する現役選手まで、日本女子サッカーの現在地を理解するには、試合結果と育成環境をあわせて見ることが欠かせない。
【2026年最新】なでしこジャパンの試合結果と現在地

2026年のなでしこジャパンは、アジアで結果を残しながら、世界のトップレベルとの実力差を確かめるシーズンを送っている。JFAの公式日程・結果によると、3月のAFC女子アジアカップではグループステージから決勝まで勝ち進み、開催国オーストラリアとの決勝を1-0で制した。日本は2大会ぶり3度目のアジア制覇を達成し、2027年のFIFA女子ワールドカップ出場権も獲得している。
アジアカップの戦いぶりは、得点力と守備の安定性を示すものだった。グループステージではチャイニーズ・タイペイに2-0、インドに11-0、ベトナムに4-0で勝利。決勝トーナメントでもフィリピンを7-0、韓国を4-1で破り、決勝ではオーストラリアを無失点に抑えた。
一方、4月のアメリカ遠征は1勝2敗。6月には南アフリカとの国際親善試合で5-0の勝利を収めた。10月の欧州遠征では、10日のハイチ戦で5-1と快勝したものの、14日のドイツ戦では1-2で敗戦。強豪との試合で先制しても勝ち切る力や、試合終盤の対応が引き続き注目される。
なお、9月から10月に開催された第20回アジア競技大会では、女子代表が決勝で朝鮮民主主義人民共和国と2-2で引き分け、PK戦を5-3で制して金メダルを獲得した。大会3連覇という成果も、日本女子サッカーの選手層を考えるうえで見逃せない。
ただし、アジア競技大会の代表編成と、海外組を中心とする国際親善試合の代表編成は同一視せず、それぞれの大会の招集メンバーや出場記録を確認する必要がある。
【次戦・テレビ放送・ネット配信】ブラジル戦の日程をチェック
2026年10月28日時点で、なでしこジャパンの次の注目カードはブラジル女子代表との国際親善試合2連戦だ。JFAの発表によると、11月29日は広島、12月5日は岡山で開催される。両試合とも日本時間で予定されているため、国内の視聴者にとっても観戦しやすい日程となっている。
特に11月29日の試合は、日本テレビ系全国ネットの生中継とTVerのライブ配信が決定している。12月5日はABEMAで無料生配信が予定されている一方、テレビ放送は10月28日時点で未定となっている。放送局や配信サービスの最新情報は、試合が近づいた段階でJFAの公式発表を確認したい。
| 日程(日本時間) | 対戦・結果 | 会場・放送予定 |
|---|---|---|
| 2026年3月21日 | オーストラリア戦 1-0 | AFC女子アジアカップ決勝。日本が優勝。 |
| 2026年10月10日 | ハイチ戦 5-1 | フランス・サン=トゥアンで開催。日本が勝利。 |
| 2026年10月14日 | ドイツ戦 1-2 | ドイツ・ブレーメンで開催。欧州遠征は1勝1敗。 |
| 2026年11月29日(日)13:55 | ブラジル戦 | 広島・エディオンピースウイング広島。日本テレビ系全国ネット生中継/TVerライブ配信。 |
| 2026年12月5日(土)15:00 | ブラジル戦 | 岡山・JFE晴れの国スタジアム。ABEMA無料生配信予定。テレビ放送は未定。 |
ブラジルは日本にとって、攻撃の組み立てや守備の対応力を測る重要な相手だ。JFAが2026年6月16日更新として公表したFIFAランキングでは、日本が5位、ブラジルが7位。両国の過去の対戦成績は、日本の7勝3分け7敗と拮抗している。
テレビ放送予定を探す際は、過去の大会の中継情報と、今後の試合の確定情報を混同しないことが大切だ。日本テレビ系とTVerは11月29日、ABEMAは12月5日というように、試合ごとに視聴手段を整理しておけば、見逃しを防ぎやすい。
【現在の注目選手】谷川萌々子・長谷川唯らの見どころ
2026年のなでしこジャパンを追うなら、海外クラブでプレーする選手たちの成長に注目したい。JFAが9月に発表した10月の欧州遠征メンバーは23人で、そのうち22人が海外でプレーする選手だった。長谷川唯、長野風花、谷川萌々子らを中心に、海外で磨かれた技術や試合経験を代表チームでどう生かすかが焦点となる。
なかでも谷川萌々子は、10月14日のドイツ戦で先制ゴールを決めた。結果は逆転負けだったものの、強豪相手に得点を生み出したことは、攻撃面での可能性を示す場面となった。所属クラブでの出場状況と代表での役割をあわせて追うことで、成長の過程をより具体的に理解できる。
長谷川唯は中盤でのプレーや試合の組み立てに注目したい選手だ。長野風花も中盤を支える存在として、ボールを前進させる働きや守備との連動が見どころになる。代表の戦いを得点者だけで評価するのではなく、攻撃の起点をつくる選手や、ボールを奪い返す選手にも目を向けると、試合の理解が深まる。
