競馬の馬券を初めて購入するとき、迷いやすいのが「単勝」と「複勝」の違いです。単勝は1着になる馬を当てる馬券、複勝は出走頭数によって2着または3着までに入る馬を当てる馬券です。的中条件だけでなく、オッズや払戻金、購入に必要な金額にも違いがあります。
2026年10月現在、JRA(日本中央競馬会)の公式案内では、単勝は出走予定馬が2頭以上、複勝は5頭以上の場合に発売されます。複勝は8頭以上なら3着まで、7頭以下なら2着までが的中対象です。加えて、単勝と複勝を同額でセット購入できる「応援馬券」もあります。基本ルールから100円購入時の払戻金、初心者向けの選び方まで、JRAの公式情報をもとに整理します。
【単勝と複勝の違い】1着を当てるか、上位入線を狙うか

単勝と複勝の最大の違いは、的中に必要な着順です。どちらも馬番号で購入するシンプルな馬券ですが、ゴール時に求められる条件が異なります。
単勝は1着になる馬を当てる馬券単勝は、選んだ馬が1着になれば的中します。2着や3着に入っても払戻金はありません。
例えば、5番の馬を単勝100円で購入した場合、5番が1着なら的中です。5番が2着以下なら不的中になります。勝ち切る馬を予想する必要があるため、複勝より的中条件は厳しくなりますが、人気薄の馬が勝った場合には高い払戻金を得られる可能性があります。
複勝は何着まで的中する?複勝は、選んだ馬が所定の着順以内に入れば的中します。JRAでは、発売開始時の出走予定馬の頭数によって対象着順が変わります。
- 8頭以上:1着・2着・3着のいずれかに入れば的中。
- 5~7頭:1着または2着に入れば的中。
- 4頭以下:複勝は発売されない。
したがって、「複勝は必ず3着まで当たる」という理解は正しくありません。少頭数のレースでは3着に入っても不的中になる場合があります。購入前に出走頭数と発売条件を確認することが大切です。
なお、単勝は出走予定馬が2頭以上で発売されます。出走取消などで発売開始後に頭数が減少しても、原則として発売開始時の頭数に基づく発売条件が適用されます。
【2026年の発売条件】出走頭数によって複勝の対象着順が変わる
JRA公式サイトの「馬券のルール」では、発売開始時の出走予定馬の頭数に応じて、発売する馬券の種類や複勝の払戻対象となる着順が定められています。単勝と複勝を比較するときは、馬の能力やオッズだけでなく、この頭数条件も確認しましょう。
| 発売開始時の出走予定馬 | 単勝 | 複勝 | 複勝の的中条件 |
|---|---|---|---|
| 2頭 | 発売 | 発売なし | 対象外 |
| 3~4頭 | 発売 | 発売なし | 対象外 |
| 5~7頭 | 発売 | 発売 | 1着または2着 |
| 8頭以上 | 発売 | 発売 | 1着・2着・3着 |
例えば、6頭立てのレースで選んだ馬が3着になった場合、複勝でも不的中です。一方、12頭立てなら、選んだ馬が3着に入ることで複勝が的中します。同じ馬を選んでも、レースの出走頭数によって的中条件が異なる点に注意してください。
この違いは、JRAの馬券の種類全体を理解するうえでも重要です。通常の馬券には単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単、WIN5があり、応援馬券は単勝と複勝を組み合わせた形式です。WIN5はJRAが指定する5レースすべての1着馬を当てる馬券で、単勝や複勝とは予想の対象範囲が大きく異なります。
【単勝・複勝のオッズと払戻金】100円購入でいくら戻る?
