2023年11月18日、静岡県のIAIスタジアム日本平で行われたU-22日本代表とU-22アルゼンチン代表の国際親善試合。日本は先制後に逆転を許しながらも、鈴木唯人の2得点などで巻き返し、最終的に5-2で逆転勝利を収めました。加えて、11月21日の第2戦では、非公開のトレーニングマッチで0-0の引き分けに終わっています。
日本サッカー協会(JFA)の公式記録と試合レポートをもとに、得点経過、スタメン、出場メンバー、勝因と課題を整理します。2026年に過去の試合を振り返るうえで押さえておきたいのは、5得点という結果だけでなく、ビハインドから試合をひっくり返した攻撃の連係と、大岩剛監督が指摘したビルドアップの課題です。
【試合結果】5-2逆転勝利と第2戦0-0、何が起きた?

U-22日本代表とアルゼンチンの対戦は、2023年11月18日と21日の2試合です。ただし、2試合は同じ形式ではありません。18日は観客を入れて開催された国際親善試合、21日は非公開のトレーニングマッチでした。
第1戦は、パリオリンピック2024を目指して強化を進めていた日本にとって、国内で行う重要な実戦機会でした。会場のIAIスタジアム日本平には1万1,225人が来場。日本は佐藤恵允のゴールで先制したものの、アルゼンチンに2点を奪われ、一時は1-2とリードを許します。
しかし、後半に鈴木唯人が2得点を挙げて逆転。松村優太と福田師王も加点し、5-2で試合を終えました。JFAの公式記録では、前半1-1、後半4-1というスコアです。
続く21日の第2戦は、両チームとも得点を挙げられず0-0。JFAの発表によると、試合は45分ハーフの計90分で、交代人数に制限を設けない形式で実施されました。非公開だったため、第1戦と同じように観客向けの試合記録や映像を通じて詳細を追えるわけではありません。
つまり、「アルゼンチンに5-2で勝った」という情報と「第2戦は0-0だった」という情報は矛盾していません。異なる日に行われた、形式の違う2試合の結果です。
【得点経過】佐藤恵允の先制から鈴木唯人の2発まで
第1戦の展開を理解するうえで重要なのは、日本が終始リードしていたわけではない点です。先制後に追いつかれ、後半には逆転を許した日本が、66分からの約20分間で試合の流れを大きく変えました。
JFAの公式記録に基づく得点経過は次のとおりです。
- 18分|日本 1-0 アルゼンチン:佐藤恵允が右足のシュートで先制。
- 22分|1-1:アルゼンチンのパブロ・ソラリが同点ゴール。
- 50分|日本 1-2 アルゼンチン:ティアゴ・アルマダが直接フリーキックを決め、アルゼンチンが逆転。
- 66分|2-2:鈴木唯人が左足で決め、試合を振り出しに戻す。
- 75分|日本 3-2 アルゼンチン:鈴木唯人が自身2点目を決め、日本が逆転。
- 81分|4-2:松村優太が左足のミドルシュートで追加点。
- 88分|5-2:福田師王がゴールを決め、勝利を決定づける。
最初の得点は、松木玖生の縦パスを受けた佐藤恵允がカットインから右足を振り抜いた場面でした。JFAの試合レポートによると、佐藤は相手が強くプレスをかけてこないと感じ、積極的にゴールを狙ったと振り返っています。
一方、22分の失点では守備の連係ミスを突かれ、後半開始直後にはアルマダの直接フリーキックで逆転を許しました。日本にとっては、攻撃の勢いだけで押し切れる試合ではなかったことが分かります。
試合を決定づけたのは、鈴木唯人の連続得点でした。66分は半田陸の右サイドからのパスを受けて同点弾。75分は半田のパスにゴール前で反応して逆転弾を決めています。2得点はいずれも半田との連係が光った場面であり、個人の決定力と味方との意思疎通が結びついた結果でした。
加えて、松村優太のミドルシュートと福田師王のゴールが続きます。福田はこの試合がU-22日本代表でのデビュー戦で、初出場を初ゴールで飾りました。JFA公式記録では、福田の得点は88分です。
【スタメン・メンバー】JFA公式記録で見る先発11人
2023年11月18日のU-22日本代表のスタメンは、GK藤田和輝、主将の藤田譲瑠チマを中心とした構成でした。JFAの試合レポートに掲載された先発メンバーは以下のとおりです。
GK
- 藤田和輝
DF
- 半田陸
- 西尾隆矢
- 木村誠二
- バングーナガンデ佳史扶
MF
- 藤田譲瑠チマ(主将)
- 鈴木唯人
- 三戸舜介
- 松木玖生
- 佐藤恵允
FW
- 小田裕太郎
