2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、侍ジャパンに選出されていた平良海馬、石井大智、松井裕樹の3投手が相次いで出場を辞退しました。いずれも投手陣の戦力構想に関わる選手だっただけに、負傷の経緯や代替選手の選考に注目が集まりました。
日本野球機構(NPB)や侍ジャパンの公式発表によると、平良は左ふくらはぎの肉離れ、石井は左アキレス腱の損傷、松井はコンディション不良が辞退の理由です。代わって藤平尚真、隅田知一郎、金丸夢斗が追加招集されました。一方、今井達也の不参加表明やダルビッシュ有のWBC不参加は、選出後の辞退とは事情が異なります。
【2026年最新】侍ジャパンのWBC辞退者一覧と公式発表

2026年大会で、代表選出後に出場辞退が公表された選手は3人です。日本野球機構やNPBエンタープライズの公式発表では、2月11日に平良海馬、2月13日に石井大智、2月26日に松井裕樹の辞退がそれぞれ発表されました。
3人はいずれも投手で、代替選手も投手から選ばれています。大会直前の負傷が続いたことで、首脳陣は投手陣の再編を迫られました。
なお、ここでいう辞退者は、当初の代表メンバーに選出された後、正式に出場辞退となった選手を指します。今井達也のように事前に不参加を表明した選手や、ダルビッシュ有のように2026年の代表メンバーに選ばれていない選手とは、扱いが異なります。
【辞退理由と負傷の経緯】平良海馬・石井大智・松井裕樹を比較
3人の辞退理由を理解するうえで重要なのは、負傷した部位だけでなく、発生時期と大会までに必要な調整期間です。WBCは短期間に試合が集中するため、通常のシーズン以上に、登板できる状態まで回復する見通しが重視されます。
| 選手 | 公式発表・負傷の経緯 | 追加招集選手 |
|---|---|---|
| 平良海馬 | 左ふくらはぎの肉離れ。2月上旬の練習中に違和感を訴え、全治2~3週間の見込みと報じられた。 | 藤平尚真 |
| 石井大智 | 左アキレス腱の損傷。2月11日の阪神紅白戦で本塁後方のカバーに走った際に負傷し、後に断裂縫合術を受けた。 | 隅田知一郎 |
| 松井裕樹 | コンディション不良。2月19日の実戦形式の打撃練習で左足の付け根付近に違和感を訴えたと報じられた。 | 金丸夢斗 |
埼玉西武ライオンズの平良海馬は、春季キャンプ中に左ふくらはぎの違和感を訴えました。球団発表を伝えた日刊スポーツなどの報道によると、診断は軽度の肉離れで、全治は2~3週間の見込みでした。
平良は2025年に31セーブを記録してパ・リーグの最多セーブ投手賞を獲得した実績を持ち、2026年の侍ジャパンでも救援陣の一角として期待されていました。しかし、2月14日から始まる代表合宿や3月の本大会に向けて、十分な準備期間を確保できるかが問題となりました。
日本野球機構などは2月11日、平良の出場辞退と藤平尚真の追加選出を正式発表しました。負傷の程度が比較的軽いと報じられていたとしても、国際大会への出場を強行することと、シーズンを見据えて回復を優先することは別の判断です。
石井大智:左アキレス腱の損傷から断裂が判明阪神タイガースの石井大智は、2月11日の春季キャンプ中に行われた紅白戦で負傷しました。本塁後方のベースカバーに走った際に左足を痛め、緊急降板。翌12日に球団が左アキレス腱の損傷と診断されたことを公表し、WBC出場辞退をNPBに申し入れたと発表しました。
その後、阪神球団は石井が左アキレス腱断裂縫合術を受け、2月20日に退院したと発表しました。当初の「損傷」という発表から、手術によって断裂を伴う重大な負傷だったことが明らかになった形です。
石井は2025年に50試合連続無失点のプロ野球記録を樹立した救援投手でした。WBCだけでなく、阪神のシーズン戦力にも大きな影響が及ぶ負傷となりました。2月13日には石井の辞退と、埼玉西武ライオンズの隅田知一郎の追加選出が発表されています。
