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熱はないけど寒気がするのはなぜ?原因・対処法と受診目安を2026年版で徹底解説

長谷川 澪 長谷川 澪 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
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熱はないのにゾクゾクする、体が震えるほど寒い、暖かい部屋にいても寒気が治まらない。こうした症状があると、「風邪の引き始め?」「インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の可能性は?」「病院に行くべき?」と不安になる人も多いのと考えられます。

寒気は、気温の低下や疲労、ストレスなどで起こることがある一方、感染症の初期症状や低血糖、低体温症などのサインである場合もあります。体温が平熱だからといって、病気の可能性を完全に否定できるわけではありません。

厚生労働省の令和8年度冬季の急性呼吸器感染症に関するQ&Aでは、2026年の国内インフルエンザについて、8月28日に流行入りが公表されたことも記載されています。寒気があるときは、季節や周囲の感染状況も踏まえながら、ほかの症状や体調の変化を確認することが大切です。

【原因を整理】熱はないけど寒気がするのはなぜ?考えられる6つの理由

熱はないけど寒気がする

寒気とは、体が冷たく感じたり、体が震えたりする感覚のことです。医学的には悪寒と呼ばれることもあり、単に室温が低いときだけでなく、体温調節の変化や感染症などによって起こります。

原因を見分ける際には、寒気が始まった状況、震えの強さ、食事や睡眠の状態、ほかに現れている症状を確認が必要です。

1.体の冷えや寒い環境

冷房の効いた室内に長時間いた、薄着で外出した、雨に濡れた、汗をかいたまま冷えたといった状況では、体から熱が奪われて寒気が生じることがあります。

この場合は、暖かい場所に移動し、濡れた衣服を着替え、適度に保温することで改善する傾向があります。ただし、強い震えが続いたり、意識がぼんやりしたりする場合は、単なる冷えと考えないでください。

2.風邪などの感染症の初期症状

感染症にかかると、体が病原体に対抗するために体温の設定を変化させ、熱が上がる前から寒気を感じることがあります。

この段階では、体温計の表示が平熱でも、数時間後に発熱する可能性があります。喉の痛み、鼻水、咳、頭痛、筋肉痛、倦怠感などが加わっていないか観察しましょう。

3.疲労や睡眠不足、栄養不足

睡眠不足や過労、食事を十分に取れていない状態では、体調を崩しやすくなり、寒気やだるさを感じることがあります。ただし、疲労だけが原因だと症状から断定することはできません。

十分に休んでも改善しない場合や、悪寒が繰り返し起こる場合には、別の病気が隠れていないか確認する必要があります。

4.ストレスや自律神経の乱れ

強い緊張や不安、ストレスによって交感神経が活発になると、血管の収縮、発汗、動悸、手足の冷え、震えなどが起こることがあります。こうした変化が、熱のない寒気として感じられる場合もあります。

仕事や人間関係で緊張したとき、睡眠不足が続いているときなどに症状が出やすい場合は、ストレスとの関連も考えられます。ただし、寒気があるからといって、自律神経の乱れが原因だとは限りません。感染症などの可能性も考慮しましょう。

5.低血糖

血糖値が下がると、寒気や震え、冷や汗、動悸、強い空腹感、ふらつきなどが現れることがあります。

特に注意したいのは、糖尿病の治療でインスリンや一部の血糖降下薬を使用している人です。食事の遅れ、食事量の減少、いつもより激しい運動などが低血糖のきっかけになることがあります。

厚生労働省の低血糖に関する資料でも、寒気や冷や汗、手足の震え、動悸などが症状として挙げられています。意識がはっきりしない、けいれんがある、正常に飲み込めない場合は、口から飲食物を与えず、直ちに救急対応を求めてください。

6.低体温症や、そのほかの病気

寒い環境への長時間の滞在や、濡れた衣服、十分な栄養を取れていない状態などでは、体の深部の温度が下がる低体温症を起こすことがあります。低体温症は、体の深部の温度が35℃未満になった状態で、医療機関での緊急対応が必要な病気です。

