「血液型が珍しい」と聞くと、AB型Rhマイナスを思い浮かべる人は多い可能性があります。日本人のRhマイナスは約200人に1人、AB型Rhマイナスは約2,000人に1人とされ、一般的なABO式血液型の組み合わせでは確かに希少です。しかし、血液型の世界には、さらに珍しい特徴を持つ血液も存在します。
2026年10月時点で参照できる日本赤十字社などの公的情報を確認すると、血液型の珍しさはA型・B型・O型・AB型の割合だけでは判断できません。赤血球が持つ抗原の違いによって、ボンベイ型や-D-(バーディーバー)など、輸血用血液の確保が難しい血液型もあります。日本人の血液型の割合、Rh陰性の確率、稀血の定義、遺伝の仕組みまで整理します。
【珍しい血液型ランキング2026】AB型Rhマイナスより希少な血液もある

珍しい血液型を比較するには、まず「一般的なABO型とRh型の組み合わせ」と「特殊な赤血球抗原を持つ血液型」を分けて考える必要があります。この2つは、同じ基準で単純に順位づけできるものではありません。
一般的な8通りの組み合わせを考えた場合、AB型Rhマイナスが最も少なく、約2,000人に1人という頻度です。一方、日本赤十字社が紹介する稀血には、さらに検出頻度の低い血液型も含まれます。
一般的なABO型・Rh型の希少度ランキングは、次のように整理できます。
- AB型Rhマイナス:約0.05%、約2,000人に1人
- B型Rhマイナス:約0.1%、約1,000人に1人
- O型Rhマイナス:約0.15%、約670人に1人
- A型Rhマイナス:約0.2%、約500人に1人
この順位は、日本赤十字社の血液型別の頻度を基にしたものです。A型・O型・B型・AB型という分類にRh陰性を組み合わせた場合の比較であり、あらゆる血液型を含む世界共通の希少度ランキングではありません。
さらに珍しい血液型として知られるのが、ボンベイ型、D--(ディーダッシュダッシュ)、Ko(ケーゼロ)などです。日本赤十字社の兵庫県赤十字血液センターは、稀血の例としてFy(a−)を約100人に1人、Di(b−)を約500人に1人、Jr(a−)を約3,000人に1人と紹介しています。ボンベイ型などについては「極めてまれ」とされ、同じ基準で確定した日本人全体の頻度は示されていません。
つまり、AB型Rhマイナスは一般的な8通りの組み合わせの中では最も少ない血液型ですが、特殊な抗原の有無まで含めると、それ以上に希少な血液型が存在します。
【2026年最新の血液型割合】日本人のABO型とRh陰性を比較
日本人の血液型の割合は、一般的にA型約40%、O型約30%、B型約20%、AB型約10%と説明されています。日本赤十字社の各血液センターや医療機関の解説でも、この比率が標準的な目安として使われています。
ただし、2026年の全国民を対象にした新しい血液型調査が毎年公表されているわけではありません。「2026年最新の血液型割合」を調べる場合は、2026年時点で参照できる公的機関の解説に掲載された概数と、特定の調査による統計値を混同しないことが大切です。
日本赤十字社の茨城県赤十字血液センターが公表するRh陰性の内訳を、ABO型の割合と併せて整理すると次のようになります。
| 血液型・項目 | 日本人の割合の目安 | 人数に換算した目安 |
|---|---|---|
| A型 | 約40% | 約10人に4人 |
| O型 | 約30% | 約10人に3人 |
| B型 | 約20% | 約10人に2人 |
| AB型 | 約10% | 約10人に1人 |
| Rh陰性(全体) | 約0.5% | 約200人に1人 |
| A型Rhマイナス | 約0.2% | 約500人に1人 |
| O型Rhマイナス | 約0.15% | 約670人に1人 |
| B型Rhマイナス | 約0.1% | 約1,000人に1人 |
| AB型Rhマイナス | 約0.05% | 約2,000人に1人 |
注:ABO型の数値は概数です。Rh陰性の内訳は日本赤十字社の公表値によります。人数換算は割合から求めた目安であり、実際の人口構成や地域によって変わります。
ここで押さえたいのは、AB型そのものとAB型Rhマイナスは別の分類だという点です。AB型は日本人のおよそ10人に1人ですが、AB型Rhマイナスとなると約2,000人に1人まで少なくなります。
Rh陰性の割合は国や地域によっても異なります。日本赤十字社の解説では、日本人の約0.5%に対して、欧米の一部では15%を超える国もあるとされています。同じ血液型でも、地域によって希少性は大きく変わるのです。
【稀血とは何か】Rh陰性と稀血は同じ意味ではない