松井裕樹:コンディション不良で大会直前に辞退サンディエゴ・パドレスの松井裕樹は、2月26日にWBC出場辞退が発表されました。NPBエンタープライズの公式発表で示された理由は「コンディション不良」です。
テレビ東京スポーツやMLB公式サイト日本語版などの報道によると、松井は2月19日のライブBP(実戦形式の打撃練習)で21球を投げたところ、左足の付け根付近に違和感を訴えて途中降板しました。その後も投球再開までに調整を要し、本大会に向けた登板準備が整わない状況となりました。
松井は左腕の救援投手として貴重な存在であり、代表にとっては投手運用を再考する必要が生じました。代わりに追加招集されたのは、中日ドラゴンズの金丸夢斗です。
3人に共通するのは、代表への意欲や実績の有無ではなく、実際に大会で投げられる状態かどうかが判断の中心になった点です。特に救援投手は、短期間に複数回登板する可能性があるため、痛みを抱えたまま出場するリスクを慎重に評価する必要があります。
【追加招集の経緯】藤平尚真・隅田知一郎・金丸夢斗が選ばれた理由
2026年の侍ジャパンでは、辞退者が発表されるたびに代替選手が選出されました。藤平尚真、隅田知一郎、金丸夢斗はいずれも投手ですが、所属球団や投球スタイル、代表経験などはそれぞれ異なります。
藤平尚真:平良海馬の辞退を受けて追加選出楽天の藤平尚真は、平良の出場辞退に伴って追加招集されました。2025年には62試合に登板し、2勝2敗12セーブ、防御率2.11を記録したと共同通信が報じています。救援投手としての実績があり、短期間の大会でブルペンを支える役割が期待されました。
日本野球機構などの2月11日の発表で、平良の辞退と藤平の追加選出が公表されています。藤平にとっては、代表入りの機会を得た一方、通常よりも短い準備期間で大会に合わせる必要がある状況でした。
隅田知一郎:石井大智の代役として選出西武の隅田知一郎は、石井の辞退に伴い追加選出されました。西武球団の公式発表でも、2月13日に代表選出が公表されています。
隅田は先発投手としての実績を持つ左腕です。救援投手の離脱に対して、代替選手を必ずしも同じ役割の投手に限定せず、チーム全体の投手運用を考慮して編成することが、追加招集のポイントとなります。実際の登板方法や起用法は、代表首脳陣の判断に委ねられます。
金丸夢斗:松井裕樹の辞退を受けて追加選出中日の金丸夢斗は、松井の出場辞退を受けて2月26日に追加招集されました。NPBエンタープライズの公式発表で選出が確認できます。
侍ジャパンの井端弘和監督は、2月26日の公式コメントで、松井の負傷について、コンディションが良いと聞いていた中でのけがだったことにショックを受けたと説明しました。また、金丸については、以前から代表候補として可能性を感じていたことに触れ、急いで調整するのではなく、慎重にボールへ適応してほしいという趣旨のコメントを残しています。
この3人の追加招集から分かるのは、代表の選考が単純な実績順ではないということです。投手の左右、先発・救援の役割、直前の調整状況などを組み合わせ、限られたロースターで戦える体制を整える必要があります。
【辞退と未選出の違い】今井達也・ダルビッシュ有はなぜ別扱いなのか
「WBCに出ない選手」をすべて辞退者として代表に選ばれた後に出場を取りやめるケース、選出前に不参加を表明するケース、そもそも代表に選ばれないケースは、それぞれ区別する必要があります。
今井達也:代表選出前に不参加を表明アストロズに加入した今井達也は、2026年1月5日(日本時間6日)の入団会見で、3月のWBCに参加する予定はないと表明しました。MLB公式サイト日本語版の報道によると、理由として挙げたのは、メジャー1年目の準備、家族のこと、家族の安全を守ることなどを優先したいという考えです。
