2026年10月現在、東京世界陸上マラソンを振り返るうえで欠かせないのが、2025年9月に開催された東京2025世界陸上競技選手権大会の男女マラソンです。女子はケニアのペレス・ジェプチルチルが2時間24分43秒で優勝し、日本代表の小林香菜が2時間28分50秒で7位入賞。男子はタンザニアのアルフォンス・フェリックス・シンブが写真判定による接戦を制し、近藤亮太が11位で日本勢最高位となりました。
日本陸上競技連盟(日本陸連)の大会総括によると、今回のマラソンでは、暑熱環境への対応に加え、選手ごとのコンディショニング、給水対策、コースへの習熟が大きなテーマになりました。2026年の最新大会日程とあわせて、男女の公式順位、レース展開、日本代表の成績、暑さ対策の成果と課題を整理します。
【2026年最新】東京世界陸上マラソンは2025年大会を指す

「東京世界陸上マラソン」という検索語で結果を調べる際、最初に押さえておきたいのは大会の開催年です。東京で世界陸上競技選手権大会が開催されたのは2025年9月13日から21日まで。マラソンは女子が9月14日、男子が9月15日に実施されました。
2026年10月現在、東京で2026年版の世界陸上マラソンが開催される予定はありません。次回の世界陸上競技選手権大会は、中国・北京で2027年9月10日から19日まで開催される予定です。東京2025の結果を探している人は、2025年大会の公式リザルトを参照する必要があります。
なお、世界陸上のマラソンと、毎年開催される東京マラソンは別の大会です。世界陸上は各国の代表選手が世界一を争う選手権大会であり、一般参加ランナーも出場する市民マラソンとは、参加資格や競技の位置づけが異なります。
2026年に東京世界陸上マラソンの最新情報を調べる場合は、過去大会の結果、2027年の世界選手権日程、そして2026年に行われるほかの国際ロードレースを区別することが大切です。
【公式結果】世界陸上男子・女子マラソンの順位と日本代表成績
World Athleticsの公式リザルトによると、東京2025の女子マラソンはケニアのペレス・ジェプチルチルが優勝し、男子マラソンはタンザニアのアルフォンス・フェリックス・シンブが金メダルを獲得しました。
日本代表は女子で小林香菜が7位入賞を果たした一方、男子は近藤亮太の11位が最高でした。以下は男女の上位選手と日本代表の主な成績をまとめた一覧です。
| 種目 | 順位 | 選手名 | 国・所属 | 記録 |
|---|---|---|---|---|
| 女子 | 1位 | ペレス・ジェプチルチル | ケニア | 2時間24分43秒 |
| 女子 | 2位 | ティグスト・アセファ | エチオピア | 2時間24分45秒 |
| 女子 | 3位 | ジュリア・パテルナイン | ウルグアイ | 2時間27分23秒 |
| 女子 | 7位 | 小林香菜 | 日本・大塚製薬 | 2時間28分50秒 |
| 女子 | 13位 | 佐藤早也伽 | 日本・積水化学 | 2時間31分15秒 |
| 女子 | 28位 | 安藤友香 | 日本・しまむら | 2時間35分37秒 |
| 男子 | 1位 | アルフォンス・フェリックス・シンブ | タンザニア | 2時間09分48秒 |
| 男子 | 2位 | アマナル・ペトロス | ドイツ | 2時間09分48秒 |
| 男子 | 3位 | イリアス・アウアニ | イタリア | 2時間09分53秒 |
| 男子 | 11位 | 近藤亮太 | 日本・三菱重工 | 2時間10分53秒 |
| 男子 | 23位 | 小山直城 | 日本・Honda | 2時間13分42秒 |
| 男子 | 34位 | 吉田祐也 | 日本・GMOインターネットグループ | 2時間16分58秒 |
女子では小林の7位入賞に加え、佐藤が13位、安藤が28位でフィニッシュ。男子は近藤、小山、吉田の3選手がそれぞれ11位、23位、34位でした。男女とも日本勢が完走して順位を残したものの、男子は入賞ラインの8位以内に届きませんでした。
記録を見る際に注意したいのは、男子の1位と2位がともに2時間09分48秒である点です。同じ表示タイムでも着順は同じではありません。シンブはペトロスをわずか0.03秒差で上回っており、公式順位は写真判定を含む着順判定に基づいています。
【レース分析】女子は残り100メートル、男子は0.03秒の決着
女子:ジェプチルチルがアセファとの競り合いを制すWorld Athleticsのレースレポートによると、女子マラソンは終盤までペレス・ジェプチルチルとティグスト・アセファが優勝を争う展開になりました。両選手は国立競技場に並んで入り、トラック上でも互いに譲らない勝負を繰り広げました。
