2021年の新語・流行語大賞は、いつ発表され、どの言葉が年間大賞に選ばれたのでしょうか。答えは2021年12月1日、年間大賞は「リアル二刀流/ショータイム」です。米大リーグで歴史的な活躍を見せた大谷翔平選手を象徴する言葉が、コロナ禍や東京オリンピック・パラリンピックに関連する言葉とともに、2021年の世相を代表する存在になりました。
2026年に振り返ると、当時の流行語にはスポーツの熱狂だけでなく、「親ガチャ」に表れた若者の閉塞感、「ジェンダー平等」をめぐる社会的議論、感染対策で日常化した「人流」「黙食」など、時代の空気が色濃く残っています。発表日、トップ10、ノミネート30語の一覧から、それぞれの意味や選出背景まで整理します。
【発表日は12月1日】2021年の流行語大賞はいつ決まった?

「現代用語の基礎知識」選の「2021ユーキャン新語・流行語大賞」は、2021年12月1日に年間大賞とトップ10が発表されました。表彰式は都内で開催され、年間大賞には「リアル二刀流/ショータイム」が選ばれています。
この賞は、自由国民社が発行する『現代用語の基礎知識』に関連する年末恒例の企画です。ユーキャンの公式発表でも、年間大賞とトップ10の結果が公表されました。単純に使用回数の多い言葉をランキング化するものではなく、その年の社会現象や話題、世相を象徴する表現を選考する点が特徴です。
発表までの流れを整理すると、11月に候補語が公開され、12月1日に最終結果が明らかになるという日程でした。
- 2021年11月4日:ノミネート30語を発表。
- 2021年12月1日:年間大賞とトップ10を発表。
- 年間大賞:「リアル二刀流/ショータイム」。
なお、トップ10は年間大賞以外の言葉に順位を付けたランキングではありません。年間大賞とトップ10を区別して把握することが、結果を正しく理解するポイントです。
【結果一覧】2021年流行語大賞の年間大賞とトップ10
2021年のトップ10には、音楽、若者文化、スポーツ、感染症対策、社会問題、国際的な政治・スポーツの議論まで、幅広い分野の言葉が並びました。以下が発表された10語と、それぞれの意味・背景です。
| 受賞語 | 意味・背景 | 注目された理由 |
|---|---|---|
| リアル二刀流/ショータイム | 投手と打者の両方で活躍する大谷翔平選手を表す言葉。 | 歴史的な二刀流の活躍と、米国での注目度の高さ。 |
| ジェンダー平等 | 性別にかかわらず、平等な権利と機会を持てる社会を目指す考え方。 | 男女の役割や意思決定への参加をめぐる議論。 |
| うっせぇわ | 歌手Adoの楽曲名。社会への反発や怒りを表現する印象的なフレーズ。 | SNSや動画を通じた楽曲の広がりと若者文化への影響。 |
| 親ガチャ | 生まれる家庭や親を自分では選べないことを、ガチャになぞらえた表現。 | 家庭環境、経済格差、教育機会などをめぐる問題意識。 |
| ゴン攻め/ビッタビタ | スケートボードの攻めた滑りや、狙いどおりに決まる技を表す言葉。 | 東京五輪の競技中継での解説が話題になった。 |
| 人流 | 特定の場所や時間帯における人の移動や集まりの様子。 | 新型コロナ対策で人出の抑制が繰り返し議論された。 |
| スギムライジング | ボッチャの杉村英孝選手が得意とする高度な投球技術。 | 東京パラリンピックでの金メダル獲得と競技の注目度。 |
| Z世代 | 主に1990年代後半から2000年代に生まれた世代を指す呼称。 | デジタル文化や若年層の価値観への関心。 |
| ぼったくり男爵 | IOCのトーマス・バッハ会長を批判的に表現した呼び名。 | コロナ禍での東京五輪開催をめぐる国内外の議論。 |
| 黙食 | 食事中の会話を控え、飛沫感染のリスクを減らすための行動。 | 飲食店や学校などで感染対策として呼びかけられた。 |
この結果で特徴的なのは、明るい話題と深刻な社会問題が同じトップ10に共存していることです。大谷選手の活躍やスケートボードの新鮮な解説が注目を集める一方、感染症対策やジェンダー、家庭環境をめぐる言葉も選ばれました。
つまり、2021年の流行語大賞は、その年に多くの人が楽しんだ出来事だけでなく、社会が抱えていた課題も映し出していたのです。
【年間大賞の理由】大谷翔平の「リアル二刀流/ショータイム」とは?
