囲碁の女流本因坊戦は、共同通信社と日本棋院が主催する、日本の女流囲碁界を代表するタイトル棋戦です。1981年に創設され、前身となる女流選手権戦から数えれば、70年以上にわたる歴史を持っています。歴代の優勝者には、謝依旻や藤沢里菜など、女流囲碁界を牽引してきた棋士が名を連ねています。
2026年10月28日時点で注目されているのが、第45期女流本因坊戦の挑戦手合五番勝負です。日本棋院の公式棋戦情報によると、タイトル保持者の藤沢里菜女流本因坊が挑戦者の上野梨紗四段に2連勝し、防衛に向けて大きく前進しています。第3局は11月11日に予定されています。
【2026年最新結果】藤沢里菜が2連勝!第45期女流本因坊戦の行方

2026年の女流本因坊戦は第45期を迎え、藤沢里菜女流本因坊と上野梨紗四段による挑戦手合五番勝負が進行しています。10月25日の第2局終了時点で、藤沢が2勝0敗とリードしています。
日本棋院の公式棋戦ページに掲載された対局結果では、第1局は10月8日に岩手県花巻市の佳松園で行われ、藤沢が白番中押し勝ちを収めました。続く第2局は10月25日、秋田県能代市の旧料亭金勇で開催され、藤沢が黒番中押し勝ち。序盤の1局だけでなく、第2局も勝ち切ったことで、防衛に向けて優位な立場に立っています。
第45期の対局結果と今後の日程2026年10月28日時点で公表されている挑戦手合の日程は、次のとおりです。第3局以降は、シリーズの勝敗によって実施される局数が変わります。
- 第1局・10月8日:藤沢里菜が白番中押し勝ち。
- 第2局・10月25日:藤沢里菜が黒番中押し勝ち。
- 第3局・11月11日:東京都千代田区の日本棋院東京本院で開催予定。
- 第4局・11月17日:開催予定。実施される場合は藤沢の防衛か、上野の巻き返しかが焦点となる。
- 第5局・11月25日:開催予定。3勝に到達する棋士が決まっていない場合に実施される。
五番勝負は、どちらかが先に3勝した時点で決着します。藤沢が第3局にも勝てば3連勝で防衛が決まり、上野が勝てばシリーズは続きます。上野にとっては、まず第3局で1勝を挙げ、反撃の足掛かりをつかめるかが大きなポイントです。
なお、2026年の現タイトル保持者は藤沢里菜です。第45期の優勝者はまだ確定しておらず、2連勝という途中経過を、そのまま年間の最終結果と混同しないことが大切です。
【創設1981年の歴史】前身は1952年の女流選手権戦
女流本因坊戦の歴史を理解するうえで押さえておきたいのが、現在の棋戦が始まる前に存在した女流選手権戦です。日本棋院の棋戦情報や自治体の対局案内では、女流本因坊戦の創設年を1981年、前身の女流選手権戦の創設年を1952年としています。
女流選手権戦は1952年に始まり、創設時の主催社は東京タイムズでした。その後、1981年に女流本因坊戦として現在につながる棋戦が創設されました。女流囲碁のタイトル戦が長期にわたり継承されてきた背景には、棋士の競技実績を記録する場であると同時に、新聞社や囲碁団体が対局を社会に届ける仕組みがあったことも見逃せません。
女流本因坊戦の基本情報現在の女流本因坊戦は、共同通信社と日本棋院が主催し、関西棋院が協力する棋戦です。日本棋院の第45期公式情報では、JA共済連と共栄火災が協賛として掲載されています。
挑戦手合の優勝賞金は550万円で、挑戦手合は五番勝負、本戦はトーナメント形式です。女流棋士を出場資格とする棋戦であり、女流囲碁界の主要タイトルの一つとして位置づけられています。
また、女流本因坊戦は単に名称が長く続いているだけではありません。歴代記録を見ると、特定の棋士が複数年にわたりタイトルを保持する時期と、挑戦者が新たなタイトル保持者となる時期が交互に現れています。連覇の記録をたどることで、女流囲碁界における世代交代や実力者同士の競争も読み取れます。
女流本因坊戦の歴代優勝者を振り返ると、謝依旻、藤沢里菜、上野愛咲美、向井千瑛など、女流囲碁界を代表する棋士がタイトルを獲得してきました。特に2007年以降は謝依旻と藤沢里菜が繰り返し優勝し、2019年には上野愛咲美がタイトルを獲得するなど、複数の実力者が競い合っています。
日本棋院の歴代記録をもとに、近年の優勝者と2026年の状況を整理します。
| 対局年 | 優勝者・状況 | 主な対戦結果・注目点 |
|---|---|---|
| 2010~2012年 | 謝依旻 | 3期連続で優勝。2007年から2012年まで6連覇を達成。 |
| 2013年 | 向井千瑛 | 謝依旻を破ってタイトルを獲得。 |
| 2014年 | 藤沢里菜 | 向井千瑛を3勝0敗で破って優勝。 |
