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コロナ後遺症の割合は何%?2026年最新調査で見る発症率・症状・受診目安を徹底解説

如月 拓 如月 拓 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
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新型コロナウイルス感染症から回復した後も、疲労感や息切れ、集中力の低下などが続く「コロナ後遺症」。2026年現在、感染者の何%に発症するのか、オミクロン株でも起こるのか、いつまで症状が続くのかを気にしている人は少なくありません。

厚生労働省が公表した調査では、感染から24か月後にも何らかの罹患後症状があると回答した人の割合は、成人で大阪府八尾市の調査が3.5%、北海道札幌市の調査が7.2%でした。一方、別の研究では感染者の11.8%に症状が確認されています。この違いは、調査時期や症状の定義、対象者の違いなどによるものです。数字を正しく読み解くには、単に割合を比較するのではなく、調査の条件まで確認する必要があります。

【結論】コロナ後遺症の割合は何%?国内の最新調査から読み解く

コロナ後遺症割合

コロナ後遺症の割合を一つの数字で示すのは困難です。厚生労働省の研究資料、国立国際医療研究センターの研究、世界保健機関(WHO)の推計では、対象となる人や症状の定義、観察期間が異なります。

2025年に公表された厚生労働省の令和6年度調査資料では、感染から24か月後の罹患後症状について、成人では八尾市の調査で3.5%、札幌市の調査で7.2%という結果が示されました。これらは、感染後の一定時点に症状が残っていると回答した人の割合です。感染後のどこかの時点で一度でも症状を経験した人の割合とは異なります。

一方、国立国際医療研究センターが2024年7月に公表した研究では、オミクロン株のBA.5系統が流行した2022年夏に感染した20〜69歳の人を対象に調査を実施。感染者8,392人のうち、罹患後症状が確認された割合は11.8%でした。非感染者6,318人のうち、2か月以上続く同様の症状があった人は5.5%で、感染者のほうが約2倍高い結果でした。

この11.8%と、感染から24か月後の3.5〜7.2%は、単純に矛盾する数字ではありません。前者は感染から平均約168日後に行われた調査で、後者は感染後の長期的な経過を追った調査です。症状を判定する条件や対象者の選び方も異なります。

厚生労働省の罹患後症状に関するQ&Aでは、WHOの知見として、COVID-19感染者の約6%に罹患後症状が発生すると紹介しています。WHOの2023年の解説には10〜20%という推計もありますが、推計の時期や研究対象、定義が異なるため、同じ条件で得られた数字として扱うことはできません。

つまり、コロナ後遺症の割合を調べる際は、調査時点と症状の定義をそろえて比較が必要です。「感染者の何%に起きるか」と「感染から何年後にも症状が残る人は何%か」は、別の問いとして考える必要があります。

【調査研究を比較】コロナ後遺症の割合が異なる理由と数字の見方

コロナ後遺症の発症率をめぐる研究では、症状の持続期間、感染からの経過時間、調査対象者の属性などが結果に影響します。代表的な国内調査を比較すると、割合の違いがどこから生じるのかが見えてきます。

調査・対象 調査時点・条件 主な結果
厚生労働省の調査・八尾市の成人 感染から3か月、12か月、24か月後 13.8% → 5.8% → 3.5%
厚生労働省の調査・札幌市の成人 感染から3か月、12か月、24か月後 18.1% → 9.1% → 7.2%
厚生労働省の調査・八尾市の小児 感染から3か月、12か月、24か月後 5.4% → 1.2% → 0.3%
厚生労働省の調査・札幌市の小児 感染から3か月、12か月、24か月後 6.0% → 1.8% → 0.8%
国立国際医療研究センターの研究・BA.5流行期の感染者 感染から平均約168日後。2か月以上続く症状を調査 感染者の11.8%。非感染者の同様の症状は5.5%

出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について」(令和6年度調査資料)、国立国際医療研究センター「オミクロン株(BA.5系統)流行期のCOVID-19感染後の罹患後症状の頻度とリスク要因の検討」(2024年7月1日)。数値は各調査で用いられた定義に基づくもので、相互に完全比較できるものではありません。

割合を読む際に、特に確認したいのは次の3点です。

  • 症状の定義:咳や倦怠感などが2か月以上続いた人を数える調査と、WHOの定義に沿って感染から3か月後にも症状がある人を評価する調査では、対象が異なります。
  • 調査した時期:感染から数か月後の割合と、1〜2年後の割合は同じではありません。回復する人が増えるため、経過とともに数値が下がる傾向があります。
  • 調査方法と回答者:オンラインアンケートや住民調査では、症状がある人ほど回答しやすいといった偏りが生じる可能性があります。また、症状が本人の自覚に基づく調査と、医師による診断は区別が必要です。

海外の研究にも幅があります。2025年に公表された大規模なシステマティックレビュー・メタ解析では、429研究を対象とした統合推計でLong COVIDの割合が36%と報告されました。ただし、対象集団や症状の定義、追跡期間が研究ごとに異なるため、この数字を日本の住民調査の割合にそのまま当てはめることはできません。

「コロナ後遺症は何%か」という疑問に対しては、まず自分が知りたいのが感染後の一定期間に症状があった割合なのか、長期間症状が続く割合なのかを整理すると、データを正しく比較できます。

【主な症状と診断基準】コロナ後遺症はどのような状態を指す?

