立花孝志氏は、船橋市議会議員、葛飾区議会議員、参議院議員を経験し、NHK受信料制度への批判を軸に政治活動を展開してきた人物です。地方議会での当選から国政進出、任期途中の議員失職・辞職、そして2025年の選挙結果までを振り返ると、知名度を高める選挙戦略と、有権者から得た支持が必ずしも議席に結び付かない現実が見えてきます。
2026年10月には、兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙への出馬を表明した後、立候補を辞退しました。また、2025年に逮捕・起訴された名誉毀損事件をめぐり、勾留が続いていると報じられています。過去の当選歴だけでなく、直近の選挙結果、政治団体の変遷、現在の法的状況を分けて整理することが、今後の政治活動を見通すうえで欠かせません。
【2026年最新】立花孝志の現在と次の選挙予定は?

2026年10月28日時点の立花孝志氏は、1967年8月15日生まれの59歳です。NHK職員を経て政治活動を始め、YouTubeなどのインターネット発信を積極的に利用してきましたが、現在は選挙活動だけでなく、刑事事件の進展も政治活動を左右する状況にあります。
直近で大きな動きがあったのは、兵庫県議会議員高砂市選挙区の補欠選挙です。立花氏は2026年10月5日、自身の公式サイトで同選挙への立候補予定を発表しました。投票日は10月25日、告示日は10月16日とされていました。
しかし、告示日の10月16日、立花氏は公式サイトで立候補を辞退したと発表。「ご期待を寄せてくださった皆様には、このようなご報告となりましたことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。出馬予定の公表と、実際に立候補することは別であり、この補選では立花氏は候補者になっていません。
背景には、2025年11月に逮捕され、名誉毀損罪で起訴された事件があります。2026年10月中旬の報道でも勾留が続いていることが伝えられており、政治活動には大きな制約が生じています。ただし、起訴されたこと自体が有罪判決を意味するわけではありません。
現時点で、辞退した高砂市選挙区の補選に代わる次の出馬日程は公表されていません。今後の動向を確認する際は、本人の出馬表明だけでなく、立候補の届出、選挙管理委員会の候補者一覧、政治団体の公式発表を区別して見る必要があります。
【選挙歴を時系列で整理】船橋市議・葛飾区議・参議院議員まで
立花氏の選挙歴は、最初から当選が続いたわけではありません。2013年に地方議会選挙へ初めて挑戦し、落選を経験した後、船橋市議、葛飾区議、参議院議員へと進みました。その後は知事選や市長選、国政選挙に繰り返し立候補しています。
選挙ドットコムの政治家情報や各自治体の開票結果、総務省の選挙資料などをもとに、主な節目をまとめると次のとおりです。
| 時期・選挙 | 結果・得票数 | 主な経緯 |
|---|---|---|
| 2013年・摂津市議選 | 317票、落選 | 地方選挙への挑戦を開始 |
| 2014年・町田市議選 | 1,589票、落選 | 地方議会選挙への再挑戦 |
| 2015年・船橋市議選 | 約2,623票、当選 | 初当選。2016年の東京都知事選出馬に伴い自動失職 |
| 2017年・葛飾区議選 | 2,954票、当選 | 2019年の堺市長選出馬に伴い自動失職 |
| 2019年7月・参院選比例代表 | 党の比例得票約98.8万票、1議席 | 立花氏が参議院議員に初当選 |
| 2019年10月・参院埼玉選挙区補選 | 168,289票、落選 | 参院議員を辞職して立候補 |
| 2024年11月・兵庫県知事選 | 19,180票、落選 | 斎藤元彦知事を支持する立場で出馬 |
| 2025年3月・千葉県知事選 | 79,060票、落選 | 知事選に再挑戦 |
| 2025年6月・三木市長選 | 4,693票、落選 | 現職の仲田一彦氏が当選 |
