日本のお笑い界に不滅の足跡を残し、2020年3月に急逝した稀代の喜劇王・志村けんさん。生前、テレビの前の視聴者に最高の笑いを届け続けた志村さんは、大の車好きとしても知られ、移動やプライベートでは超一級の高級外国車を愛用していました。志村さんが旅立ってから歳月が経過した現在も、「生前の名車たちは一体どこへ引き取られたのか」「誰の手へ渡ったのか」と関心を寄せるファンは少なくありません。
志村さんの遺品ともいえる愛車を巡っては、バラエティ番組で幾度となく共演し、プライベートでも親子のような深い絆で結ばれていた千鳥の大悟さんが購入した感動的なエピソードや、長年走りを共にした超高級サルーンが熱烈なファンへと受け継がれた事実が存在します。本記事では、志村けんさんの歴代愛車たちの現在と引き取り先、売却にまつわる金額や背景にある熱い師弟愛の真相を徹底的に解き明かします。
志村けんさんが生前に愛用した名車たちの現在と引き取り先

志村けんさんが晩年に日常的な移動や仕事場への送迎で愛用していた代表的な車両は、アメリカが誇るフルサイズ高級SUV「キャデラック・エスカレード」と、英国の至宝と称される最高峰サルーン「ロールスロイス・ファントムⅦ」の2台です。
突然の別れの後、これらの名車がどのように扱われるのか注目が集まりましたが、志村さんの付き人と親交のあった愛媛県の自動車チューニングショップ「PRINCE(プリンス)」を通じて新たなオーナーへと引き継がれることになりました。名車が無機質なスクラップや転売の対象になることなく、志村さんを心から慕う人々の元へと渡った背景には、関係者たちの細やかな配慮と敬意がありました。
千鳥・大悟がキャデラック・エスカレードを購入した「師弟愛の真相」
数あるエピソードの中でも世間の胸を強く打ったのが、後輩芸人である千鳥の大悟さんによるキャデラック・エスカレードの引き取りです。週刊誌などの取材報道によると、大悟さんは約500万円でこのエスカレードを自ら購入しました。
2人の親交は、2016年の『志村けんのバカ殿様最新作 笑いの金メダルSP』での初共演をきっかけに始まりました。翌2017年3月放送の『志村けんのだいじょうぶだぁ ドリフみんな大集合SP』で、大悟さんが志村さんの代表的キャラクター「変なおじさん」への深い愛とリスペクトを熱弁した姿を志村さんがいたく気に入り、急速に距離を縮めました。以降、週に何度も酒席を共にするなど、まるで実の親子のような師弟関係を築いていきます。
実は大悟さんは当時、運転免許を持っていませんでした。運転できない車を自腹で購入するという常識外れの決断を下した背景には、「師匠が大切にしていた愛車を誰ともわからない他人に渡したくない」「自分が買い取ることで、師匠との思い出と芸人としての魂をそばに残したい」という純粋無垢な敬慕の念がありました。納車時には奥様が運転を担当するなど、家族を巻き込みながらも師匠の形見を大切に守り続けた姿は、昭和の芸人の粋を感じさせる美談として今なお語り継がれています。
走行距離16万kmのロールスロイス・ファントムが約1000万円でファンへ渡った経緯
志村さんのもう一台の象徴的な愛車であったロールスロイス・ファントムⅦは、新車価格が4000万円から5000万円を超える超弩級サルーンです。テレビ局への入りや格式ある場への移動に用いられ、芸能界の頂点を極めた志村さんのステータスシンボルでもありました。
このファントムは長年にわたり日本全国の現場を駆け巡っていたため、売却当時の走行距離は約16万kmに達していました。一般的な中古車市場において、10万kmを優に超えた超高級輸入車は維持費や整備リスクの観点から価格が大幅に下落するのが通常です。しかし、愛媛の自動車ショップ「PRINCE」を介して売りに出された際、約1000万円という高値で熱心な一般ファンの男性に購入されました。
購入したオーナーは、走行距離の多さやメンテナンスの大変さを十分に承知した上で、「志村けんさんが乗っていた大切な車だからこそ自分が大事に乗り継ぎたい」という熱烈な思いで購入を決断したと報じられています。志村さんが刻んだ年輪そのものである16万kmという数字は、ファンにとっては価値を損なう要因ではなく、むしろ喜劇王と共に生きた証としての輝きを放っていました。
【徹底検証】志村けんさんの歴代愛車スペックと現在の状況一覧
志村けんさんが愛した名車のスペック、生前の用途、そして旅立ちの後にたどった足跡を以下の対照表にまとめました。
