オランダ対アルゼンチンは、FIFAワールドカップの歴史に残る名勝負を繰り返してきたカードです。なかでも2022年12月9日のカタールワールドカップ準々決勝は、アルゼンチンが2点を先行しながらオランダに追いつかれ、延長戦でも決着がつかず、PK戦の末にアルゼンチンが4-3で勝利しました。試合のスコアは2-2。リオネル・メッシのPK、ナウエル・モリーナの先制点、ボウト・ベグホルストの劇的な同点ゴールが、今も語り継がれています。
2026年10月現在、両代表を取り巻く状況も大きく変わりました。2026年ワールドカップではアルゼンチンが決勝に進出した一方、オランダは決勝トーナメント1回戦で敗退。加えて、メッシは2026年10月にアルゼンチン代表での最後の試合を迎えました。過去の対戦結果から2022年の試合経過、歴代対戦成績、両代表の最新動向まで、公式記録を軸に整理します。
【試合結果】2022年カタールW杯準々決勝は2-2、PK戦4-3でアルゼンチンが勝利

2022年12月9日、カタールのルサイル・スタジアムで行われた準々決勝は、オランダ対アルゼンチンの対戦史を代表する一戦になりました。FIFAの公式試合記録によると、観客数は8万8,235人。試合は延長戦を終えても2-2のまま、PK戦へと突入しました。
アルゼンチンはナウエル・モリーナの先制点とメッシのPKで2点をリードしました。しかし、オランダは途中出場のボウト・ベグホルストが83分に1点を返し、後半アディショナルタイム11分に同点ゴールを決めます。2点差を追いつかれたアルゼンチンは、延長戦でも勝ち越せず、勝負の行方はPK戦に委ねられました。
最後はアルゼンチンがPK戦を4-3で制し、準決勝進出を決めました。オランダにとっては、試合終了間際の同点劇を勝利につなげられなかった悔しい敗戦です。一方のアルゼンチンは、優位な展開から追いつかれる苦境を乗り越え、最終的に大会制覇へと続く道を切り開きました。
なお、試合結果を確認する際に注意したいのが、2-2と4-3という2つの数字です。2-2は延長戦終了時点のスコア、4-3はPK戦の結果です。アルゼンチンが90分以内に勝ったわけではありません。
【試合経過】モリーナの先制点からベグホルストの同点ゴールまで
2022年の試合を振り返るうえで重要なのは、アルゼンチンが主導権を握った時間帯と、オランダが終盤にセットプレーを生かして反撃した時間帯の対比です。FIFAの試合記録やオランダサッカー協会の公式記録をもとに、主要な場面を時系列でまとめました。
| 時間 | 出来事 | 試合への影響 |
|---|---|---|
| 35分 | ナウエル・モリーナが先制点 | メッシのパスを受けたモリーナがゴールを決め、アルゼンチンが1-0とリード。 |
| 73分 | リオネル・メッシがPKを成功 | アルゼンチンが2-0とし、勝利に近づいたように見えた。 |
| 83分 | ボウト・ベグホルストが1点を返す | 途中出場のベグホルストがヘディングシュートを決め、オランダが1-2と追い上げる。 |
| 90分+11分 | ベグホルストが同点ゴール | トゥーン・コープマイネルスのFKから意表を突く連係で得点し、2-2に追いつく。 |
| 延長戦終了後 | アルゼンチンがPK戦を4-3で制する | エミリアーノ・マルティネスの好セーブもあり、アルゼンチンが準決勝へ進出。 |
前半35分、アルゼンチンはメッシの巧みなパスからモリーナがゴールを決めました。メッシが相手守備陣の隙を突き、走り込んだモリーナへ正確にボールを通した場面は、この試合を象徴する攻撃のひとつです。
後半73分には、マルコス・アクーニャへのファウルで得たPKをメッシが成功させ、アルゼンチンが2-0とリードを広げます。しかし、オランダはベグホルストを78分に投入すると、前線へのボール供給を強めました。83分のヘディングシュートで点差を縮めると、最後まで同点を狙い続けます。
最大の見せ場は90分+11分です。オランダはFKの場面で、キッカーのコープマイネルスがゴール前へ直接ボールを送ると見せかけ、短いパスをベグホルストへ通しました。ベグホルストは相手守備陣の隙を突いてシュートを放ち、土壇場で同点に追いつきます。単純なクロスではなく、セットプレーの工夫が生んだゴールでした。
PK戦では、アルゼンチンのGKエミリアーノ・マルティネスが、フィルジル・ファン・ダイクとステーフェン・ベルフワインのキックを阻止。オランダはコープマイネルス、ベグホルスト、ルーク・デ・ヨングが成功させましたが、アルゼンチンが4-3で競り勝ちました。メッシ、レアンドロ・パレデス、ゴンサロ・モンティエル、ラウタロ・マルティネスが成功し、エンソ・フェルナンデスは失敗しています。
【スタメンと戦術】アルゼンチンの攻撃力とオランダの終盤の修正
両チームの先発メンバーを見ると、それぞれの狙いが浮かび上がります。アルゼンチンはメッシとフリアン・アルバレスを前線に置き、中盤の連係と個人技を組み合わせる構成。オランダはフィルジル・ファン・ダイクを中心とした守備陣と、ウイングバックを使った攻撃を軸に試合へ臨みました。