| 2025年7月・参院兵庫県選挙区 | 157,005票、落選 | NHK党は比例代表でも議席を獲得できず |
| 2026年10月・高砂市選挙区県議補選 | 立候補辞退 | 10月5日に出馬予定を公表し、16日に辞退 |
この経歴で押さえたいのは、立花氏が当選した選挙と、立候補を通じて知名度を高めた選挙を分けることです。東京都知事選や兵庫県知事選などへの出馬は、地方議会や国会で議席を得た実績とは異なります。
また、得票数の単純比較にも注意が必要です。市議選、知事選、比例代表、選挙区選挙では有権者の範囲も定数も異なります。例えば、知事選の79,060票と参院選の157,005票を比べても、それだけで支持が倍増したとは判断できません。得票率、投票率、選挙区の規模、候補者数も合わせて確認する必要があります。
【なぜ任期途中で議員を離れたのか】船橋市議・葛飾区議・参院議員の辞職理由
立花氏の経歴を調べる読者が気になる点の一つが、複数の議員職を任期途中で離れていることです。ただし、船橋市議と葛飾区議のケースでは、単純に本人が辞職届を出したというより、別の選挙への立候補に伴う自動失職という制度上の経緯を押さえる必要があります。
船橋市議時代:2015年4月の船橋市議選で当選した立花氏は、2016年7月の東京都知事選に立候補しました。これに伴い船橋市議の職を自動失職しています。在任期間は約1年3か月でした。地方議員としての任期を全うするよりも、別の選挙に挑戦する道を選んだ形です。
葛飾区議時代:2017年11月の葛飾区議選で当選しましたが、2019年6月の堺市長選に立候補したことで区議を自動失職しました。在任期間は約2年5か月です。市議会・区議会での活動を続けながら上位の選挙に挑むというより、別の選挙への立候補によって議員の職を離れる形が繰り返されました。
参議院議員時代:2019年7月の参院選比例代表で当選した立花氏は、同年10月、参院埼玉選挙区の補欠選挙への立候補を念頭に議員辞職を決断しました。参議院議員としての在任期間は約3か月です。補選では168,289票を獲得しましたが、上田清司氏に敗れました。
参院議員の辞職は、本人が別の選挙に出るための政治判断でした。辞職したからといって、当選そのものが取り消されたわけではありません。一方、有権者の立場からは、選挙で選んだ議員が短期間で職を離れることについて、議員としての責任や任期の重みをどう考えるかという問題が残ります。
立花氏の選挙戦略を評価する際には、当選したかどうかだけでなく、当選後にどの程度議員活動を行ったのか、任期途中で離れる判断をどのように説明したのかも確認したいところです。
【NHK党の選挙戦略と公約】知名度を得票につなげる仕組み
立花氏の政治活動を理解するうえで欠かせないのが、NHK受信料制度への批判を中心に据えた選挙戦略です。2013年に政治団体を立ち上げた当初から、NHKの受信料や訪問員への対応を主要な論点として掲げ、「NHKをぶっ壊す!」という強い言葉を用いて支持を訴えてきました。
選挙公約には、NHKのスクランブル放送の実現や、NHK訪問員による被害について市役所に相談窓口を設ける構想などがありました。NHKの受信料制度に不満を持つ有権者にとって、争点が明確で理解しやすい点は、支持を広げるうえでの強みでした。
また、立花氏はYouTubeやSNSを通じて情報を発信し、街頭演説や選挙への立候補をネット上の発信と組み合わせてきました。2019年の参院選では、比例代表で約98.8万票を得て1議席を獲得し、国政政党として活動する足掛かりを得ました。特定の政策を前面に出し、従来の政党とは異なる発信手法で有権者に訴える戦略が、議席獲得につながった事例です。
一方、選挙に多数の候補者を擁立する戦略は、必ずしも議席の獲得を意味しません。候補者が多ければ、街頭演説や選挙報道を通じて団体名が知られる機会は増えます。しかし、知名度が上がることと、政策への賛同が増えること、実際に当選することは、それぞれ別の段階です。