| 2015年 | 謝依旻 | 藤沢里菜との五番勝負を3勝2敗で制した。 |
| 2016年 | 藤沢里菜 | 謝依旻を3勝1敗で破って優勝。 |
| 2017年 | 謝依旻 | 藤沢里菜との五番勝負を3勝2敗で制した。 |
| 2018年 | 藤沢里菜 | 謝依旻を3勝1敗で破って優勝。 |
| 2019年 | 上野愛咲美 | 藤沢里菜を3勝1敗で破ってタイトルを獲得。 |
| 2020年 | 藤沢里菜 | 上野愛咲美との五番勝負を3勝2敗で制した。 |
| 2021年 | 藤沢里菜 | 星合志保を3勝0敗で破って防衛。 |
| 2022年 | 藤沢里菜 | 上野愛咲美を3勝0敗で破って防衛。 |
| 2023年 | 藤沢里菜 | 上野梨紗を3勝2敗で破って防衛。 |
| 2024年 | 藤沢里菜 | 牛栄子を3勝2敗で破って防衛。 |
| 2025年 | 藤沢里菜 | 星合志保を3勝2敗で破って防衛。 |
| 2026年 | 藤沢里菜(現タイトル保持者) | 第45期は上野梨紗との挑戦手合で2勝0敗。10月28日時点で決着前。 |
歴代記録で際立つのが、謝依旻と藤沢里菜の連覇です。謝依旻は2007年から2012年まで6連覇し、女流本因坊戦の歴史に残る実績を築きました。一方、藤沢里菜は2020年から2025年まで6連覇を続け、2026年もタイトル防衛に挑んでいます。
この2人の実績は、女流本因坊戦が一度タイトルを獲得すれば長期間保持できるほど簡単な棋戦ではないことも示しています。防衛する側には、相手に研究される立場で新たな対策を講じる必要があります。挑戦者側は本戦トーナメントを勝ち抜いた勢いを、複数局にわたるタイトル戦で発揮しなければなりません。
歴代優勝者を調べる際には、優勝した年度だけでなく、挑戦者、シリーズの勝敗、連覇数も併せて見ると、棋士ごとの強さやタイトル戦の流れをより深く理解できます。
【挑戦手合の仕組み】タイトル獲得までの条件と対局ルール
女流本因坊戦は、挑戦者を決める本戦トーナメントと、タイトル保持者に挑戦する五番勝負の二段階で構成されています。日本棋院の第45期公式情報では、本戦は20名プラスαによるトーナメント戦で、優勝者が挑戦手合に進む方式です。出場者の選抜やシード条件は期ごとの公式要項で確認できます。
タイトル獲得までの流れ- 予選・本戦への進出:所定の出場資格を満たした女流棋士が、予選やシード条件を経て本戦を目指す。
- 本戦トーナメント:対局を勝ち抜き、優勝者がタイトル保持者への挑戦権を得る。
- 挑戦手合五番勝負:現タイトル保持者と挑戦者が最大5局を戦う。
- タイトル獲得・防衛:先に3勝した棋士がシリーズを制する。挑戦者が勝てば新タイトル保持者となり、保持者が勝てば防衛となる。
五番勝負という名称は、必ず5局を戦うという意味ではありません。3勝に到達した時点でシリーズが終了するため、3勝0敗や3勝1敗で決着する場合もあれば、3勝2敗までもつれ込む場合もあります。2025年の第44期では藤沢里菜が星合志保を3勝2敗で破っており、最終局まで勝負が続く緊張感もこの棋戦の見どころです。
持ち時間と勝敗を左右する条件第45期の公式棋戦情報によると、挑戦手合の持ち時間は各4時間、本戦は各3時間です。いずれも残り5分から秒読みとなり、コミは6目半。挑戦手合は午前9時開始で、昼休憩は正午から午後0時40分までとされています。
囲碁では盤上の地だけでなく、石の生死、厚み、攻め合い、終盤の細かな手順などが勝敗を左右します。長い持ち時間を使えるタイトル戦では、序盤の構想から中盤の戦い、終盤のヨセまで、判断の積み重ねが結果に反映されます。勝敗を確認するときは、黒番・白番だけでなく、中押し勝ちなのか、何目差の勝利なのかにも注目すると対局の特徴をつかみやすくなります。
なお、中押し勝ちは、盤上で勝敗が明らかになった段階で対局を終えることです。必ずしも最後まで石を打ち切る必要はなく、終局まで打ち進めずに勝負が決することもあります。
【名誉女流本因坊と本因坊戦との違い】連覇の価値と棋戦の格付け
女流本因坊戦には、通常のタイトル保持とは別に、長期にわたる実績を称える「名誉女流本因坊」という資格があります。条件は女流本因坊戦で5連覇することです。単に通算5回優勝すればよいという意味ではなく、連続してタイトルを保持する必要があります。
5連覇で得られる名誉女流本因坊の資格名誉女流本因坊の有資格者として知られるのが、謝依旻と藤沢里菜です。謝依旻は2007年から2012年まで6連覇を達成し、2011年には5連覇に到達しました。藤沢里菜も2020年から2025年まで6連覇を続けており、同じく5連覇の条件を満たしています。