アセファが先行する場面もありましたが、ジェプチルチルは最後の直線、残り約100メートルで再び加速。2時間24分43秒でフィニッシュし、2時間24分45秒のアセファに2秒差をつけて金メダルを獲得しました。
ジェプチルチルにとっては、東京2020オリンピックの女子マラソン金メダルに続く大舞台でのタイトル獲得です。また、3位にはウルグアイのジュリア・パテルナインが入り、同国にとって世界選手権の陸上競技で初めてのメダルとなりました。
小林香菜は2時間28分50秒で7位。世界のトップ選手が最後まで優勝を争うレースで、日本代表として入賞を確保しました。日本陸連の総括でも、小林の結果は女子マラソンにおける大きな成果として取り上げられています。
男子:シンブが歴史的な写真判定の勝利男子マラソンは、タンザニアのアルフォンス・フェリックス・シンブとドイツのアマナル・ペトロスが最終盤まで金メダルを争いました。World Athleticsの報道によれば、両選手は国立競技場に入ってからも競り合い、最後の約30メートルでシンブが加速しました。
公式記録は2時間09分48秒で同タイムでしたが、シンブが0.03秒差で先着。タンザニアにとって、世界選手権の陸上競技における初の金メダルとなりました。3位にはイタリアのイリアス・アウアニが2時間09分53秒で入りました。
近藤亮太は2時間10分53秒で11位。日本陸連の総括では、近藤がマラソン2回目の出場でこの順位を残したことにも言及しています。男子は入賞に届かなかったものの、上位との距離を評価する際には、順位だけでなくタイム差やレース終盤の展開も確認する必要があります。
【開催日程とコース】早朝7時30分スタート、国立競技場が発着点
東京2025世界陸上のマラソンは、男女とも午前7時30分にスタートしました。当初の日程からロード種目の開始時刻を30分繰り上げたのは、猛暑が選手の健康と安全に及ぼす影響を考慮したためです。女子は9月14日、男子は9月15日に行われました。
World Athleticsが公表したコース案内によると、マラソンは国立競技場を発着点とし、都心の道路を通過するコースでした。国立競技場を1周と4分の1周してスタートし、富久町西、水道橋、神保町、須田町、秋葉原方面へ進み、銀座四丁目などの折り返し地点を経て東京駅中央口方面にも向かいます。その後、都心を折り返しながら国立競技場へ戻る設定でした。
このコースの特徴は、国立競技場のトラックで決着することに加え、都心の道路を走りながら複数の折り返し地点を通過する点です。折り返しを含むロードコースでは、選手が走行ラインやペースを調整する必要があります。また、夏の東京特有の暑さを考慮すると、コースの把握だけでなく、日差しや体感温度への対応も欠かせません。
日本陸連の総括では、自国開催によるコースへの習熟が日本代表の強みになったと評価されています。マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で走った経験のあるコースだったことから、実際のレースペースで坂道などを経験していた点が有利に働いた可能性が指摘されました。加えて、沿道や競技場での声援も選手の力になったとしています。
【暑さ対策と課題】日本陸連の総括から見えた成果と改善点
東京2025のマラソンで、日本陸連が大きな懸念材料として挙げていたのが暑熱環境でした。大会前から強化委員会と科学委員会が連携し、東京開催時期に想定される気象条件を分析。各選手の準備や当日の戦略に生かせるよう、知見の共有やセミナーを実施していました。
暑熱対策は一律ではなく、選手ごとに調整日本陸連の高岡寿成シニアディレクターは、2025年9月19日付の大会総括で、暑さへの対応には練習、コンディショニング、レースの組み立てを総合的に考える必要があると説明しています。選手によって身体の特性や当日の状態は異なるため、代表チーム全体で共通化できる部分と、所属チームが個別に判断する部分を分けて準備したことが特徴です。
例えば、給水に失敗した場合に備え、日本チーム内で飲料の内容物に関する情報を共有する仕組みも検討されました。また、ロード種目で先に実施された競歩のスタッフから、給水テーブルの配置、スポンジや氷の提供状況などの情報を受け取り、女子マラソン後に得られた知見を翌日の男子マラソンへつなげました。
女子の入賞と、男子の順位に残った課題女子の小林は7位入賞を果たしましたが、佐藤と安藤はそれぞれ13位、28位でした。高岡シニアディレクターは総括の中で、今後さらに上を目指すには、勝負できる位置にとどまる力が求められるという趣旨の見解を示しています。暑さへの対応だけでなく、コンディションの読み取りとレース中の判断が重要な課題です。