アルゼンチンの主な先発メンバー:エミリアーノ・マルティネス、ナウエル・モリーナ、クリスティアン・ロメロ、ニコラス・オタメンディ、マルコス・アクーニャ、ロドリゴ・デ・パウル、エンソ・フェルナンデス、アレクシス・マック・アリスター、リオネル・メッシ、フリアン・アルバレスら。
オランダの主な先発メンバー:アンドリース・ノペルト、ユリエン・ティンバー、フィルジル・ファン・ダイク、ナタン・アケー、デンゼル・ダンフリース、マルテン・デ・ローン、フレンキー・デ・ヨング、デイリー・ブリント、コーディ・ガクポ、メンフィス・デパイ、ステーフェン・ベルフワインら。
FIFAの公式試合記録では、シュート数はアルゼンチンが15本、オランダが5本。枠内シュートもアルゼンチンが6本、オランダが2本で、数字のうえではアルゼンチンが多くのチャンスを作っていました。一方、オランダは限られた攻撃機会を得点に結びつけ、終盤にはセットプレーから試合を振り出しに戻しました。
この試合から読み取れるのは、チャンスの総数と試合の勝敗が必ずしも一致しないということです。アルゼンチンは個人技と連係で優位に立ちましたが、2点のリードを守り切れませんでした。対するオランダは、交代選手の起用とセットプレーの工夫によって、劣勢の展開を立て直しています。
また、ベグホルストの活躍は、途中出場の選手が試合の流れを変える典型例です。78分から出場した選手が2得点を挙げたことは、先発メンバーだけで試合を評価することの難しさも示しています。
【歴代対戦成績】オランダ4勝、引き分け5、アルゼンチン1勝
オランダとアルゼンチンは、1970年代からワールドカップの舞台で何度も対戦してきました。オランダサッカー協会の公式対戦記録では、2022年の試合までの通算成績は10試合でオランダ4勝、引き分け5、アルゼンチン1勝。総得点はオランダ15、アルゼンチン8と記録されています。
この成績を読む際には、PK戦の扱いに注意が必要です。通常の代表戦記録では、延長戦を終えて同点なら引き分けとして集計されることがあります。したがって、PK戦でアルゼンチンが勝った2014年と2022年も、試合そのもののスコアを基準にした通算成績では引き分けに含まれます。トーナメントでの勝ち上がりと、90分・延長戦のスコアを分けて考えることが大切です。
ワールドカップでの主な対戦結果は次のとおりです。
- 1974年:オランダが4-0で勝利。攻撃的なサッカーでアルゼンチンを圧倒しました。
- 1978年:アルゼンチンが決勝で3-1と勝利し、自国開催の大会で初優勝を果たしました。
- 1998年:オランダが準々決勝で2-1と勝利。デニス・ベルカンプのゴールが名場面として知られています。
- 2006年:グループステージで0-0。両チームとも決勝トーナメント進出を決めていた一戦でした。
- 2014年:準決勝は延長戦まで0-0。アルゼンチンがPK戦を4-2で制しました。
- 2022年:準々決勝は延長戦まで2-2。アルゼンチンがPK戦を4-3で制しました。
歴代対戦を振り返ると、オランダは1974年と1998年にワールドカップでアルゼンチンを破り、アルゼンチンは1978年の決勝で勝利しています。さらに2014年と2022年は、いずれも延長戦で決着がつかず、アルゼンチンがPK戦で勝ち上がりました。ワールドカップの直接対決では、両国の実力が拮抗し、最後の局面で勝敗が分かれる展開が繰り返されています。
なお、通算10試合にはワールドカップ以外の親善試合も含まれます。大会の成績だけを比較したい場合は、全対戦の勝敗とワールドカップでの勝ち上がりを混同しないことがポイントです。
【2026年最新情報】ワールドカップ後のオランダ代表とアルゼンチン代表
2026年の両代表は、ワールドカップで異なる結果を残しました。オランダはグループFを首位で突破したものの、決勝トーナメント1回戦に相当するラウンド32でモロッコと対戦。1-1で延長戦を終えた後、PK戦を2-3で落として大会を去りました。UEFAの大会総括でも、オランダはグループステージを首位で通過したチームとして記録されています。
その後のオランダ代表は、秋のUEFAネーションズリーグで戦いを続けています。オランダサッカー協会の公式試合結果によると、2026年9月24日のドイツ戦は1-1、9月27日のセルビア戦は2-1で勝利。10月1日のギリシャ戦は2-2、10月4日のセルビア戦は2-1で勝ちました。ワールドカップ敗退後も、次の公式戦へ向けてチームの立て直しを進めています。
一方、アルゼンチンは2026年ワールドカップで決勝まで進出しました。決勝トーナメントではエジプト、スイス、イングランドを破り、準決勝ではイングランドに2-1で勝利。しかし、7月19日の決勝ではスペインに延長戦の末0-1で敗れ、準優勝となりました。大会を通して勝ち上がる力を見せた一方、最後の一戦で優勝を逃す結果となっています。