オッズとは、馬券が的中した場合に受け取れる払戻金の目安を示す倍率です。JRAでは、原則として100円の購入金額に対する倍率で表示されます。払戻金は購入金額を含む総額であり、利益とは区別して考える必要があります。
単勝オッズの見方と計算方法単勝オッズは、選んだ馬が1着になった場合の払戻倍率を示します。例えば、単勝オッズが4.2倍の馬を100円購入し、1着になった場合の払戻金は、通常の計算では次のとおりです。
- 購入金額:100円
- 単勝オッズ:4.2倍
- 払戻金:100円 × 4.2 = 420円
- 差し引き利益:420円 − 100円 = 320円
同じ馬を500円分購入して的中した場合、オッズが4.2倍なら払戻金は2,100円、差し引き利益は1,600円です。ただし、実際の払戻金は確定した結果や払戻計算の条件によって変わる場合があります。
複勝オッズの見方と計算方法複勝オッズは、単勝とは異なり、通常は一定の幅で表示されます。例えば、複勝オッズが1.4~1.8倍と表示されていれば、100円購入した場合の払戻金の目安は140~180円です。
複勝では複数の馬が的中対象となり、それぞれの馬に対する投票状況などによって払戻金が異なります。そのため、購入時に表示されるオッズの範囲だけで最終的な払戻金を断定することはできません。
例えば、100円の複勝が1.6倍で確定した場合、払戻金は160円、差し引き利益は60円です。的中しても払戻金が購入金額をわずかに上回るだけのケースもあるため、的中回数だけでなく、収支全体を見る必要があります。
単勝と複勝の払戻率はどちらも80%JRA公式の払戻金計算案内によると、単勝と複勝の設定払戻率はいずれも80.00%です。これは投票法ごとの払戻対象総額を計算する際に適用される率であり、個々の購入者が80%の確率で的中するという意味ではありません。
また、オッズは購入者全体の投票状況に応じて変動します。JRAが公表する最終オッズも、同着などの競走結果によって実際の払戻金と異なる場合があります。
なお、JRAには、通常の払戻金が100円となる場合に10円を上乗せして110円を払い戻す「JRAプラス10」の制度があります。ただし、特定の組み合わせに人気が著しく集中した場合など、100円のままとなるケースもあるため、必ず110円になる制度ではありません。
【単勝・複勝の買い方】応援馬券の仕組みと注意点
単勝と複勝は、どちらも購入するレース、馬券の種類、馬番号、購入金額を指定して買います。競馬場やウインズなどの発売所では、マークカードを使って購入する方法が一般的です。インターネット投票では、画面上で同じ項目を選択して購入します。
単勝・複勝をそれぞれ買う手順- 購入する競馬場とレース番号を選ぶ。
- 馬券の種類で「単勝」または「複勝」を選ぶ。
- 購入したい馬の番号を指定する。
- 購入金額を入力し、馬番号・金額・レースを確認して購入する。
通常のJRA馬券は100円単位で購入できます。単勝100円と複勝100円を別々に買う場合、必要な金額は合計200円です。同じ馬を対象にしても、単勝と複勝は別の投票として扱われます。
応援馬券は「単勝+複勝」のセット応援馬券は、1頭の馬の単勝と複勝を同額で同時に購入できる馬券です。馬番号と馬名の上部に「がんばれ!」という文字が印字されるため、特定の馬を応援したいときにも利用できます。
JRAの公式案内では、応援馬券は1枚の投票券に単勝と複勝の両方が組み込まれています。重要なのは、記入した金額がそのまま合計購入金額になるわけではないことです。単勝と複勝を同額ずつ買うため、記入金額の2倍が必要になります。
- マークカードに100円と記入:合計200円の購入。
- マークカードに500円と記入:合計1,000円の購入。
例えば、8頭以上のレースで応援馬券を購入した場合、選んだ馬が1着なら単勝と複勝の両方が的中します。2着または3着なら複勝のみが的中し、4着以下なら両方とも不的中です。5~7頭のレースでは複勝の対象が2着までとなるため、3着では複勝も当たりません。
JRAの競馬用語辞典では、応援馬券は電話・インターネット投票では購入できず、現金投票のみで発売すると案内されています。ネット投票で単勝と複勝をそれぞれ買う方法と、応援馬券そのものを購入する方法は区別しておきましょう。
また、JRAの事業所における発売締切は原則として発走時刻の2分前です。締切直前は購入操作が間に合わない可能性もあるため、余裕を持って投票内容を確認してください。