男子については、女子より気温や湿度が低かった一方、晴れ間が出て直射日光を受ける場面があったと振り返っています。気温や湿度の数値だけでは、選手が受ける負荷を十分に説明できないことが分かります。体感温度、日射、給水のタイミング、終盤までのペース配分を含め、レース後の検証が必要です。
この結果から読み取れるのは、暑熱対策を準備したことと、すべての選手が同じように成果を上げることは別だという点です。女子の入賞は対策の成果を示す一つの材料ですが、男子の入賞圏外という結果も含めて、個人差に応じた準備や当日の判断を検証する必要があります。
【歴代優勝者と比較】ブダペスト2023から東京2025への変化
東京大会の位置づけを理解するには、前回の世界選手権マラソンとの比較も参考になります。World Athleticsの公式記録によると、2023年ブダペスト大会では、男子はウガンダのビクター・キプランガトが2時間08分53秒、女子はエチオピアのアマネ・ベリソが2時間24分23秒で優勝しました。
2025年東京大会では、女子はジェプチルチルが2時間24分43秒、男子はシンブが2時間09分48秒で優勝。大会ごとにコースや気象条件、レース展開が異なるため、記録の数字だけで選手の優劣を判断することはできません。優勝者の顔ぶれや終盤の勝負をあわせて見ると、世界選手権ではタイムだけでなく、集団の中で位置を保ち、最後の局面で競り勝つ力も重要だと分かります。
日本勢の順位にも変化がありました。2023年ブダペスト大会の男子は山下一貴が11位で、日本勢最高位でした。2025年東京大会では近藤亮太が同じ11位に入りました。日本陸連は、異なる選手が複数年にわたり世界大会で活躍したことを、日本チームの層の厚さを示す要素として評価しています。
女子では2024年パリオリンピックで鈴木優花が6位に入賞し、2025年の世界選手権では小林香菜が7位入賞を達成しました。異なる国際大会で別の選手が結果を残したことは、日本女子マラソンの選手層を考えるうえで注目すべき点です。一方、世界選手権の入賞を継続し、さらに表彰台を目指すためには、個々の選手の成長に加え、世界大会を見据えた長期的な強化が問われます。
歴代優勝者を調べる際には、大会名、開催年、種目、公式順位をセットで確認するのが確実です。特に、オリンピックのマラソン、世界陸上のマラソン、一般参加型の東京マラソンはそれぞれ異なる大会です。結果を比較する際に大会の区別を誤ると、優勝者や記録を取り違える原因になります。
【東京世界陸上マラソン】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東京2025世界陸上の女子マラソン優勝者は誰ですか? A1:ケニアのペレス・ジェプチルチルです。2025年9月14日に2時間24分43秒で優勝し、2位のティグスト・アセファに2秒差をつけました。
Q2:東京2025世界陸上の男子マラソンで日本勢最高位は何位ですか? A2:近藤亮太の11位です。記録は2時間10分53秒で、小山直城が23位、吉田祐也が34位でした。
Q3:小林香菜は世界陸上マラソンで何位でしたか? A3:小林香菜は2時間28分50秒で7位に入りました。日本女子代表の最高順位であり、2025年東京大会の女子マラソンで日本勢唯一のトップ8入りとなりました。
Q4:2026年に東京で世界陸上マラソンは開催されますか? A4:2026年10月現在、東京で世界陸上競技選手権大会が開催される予定はありません。次回の世界陸上競技選手権大会は2027年9月10日から19日までの北京大会を予定しています。
東京2025世界陸上マラソンは、女子のペレス・ジェプチルチル、男子のアルフォンス・フェリックス・シンブが優勝し、日本勢は小林香菜の女子7位、近藤亮太の男子11位が最高順位となりました。女子は世界選手権での入賞を果たした一方、男子は入賞に届かず、両種目で異なる課題が残りました。
日本陸連の総括からは、科学的な暑熱対策、選手ごとのコンディショニング、給水の準備、競歩との情報共有、コースへの習熟といった取り組みが確認できます。今後の日本代表には、こうした準備を継続しながら、当日の気象条件や選手の状態に応じて戦略を調整する力が大切です。
2026年に大会情報を確認する場合は、東京2025の公式リザルトと日本陸連の総括を基準にし、次回大会の開催地・日程はWorld Athleticsの公式発表で確認することが大切です。過去の順位と今後の予定を正しく区別することで、日本マラソンの現在地と次の世界大会に向けた課題を、より具体的に把握できます。
主な根拠資料:World Athletics公式リザルト・レースレポート、日本陸上競技連盟「東京2025世界陸上 マラソン総括」、World Athleticsの北京2027大会日程発表。