今井の場合、代表に正式選出された後の辞退ではなく、参加しない意向を事前に表明したケースです。「今井達也のWBC辞退理由」を調べる際には、けがによる出場不能と混同しないことが大切です。
ダルビッシュ有:右肘手術による2026年シーズンの欠場ダルビッシュ有については、2025年11月に右肘の手術を受けたことが報じられました。テレビ朝日などの報道によると、所属するパドレスは2026年シーズンの登板を見送り、復帰は2027年シーズンになる見通しを示しました。
このため、ダルビッシュのWBC不参加は、2026年の代表メンバーに選ばれた後の辞退とは異なります。少なくとも、今回の公式な出場辞退者3人の一覧にダルビッシュを含めるのは正確ではありません。
「辞退者」と「未選出」を見分ける3つの基準- 選出後の辞退:公式の代表メンバーに選ばれた後、けがやコンディションなどの理由で出場を取りやめたケース。
- 事前の不参加表明:代表選考や大会参加の段階で、本人が参加しない意向を明らかにしたケース。
- 未選出:最終的な代表メンバーに選ばれなかったケース。選ばれなかった理由が公表されていない限り、本人の辞退や球団の拒否があったと断定することはできない。
この区別は、SNSや検索結果で選手名と「辞退」という言葉が並んでいても、公式発表の内容まで確認すべき理由でもあります。選出の有無を確認するだけで、事実関係をかなり整理できます。
【WBC歴代辞退者一覧】2006年から2026年までの主な事例
WBCでは、代表選手のけがやコンディションの問題による辞退が過去にも発生しています。日本代表の歴代事例を振り返ると、大会直前の負傷だけでなく、大会期間中のけがによって離脱するケースもありました。
- 2006年・第1回大会:黒田博樹は壮行試合で右手を負傷して辞退し、久保田智之が代わりに代表入りしました。また、石井弘寿は左肩の痛みで大会途中に離脱し、馬原孝浩が追加招集されました。
- 2009年・第2回大会:村田修一が2次ラウンドで右太もも裏の肉離れを起こし、栗原健太が代替選手として加わりました。
- 2017年・第4回大会:嶋基宏が右ふくらはぎの状態を理由に出場を断念し、炭谷銀仁朗が代わりに選出されました。
- 2023年・第5回大会:鈴木誠也が左脇腹の負傷で出場を辞退し、牧原大成が追加招集されました。また、栗林良吏は腰痛で大会途中に離脱しました。
- 2026年・第6回大会:平良海馬、石井大智、松井裕樹の3投手が出場辞退となり、藤平尚真、隅田知一郎、金丸夢斗がそれぞれ追加招集されました。
これらの事例は、日刊スポーツや侍ジャパンの過去の公式発表などで確認できる主な例です。大会前の辞退と大会中の離脱では手続きや代替選手の登録方法が異なる場合があるため、歴代辞退者一覧を参照する際にも、大会と発生時期をセットで見ることが重要です。
また、2017年の大谷翔平や2013年大会で不参加となったダルビッシュ有など、代表選出前の不参加と、選出後の正式な辞退は同じ意味ではありません。歴代の選手名を並べるだけでは、辞退の経緯を正しく把握できない点に注意が必要です。
【辞退者の現在とその後】2026年シーズンで見えた回復と復帰
WBCを辞退したことは、その後のプロ野球選手としてのキャリアやシーズン成績を一律に決めるものではありません。2026年シーズンの3人の状況を見ると、負傷の程度や所属リーグ、回復に必要な期間によって、その後の経過は大きく異なりました。
平良海馬:2026年は先発として最優秀防御率を獲得西武の平良は2026年シーズン、先発投手として23試合に登板し、12勝5敗、防御率1.36、141奪三振を記録しました。NPBの公式個人成績や西武球団の発表によると、シーズン終了時に最優秀防御率投手賞を獲得しています。