年間大賞の「リアル二刀流/ショータイム」は、2021年の大谷翔平選手の活躍を端的に表す言葉です。投手としてマウンドに立ち、打者として本塁打を放つという、従来の野球観では特別なものとされてきた役割を高い水準で両立させたことが選出の大きな背景にあります。
「リアル二刀流」の意味「二刀流」は、投手と打者の両方を担う野球選手を指す言葉です。「リアル二刀流」は、大谷選手が実際の試合で投打の両方に出場し、その能力を発揮する姿を印象づけました。
2021年の大谷選手は、レギュラーシーズンで46本塁打、9勝を記録しました。投打の両面で結果を残し、アメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)にも満票で選出されています。日本だけでなく、米国の野球ファンやメディアからも大きな注目を集めたシーズンでした。
「ショータイム」の意味と選出理由「ショータイム」は、英語の「Showtime」に由来する表現です。大谷選手の名前である「翔」と音を重ねた「ショータイム」という呼び方も広まり、打席や登板で見せる華やかなプレーを盛り上げるフレーズとして定着しました。
二刀流の実績を説明する「リアル二刀流」と、活躍そのものを盛り上げる「ショータイム」。この2つを組み合わせることで、大谷選手の技術的な特異性と、見る人を引きつけるスター性を同時に表現できました。
2021年はコロナ禍で行動が制限され、東京五輪も開催をめぐって議論が続いた年でした。そのなかで、大谷選手の活躍はスポーツニュースを通じて繰り返し報じられ、国内外で共有できる明るい話題になりました。年間大賞の選出には、記録だけでなく、言葉がその年の記憶と結び付いていたことも影響したと考えられます。
【意味と選出背景】親ガチャ・うっせぇわ・五輪関連語を読み解く
トップ10の言葉を理解するには、単語の意味だけでなく、なぜ2021年に広く知られるようになったのかを見る必要があります。とりわけ、若者文化と東京五輪・パラリンピックに関する言葉は、当時の社会の変化をよく表しています。
親ガチャ:生まれた環境を自分で選べないという感覚「親ガチャ」は、カプセル玩具やソーシャルゲームなどの「ガチャ」に、親や家庭環境を選べないという状況を重ねた表現です。経済的な条件、教育環境、親子関係などが本人の努力だけでは変えにくいことを、当たり外れという言葉で表しています。
この言葉が広がった背景には、格差や教育機会への関心に加え、「努力すれば誰でも同じように成功できる」という考え方への疑問があります。一方で、親や家庭を単純に当たり・外れで評価することへの反発も生じ得ます。社会問題を短く伝える力がある一方、個々の家庭事情を一語で決め付けない配慮も必要な言葉です。
うっせぇわ:楽曲から広がった反発のフレーズ「うっせぇわ」は、歌手Adoが歌う楽曲名です。楽曲は2020年10月に配信され、2021年にかけて強い歌唱表現や、社会への反発を込めた歌詞が話題になりました。
短く印象に残る言葉と、動画・SNSを通じて楽曲が広がる仕組みが結び付き、若い世代を中心に認知が広がりました。2021年の流行語大賞で評価されたのは、単に言葉が使われたというだけでなく、音楽作品がネット上の文化や日常会話にまで影響を及ぼした点です。
ただし、「うっせぇわ」が2021年に初めて発表されたわけではありません。前年に配信が始まった楽曲が、翌年も広く話題になった事例として理解するのが正確です。
ゴン攻め/ビッタビタ:スケートボード解説が生んだ話題「ゴン攻め」「ビッタビタ」は、東京五輪のスケートボード競技を解説したプロスケートボーダーの瀬尻稜さんが使った表現です。競技に詳しくない視聴者にも、選手の挑戦や技の完成度を感覚的に伝える言葉として注目されました。
- ゴン攻め:難しいセクションや障害物にも果敢に挑む、攻めた滑りを表す言葉。
- ビッタビタ:狙った場所や動きにぴったりと決まる様子を表す言葉。
専門競技の魅力が、競技者ならではの言葉を通じて広い視聴者層に伝わった点が興味深いところです。新競技の中継では、技術の説明だけでなく、解説者の言葉遣いや選手との距離感も、視聴体験の一部になります。
スギムライジング:ボッチャの高度な技術を表す言葉「スギムライジング」は、東京パラリンピックのボッチャで活躍した杉村英孝選手の得意技を表す言葉です。密集したボールの上に自分のボールを乗り上げるようにして、目標となるジャックボールの近くに置く高度な投球技術を指します。
杉村選手は東京パラリンピックのボッチャ個人で金メダルを獲得しました。技の名称が選手名と結び付いて広まったことは、競技への関心を高めるきっかけにもなりました。オリンピックだけでなく、パラリンピックの競技や技術にも言葉を通じて光が当たった点は、2021年の選出を振り返るうえで見逃せません。