控えには、GKの佐々木雅士、野澤大志ブランドン、DFの山﨑大地、大畑歩夢、畑大雅、鈴木海音、MFの近藤友喜、松村優太、山田楓喜、川﨑颯太、山本理仁、福井太智、FWの植中朝日、福田師王が名を連ねました。
この試合では、先発組だけでなく途中出場の選手も結果を残しました。佐藤の負傷に伴って前半終了間際から出場した松村が81分に得点し、福田も途中出場から88分にゴールを記録。選手交代が得点力の上積みにつながったことは、チーム全体の層を評価するうえで注目すべき点です。
なお、ここで紹介したのは18日の国際親善試合のメンバーです。21日の非公開トレーニングマッチは交代人数に制限がなく、第1戦と同じ先発メンバーだったと一律に扱うことはできません。
【2試合比較】国際親善試合と非公開トレーニングマッチの違い
2試合の結果を正確に把握するには、スコアだけでなく開催形式も確認する必要があります。JFAの公式記録と発表をもとに整理すると、次のようになります。
| 項目 | 第1戦 | 第2戦 |
|---|---|---|
| 開催日 | 2023年11月18日 | 2023年11月21日 |
| 試合形式 | 国際親善試合 | 非公開トレーニングマッチ |
| 会場 | IAIスタジアム日本平 | IAIスタジアム日本平 |
| 結果 | 日本 5-2 アルゼンチン | 日本 0-0 アルゼンチン |
| 日本の得点者 | 佐藤恵允、鈴木唯人(2得点)、松村優太、福田師王 | 得点なし |
| 特記事項 | 観客1万1,225人。日本の国内初の親善試合 | 45分×2本、交代人数制限なし |
この比較で押さえたいのは、2試合目の0-0を、第1戦の5-2を打ち消す結果として捉えるべきではないことです。第1戦は観客の前で行う国際親善試合で、得点力や試合運びを確認する機会でした。第2戦は非公開で実施され、より柔軟に選手を起用できるトレーニングマッチでした。
同じ相手と中2日で再戦できたこと自体、強化の観点では貴重です。もっとも、第2戦の詳細な出場記録や戦術的な内訳は公開情報が限られるため、0-0という結果だけから、攻撃が改善した、あるいは悪化したと断定することはできません。
【ハイライトの見どころ】半田陸との連係と交代選手の決定力
U-22日本代表のアルゼンチン戦ハイライトで、特に注目したいのは3つのポイントです。
1つ目は、佐藤恵允の積極性です。18分の先制点は、相手の守備を見極めながら自らシュートを選択した場面でした。松木玖生の縦パスを受けてゴールを狙う一連のプレーは、日本が前向きに攻撃を仕掛けた象徴的なシーンです。
2つ目は、鈴木唯人と半田陸の連係です。鈴木の2得点は、いずれも半田が関与した攻撃から生まれました。個人技だけでなく、パスを出すタイミングやゴール前への走り込みが合致したことが、逆転につながりました。2人の関係性は、この試合の攻撃を読み解く重要な手掛かりです。
3つ目は、交代選手による追加点です。松村は左足のミドルシュートでリードを広げ、福田は藤田譲瑠チマのロングフィードに反応してゴールを決めました。異なる形から得点できたことは、特定の選手だけに依存しない攻撃の可能性を示しています。
試合の映像を探す場合は、JFAが公開した公式の試合ハイライトや、JFATVのチームカム映像が参考になります。チームカムは試合当日の舞台裏も収録しており、試合の得点経過を追う映像とは異なる角度から代表活動を振り返れます。
【勝因と課題】大岩剛監督の試合後コメントから読み解く
5-2という結果だけを見れば、日本の攻撃力が際立った試合です。しかし、JFAの公式レポートを読むと、大岩剛監督は勝利を手放しで評価していたわけではありません。
監督は試合後、「まだまだやらなければいけないことがあります」とコメント。特に、ボールを保持している状況でも判断やプレー選択のミスからボールを失う、ビルドアップの課題を指摘しました。攻撃で結果を出した一方、自分たちが試合をコントロールできなかった時間帯もあったという評価です。
勝因の1つ目は、攻撃の選択肢が複数あったことです。佐藤のミドルシュート、鈴木の連係からの得点、松村のミドルシュート、福田の裏への抜け出しと、ゴールの形は一様ではありませんでした。藤田譲瑠チマのロングフィードから福田が得点した場面も、後方から一気に局面を変える選択肢があったことを示しています。