また、GK山下杏也加やDF古賀塔子ら、守備陣の連係も見逃せない。アジアカップでの安定した戦いと、ドイツ戦での敗戦を比較すると、相手の攻撃圧力が強まった場面で、守備ラインと中盤がどのように対応するかが重要な評価ポイントになる。
代表メンバーは試合ごとに変わり、負傷や所属クラブでの状況も招集に影響する。ブラジル戦の出場選手を知りたい場合は、過去の代表一覧だけで判断せず、試合直前に発表される招集メンバーと先発情報を確認するのが確実だ。
【歴代メンバーと発展の経緯】澤穂希からWEリーグの時代へ
日本女子サッカーの歴史を語るうえで、2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝は欠かせない。なでしこジャパンは決勝でアメリカと対戦し、延長戦で澤穂希が同点ゴールを決め、PK戦の末に世界一に輝いた。澤は大会5得点1アシストを記録し、得点王と大会最優秀選手賞も獲得した。
この優勝は、代表チームの実績にとどまらず、女子サッカーの認知度を大きく押し上げる転機となった。翌2012年のロンドン五輪では銀メダルを獲得し、2015年の女子ワールドカップでも準優勝。加えて、2014年にはU-17日本女子代表、2018年にはU-20日本女子代表が世界一となり、育成年代でも国際競争力を示してきた。
歴代メンバーを振り返ると、澤穂希のほか、宮間あや、熊谷紗希、大野忍、岩渕真奈ら、それぞれの時代を支えた選手がいる。選手個人の功績だけでなく、世代交代を重ねながら代表の競争力を維持してきた点も、日本女子サッカーの歩みを理解するうえで重要だ。
国内の競技環境にも変化があった。2021年には女子プロサッカーリーグのWEリーグが開幕し、国内で女子選手がプロとして競技を続ける環境が整備され始めた。代表の強化と国内リーグの発展は別々の課題ではない。日常的に高いレベルでプレーできる環境が、選手の成長や代表チームの選手層を支えるからだ。
現在の注目選手が海外クラブで経験を積む一方、国内リーグや育成年代から新たな選手が育つ仕組みを充実させることも欠かせない。代表の成功を一時的なブームで終わらせず、継続的な競争力につなげられるかどうかが、日本女子サッカーの次の課題となっている。
【澤穂希さんが第22回日本サッカー殿堂入り】功績とインタビューの意味
2026年度の第22回日本サッカー殿堂では、澤穂希さんが選手選考の女子部門で初めて殿堂入りを果たした。JFAは10月8日、澤さんへのインタビューを公開。澤さんは「非常に光栄なこと」と喜びを語り、これまで関わってきた指導者やチーム、関係者への感謝を示した。
澤さんは小学1年生のときに兄の影響でサッカーに出会い、初めて蹴ったボールがゴールに入った喜びを原点として挙げている。15歳で日本女子代表に初選出され、国内外のクラブでプレーを重ねた。代表では女子ワールドカップに6大会、オリンピックに4大会出場するなど、長年にわたり日本女子サッカーを支えてきた。
2011年のワールドカップについて、澤さんは選手やスタッフが一丸となって戦ったことを振り返っている。決勝では出場している選手だけでなく、ベンチの選手も含めてチーム全体が勝利を目指したという。個人の技術だけでなく、仲間と協力して困難を乗り越える力が、世界一につながったことを示すエピソードだ。
殿堂入りの意義は、過去の功績を称えることだけではない。澤さんが現役だった時代には、女子がサッカーを続けられる環境は今ほど整っておらず、進学や就職の段階で競技を諦める選手もいたと本人は振り返っている。現在はWEリーグが発足し、女子サッカー選手を将来の目標として描きやすくなったものの、競技を始め、続け、指導者や審判として関わり続けるための環境整備はまだ途上にある。
澤さんは現在、JFA Magical Field Inspired by Disneyなどの普及活動にも携わっている。トップ選手の経験を次世代に伝え、子どもたちがサッカーを始めるきっかけを増やすことは、代表の強化と同じく長期的な競技発展を支える取り組みだ。
【JFAの強化・育成方針】2026~2031年の女子サッカー戦略
日本サッカー協会は2026年8月14日、成長戦略「JFA成長戦略2026-2031」の柱として「女子全体戦略」を発表した。目指すのは、代表の競技成績を高めることと、女子サッカーに関わる人を増やすことを両立し、欧米の先進国に比肩する成長市場へ発展させることだ。
戦略では、2026年と2030年のAFC女子アジアカップ、2027年と2031年のFIFA女子ワールドカップ、2028年のオリンピックを主要な国際大会として挙げ、優勝を目標に設定している。関連人口については、選手だけでなく、女性指導者や女性審判員、観客、視聴者、SNSフォロワーなどを含めて2倍にする目標を掲げた。女子サッカーを勧めたいと思う人の割合を示す推奨度についても、10ポイントの向上を目指している。