| 車種・モデル | 車両の特徴・新車価格帯 | 生前の主な用途・走行距離 | 引き取り先・売却価格・現在 |
|---|---|---|---|
| キャデラック・エスカレード | アメリカ製フルサイズ高級SUV 力強いV8エンジンと圧倒的な居住性 新車価格:約1300万円〜 |
日々の現場移動やプライベートで常用 大柄な車体を活かした移動空間 |
千鳥・大悟さんが約500万円で購入 免許を持たない大悟さんが師匠愛から購入を決断し話題に |
| ロールスロイス・ファントムⅦ | 英国製プレステージサルーンの最高峰 観音開きドアと極上の後席快適性 新車価格:約4000万〜5000万円超 |
公私にわたる長年のメイン移動車 走行距離:約16万km |
愛媛「PRINCE」経由でファンが約1000万円で購入 志村さんの足跡をリスペクトするオーナーの元で現役維持 |
| 歴代の欧州高級サルーン等 (メルセデス・ベンツ等) |
卓越した安全性と高速巡航性能を備えた ドイツ製フラッグシップセダン |
昭和〜平成の多忙を極めた黄金期を支えた移動拠点 | 買い替えを経て世代交代 昭和の芸能界を駆け抜けた象徴 |
運転免許を持たなかった志村けんさんが「高級車」にこだわり続けた理由
志村けんさんに関する車のエピソードで極めて特徴的なのは、「志村さん自身は生涯一度も自動車の運転免許を取得しなかった」という点です。移動はすべて専属の運転手や付き人に委ねられていました。
自らハンドルを握らないにもかかわらず、なぜ志村さんはこれほどまでに圧倒的な高級車を所有し続けたのでしょうか。その理由は大きく分けて二つあります。
一つ目は、「後席を過密スケジュールの休息・集中空間にするため」です。ザ・ドリフターズ時代から数十年にわたり、テレビ収録、舞台『志村魂』の稽古、コントの台本執筆など、志村さんの日常は常人離れした激務でした。移動中の車内は単なる移動時間ではなく、台本を読み込み、睡眠を取り、コントの構想を練るための聖域でした。そのためには、キャデラックやロールスロイスが提供する揺れのない静粛性と広大なフットスペースが不可欠だったのです。
二つ目は、「若手に夢を見せる『昭和のスター』としての矜持」です。父・憲司さんの厳格な教育やその後の病気、そしてザ・ドリフターズの付き人という過酷な下積みからトップスターへと駆け上がった志村さんは、「芸人は売れたら良い車に乗り、後輩に美味い飯を食わせるものだ」という美学を誰よりも重んじていました。志村さんが乗る巨大なファントムやエスカレードの威容は、背中を追う後輩芸人たちに対して「努力して売れればこれだけの世界が待っている」と無言で示す道標でもありました。
【志村けんの愛車】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:志村けんさんの愛車は現在どこにありますか?
A1:キャデラック・エスカレードは後輩芸人の千鳥・大悟さんが引き取り、ロールスロイス・ファントムは愛媛県の自動車ショップ「PRINCE」を介して一般ファンの男性に購入され、それぞれのオーナーの元で大切に保管・管理されています。
Q2:千鳥の大悟さんはなぜ免許もないのに車を買ったのですか?
A2:生前、実の親子のように可愛がってくれた志村さんへの深い感謝と、「師匠の愛車が見知らぬ誰かに流れるのを防ぎ、形見として手元に残したい」という熱い師弟愛から、約500万円で購入を決意しました。
Q3:ロールスロイスの走行距離16万kmで1000万円という価格は妥当だったのですか?
A3:一般的な中古車市場の査定相場から見れば16万km走った個体としては異例の高額水準ですが、「志村けんさんが生前乗り続けた車」という歴史的付加価値と、買い取ったファンの方の志村さんに対する敬意が反映された価格設定といえます。
志村けんさんがこの世を去ってから年月が流れた今もなお、その愛車の行方が語り草となっているのは、車一台一台に志村さんの人生と温かな人間ドラマが刻まれているからです。
後輩である千鳥の大悟さんが引き継いだエスカレードは「芸の道と恩義」の象徴として、そして熱烈なファンが手に入れたロールスロイスは「大衆から愛されたスターの証」として、今もそれぞれの場所で大切に息づいています。自身は免許を持たずとも、最高峰の車を通じて芸人の夢を体現し続けた志村けんさん。その名車たちはこれからも、希代の喜劇王が残した偉大な功績と温もりを静かに伝え続けていくはずです。