2025年9月に北海道稚内市で開催された「2025カーリング日本代表決定戦」は、フォルティウスがSC軽井沢クラブとの決定戦を通算3勝2敗で制し、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの世界最終予選に出場する日本女子代表の座を獲得しました。五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレは、予選後のタイブレークで敗れ、代表決定戦への進出を逃しています。
その後、フォルティウスは2025年12月の五輪最終予選でノルウェーを6対5で破り、五輪出場権を獲得。しかし、2026年2月の本大会では女子日本代表が10チーム中8位となり、決勝トーナメント進出はなりませんでした。加えて、日本カーリング協会は2030年フランスアルプス冬季五輪に向けた代表候補チームの選考方針を公表しています。2026年10月時点の結果、試合方式、選手の顔ぶれ、次期五輪への道筋を整理します。
【結果速報】2025年のカーリング女子代表決定戦はフォルティウスが逆転勝利

2025カーリング日本代表決定戦は、2025年9月10日から14日まで北海道稚内市の稚内市みどりスポーツパークで開催されました。10日は公式練習日で、女子の予選は11日から始まりました。
出場したのはフォルティウス、SC軽井沢クラブ、ロコ・ソラーレの3チームです。目標は単に国内大会で優勝することではなく、2026年ミラノ・コルティナ五輪の出場権を争う世界最終予選に進む日本代表の座を獲得することでした。
女子の代表決定戦は、予選の直接対決の勝敗を持ち越すベストオブ5方式で行われました。フォルティウスとSC軽井沢クラブは、予選でそれぞれ相手に1勝ずつしていたため、決定戦開始時点で通算1勝1敗。そこから先に通算3勝へ到達したチームが代表に決まる仕組みです。
9月13日の決定戦初戦ではSC軽井沢クラブが11対3と大勝し、代表決定に王手をかけました。しかし、翌14日の第2戦でフォルティウスが7対6で競り勝つと、最終戦も6対5で制して逆転。通算3勝2敗で代表の座をつかみました。
日本オリンピック委員会(JOC)が伝えた共同通信の報道によると、最終戦は5対5で迎えた第10エンドが勝負どころとなり、フォルティウスのスキップ・吉村紗也香選手が最後のショットを決めて決勝点を奪いました。最終局面でのショット精度とプレッシャーへの対応が、代表決定の明暗を分けました。
フォルティウスの公式サイトに掲載された大会後のコメントでも、船山弓枝コーチは初日から苦しい試合が続いたことに触れ、チームが成長してきた過程を振り返っています。予選での苦戦、タイブレーク、決定戦初戦の大敗を乗り越えて結果を出した点が、この大会の大きな特徴でした。
【日程・スコア一覧】フォルティウス、SC軽井沢クラブ、ロコ・ソラーレの全経過
カーリング女子代表決定戦の日程とスコアを振り返ると、フォルティウスが最初から圧倒していたわけではないことが分かります。予選ではロコ・ソラーレに敗れ、SC軽井沢クラブにも先行されましたが、勝負がかかった場面で立て直しました。
以下は、日本カーリング協会の大会公式結果と各チームの公式発表に基づく主要な試合結果です。
| 日付 | 試合・対戦 | スコア | 結果の意味 |
|---|---|---|---|
| 9月11日 | 予選:フォルティウス対ロコ・ソラーレ | 7-9 | フォルティウスが敗戦 |
| 9月11日 | 予選:ロコ・ソラーレ対SC軽井沢クラブ | 13-4 | ロコ・ソラーレが勝利 |
| 9月11日 | 予選:SC軽井沢クラブ対フォルティウス | 8-6 | SC軽井沢クラブが勝利 |
| 9月12日 | 予選:SC軽井沢クラブ対ロコ・ソラーレ | 5-4 | SC軽井沢クラブが勝利 |
| 9月12日 | 予選:ロコ・ソラーレ対フォルティウス | 6-7 | フォルティウスが勝利 |
| 9月12日 | 予選:フォルティウス対SC軽井沢クラブ | 5-3 | フォルティウスが勝利 |
| 9月13日 | タイブレーク:フォルティウス対ロコ・ソラーレ | 7-2 | フォルティウスが決定戦へ |
| 9月13日 | 決定戦第1試合:SC軽井沢クラブ対フォルティウス | 11-3 | SC軽井沢クラブが通算2勝目 |