また、肺炎や尿路感染症などの感染症でも、悪寒が現れることがあります。高齢者や免疫機能が低下している人では、典型的な発熱が目立たない場合もあります。

寒気が何度も起こる、強い震えがある、排尿時の痛みや息苦しさなどを伴う場合は、体温が平熱でも早めに医療機関を受診しましょう。

【症状で比較】寒気だけの症状から考えられる病気と見分け方

寒気の原因を考えるうえでは、体温の数字だけでなく、症状の組み合わせや発症までの経過が重要です。ただし、症状だけで病名を確定することはできません。

考えられる原因 一緒に現れやすい症状・状況 対応の目安
冷え・環境による体温低下 寒い場所にいた、衣服が濡れた、手足が冷たい 暖かい場所で保温し、改善するか確認する
風邪の初期 喉の痛み、鼻水、咳、軽い倦怠感 休養し、症状の変化を観察する
インフルエンザ 急な悪寒、強い倦怠感、筋肉痛、頭痛、咳など 発熱がなくても疑わしい場合は医療機関に相談する
新型コロナウイルス感染症 寒気、喉の痛み、咳、倦怠感、頭痛など 必要に応じて検査や受診を検討する
低血糖 冷や汗、手の震え、動悸、空腹感、ふらつき 糖尿病治療中の人は血糖値を確認し、指示された方法で対処する
ストレス・不安 緊張、動悸、発汗、震え、手足の冷え 安全な場所で休み、症状が続く場合は相談する
低体温症 強い震え、冷たい皮膚、ふらつき、意識の変化 重症化の危険があるため、速やかに救急対応を求める
肺炎・尿路感染症など 咳、息苦しさ、排尿時の痛み、背中や脇腹の痛み、強い悪寒 早急に医療機関で評価を受ける

寒気と風邪の初期症状の違い

一般的な風邪は、喉の違和感や鼻水、くしゃみなどが徐々に現れることが多い一方、インフルエンザは悪寒、筋肉痛、頭痛、倦怠感などが比較的急に現れる傾向があります。

ただし、これはあくまで一般的な傾向です。風邪でも寒気が出ることがあり、インフルエンザでも必ず高熱が出るとは限りません。

寒気とインフルエンザの初期症状

米国疾病予防管理センター(CDC)は、インフルエンザの症状として、悪寒、咳、喉の痛み、筋肉痛、頭痛、倦怠感などを挙げています。また、インフルエンザに感染していても、発熱しない人がいることを説明しています。

寒気が急に始まり、全身の痛みや強いだるさが加わった場合は、熱がないという理由だけでインフルエンザを否定しないことが大切です。

寒気と新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症でも、悪寒、咳、喉の痛み、鼻水、倦怠感、頭痛などが現れることがあります。発症時の症状には個人差があり、インフルエンザと症状が重なるため、体感だけで両者を区別するのは困難です。

感染が疑われる場合は、国が承認した抗原定性検査キットなどの利用を検討し、必要に応じて医療機関に相談してください。高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、免疫機能が低下している人は、症状が軽くても早めに相談が必要です。

【自宅でできる対処法】熱がないのに寒気がするときはどうする?

寒気があり、意識や呼吸に異常がなく、症状が軽い場合は、まず安全な場所で休み、体を適度に温めながら体調を確認します。ただし、強い悪寒や危険な症状がある場合は、自宅で様子を見続けないでください。

1.室温を調整して体を適度に温める

寒い場所から離れ、乾いた衣服に着替え、毛布などを使って保温しましょう。濡れた衣服は体温を奪うため、できるだけ早く交換します。

一方、体温が上がり始めているときに、厚着や布団の重ねすぎで過度に温めると、かえって不快になることがあります。寒気が落ち着いたら、衣服や寝具を調整してください。

低体温症が疑われる場合は、熱い風呂に入る、手足を強くこする、熱源を直接当てるといった方法は避けます。意識の変化や強いふらつきがある場合は、保温しながら救急対応を求めましょう。

2.水分を補給し、十分な休養を取る

感染症や体調不良が疑われるときは、無理に仕事や運動を続けず、十分に休みましょう。水やお茶、スープなど、飲みやすいものを少しずつ補給します。

食事を抜いていて空腹感や震えがある場合は、低血糖の可能性にも注意が必要です。糖尿病の治療中であれば、主治医から指示された低血糖時の対応方法に従ってください。

3.感染症が疑われる場合は周囲への感染対策を行う

寒気に加えて咳や喉の痛み、鼻水などがある場合は、感染症の可能性を考えて、できるだけ人との接触を控え、必要に応じてマスクを着用しましょう。

医療機関の受診を希望する場合は、緊急時を除き、事前に電話などで相談するとスムーズです。厚生労働省も、急性呼吸器感染症への対応として、休養や水分補給、症状に応じた受診を案内しています。

4.市販薬を自己判断で使いすぎない

寒気だけで、必ずしも解熱鎮痛薬を使う必要はありません。原因が分からないまま複数の薬を併用すると、同じ成分を重複して服用するおそれもあります。

発熱や痛みなどが加わった場合は、薬の使用上の注意を確認し、持病や服用中の薬がある人は薬剤師や医師に相談してください。強い悪寒や全身状態の悪化を、薬で抑えて受診を遅らせないことも大切です。

【体温の測り方】熱がないときも測り直したほうがいい?