【初心者はどっちを選ぶ?】当たりやすさ・メリット・デメリットを比較
単勝と複勝のどちらが向いているかは、的中させたい着順、期待する払戻金、予想する馬の特徴によって変わります。初心者が選ぶ際は、単純にオッズの高低だけで判断するのではなく、何を当てたいのかを先に決めることがポイントです。
単勝のメリットとデメリットメリット:1着になる馬を当てるという明確なルールがあり、予想の結果を判断しやすい点が特徴です。人気薄の馬が勝てば、比較的大きな払戻金につながる可能性もあります。
デメリット:選んだ馬が2着や3着に好走しても不的中です。勝ち切る能力や展開を見極める必要があり、着順の条件は複勝より厳しくなります。
単勝は、勝つ可能性が高いと考える馬を明確に選べる人や、的中時の払戻金を重視したい人に向いています。
複勝のメリットとデメリットメリット:8頭以上のレースなら3着までが的中対象となるため、1着だけを当てる単勝よりも的中条件が広くなります。勝ち切るかは分からなくても、上位に入る可能性が高いと判断する馬を選びやすい点も特徴です。
デメリット:人気馬の複勝はオッズが低くなりやすく、的中しても利益が少ない場合があります。また、5~7頭のレースでは2着までしか対象にならないため、出走頭数の確認が欠かせません。
複勝は、まず馬券の仕組みに慣れたい人や、選んだ馬が上位に入る可能性を重視する人に向いています。ただし、複勝を買えば必ず収支が安定するわけではありません。
単勝と複勝はどちらが当たりやすい?一般的には、複勝のほうが的中条件は広く、当たりやすい傾向があります。単勝は1着だけが対象ですが、複勝は対象頭数に応じて2着または3着までが対象になるためです。
ただし、的中率と利益は別の指標です。低いオッズの複勝を何度も的中させても、不的中時の損失を補えなければ収支はマイナスになります。反対に、単勝は的中頻度が低くても、払戻金が購入額を大きく上回ることがあります。
初心者は、まず100円ずつの少額購入で、予想と結果、払戻金を記録してみる方法が現実的です。購入金額を増やすことよりも、自分が選んだ馬の根拠と収支を振り返ることが、馬券の仕組みを理解する助けになります。
【単勝複勝】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:単勝と複勝は100円から買えますか?
A1:はい。JRAの通常の単勝・複勝は100円単位で購入できます。単勝100円と複勝100円をそれぞれ買う場合は合計200円です。応援馬券は単勝と複勝を同額でセット購入するため、100円と記入した場合の購入金額は200円になります。
Q2:複勝は必ず3着まで当たりますか?
A2:いいえ。JRAでは、発売開始時の出走予定馬が8頭以上なら3着まで、5~7頭なら2着までが的中対象です。4頭以下では複勝は発売されません。
Q3:応援馬券はネット投票でも買えますか?
A3:JRAの競馬用語辞典では、応援馬券は電話・インターネット投票では購入できず、現金投票のみで発売すると案内されています。ネット投票で同じ馬の単勝と複勝を買いたい場合は、それぞれを別の投票として購入します。
単勝と複勝の違いは、的中に必要な着順にあります。単勝は1着を当てる馬券、複勝は8頭以上なら3着まで、7頭以下なら2着までが対象となる馬券です。複勝は4頭以下では発売されないため、購入前に出走頭数を確認することが欠かせません。
払戻金はオッズと購入金額をもとに計算できますが、オッズは変動するため、表示された金額が必ずそのまま確定するとは限りません。単勝と複勝の設定払戻率はいずれも80%で、的中率と利益率は別に考える必要があります。
また、応援馬券は単勝と複勝を同額でセット購入する仕組みです。記入金額の2倍が必要になる点を理解しておきましょう。
【プロの結論】初心者は、的中条件の分かりやすさを重視するなら単勝、上位入線の可能性を重視するなら複勝から検討するのがおすすめです。どちらを選ぶ場合も、オッズだけで判断せず、出走頭数・的中条件・購入金額を確認してから投票しましょう。馬券は20歳になってから、あらかじめ決めた予算の範囲内で楽しむことが大切です。
参照した公式資料:JRA「馬券のルール」「馬券の種類:はじめての方へ」「具体的な払戻計算式」「競馬用語辞典」「JRAプラス10」。
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