| 9月14日 | 決定戦第2試合:SC軽井沢クラブ対フォルティウス | 6-7 | フォルティウスが通算2勝で並ぶ |
| 9月14日 | 決定戦第3試合:SC軽井沢クラブ対フォルティウス | 5-6 | フォルティウスが通算3勝目、代表決定 |
ここで注意したいのは、決定戦の3試合だけを単純に数えても、代表決定までの経緯を正しく理解できないことです。予選の直接対決の結果も通算成績に加わるため、フォルティウスは決定戦の初戦で敗れた段階で後がない状況になりました。
また、カーリングのスコアは最終得点だけでなく、各エンドで何点を取ったかによって試合展開が大きく変わります。最終戦の6対5という結果は、最後まで勝敗が決まらなかった接戦を示しています。11対3の大差で敗れた翌日に2連勝したことは、フォルティウスの修正力を示す経過でした。
【女子カーリングの代表選考ルール】ベストオブ5方式とロコ・ソラーレ敗退の理由
2025年大会の代表選考を理解するうえで欠かせないのが、3チームによる予選と、その後の代表決定戦の仕組みです。女子カーリングの代表選考ルールは大会ごとに定められており、2025年の方式をすべての大会に共通するルールと考えるのは正確ではありません。
今回の大会では、まず3チームがダブルラウンドロビン方式で対戦しました。各チームが残る2チームと2回ずつ対戦するため、予選は1チームあたり4試合です。その後、上位2チームが代表決定戦に進み、先に通算3勝したチームが代表となりました。
予選では3チームすべてが2勝2敗で並びました。順位はドローショットチャレンジ(DSC)などの規定に基づいて決められ、SC軽井沢クラブが1位、フォルティウスが2位、ロコ・ソラーレが3位となりました。フォルティウスとロコ・ソラーレは2位と3位を決めるタイブレークを戦い、フォルティウスが7対2で勝利しています。
ロコ・ソラーレは予選初日にフォルティウスを9対7、SC軽井沢クラブを13対4で破りました。しかし、その後の2試合で連敗し、予選成績は2勝2敗。最終的にはタイブレークで敗れ、代表決定戦には進めませんでした。
これは、ロコ・ソラーレの過去の実績が評価されなかったという意味ではありません。2025年大会では、あらかじめ定められた競技方式に基づき、当日の試合結果と順位決定規定によって進出チームが決まりました。過去の五輪でメダルを獲得したチームであっても、代表選考では大会ごとの勝敗が問われます。
ベストオブ5競技方式とは、最大5試合を戦い、先に3勝したチームが勝者となる方式です。今回のように予選の直接対決を持ち越す場合は、決定戦が始まる前から通算勝利数に差が生じる可能性があります。試合数だけでなく、どの試合の勝敗が通算成績に反映されるのかを確認することが、スコアを読み解くポイントです。
【五輪最終予選から本大会へ】2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果
2025年9月の代表決定戦で得られたのは、五輪への直接出場権ではなく、2025年12月の世界最終予選に出場する権利でした。この違いは、カーリング女子日本代表の経過を追ううえで重要です。
フォルティウスはカナダ・ケロウナで開催された世界最終予選に臨み、1次リーグを6勝1敗の2位で通過しました。プレーオフではノルウェーと対戦し、6対5で勝利。日本女子は1998年長野五輪から8大会連続となる五輪出場を決めました。JOCや世界カーリング連盟(World Curling)の大会報告でも、この勝利が出場権獲得につながったことが確認できます。
一方、2026年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪では、フォルティウスは予選リーグを2勝7敗で終えました。世界カーリング連盟の最終順位では女子10チーム中8位となり、上位4チームによる決勝トーナメントには進めませんでした。
女子の金メダルはスウェーデン、銀メダルはスイス、銅メダルはカナダが獲得しました。日本は五輪出場という目標を達成したものの、メダル争いには加われませんでした。2018年平昌大会の銅メダル、2022年北京大会の銀メダルに続く結果を期待したファンにとって、2026年大会は次の4年間に向けた課題が残る大会となりました。