2025年の最多セーブ投手から、2026年には先発として最優秀防御率を獲得した点は、辞退後の経過を考えるうえでも注目されます。少なくとも、WBC出場辞退によって2026年シーズンの活躍まで失われたわけではありません。
石井大智:長期リハビリを経て9月に1軍合流石井は左アキレス腱断裂の手術後、リハビリを続けました。日刊スポーツの2026年9月5日の報道によると、負傷から206日後に阪神の1軍に合流しました。実戦復帰に向けて段階的に調整を進め、長期離脱から戦列復帰への道を歩みました。
石井のケースでは、WBC辞退の直接的な原因となったけがが、そのまま所属球団のシーズン戦力にも影響しました。大会への出場を見送ったことと、回復後に再び競技へ戻ることは別の段階であり、長期的なリハビリと復帰過程を追う必要があります。
松井裕樹:5月にメジャー復帰し、自己最高のシーズン松井は左内転筋の負傷により、WBCだけでなくMLBの開幕にも間に合いませんでした。MLB公式サイト日本語版によると、5月5日(日本時間6日)にメジャー復帰を果たしました。
その後、松井は2026年レギュラーシーズンで54試合に登板し、5勝1敗1セーブ、防御率1.83を記録しました。MLB公式サイト日本語版は、メジャー3年目で自己最高のシーズンだったと伝えています。
3人のその後を比べると、平良は国内リーグで先発投手として結果を残し、石井は長期リハビリから復帰段階へ進み、松井はメジャーで好成績を残しました。WBC辞退者の現在を調べる際は、大会に出られなかった事実だけでなく、回復状況や所属球団での実績も併せて確認すると、より正確な評価につながります。
【WBC辞退者】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のWBC辞退者は誰ですか?
A1:代表に選出された後、正式に出場辞退が発表されたのは、平良海馬、石井大智、松井裕樹の3投手です。辞退理由はそれぞれ、左ふくらはぎの肉離れ、左アキレス腱の損傷、コンディション不良でした。
Q2:平良海馬、石井大智、松井裕樹の代わりに誰が選ばれましたか?
A2:平良の代わりに藤平尚真、石井の代わりに隅田知一郎、松井の代わりに金丸夢斗が追加招集されました。3人とも投手で、公式発表によって選出が確認できます。
Q3:今井達也やダルビッシュ有も2026年のWBC辞退者ですか?
A3:両者とも2026年大会には参加していませんが、正式な出場辞退者3人とは事情が異なります。今井は代表選出前に不参加を表明し、ダルビッシュは右肘の手術によって2026年シーズンの登板を見送る見通しとなっていました。
2026年のWBC辞退者を整理すると、平良海馬、石井大智、松井裕樹の3投手が、負傷やコンディション不良によって出場を断念しました。代替選手として藤平尚真、隅田知一郎、金丸夢斗が追加招集され、侍ジャパンは投手陣の編成を変更して本大会に臨みました。
一方、今井達也の事前の不参加表明やダルビッシュ有の右肘手術による不参加は、選出後の辞退とは区別して考える必要があります。また、歴代辞退者を振り返ると、けがによる大会直前の辞退や大会途中の離脱は、過去のWBCでも繰り返されてきました。
2026年大会の日本代表は、3月15日の準々決勝でベネズエラに5対8で敗れ、連覇を逃しました。ただし、結果だけから特定の選手の辞退や追加招集が勝敗を決めたと判断することはできません。大会全体の戦いと、個々の選手のけがや調整状況は分けて評価する必要があります。
WBC辞退者の情報を確認する際の判断基準は、①公式メンバーに選出されていたか、②辞退理由として何が公表されたか、③代替選手が誰に決まったか、④その後の回復や競技復帰がどう進んだかの4点です。この順番で確認すれば、辞退と未選出の混同を避けながら、侍ジャパンの選考経緯と選手の現在を正確に理解できます。