寒気を感じたときは、体温を測って現在の状態を確認しましょう。感染症の初期には、寒気が先に現れ、時間が経過してから体温が上がることがあります。

また、測定方法や測定するタイミングによって、体温計の表示が変わる場合もあります。

脇で測るときの正しい手順
  • 運動・入浴・飲食の直後を避ける:可能であれば30分以上安静にしてから測定します。


  • 脇の汗を拭く:汗が残っている場合は、乾いたタオルなどで拭き取ります。


  • 体温計の先端を脇の中央に当てる:体温計の説明書に従い、測定部が脇の中心に密着するようにします。


  • 腕をしっかり閉じる:測定中は腕を体に密着させ、体温計がずれないようにします。


  • 測定時刻と体温を記録する:体温だけでなく、寒気が始まった時間やほかの症状も記録しておくと、受診時に役立ちます。


こうした測定方法は、オムロン ヘルスケアの体温計の正しい使い方に関する案内などでも説明されています。使用している体温計が予測式か実測式かを確認し、取扱説明書に従って測定してください。

体温が平熱でも感染症を否定できない

1回測って平熱だったとしても、その後に発熱する可能性はあります。寒気が続いたり、喉の痛みや咳、頭痛、倦怠感などが加わったりした場合は、無理のない範囲で体温を測り直しましょう。

何度も短い間隔で測り続ける必要はありません。症状が変化したときや、一定時間休んだ後などに測定し、体温と全身状態の両方を確認することが大切です。

なお、脇で測った体温だけでは、体の深部の温度を正確に判断できない場合があります。低体温症が疑われるほど強く冷えているときや、意識や動作に異常があるときは、体温計の数値だけで安全と判断せず、医療機関に相談してください。

【受診目安】熱がない寒気でも病院に行くべき危険な症状

寒気があるときに最も注意したいのは、体温の数字だけを見て受診の必要性を判断してしまうことです。呼吸や意識の異常、急激な体調悪化などがある場合は、発熱していなくても緊急性があります。

すぐに119番で救急車を呼ぶべき症状
  • 息苦しさが強い、呼吸が困難になっている。


  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんがある。


  • 突然、支えなしでは立てないほどふらつく。


  • 胸の強い痛みや圧迫感が続く。


  • 体が冷え切り、ろれつが回らない、動作が不自然になるなど、低体温症が疑われる。


  • 急激に状態が悪化し、自力で水分を取れないなど、生命に関わる異常がある。


厚生労働省の「こんな時は迷わず119へ」でも、呼吸困難、意識障害、けいれん、突然の強いふらつきなどは、救急車を要請すべき症状として案内されています。

当日中に医療機関へ相談したい症状
  • 毛布をかけても治まらないほどの激しい悪寒や震えがある。


  • 寒気が繰り返し起こり、全身のだるさが強い。


  • 息苦しさ、咳、胸の痛みなどが新たに現れた。


  • 排尿時の痛み、頻尿、背中や脇腹の痛みなどがある。


  • 冷や汗や手の震え、動悸、ふらつきなど、低血糖を疑う症状がある。


  • 高齢者、妊婦、乳幼児、免疫機能が低下している人、重い基礎疾患のある人に寒気が現れた。


特に、激しい悪寒が続く場合は、重い感染症の可能性にも注意が必要です。済生会の敗血症に関する解説でも、毛布をかぶりたくなるほどの悪寒や、保温しても止まらない震えは、早急な受診が必要なサインとして説明されています。