「稀血(まれけつ)」とは、輸血に関係する血液型のうち、出現頻度が低く、必要な血液を確保することが難しくなる可能性のあるものを指します。一般的なABO型以外にも、赤血球の表面には多くの抗原があり、その組み合わせによってさまざまな血液型が存在します。
日本赤十字社の「献血わかりやすく整理辞典」2022年4月号では、稀血の出現頻度はおおむね1%以下と説明されています。Oh(ボンベイ)や-D-(バーディーバー)など、20種類以上のまれな血液型が紹介されています。
ただし、Rh陰性は、日常的な意味で珍しくても、日本赤十字社の血液管理上の「まれな血液型」には通常含まれません。茨城県赤十字血液センターの解説によると、Rh陰性は約200人に1人と少ないものの、献血された血液について検査が行われているため、特殊な稀血とは管理上の扱いが異なります。
この違いは、血液型の珍しさを判断するうえで重要です。単に人口に占める割合が低いかどうかだけでなく、必要なときに適合する血液を確保できるかどうかが、医療上の希少性を左右します。
例えば、AB型Rhマイナスは約2,000人に1人ですが、献血された血液の検査や在庫管理を通じて対応できる体制が整えられています。一方、特定の抗原を欠く稀血で、その抗原に対する抗体を持っている人の場合、適合する血液の候補が極めて限られることがあります。
日本赤十字社は、まれな血液型を検出頻度に応じて分類し、必要な血液の確保に努めています。頻度だけで順位を決めるよりも、輸血時にどのような制約があるかまで確認することが、実態を理解する近道です。
【ボンベイ型血液型】なぜO型に見えても輸血に注意が必要なのか
ボンベイ型は、AB型Rhマイナスとは異なる仕組みで珍しい血液型となる代表例です。最初に報告されたインドの都市ボンベイ(現在のムンバイ)にちなんで名づけられ、血液型の専門分野ではOh型とも呼ばれます。
一般的なABO式血液型は、赤血球の表面にあるH物質を土台として、A型ならA抗原、B型ならB抗原が形成されます。O型ではA抗原とB抗原が形成されませんが、通常はH抗原が存在します。
一方、典型的なボンベイ型では、赤血球上にH抗原がありません。そのため、A型やB型の遺伝子を持っていても、通常のA抗原やB抗原を赤血球上に形成できません。一般的なABO式の判定ではO型に似た反応を示すことがあるため、詳しい検査による識別が必要です。
さらに重要なのは、ボンベイ型の人は抗H抗体を持つことがある点です。通常のO型の赤血球にもH抗原は存在するため、一般的なO型の血液を輸血すると、重篤な溶血性輸血副作用を起こす危険があります。原則として、同じボンベイ型に適合する血液を確保する必要があります。
ボンベイ型の希少性を考える際には、国や地域による違いにも注意が必要です。海外の医学資料では、欧州ではH抗原欠損が約100万人に1人とされる一方、インドなどでは異なる頻度が報告されています。こうした数値を、そのまま日本人の発生確率に当てはめることはできません。
また、ボンベイ型だからといって、日常生活で特別な症状が現れるわけではありません。主な問題は、輸血が必要になったときに適合血を確保しにくいことです。血液型の希少性は、健康状態の良し悪しや体の強さを示すものではありません。
【珍しい血液型になる理由】遺伝の仕組みと見分け方
血液型は、主に親から受け継ぐ遺伝子によって決まります。ABO式では、子どもは父親と母親からそれぞれ1つずつ遺伝子を受け継ぎ、その組み合わせによってA型、B型、AB型、O型などに分類されます。
A型の人はA遺伝子だけでなくO遺伝子を持つ場合があり、B型の人にもB遺伝子とO遺伝子の組み合わせがあります。そのため、親の血液型だけを見ても、子どもの血液型を必ず1種類に決められるとは限りません。
Rh陰性も、赤血球表面にあるD抗原の有無に基づく分類です。D抗原がない場合にRh陰性と判定されます。ABO式とRh式は別の仕組みによる分類なので、ABO型が同じでもRh型が異なることがあります。
珍しい血液型が生じる背景には、こうした遺伝子の組み合わせに加え、通常とは異なる抗原の発現や、特定の抗原を欠く遺伝的特徴があります。ボンベイ型は、その代表的な例です。
ただし、珍しい血液型かどうかを外見や体調、性格、親族の血液型だけから判断することはできません。一般的な血液型を確認するには医療機関などでABO式とRh式の検査を受けます。さらに特殊な血液型を調べるには、必要に応じて赤血球抗原の検査や抗体検査など、専門的な検査が行われます。
家族の血液型から考えた結果と検査結果が一致しない場合でも、直ちに遺伝上の問題を意味するわけではありません。血液型の記憶違いや、まれな遺伝子の組み合わせ、血液型の亜型など、さまざまな可能性があるためです。疑問がある場合は、医療機関で検査結果を確認することが適切です。
【珍しい血液型と輸血の関係】日本赤十字社はどう対応している?