【社会を映す言葉】ジェンダー平等・人流・黙食・ぼったくり男爵
2021年の流行語には、スポーツやエンターテインメントのように楽しさを共有する言葉だけでなく、社会の緊張や制度への疑問を伝える言葉も選ばれました。これらは、当時の報道や政策、日常生活の変化と切り離せません。
ジェンダー平等:社会の仕組みを問い直す言葉「ジェンダー平等」は、性別にかかわらず、すべての人が平等な権利や機会を持てる社会を目指す考え方です。国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも関連するテーマであり、職場や政治、家庭における役割分担など、さまざまな場面で議論されています。
2021年には、東京五輪・パラリンピックの組織運営をめぐる問題や、女性の意思決定への参加をめぐる議論が注目されました。この言葉がトップ10に入ったことは、ジェンダーに関する課題が一時的な話題にとどまらず、社会全体で考えるテーマになっていたことを示しています。
人流:感染対策で日常語になった専門的な表現「人流」は、人がどこからどこへ移動し、特定の場所にどの程度集まっているかを表す言葉です。新型コロナウイルス感染症の流行下では、繁華街や駅周辺などの人出の増減を説明する際に使われ、政府や専門家による感染対策の議論でも頻繁に登場しました。
「人流抑制」という表現は、人の移動や集まりを減らし、接触機会を抑えるという考え方を短く伝えます。ただし、人流の増減そのものが感染者数と同じ意味を持つわけではありません。感染状況には、接触の密度や時間、対策の実施状況など複数の要因が関係します。言葉が広まった背景には、複雑な感染対策を短い表現で伝える必要性がありました。
黙食:食事の風景を変えた感染対策「黙食」は、食事中の会話をできるだけ控えることを意味します。飲食時にはマスクを外すため、会話による飛沫の拡散を防ぐ対策として、飲食店や学校などで呼びかけられました。
同じ時期には、食事中の会話を控え、会話するときにはマスクを着用する「マスク会食」という表現も使われました。人との交流に欠かせない食事の場が、感染対策によって変化したことを象徴する言葉です。
ぼったくり男爵:東京五輪をめぐる国際的な批判「ぼったくり男爵」は、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長を批判的に表現した呼び名です。米紙ワシントン・ポストの記事で使われた「Baron Von Ripper-off」という表現が、日本語で「ぼったくり男爵」と紹介されました。
2021年は、新型コロナウイルス感染症への対応が続くなか、東京五輪・パラリンピックを開催することへの賛否が大きな争点となりました。この言葉は大会運営や費用、開催をめぐる意思決定への不満を背景に注目を集めました。
このように、流行語として選ばれたことと、その言葉が指す人物や政策を無条件に評価することは別です。社会的な批判を含む言葉については、発言や報道の背景を理解して読む必要があります。
【候補30語を完全掲載】2021年のノミネート一覧
2021年11月4日に発表されたノミネート語は30語です。最終的にトップ10へ入らなかった言葉にも、当時のネット文化、スポーツ、感染症対策、生活様式の変化が表れています。
以下は、発表されたノミネート30語の一覧です。表記は当時の候補語に沿って整理しています。
- イカゲーム
- うっせぇわ
- ウマ娘
- SDGs
- NFT
- エペジーーン
- 推し活
- 親ガチャ
- カエル愛
- ゴン攻め/ビッタビタ
- ジェンダー平等
- 自宅療養
- 13歳、真夏の大冒険
- ショータイム
- 人流
- スギムライジング
- Z世代
- チキータ
- チャタンヤラクーサンクー
- ととのう
- フェムテック
- 副反応
- ピクトグラム
- 変異株
- ぼったくり男爵
- マリトッツォ
- 黙食/マスク会食
- ヤングケアラー
- リアル二刀流
- 路上飲み
候補語を振り返ると、年間大賞を受賞した大谷選手関連の言葉以外にも、多くの分野が含まれていたことが分かります。
- エンタメ・ネット文化:「イカゲーム」「ウマ娘」「NFT」「推し活」など。
- 東京五輪・パラリンピック:「13歳、真夏の大冒険」「チキータ」「チャタンヤラクーサンクー」「ピクトグラム」など。
- コロナ禍・生活様式:「自宅療養」「副反応」「変異株」「路上飲み」など。
- 健康・社会課題:「SDGs」「フェムテック」「ヤングケアラー」など。