寒気が続く期間と受診のタイミング

寒気について、すべての人に当てはまる一律の受診期限があるわけではありません。症状の強さ、ほかの症状、年齢や持病などによって判断が変わります。

  • 短時間で改善する場合:冷えなど明確なきっかけがあり、保温や休養で改善し、ほかに気になる症状がなければ、体調の変化を観察します。


  • 数時間休んでも改善しない場合:寒気が続く、繰り返す、だるさなどが強まる場合は、早めに医療機関へ相談します。


  • 翌日も続く場合:明らかな冷えなどの原因がなく、寒気が翌日も続く場合は、受診を検討してください。悪化している場合は翌日まで待つ必要はありません。


  • 危険な症状がある場合:持続時間や体温に関係なく、直ちに救急対応を求めます。


「熱が出るまで待つ」「何日か続いてから病院に行く」と決めつけないことが大切です。症状が軽く見えても、普段と明らかに違う状態が続くときは、早めに相談しましょう。

【何科を受診する?】寒気が続くときの診療科と相談のポイント

熱のない寒気が続く場合、最初の相談先としては、内科やかかりつけ医が適しています。寒気だけでは原因を特定できないため、症状全体を確認したうえで、必要に応じて検査や専門診療につなげてもらいます。

症状に応じた受診先の考え方
  • 寒気、倦怠感、頭痛、咳などがある:内科やかかりつけ医に相談します。感染症が疑われる場合は、事前に連絡して受診方法を確認しましょう。


  • 排尿時の痛みや頻尿、背中・脇腹の痛みがある:内科で相談し、症状によっては泌尿器科での診察が必要になります。


  • 空腹時の震えや冷や汗が繰り返される:糖尿病の治療中であれば、主治医や糖尿病診療を行う医療機関に相談します。意識障害などがあれば救急対応が必要です。


  • 手足の冷えや寒がりが長期間続く:内科で相談し、必要に応じて貧血や甲状腺機能などを調べることがあります。


受診前に記録しておきたい5つの情報
  • 寒気が始まった日時と、どのくらい続いているか。


  • 体温と測定した時刻、測定した場所。


  • 震えの強さや、寒気が出る頻度。


  • 咳、喉の痛み、頭痛、腹痛、排尿時の痛み、冷や汗などの有無。


  • 持病、服用中の薬、食事や水分を取れているかどうか。


こうした情報があると、医師が症状の経過を把握しやすくなります。受診時には、体温が平熱だったことだけでなく、実際に感じた寒気の強さや、ほかに現れた症状も具体的に伝えましょう。

【熱はないけど寒気がする】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:熱はないのに寒気がするのは風邪の引き始めですか? A1:風邪などの感染症の初期症状である可能性はあります。寒気が先に現れ、後から発熱することもあります。ただし、冷えや疲労、ストレス、低血糖などでも起こるため、喉の痛みや咳、倦怠感などの有無と症状の変化を確認しましょう。

Q2:寒気だけでほかに症状がなければ、病院に行かなくても大丈夫ですか? A2:冷えなどの明確な原因があり、保温や休養で速やかに改善し、ほかに異常がなければ、経過を観察できる場合があります。ただし、激しい震え、症状の繰り返し、意識や呼吸の異常がある場合は別です。熱がないことだけを理由に受診を控えないでください。

Q3:熱がない寒気は何日続いたら病院に行くべきですか? A3:一律に何日と決まっているわけではありません。数時間休んでも改善しない、翌日も続く、繰り返し起こる場合は、早めに内科やかかりつけ医へ相談しましょう。高齢者や基礎疾患のある人は、より早い相談が適切です。激しい悪寒や呼吸困難、意識障害などがある場合は、時間を置かずに救急対応を求めてください。

熱はないけど寒気がする場合、原因は環境による冷えから、感染症、低血糖、低体温症までさまざまです。症状だけで病気を断定することはできませんが、寒気が始まった状況や、ほかに現れている症状を確認することで、次に取るべき行動を判断しやすくなります。

最も重要なのは、体温計の数字と実際の体調を切り離して考えないことです。平熱でも感染症が始まっている可能性はあり、重い病気では発熱が目立たないこともあります。

まずは適度に体を温め、水分を補給して休み、正しい方法で体温を測定しましょう。そのうえで、症状が続く場合や繰り返す場合は医療機関に相談し、呼吸困難、意識障害、激しい震えなどの危険なサインがあれば、直ちに救急対応を求めてください。

寒気の強さや持続時間、ほかの症状を記録しておくことも、適切な診断につながります。「熱がないから大丈夫」と決めつけず、いつもと違う体の変化を見逃さないことが、自分の健康を守るための判断基準です。

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