この結果から読み取れるのは、国内選考を勝ち抜く力と、五輪の予選リーグで安定して勝ち続ける力は同じではないということです。代表決定戦では一戦ごとの修正やプレッシャーへの対応が問われますが、五輪では複数の強豪国と連戦し、アイスの状態や相手の戦術に対応し続ける必要があります。世界最終予選で出場権を獲得したことと、本大会でメダルを争うことは、別の段階の目標です。
【カーリング女子日本代表メンバー】フォルティウスの顔ぶれと2026年の転換点
2026年ミラノ・コルティナ五輪に出場した女子日本代表は、フォルティウスです。当時の代表メンバーは、吉村紗也香、小野寺佳歩、小谷優奈、近江谷杏菜、小林未奈の5選手でした。吉村がスキップを務め、チームの戦術判断と最後のショットを担いました。
フォルティウスは北海道を拠点とするチームです。吉村は2025年の国内代表決定戦と同年12月の世界最終予選でチームを率い、五輪出場を実現しました。一方、小野寺や近江谷には国際大会の経験があり、小谷や小林を含めたチームとしての連携が求められました。
ただし、五輪終了後も選手構成は固定されているわけではありません。フォルティウス公式サイトの選手・スタッフ情報と2026年7月の日刊スポーツの報道によると、吉村は同年6月に現役を引退し、小林未奈が新スキップに就任しました。五輪では控え選手として登録されていた小林が、次の五輪を見据えて司令塔の役割を担う体制に移っています。
この変化は、2030年大会への準備を考えるうえでも注目点です。カーリングでは、スキップが最後のショットを担うだけでなく、試合全体の戦術やチーム内の判断をまとめる役割を持ちます。選手の入れ替わりは、単なるポジション変更にとどまらず、チームの戦い方や育成方針にも影響します。
フォルティウスに限らず、ロコ・ソラーレやSC軽井沢クラブを含む各チームが、国内大会での勝利と国際舞台での実績をどう積み上げるかが、次の代表争いを左右します。2025年の代表決定戦は一大会の結果ですが、その後の五輪本大会や新体制まで追うことで、日本女子カーリングの競争環境が見えてきます。
【2030年フランスアルプス五輪】日本カーリング協会の選考方針はどう変わる?
日本カーリング協会は2025年10月6日、2030年フランスアルプス冬季五輪に向けた日本代表候補チームの選考方法を公表しました。2026年10月時点で公表されている方針では、男女の代表候補チームを決める代表候補決定戦を2029年9月末までに開催する予定です。
今回の方針で重要なのは、直近の日本選手権で優勝しただけでは、代表候補決定戦への出場資格が自動的に得られるわけではない点です。日本カーリング協会が定めた複数の条件のうち、少なくとも1つを満たし、かつ第46回日本カーリング選手権大会に出場したチームが、代表候補決定戦の出場対象となります。
資格条件には、第43回から第46回までの日本カーリング選手権大会の優勝、2026年から2029年までの世界カーリング選手権大会への出場などが含まれます。加えて、これらの条件に該当するチームを除いたうえで、世界カーリングチームランキング(WTR)上位のチームにも条件付きで出場資格が設けられています。女子はWTRポイント250以上が基準で、同協会の公表資料では10位相当と説明されています。
チーム構成にも条件があります。資格を得た時点のメンバーのうち、4人または5人で構成されるチームの少なくとも3人が代表候補決定戦に出場できない場合、出場資格を失う規定が設けられています。チーム名だけで資格が継続するのではなく、一定のメンバー継続性も求められる仕組みです。
また、2027年から2029年の世界選手権に出場する日本代表チームについても、日本カーリング協会はチームパフォーマンスに基づいて選考する方針を示しています。国際大会のポイントなどを通じた世界チームランキングを重視する方向で、国内選手権の優勝だけで代表が決まる仕組みとは異なります。
この変更の背景には、国内大会で勝つ力に加えて、世界の強豪と継続的に戦う力を評価する狙いがあります。2026年五輪で日本女子が8位に終わったことも踏まえると、次の4年間は国内選考を突破するだけでなく、世界選手権などで国際競技力を証明することが一段と重要になります。
ただし、2029年までに決めるのは、あくまで日本代表候補チームです。代表候補決定戦で選ばれたチームが、その時点で2030年五輪の最終的な出場チームに確定するという意味ではありません。代表候補の選考と、五輪への出場権獲得は区別して理解する必要があります。