- 暮らし・趣味:「ととのう」「マリトッツォ」「カエル愛」など。
この一覧で注意したいのは、ノミネートされたことが、その言葉の社会的な重要性や人気の高さを一律に証明するわけではない点です。候補語には、長く使われている専門用語、特定の大会で生まれた表現、SNSで広がった言葉、社会問題を表す言葉が混在しています。
また、「ショータイム」と「リアル二刀流」はノミネート段階では別々の候補語でしたが、年間大賞では「リアル二刀流/ショータイム」として選ばれました。この違いを知っておくと、候補一覧と最終結果を照らし合わせる際に混乱しません。
【2026年からの視点】2021年の流行語が今に残したもの
2021年の流行語を2026年から読み直すと、言葉の広がり方と社会的な役割の違いが見えてきます。スポーツや音楽の言葉は、感動や共感を共有する役割を担いました。一方、「親ガチャ」「ジェンダー平等」「人流」などは、個人の生活や社会制度に関わる問題を短い言葉で可視化しました。
「ゴン攻め/ビッタビタ」や「スギムライジング」は、競技の専門性がテレビ中継を通じて一般の人々に伝わる過程を示しています。特定の競技に詳しくない視聴者も、印象的な表現を通じてプレーの魅力に触れられました。
対照的に、「人流」「黙食」は、感染症対策が日常生活に入り込んだことで使用頻度が高まった言葉です。「親ガチャ」は、個人の努力だけでは変えにくい環境や格差への問題意識を表しました。これらは、単に一時的に流行したというよりも、当時の社会状況が言葉を必要とした例です。
流行語大賞を読む際には、次の3点を意識すると理解が深まります。
- 使用された時期:その年に初めて生まれた言葉なのか、以前からあった言葉が再び注目されたのか。
- 広まった経路:テレビ中継、ニュース、音楽、動画、SNSなど、どの場を通じて認知されたのか。
- 社会的な背景:娯楽やスポーツの盛り上がりを表すのか、制度や生活上の課題を映しているのか。
この視点で見ると、年間大賞の「リアル二刀流/ショータイム」は、記録的なスポーツの活躍が幅広い人々に共有された例です。一方、社会問題に関する言葉は、その年に解決しきれなかった課題を後世に伝える手掛かりにもなります。
【流行語 2021 発表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2021年の流行語大賞はいつ発表されましたか?
A1:年間大賞とトップ10は、2021年12月1日に発表されました。ノミネート30語の発表日は同年11月4日です。
Q2:2021年の年間大賞に選ばれた言葉は何ですか?
A2:「リアル二刀流/ショータイム」です。米大リーグで投打にわたる活躍を見せた大谷翔平選手を象徴する言葉として選ばれました。
Q3:2021年のトップ10は順位付きのランキングですか?
A3:年間大賞は別に選ばれていますが、ほかのトップ10の言葉には順位が付けられていません。10語を同列のトップ10として見るのが適切です。
Q4:「親ガチャ」はどういう意味ですか?
A4:生まれる家庭や親を自分では選べないことを、結果が運次第のガチャになぞらえた表現です。家庭環境や経済格差、教育機会への問題意識と結び付いて広がりました。
Q5:「ゴン攻め」と「ビッタビタ」は何を表す言葉ですか?
A5:東京五輪のスケートボード競技の解説で話題になった言葉です。「ゴン攻め」は果敢に挑む滑り、「ビッタビタ」は狙った位置や動きにぴったり決まる様子を表します。
Q6:2021年のノミネート30語をすべて確認できますか?
A6:本記事の「候補30語を完全掲載」のセクションに、当時発表された30語をすべて掲載しています。トップ10に入った言葉だけでなく、候補全体から当時の世相を振り返れます。
2021年の新語・流行語大賞は、12月1日に発表され、年間大賞には「リアル二刀流/ショータイム」が選ばれました。大谷翔平選手の歴史的な活躍を中心に、東京五輪・パラリンピック、コロナ禍、若者文化、ジェンダーなど、幅広いテーマの言葉がトップ10に入りました。
「うっせぇわ」や「ゴン攻め/ビッタビタ」のように、音楽やスポーツを通じて広がった言葉がある一方、「親ガチャ」「人流」「黙食」のように、当時の生活や社会課題を表した言葉もあります。候補30語をあわせて確認すれば、最終結果だけでは見えにくい2021年の文化や関心の広がりも把握できます。
流行語大賞は、単純な人気投票の結果としてではなく、その年にどんな出来事が人々の記憶に残り、どのような問題が言葉になったのかを考える材料として読むのがおすすめです。2026年の今、2021年の言葉を振り返ることは、社会の変化と、時代を超えて残る課題の両方を見つめ直すことにつながります。