2026年秋のアルゼンチン代表で大きな節目となったのが、メッシの代表引退です。FIFAは10月7日付の記事で、10月6日のベニン戦がメッシの代表での最後の試合になったと伝えました。AP通信の報道によると、アルゼンチンはこの試合に3-0で勝利し、メッシもPKを決めています。20年以上にわたって代表を支え、2022年ワールドカップ優勝にも貢献した主将の退場は、チームにとって時代の転換点です。
ただし、代表引退とサッカー選手としての現役引退は別の話です。メッシの代表での歩みが終わったことと、所属クラブでのプレーを続けることは区別して理解する必要があります。今後のアルゼンチン代表を追う際は、メッシの功績だけでなく、フリアン・アルバレスら次世代の選手がどのように攻撃を担うのかにも注目したいところです。
【プロの結論】PK戦の結果だけで両代表の実力を判断しない
オランダ対アルゼンチンの2022年準々決勝を正確に理解するには、試合のスコア、得点が生まれた経緯、PK戦の結果という3つの要素を分けて見る必要があります。アルゼンチンは攻撃機会を多く作り、メッシのPKで2点差を築きました。しかし、オランダは交代策とセットプレーを生かして同点に追いつき、勝敗をPK戦に持ち込みました。
PK戦でアルゼンチンが勝利したことは事実ですが、それだけをもってオランダが一方的に劣っていたと評価するのは適切ではありません。両チームとも異なる時間帯で強みを発揮し、最後まで勝敗が決まらない試合を演じました。アルゼンチンの勝因を分析するなら、メッシの創造性に加え、マルティネスのセーブ、キッカーの成功率、追いつかれた後の精神的な立て直しまで見る必要があります。
ゴールハイライトを見直す場合は、35分のモリーナの先制点、73分のメッシのPK、83分のベグホルストのヘディング、90分+11分の同点ゴールという順番で確認するのがおすすめです。この4場面を追うだけでも、アルゼンチンの優勢からオランダの反撃へと試合の流れが変わった理由を理解できます。
また、歴代対戦成績を比較する場合は、代表戦全体の通算成績とワールドカップでの勝敗を分けることが欠かせません。通算成績ではオランダが勝ち越していますが、2014年と2022年のワールドカップではアルゼンチンがPK戦で勝ち上がりました。どの大会を対象にするか、PK戦を勝敗に含めるかによって、数字の意味は変わります。
2026年以降の両代表を追ううえでは、オランダの若手と中堅の融合、そしてメッシの代表引退後のアルゼンチンの攻撃構築が重要な観察点になります。過去の名勝負を振り返るだけでなく、その経験が新しいチーム作りにどう生かされるかまで見ると、両国の対戦史をより深く理解できます。
【オランダ対アルゼンチン】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2022年カタールワールドカップのオランダ対アルゼンチンの結果は?
A1:延長戦終了時点で2-2となり、PK戦を4-3で制したアルゼンチンが勝利しました。これにより、アルゼンチンは準決勝に進出しました。
Q2:オランダ対アルゼンチン戦でゴールを決めた選手は?
A2:オランダはボウト・ベグホルストが83分と90分+11分に2得点。アルゼンチンはナウエル・モリーナが35分、リオネル・メッシが73分のPKで得点しました。
Q3:オランダとアルゼンチンの歴代対戦成績は?
A3:オランダサッカー協会の公式記録では、2022年までの代表戦10試合でオランダ4勝、引き分け5、アルゼンチン1勝です。PK戦で勝ち上がったチームと、通常の試合記録上の勝敗は区別して確認しましょう。
Q4:2026年のワールドカップで両代表はどこまで勝ち進んだ?
A4:アルゼンチンは決勝に進出してスペインに0-1で敗れ、準優勝でした。オランダはラウンド32でモロッコと1-1の末にPK戦で敗退しました。
Q5:メッシは2026年もアルゼンチン代表でプレーしている?
A5:FIFAの2026年10月の報道によると、10月6日のベニン戦が代表での最後の試合となりました。代表での活動は終えましたが、代表引退とクラブでの現役引退は別です。
オランダ対アルゼンチンの2022年カタールワールドカップ準々決勝は、2-2からPK戦へともつれ込み、アルゼンチンが4-3で勝利した試合です。メッシのPK、モリーナの先制点、ベグホルストの2得点、そしてマルティネスのセーブが、試合の流れを決定づけました。
歴代対戦成績ではオランダが4勝、引き分け5、アルゼンチンが1勝と記録されていますが、ワールドカップの直近2大会ではアルゼンチンがPK戦を制しています。2026年にはアルゼンチンが準優勝、オランダがラウンド32で敗退し、メッシの代表引退という大きな変化も起こりました。
両国の対戦を振り返る際は、単に最終スコアだけを見るのではなく、ゴールが生まれた時間帯、交代選手の影響、セットプレーの工夫、PK戦での対応を併せて確認が必要です。過去の名勝負と2026年のチーム事情をつなげて見ることで、次に両代表が対戦する際の見どころも、より明確になります。