コロナ後遺症は、医学的には「罹患後症状」と呼ばれ、英語では「Long COVID」や「post-COVID-19 condition」と表現されます。感染性が消失した後も症状が続いたり、いったん回復してから新しい症状が現れたりする状態を指します。

厚生労働省が紹介するWHOの定義では、感染歴があり、通常は発症から3か月の時点にも症状が認められ、少なくとも2か月以上持続し、ほかの疾患では説明できない状態が「罹患後症状」に該当します。症状が現れたり、軽くなったり、再び悪化したりするケースもあります。

代表的な症状は、次のとおりです。

  • 全身症状:疲労感、倦怠感、筋肉痛、関節痛、筋力低下
  • 呼吸器症状:息切れ、咳、痰、胸の痛み
  • 脳・神経に関係する症状:集中力低下、記憶障害、ブレインフォグ、頭痛
  • 嗅覚・味覚の症状:においや味が分かりにくい、以前と感じ方が違う
  • その他の症状:睡眠障害、脱毛、気分の落ち込みなど

ブレインフォグとは、頭に霧がかかったように感じ、考えがまとまりにくい、集中できない、記憶を取り出しにくいといった状態を表す言葉です。日常会話や仕事、学業に影響することがあります。

ただし、これらの症状があれば必ずコロナ後遺症というわけではありません。貧血、甲状腺の病気、呼吸器疾患、睡眠障害など、別の原因でも似た症状が生じます。診断では感染歴と症状の経過を確認し、必要に応じてほかの疾患を調べることが大切です。

コロナ後遺症を一つの検査だけで確定できるわけではありません。WHOの定義は症状の持続期間や他の疾患との区別を重視していますが、診断や検査の内容は個々の症状によって異なります。感染後に続く不調を、自己判断だけで後遺症と決めつけたり、反対に後遺症ではないと否定したりすることは避けましょう。

【いつまで続く?】コロナ後遺症の経過と長引くケース

コロナ後遺症がいつまで続くかは、人によって異なります。数週間から数か月で改善する人がいる一方、1年以上症状が続く人もいます。WHOも、個人ごとの持続期間を正確に予測することは難しいと説明しています。

国内の厚生労働省の調査では、感染からの経過とともに罹患後症状を有すると回答した割合が低下しました。成人では、八尾市の調査で感染3か月後の13.8%から24か月後の3.5%へ、札幌市の調査では18.1%から7.2%へ減少しています。

ただし、割合が低下したからといって、すべての人が同じ速度で回復するわけではありません。症状の種類によって経過が異なり、倦怠感が軽くなっても、集中力低下や息切れが残る場合があります。また、いったん改善した症状が再び現れることもあります。

長期化する症状は、本人の生活にも影響します。厚生労働省の調査では、罹患後症状が持続した人は、症状がない人と比べて、仕事や就学の時間が減ったり、休みがちになったりする傾向が確認されています。症状の有無だけでなく、生活への影響も見逃せません。

なお、感染から24か月後にも症状があると回答した人の割合は、厳密な意味での「一生続く確率」を示すものではありません。調査時点で症状があることと、その後も症状が続くことは別です。長引いている場合は、経過を記録しながら医療機関に相談してください。

【年齢・重症度・オミクロン株・ワクチン】発症率を左右する要因

コロナ後遺症の発症率や持続期間には、感染時の重症度、年齢、基礎疾患、感染した時期、ワクチン接種歴などが関係する可能性があります。ただし、どの要因がどれほど影響するかは、研究によって結果が異なります。

年齢別の割合:厚生労働省の住民調査では、同じ感染時期で比較すると、小児の罹患後症状の割合は成人より低い傾向が確認されました。感染から24か月後の調査では、八尾市の小児が0.3%、札幌市の小児が0.8%でした。ただし、子どもでも罹患後症状は起こり得ます。また、成人の割合は調査地域によって異なるため、年齢だけで個人のリスクを判断することはできません。

感染時の重症度との関係:国立国際医療研究センターのBA.5流行期の研究では、感染時の重症度が高かった人ほど罹患後症状の頻度が高い傾向が示されました。一方、研究対象者の99.2%は軽症または無症状でした。この結果は、軽症だった人にも罹患後症状が起こることを示しています。重症化しなかったからといって、後遺症のリスクがゼロになるわけではありません。

オミクロン株の割合:オミクロン株の流行期にも罹患後症状は確認されています。BA.5流行期を対象にした国内研究では11.8%という割合が報告されました。ただし、この数字は同じ調査条件で感染前の変異株と直接比較した発症率ではありません。厚生労働省の長期追跡調査では、第6〜7波の感染者は第4〜5波の感染者に比べ、24か月以上症状が持続する割合が低い傾向を示した分析もありますが、地域や調査方法による違いには注意が必要です。