公約の実態を評価するには、スローガンの強さだけで判断せず、議会での提案、制度変更への働きかけ、実現した政策、未実現の政策を分けて確認することが大切です。NHK受信料をめぐる問題提起に一定の意義を感じる有権者がいる一方、選挙活動の手法や議員の任期途中での失職を疑問視する見方もあります。支持と批判は、政策そのものと政治活動の進め方を分けて捉える必要があります。
【NHKから国民を守る党の歴代選挙結果】党名の変遷と2025年の落選
立花氏の選挙結果を追う際には、政治団体の名称と組織の変遷にも注意が必要です。「NHKから国民を守る党」「NHK党」「政治家女子48党」「みんなでつくる党」という名称は、報道や検索結果で混在することがありますが、すべてを同一の政治団体として扱うことはできません。
2013年に発足した政治団体は、2019年の参院選で議席を獲得し、その後、党名変更を繰り返しました。2023年には「政治家女子48党」となり、立花氏と大津綾香氏の間で代表権などをめぐる対立が発生。大津氏側の団体は同年11月に「みんなでつくる党」へ名称を変更しました。
これとは別に、立花氏は2021年に同じ「NHKから国民を守る党」という名称の政治団体を届け出ています。2025年には立花氏側の団体が「NHK党」の名称を使用した時期もあり、同年8月には名称に関する届出上の変更がありました。政治団体を特定する際には、名前だけでなく設立届や代表者、届出先を確認する必要があります。
選挙結果にも変化が表れています。2022年参院選では、2013年設立の団体の系譜に属する当時の政党が比例代表で約125.4万票を獲得しました。ただし、代表権争いと団体の分離があるため、この数値を2025年のNHK党の得票と単純に連続させることはできません。
総務省の2025年参院選資料によると、届出名が「NHK党」だった団体は、選挙区45人、比例代表3人の計48人を擁立しました。しかし、比例代表の得票は682,626.375票、得票率は1.15%にとどまり、獲得議席はゼロでした。立花氏自身も兵庫県選挙区から出馬し、157,005票を得ましたが落選しています。
この結果は、候補者を多く擁立し、メディアやインターネットでの露出を増やす手法が、必ずしも議席の確保につながらないことを示しています。2019年の国政進出を成功例とするなら、2025年の参院選は、知名度や過去の実績だけでは有権者の支持を維持できないことが表れた選挙でした。
【報道と事実】名誉毀損事件と2026年の政治活動への影響
立花氏の2026年の動向を考えるうえでは、選挙結果だけでなく、刑事事件の経過も押さえる必要があります。兵庫県の告発文書問題をめぐり、立花氏は2024年12月の街頭演説や2025年1月のSNS発信で、2025年1月に亡くなった竹内英明元兵庫県議に関する発言を行いました。
竹内氏の妻は2025年6月、立花氏を名誉毀損容疑で刑事告訴しました。兵庫県警は同年11月9日に立花氏を逮捕し、神戸地検は11月28日に名誉毀損罪で起訴しました。起訴内容には、竹内氏が警察の取り調べを受けているなどとする街頭演説での発言や、死去後のSNS投稿が含まれています。
この事件では、発言の有無だけでなく、その内容の真実性や、真実と信じる相当な根拠があったかどうかなどが法的な争点となります。逮捕や起訴は捜査・刑事手続き上の段階であり、それ自体を有罪確定と混同してはいけません。立花氏が勾留中であることと、刑事裁判で有罪判決が確定したかどうかは別の問題です。
また、2025年3月には立花氏が東京・霞が関でなたによる襲撃を受ける事件が発生しました。2026年10月には、殺人未遂などの罪に問われた被告の裁判員裁判に、立花氏が被害者参加制度を利用して出廷したと報じられています。10月6日には法廷で自身の「獄中結婚」についても報告しました。これは名誉毀損事件とは別の事件であり、報道を読む際には両者を区別する必要があります。