珍しい血液型が医療上の課題になるのは、輸血時に患者の血液と適合する血液製剤を確保しなければならないためです。日本赤十字社によると、赤血球の表面にはABO型やRh型のほかにも400種類余りの抗原が存在します。
そのため、ABO型とRh型が一致しているだけで、あらゆる患者に安全に輸血できるとは限りません。患者が特定の赤血球抗原に対する不規則抗体を持っている場合には、その抗体に対応する抗原を持たない血液を選ぶ必要があります。
輸血前には、ABO式・Rh式の血液型検査に加え、不規則抗体検査や、患者の血液と実際に使用する血液製剤との適合性を確認する交差適合試験などが行われます。こうした検査は、重篤な輸血副作用を防ぐために欠かせません。
日本赤十字社は、稀血への対応として、希少な血液の献血登録を呼びかけるほか、必要な場合に備えて血液を凍結保存する取り組みを行っています。赤十字NEWSの2022年4月号では、まれな血液の一部について、マイナス80℃以下で凍結保存し、保存期間が10年に及ぶものもあると紹介しています。
こうした体制があるからこそ、希少な血液型が判明しても、必要な輸血に向けて準備や調整を進めることができます。ただし、すべての稀血について常に必要量が確保されているわけではありません。実際の対応は、患者の血液型や抗体の状態、必要な血液量、供給状況などによって異なります。
Rh陰性と判明している人や、過去に不規則抗体について説明を受けた人は、医療機関を受診する際にその情報を医療スタッフへ伝えることが役立ちます。特殊な血液型について診断や説明を受けている場合は、検査結果などの記録を保管しておくと、必要なときに情報を共有しやすくなります。
【血液型珍しい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本人で最も珍しい血液型は何ですか?
A1:一般的なABO式とRh式の8通りの組み合わせでは、AB型Rhマイナスが最も少なく、約2,000人に1人とされています。ただし、ボンベイ型などの特殊な血液型まで含めると、さらに希少なものがあります。
Q2:Rhマイナスは何人に1人ですか?
A2:日本人では約200人に1人、割合にすると約0.5%です。AB型Rhマイナスは約2,000人に1人とされます。これらは日本赤十字社などが紹介する目安であり、実際の割合には集団による違いがあります。
Q3:ボンベイ型は普通のO型と同じですか?
A3:同じではありません。典型的なボンベイ型では赤血球上にH抗原がなく、通常のO型とは異なる抗体の特徴を持つことがあります。そのため、通常のO型の血液をそのまま輸血できるとは限らず、専門的な検査と適合血の確保が必要です。
血液型の珍しさは、単にA型・B型・O型・AB型のどれが少ないかだけでは決まりません。一般的なABO式とRh式の組み合わせではAB型Rhマイナスが約2,000人に1人と希少ですが、ボンベイ型や-D-など、輸血時に特別な対応が必要となる血液型も存在します。
日本人のABO型の割合はA型約40%、O型約30%、B型約20%、AB型約10%が目安です。Rh陰性は約0.5%であり、AB型Rhマイナスは約0.05%とされています。2026年時点で血液型の割合を調べる場合も、毎年更新される全国一律の人口統計と誤解せず、公的機関が示す概数とその前提を確認することが大切です。
また、稀血の判断では、人口に占める割合だけでなく、どの抗原が欠けているか、どの抗体が存在するか、輸血時に適合する血液を確保できるかという視点が欠かせません。日本赤十字社による献血登録や凍結保存の取り組みも、こうした医療上の必要性に対応するためのものです。
自分の血液型が珍しいか気になる場合は、まず医療機関などで正確な血液型を確認し、特殊な血液型について説明を受けた場合は、その記録を保管しておきましょう。希少性を正しく理解することが、いざというときに適切な医療につながります。
主な参照資料:日本赤十字社「献血わかりやすく整理辞典 vol.1『稀血/まれな血液』」、茨城県赤十字血液センター「特別な血液」、兵庫県赤十字血液センター「Rh血液型について」「血液型について」、日本赤十字社「赤血球の血液型」、米国国立医学図書館の血液型に関する医学資料。