ワクチンの影響:国立国際医療研究センターの研究では、感染前にワクチンを接種していた人は、接種していない人に比べて罹患後症状の頻度が低い傾向を示しました。2025年に公表された海外のシステマティックレビュー・メタ解析でも、ワクチンによるLong COVIDの発症リスク低減が示唆されています。ただし、研究数や対象集団によって推定値には幅があり、ワクチン接種によって後遺症を完全に防げると断定することはできません。

加えて、同じ人が複数回感染する場合もあります。厚生労働省の札幌市の成人調査では、複数回感染した人は、初回感染のみの人に比べて24か月以上症状が続くことと関連していました。再感染後に不調が現れた場合も、以前の感染による症状と決めつけず、現在の症状を医師に伝えることが大切です。

これらの研究から分かるのは、後遺症のリスクが一つの要因だけで決まるわけではないということです。年齢が若い、感染時に軽症だった、ワクチンを接種していたという理由だけで、症状が出ないと判断することはできません。

【受診の目安】コロナ後遺症が疑われるときの対処法

感染後の不調が続いている場合、何か月も我慢してから受診する必要はありません。症状が改善しない、繰り返す、日常生活に影響している場合は、かかりつけ医や地域の医療機関に相談しましょう。

特に、次のような症状がある場合は、受診を検討してください。

  • 疲労感が強く、仕事や学校、家事を普段どおりにこなせない
  • 少し動いただけで息切れし、以前より活動できなくなった
  • 集中力や記憶力の低下が続き、仕事や学業に支障が出ている
  • 咳、頭痛、睡眠障害、嗅覚・味覚障害などが改善しない
  • いったん軽くなった症状が再び悪化する

強い息苦しさ、持続する胸の痛み、意識の変化、突然の片側の手足の麻痺などがある場合は、後遺症と考えて様子を見るのではなく、救急医療を含めて速やかに対応してください。

受診する際は、感染した時期、症状が始まった時期、日ごとの変化、発熱や呼吸器症状の有無、服用中の薬などを整理しておくと、診察で状況を伝えやすくなります。疲労感や息切れについては、どの程度の活動で症状が出るのか、活動後に悪化することがあるのかも記録しておくと役立ちます。

診療科は症状によって異なります。息切れや咳が中心なら内科や呼吸器内科、嗅覚・味覚障害なら耳鼻咽喉科などが相談先になります。どこを受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらう方法があります。

厚生労働省は、罹患後症状についての情報や都道府県別の相談先を案内しています。受診先に迷った場合は、地域の医療機関や自治体の相談窓口も確認してください。

【コロナ後遺症割合】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:コロナ後遺症になる確率は、結局何%ですか?
A1:調査条件によって異なります。国内の長期追跡調査では、感染から24か月後に症状があると回答した成人の割合は3.5〜7.2%でした。一方、オミクロン株BA.5流行期の国内研究では11.8%という結果もあります。感染後のどの時点を調べた数字なのか、症状をどのように定義したのかを確認が必要です。

Q2:軽症や無症状でもコロナ後遺症になりますか?
A2:はい。軽症や無症状だった人にも罹患後症状が起こる可能性があります。感染時の重症度が高い人ほどリスクが高い傾向は報告されていますが、軽症だったことだけを理由に後遺症を否定することはできません。

Q3:コロナ後遺症はいつまで続きますか?
A3:数週間から数か月で改善する人がいる一方、1年以上症状が続く人もいます。厚生労働省の調査では、感染から時間がたつにつれて症状がある人の割合は低下しましたが、個人の回復時期を正確に予測することはできません。症状が続いて日常生活に支障がある場合は、早めに医療機関に相談してください。

2026年現在、コロナ後遺症の割合については、国内外でさまざまな調査結果が報告されています。国内の長期追跡調査では感染から24か月後の割合が成人で3.5〜7.2%となった一方、オミクロン株BA.5流行期を対象とした研究では11.8%という結果が得られました。調査時点、症状の定義、対象者の違いを踏まえて読むことが欠かせません。

疲労感、息切れ、集中力低下、睡眠障害などの罹患後症状は、感染時の重症度にかかわらず起こる可能性があります。多くの人では時間とともに改善するものの、症状が長引くケースもあり、仕事や学校、日常生活への影響にも目を向ける必要があります。

コロナ後遺症の発症率を知ることは、自分の状態を理解する手がかりになります。ただし、統計上の割合だけで個人のリスクや回復時期を決めることはできません。感染後の不調が続いているなら、症状の経過を記録し、必要に応じて医療機関に相談することが、適切な対応につながります。

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如月 拓

家計・住まい・制度の話題を担当。公的機関の公表資料と専門家の見解を照合し、推測と事実を分けて書きます。

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