【プロの結論】カーリング女子代表決定戦で見るべき3つの判断基準
2025年の代表決定戦から2026年五輪、そして2030年大会への選考方針までを振り返ると、カーリング女子の代表争いを理解するうえで、3つの判断基準が浮かび上がります。
第一に、代表決定戦の勝利と五輪出場は別の目標であることです。フォルティウスは2025年9月の代表決定戦で勝ち、12月の世界最終予選でも出場権を獲得しました。しかし、2026年五輪では予選リーグ8位に終わりました。国内選考の勝者が、そのまま国際大会でも上位に入るとは限りません。
第二に、スコアだけでなく競技方式を確認することです。2025年大会では、予選の勝敗を持ち越すベストオブ5方式が採用されました。決定戦初戦の11対3という大差だけを見るとSC軽井沢クラブが優位に見えますが、その後の2試合でフォルティウスが連勝し、通算成績を逆転させています。試合単体の得点とシリーズ全体の勝敗は分けて読む必要があります。
第三に、次の代表争いでは複数年の実績が問われることです。2030年大会の代表候補選考では、国内選手権や世界選手権の実績に加えて、WTRに基づく条件も設けられています。1回の大会で結果を出すだけでなく、チームとして国際舞台で継続的に戦える力を積み上げることが、選考上の大きな課題となります。
ファンが今後の大会を追う際は、①試合の勝敗、②大会独自の順位決定方式、③世界選手権やランキングを含む代表選考条件、の3点を確認するのがおすすめです。特定のチームの知名度や過去のメダル実績だけで判断するよりも、現在の競技結果と選考規定を組み合わせて見ることで、代表争いの実態を正確につかめます。
【カーリング女子代表決定戦】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2025年のカーリング女子代表決定戦で優勝したのはどのチームですか?
A1:フォルティウスです。SC軽井沢クラブとの決定戦を通算3勝2敗で制し、2025年12月のミラノ・コルティナ五輪世界最終予選に出場する日本代表に決まりました。
Q2:ロコ・ソラーレはなぜ代表決定戦に進めなかったのですか?
A2:予選を2勝2敗で終え、順位決定の結果3位となったためです。フォルティウスとのタイブレークで2対7と敗れ、決定戦進出を逃しました。
Q3:2026年ミラノ・コルティナ五輪で女子日本代表は何位でしたか?
A3:フォルティウスは予選リーグ2勝7敗で、10チーム中8位でした。上位4チームによる決勝トーナメントには進めず、メダル獲得はなりませんでした。
Q4:2030年のカーリング女子日本代表は、いつ決まりますか?
A4:日本カーリング協会の公表方針では、2030年フランスアルプス冬季五輪に向けた代表候補決定戦を2029年9月末までに開催する予定です。最終的な五輪出場チームの確定とは別の段階である点に注意が必要です。
Q5:2030年大会の選考では日本選手権の優勝が最も重要ですか?
A5:日本選手権の優勝は出場資格を得る条件の一つですが、それだけで代表候補が決まるわけではありません。世界選手権への出場実績やWTRに基づく条件も組み込まれており、国際競技力を継続的に示すことが重要です。
2025年9月のカーリング女子代表決定戦では、フォルティウスがSC軽井沢クラブに通算3勝2敗で勝利し、ロコ・ソラーレはタイブレークで敗退しました。フォルティウスはその後、世界最終予選でノルウェーを6対5で破って五輪出場権を獲得しましたが、2026年ミラノ・コルティナ五輪では8位に終わっています。
この一連の経過は、国内代表争いを勝ち抜く力と、世界の舞台でメダルを争う力を分けて考える必要があることを示しています。日本カーリング協会が公表した2030年大会に向けた選考方針でも、複数年の国内大会や世界選手権の実績、世界チームランキングなどが出場資格に組み込まれました。
次の代表争いでは、フォルティウスの新体制だけでなく、SC軽井沢クラブやロコ・ソラーレがどのように国際競技力を高めるかも焦点になります。大会のスコアだけでなく、競技方式、選考資格、世界選手権での実績まで追うことが、2030年五輪へ向かう日本女子カーリングの動向を理解するうえで重要です。