2つ目は、ビハインドでも攻撃の圧力を保ったことです。日本は1-2と逆転されたあとも得点を重ね、66分の同点弾から75分の逆転弾へとつなげました。相手の疲労が見え始めた時間帯にも攻撃を緩めなかったことが、終盤の追加点にも結びついています。
一方で、課題も明確です。22分の失点は守備の連係ミスを突かれたもので、50分には直接フリーキックから失点しました。強豪国を相手にする場合、攻撃で複数得点を挙げられても、守備の小さなミスやセットプレーへの対応が試合の流れを左右します。
ビルドアップについても、ボールを持つ時間が長いことと、効果的に前進できることは同じではありません。保持している最中の判断ミスでボールを失えば、相手に速攻の機会を与えます。大岩監督が個人の判断とチーム構造の両面に言及したのは、技術だけでなく、味方との距離やパスコース、プレーの選択肢まで含めて修正する必要があったためです。
鈴木唯人も試合後、勝利を喜びながら、アルゼンチンの選手と比べて自分たちに劣る部分があり、個々の成長が必要だという趣旨のコメントを残しました。大量得点という成果と、世界基準に近づくための課題。その両方を認識していたことが、この試合の要点です。
【プロの結論】5-2を評価するときに見るべき3つの指標
U-22日本代表のアルゼンチン戦を分析するなら、単純な得点差だけでチームの実力を判断するのは適切ではありません。評価すべきなのは、得点を生み出す仕組みと、失点後に修正する力、そして課題を次の試合に生かせるかどうかです。
第一の指標は、得点パターンの多様性です。佐藤のシュート、鈴木と半田の連係、松村のミドルシュート、福田の裏への抜け出しは、それぞれ異なる形の攻撃でした。複数の方法で得点できれば、特定の選手や攻撃パターンを封じられた場合にも対応しやすくなります。
第二の指標は、失点後の対応力です。日本は一度逆転されても崩れず、同点、逆転、追加点とつなげました。ただし、失点を招いた守備の連係ミスやビルドアップの判断ミスは別の問題として残ります。攻撃で取り返せたことと、失点を防ぐ力が十分だったことは区別して評価すべきです。
第三の指標は、選手層と再現性です。松村や福田が途中出場から得点したことは、交代によって攻撃の強度を維持できる可能性を示しました。今後の強化で重要なのは、同じ選手が毎回得点することではなく、異なる相手や試合展開でも同じようにチャンスを作れるかどうかです。
この3つの視点で見れば、5-2は攻撃面で大きな収穫があった試合である一方、完成度を証明する最終回答ではありません。大岩ジャパンが目指していたのは、パリオリンピック2024の出場権を懸けた戦いに向けて、チームとしての基準を引き上げることでした。勝利の価値は、得点数そのものだけでなく、そこから何を学び、どの課題を修正できたかによって評価されます。
【U-22日本代表とアルゼンチン】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:U-22日本代表はアルゼンチンに何対何で勝ちましたか?
A1:2023年11月18日の国際親善試合で、日本はアルゼンチンに5-2で逆転勝利しました。前半は1-1、後半は4-1でした。
Q2:アルゼンチン戦で得点した日本代表の選手は誰ですか?
A2:佐藤恵允、鈴木唯人(2得点)、松村優太、福田師王の4選手です。得点時間はそれぞれ18分、66分と75分、81分、88分でした。
Q3:U-22日本代表とアルゼンチンの第2戦も5-2だったのですか?
A3:いいえ。11月21日の第2戦は非公開のトレーニングマッチで、結果は0-0でした。第1戦の国際親善試合とは開催形式が異なります。
2023年11月18日のU-22日本代表対アルゼンチン戦は、日本が5-2で逆転勝利した一戦です。佐藤恵允の先制点、鈴木唯人の2得点、松村優太と福田師王のゴールによって、攻撃の多様性と途中出場選手の決定力が示されました。
一方、11月21日の第2戦は0-0。大岩剛監督が試合後に指摘したビルドアップの判断ミスや、守備の連係とセットプレーへの対応は、5得点という結果だけでは見えにくい課題でした。
2026年にこの2試合を振り返る際は、当時のU-22日本代表の強化過程を示す記録として捉えることが大切です。JFAの公式記録で得点経過やスタメンを確認し、試合レポートで監督と選手のコメントを読み合わせれば、スコアだけでは分からないチームの成長と課題が見えてきます。5-2の華やかな勝利と0-0の引き分けを合わせて見ることが、当時の日本代表をより正確に理解する手掛かりになります。