こうした法的状況は、立花氏の政治活動や選挙への参加を考える際の重要な背景です。2026年10月の高砂市選挙区補選への出馬表明と辞退も、こうした状況のなかで起きました。ただし、辞退の理由を勾留だけに帰することはできず、本人の公式発表に記載された内容と、報道による推測を区別して捉えることが大切です。
【プロの結論】立花孝志の選挙を評価する3つの視点
立花氏の選挙歴から読み取れるのは、選挙で注目を集める能力と、継続的に議席を確保し、議員として成果を残す能力は同じではないということです。評価する際は、次の3点を切り分けると、支持・批判のどちらかに偏らず実態を捉えやすくなります。
第一に、得票と議席を分けて見ること。2019年の参院選では議席を獲得しましたが、2025年の参院選では48人を擁立しても議席を得られませんでした。得票数だけでなく、得票率、議席数、当選者の活動まで追うことで、選挙戦略の成果を評価できます。
第二に、選挙公約と政策実現を分けて見ること。NHK受信料制度への問題提起は、政治的な論点を広く認知させる役割を果たしました。一方、注目を集めたことと、制度が実際に変更されたことは同じではありません。公約の実現度を確認するには、議会の議事録や行政の決定、法改正などの具体的な記録が必要です。
第三に、政治家としての継続性を確認すること。船橋市議、葛飾区議、参議院議員のいずれも任期途中で職を離れています。別の選挙への挑戦は政治活動の選択肢ですが、有権者が選んだ議員として任期中に何を実行したか、なぜ職を離れたかを検討しなければ、政治家としての実績を十分に評価できません。
立花氏の活動を支持するかどうかは、NHK受信料制度への考え方、政治情報の発信方法、議員としての実績、選挙への向き合い方を総合して判断する問題です。強いスローガンや話題性だけでなく、実際の選挙結果と政策の進捗を照らし合わせることが、有権者にとって最も実用的な判断基準になります。
【立花孝志選挙】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:立花孝志はこれまでに何回、選挙で当選していますか?
A1:主な当選歴は、2015年の船橋市議選、2017年の葛飾区議選、2019年の参院選比例代表です。これ以外にも複数の知事選、市長選、地方議会選挙に立候補していますが、当選した選挙と落選した選挙を区別して確認する必要があります。
Q2:立花孝志が参議院議員を辞職した理由は何ですか?
A2:2019年10月、参院埼玉選挙区の補欠選挙に立候補するためです。7月の参院選で初当選してから約3か月で辞職し、補選では168,289票を獲得しましたが落選しました。
Q3:立花孝志は次の選挙に出馬する予定ですか?
A3:2026年10月5日に兵庫県議会議員高砂市選挙区補選への出馬予定を発表しましたが、10月16日に立候補を辞退しました。2026年10月28日時点で、その後の出馬日程は公表されていません。
立花孝志氏は、地方議会から国政へ進出し、NHK受信料制度への問題提起とインターネットを活用した選挙活動で知名度を高めてきました。一方、議員職を任期途中で離れた経緯や、2025年参院選での落選、NHK党が議席を獲得できなかった結果も、政治家としての評価に欠かせない事実です。
2026年10月には高砂市選挙区の県議補選への出馬を辞退し、名誉毀損事件の勾留も続いています。次の選挙に出るかどうかは、本人の発表だけでなく、正式な立候補届出や選挙管理委員会の公表資料で判断する必要があります。
今後の立花氏とNHK党の動向を追う際は、①選挙での得票と議席、②公約の実現状況、③議員としての任期や活動実績、④政治団体の正式な名称と組織上の位置付け、⑤刑事事件の手続き状況を分けて確認が必要です。過去の当選歴や話題性だけに左右されず、公式記録と具体的な実績を基準に評価することが、選挙をめぐる情報を正確に理解する近道です。