ここで押さえたいのは、名誉女流本因坊が通常のタイトル獲得とは異なる、連続的な実績に基づく資格だという点です。五番勝負を一度制するだけでなく、翌年以降も挑戦者を退け続ける必要があります。タイトル保持者として対策を練られる立場で勝ち続けることが、名誉称号の重みにつながっています。
女流本因坊戦と本因坊戦は別の棋戦女流本因坊戦と本因坊戦は、名前に「本因坊」が含まれているため、同一の大会や男女別の同一タイトルだと誤解されることがあります。しかし、両者は主催者や出場資格などが異なる別々の棋戦です。
女流本因坊戦は共同通信社と日本棋院が主催し、女流棋士を対象とする棋戦です。一方、本因坊戦は毎日新聞社、日本棋院、関西棋院が主催する別のタイトル戦で、女流本因坊戦の優勝者が自動的に本因坊戦の挑戦者になる仕組みではありません。
また、女流本因坊戦は女流棋戦の中でも最も格が高い棋戦とされ、歴史や連覇記録、挑戦手合の存在がその位置づけを支えています。ただし、女流棋戦の格付けは、賞金額だけで一律に決まるものではありません。創設からの歴史、棋士の実績、棋戦の方式、タイトルの伝統などを併せて見ることが必要です。
【観戦ガイド】最新結果・対局日程を効率よく追う方法
女流本因坊戦を継続して観戦するなら、日本棋院の公式棋戦ページを基準にすると、対局日程、挑戦手合の勝敗、本戦トーナメントの進行をまとめて把握できます。2026年の第45期では、10月25日の第2局終了時点で藤沢里菜が2勝0敗。次の第3局は11月11日に予定されています。
日程を確認するときは、開催予定日と実際の対局結果を分けて見ることが大切です。挑戦手合は先に3勝した時点で終了するため、第4局や第5局が公式日程に記載されていても、必ず開催されるとは限りません。シリーズが早く決着すれば、後続の対局は行われません。
対局結果を見るときのチェックポイント- シリーズの勝敗:藤沢里菜と上野梨紗のどちらが何勝しているかを確認する。
- 各局の勝者と手番:黒番・白番のどちらが勝ったのかをチェックする。
- 決着までの残り勝数:先に3勝した棋士がタイトルを獲得するため、現在の勝敗が持つ意味を把握する。
- 歴代記録との比較:藤沢里菜の連覇が続くのか、上野梨紗が新たなタイトル保持者となるのかに注目する。
対局の内容を深く知りたい場合は、公式の棋譜中継や映像配信も役立ちます。結果だけでは見えにくい形勢の変化や、勝負を分けた一手を確認できるためです。とりわけタイトル戦では、同じ棋士同士が複数局を戦うなかで、前局の内容を踏まえた作戦の変化にも注目できます。
【女流本因坊戦囲碁】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の女流本因坊戦の最新結果は?
A1:2026年10月28日時点では、第45期挑戦手合五番勝負で藤沢里菜女流本因坊が上野梨紗四段に2勝0敗とリードしています。第1局は10月8日、第2局は10月25日に行われ、いずれも藤沢が勝利しました。次の第3局は11月11日に予定されています。
Q2:女流本因坊戦でタイトルを獲得するには何勝必要?
A2:挑戦手合五番勝負で先に3勝する必要があります。本戦トーナメントの優勝者が挑戦者となり、現タイトル保持者との五番勝負を制した棋士が女流本因坊の称号を獲得します。
Q3:名誉女流本因坊になるには何連覇が必要?
A3:女流本因坊戦で5連覇すると、名誉女流本因坊の資格を得られます。謝依旻は2007~2012年に6連覇し、藤沢里菜も2020~2025年に6連覇を達成しています。通算5回の優勝ではなく、連続した5期のタイトル保持が条件です。
女流本因坊戦は、1981年の創設から続く日本の代表的な女流囲碁棋戦です。その前身である女流選手権戦は1952年に始まり、東京タイムズが創設時の主催社を務めました。現在は共同通信社と日本棋院が主催し、本戦トーナメントを勝ち抜いた挑戦者が五番勝負でタイトル保持者に挑みます。
歴代記録では、謝依旻の6連覇や藤沢里菜の6連覇が際立ちます。2026年の第45期は藤沢里菜が上野梨紗に2連勝しており、11月11日の第3局が次の大きな節目です。藤沢が3連勝で防衛を決めるのか、それとも上野が巻き返してシリーズを長期戦に持ち込むのかが、今期最大の見どころとなっています。
女流本因坊戦を理解する際は、最新の勝敗だけでなく、歴代優勝者、挑戦手合の仕組み、5連覇による名誉称号の条件、本因坊戦との違いを押さえることが重要です。公式の対局日程と結果を照らし合わせながら観戦すれば、目の前の一局がタイトルの歴史にどのようにつながるのかまで見えてきます。