重点課題は、リーグと育成年代の活躍、競技をする人の増加、女子・女性の憧れの獲得、商業価値の向上、機会創出と環境整備の5つだ。代表チームの成績だけでなく、競技を始める入口から、継続してプレーできる環境、国内リーグ、指導者や審判の育成、ファンの拡大までを一体的に進める考え方が特徴となっている。
その背景には、地域によって女子がサッカーを続けられる場所が十分でないことや、女性の指導者・審判・運営人材が不足しているという課題がある。強い代表をつくるには、将来の候補選手が各地域で継続的にプレーでき、適切な指導を受け、実戦経験を積める仕組みが必要だ。
WEリーグや育成年代の大会、JFAのアカデミー、地域のクラブ活動は、こうした仕組みを構成する重要な要素となる。海外で活躍する選手を増やすだけでなく、国内でプレーを続ける選択肢や、引退後に指導者・審判として競技に関わる道を広げることも、長期的な強化につながる。
今後の評価では、国際大会の順位だけを追うのではなく、女子登録選手数や育成年代の競争環境、女性指導者の育成、リーグの観客数など、複数の指標を確認したい。代表の好成績を競技人口や観戦者の増加につなげられるかどうかが、2026~2031年の戦略を測る大きなポイントとなる。
【日本サッカー女子】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:なでしこジャパンの次戦はいつですか?
A1:2026年11月29日(日)13時55分キックオフ予定のブラジル女子代表戦です。会場は広島のエディオンピースウイング広島です。続いて12月5日(土)15時から岡山のJFE晴れの国スタジアムでもブラジル戦が予定されています。
Q2:なでしこジャパンの試合はテレビやネットで見られますか?
A2:11月29日のブラジル戦は日本テレビ系全国ネットで生中継され、TVerでもライブ配信予定です。12月5日の試合はABEMAで無料生配信予定ですが、テレビ放送は2026年10月28日時点で未定です。放送・配信情報は変更される場合があるため、試合前に最新発表を確認してください。
Q3:2026年のなでしこジャパンの主な成績は?
A3:3月のAFC女子アジアカップで優勝し、2027年のFIFA女子ワールドカップ出場権を獲得しました。10月の欧州遠征ではハイチに5-1で勝利し、ドイツには1-2で敗れています。また、アジア競技大会の女子代表は決勝で朝鮮民主主義人民共和国をPK戦で破り、金メダルを獲得しました。
Q4:2026年の注目選手は誰ですか?
A4:10月の欧州遠征メンバーでは、谷川萌々子、長谷川唯、長野風花らが注目選手です。谷川はドイツ戦で先制ゴールを記録しました。ブラジル戦の出場選手については、直前の招集メンバーや先発発表を確認が必要です。
Q5:澤穂希さんはなぜ日本サッカー殿堂入りしたのですか?
A5:2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝をはじめ、日本女子代表を長く支え、国内外のクラブでも数多くの実績を残したためです。2026年度の第22回日本サッカー殿堂では、選手選考の女子部門で初の殿堂入りを果たしました。
Q6:日本女子サッカーの今後の課題は何ですか?
A6:代表の競技力向上に加え、女子登録選手の増加、育成年代の試合環境、女性指導者や審判の育成、WEリーグの発展、観客や視聴者の拡大が課題です。JFAは2026~2031年の女子全体戦略を通じて、競技成績と競技人口・ファンの拡大を両立させる方針を示しています。
2026年の日本女子サッカーは、AFC女子アジアカップ優勝という成果を残す一方、アメリカやドイツといった強豪との対戦から、世界の頂点を目指すうえでの課題も浮き彫りになった。11月29日と12月5日のブラジル戦は、年末の注目カードであると同時に、2027年の女子ワールドカップを見据えたチームづくりを追う機会となる。
最新情報を追う際は、JFAの公式日程・結果でスコアと開催日を確認し、テレビ放送とネット配信は試合ごとに分けてチェックしたい。選手の評価では得点数や勝敗だけでなく、対戦相手の強さ、出場時間、攻守の役割、チーム全体の連係にも目を向けると、試合内容をより正確に理解できる。
そして、日本女子サッカーの将来を考えるうえで重要なのは、代表の勝利を一過性の話題で終わらせないことだ。澤穂希さんら歴代選手が切り開いた道を、WEリーグや育成年代の環境整備につなぎ、次の世代が競技を始め、続け、世界に挑戦できる仕組みを築けるか。2026年の試合結果とJFAの新戦略は、その進展を見極めるための重要な手がかりとなる。