緑十字展は、職場の安全・健康・快適な環境づくりを支える、国内最大級の労働安全衛生分野の展示会です。2026年は9月16日から18日まで、北海道札幌市のスポーツ交流施設「つどーむ」で開催され、主催者の発表によると来場者数は合計12,108人でした。安全衛生保護具や機械安全、職場環境改善、熱中症対策など、企業の労働災害防止に直結する技術や製品が紹介されました。
2027年は新潟市の朱鷺メッセで10月6日から8日まで開催予定です。入場料や参加方法、中央労働災害防止協会と全国産業安全衛生大会との関係、歴代の開催実績、出展費用まで、2026年10月時点の公式発表をもとに整理します。
【緑十字展とは】職場の安全と健康を支える国内最大級の展示会

緑十字展は、安全衛生保護具、機械安全に関する設備、職場環境の改善機器、健康づくりに役立つ製品やサービスなどを一堂に集める専門展示会です。中央労働災害防止協会(中災防)が主催し、企業の安全衛生担当者や経営者、産業医、衛生管理者、製造現場の関係者などを主な対象としています。
単に製品を並べるだけの商談イベントではありません。労働災害の防止に役立つ最新技術を紹介するとともに、保護具の正しい使い方や職場の改善方法を学ぶ機会も提供しています。製造業や建設業だけでなく、物流、医療・介護、オフィスなど、幅広い職場に関係するテーマが扱われます。
中災防の公式案内では、緑十字展を安全衛生分野の国内最大級のBtoB展示会と位置付けています。BtoBとは企業間取引を指す言葉です。企業が導入を検討する機器やシステムを比較し、メーカーや専門家と情報交換する場としての性格が強く、一般消費者向けの物販イベントとは目的が異なります。
開催の歴史も長く、第1回は1968年9月、東京都港区の安全会館前広場などで開かれました。翌1969年から全国産業安全衛生大会に付随する行事として開催されるようになり、各地の企業や安全衛生関係者が知識や技術を共有する場へと発展してきました。
【2026年最新情報】札幌開催の日時・会場・来場者数12,108人を解説
緑十字展2026は「働く人の安心づくりフェア」を掲げ、北海道札幌市東区の札幌市スポーツ交流施設コミュニティドーム、通称「つどーむ」で3日間開催されました。会期前に公表された開催概要では、約700小間、来場者約12,000人を見込んでいました。
中災防が運営する公式展示会サイトの閉幕後の発表では、実際の来場者数は見込みを上回る12,108人となっています。日別の内訳は次のとおりです。
- 9月16日(水):4,062人
- 9月17日(木):4,873人
- 9月18日(金):3,173人
最も来場者が多かったのは2日目の9月17日でした。3日間の合計は12,108人で、開催前の目標として示されていた約12,000人を108人上回りました。
2026年の会場選定に関連して注目されたのが、北海道の地域特性を生かした企画です。中災防の公式サイトでは、安全衛生保護具体験道場に加え、熱中症対策をテーマにした「北海道ヒートバリア2026」、獣害や氷雪による災害への対策を扱う特別企画展が案内されました。
熱中症は暑い地域だけの問題ではありません。作業環境や気象条件が変われば、これまでの対策だけでは十分に対応できない場合があります。また、積雪や凍結、野生動物への対策は、地域によって必要性が大きく異なります。札幌開催では、全国共通の安全衛生課題と北海道ならではの課題を同時に扱う構成が特徴となりました。
なお、2026年の開催はすでに終了しています。これから参加を検討する人は、過去の開催情報と2027年の開催案内を区別して確認する必要があります。
【展示内容】安全衛生保護具から職場環境改善・メンタルヘルスまで
緑十字展の展示内容は、作業中のけがを防ぐ保護具から、機械設備の安全化、作業環境の改善、心身の健康管理、防災まで多岐にわたります。中災防が公表した2026年の開催概要では、主に次の7分野が示されていました。
- 安全衛生関連:保護帽、呼吸用保護具、保護めがね、安全靴、保護手袋、墜落制止用器具など。
- 機械安全関連:安全スイッチ、センサー、安全柵、インターロック装置、産業用ロボット、協働ロボットなど。
- 職場環境改善関連:換気装置、ガス検知器、騒音計、照度計、温度管理機器、熱中症対策用品など。
- 作業方法改善関連:パワーアシストスーツ、作業台、足場、運搬機器、作業負担の軽減に役立つ設備など。
- 健康づくり・メンタルヘルス関連:ストレスチェックシステム、健康管理サービス、活動量計、睡眠支援用品など。
- 防災・温暖化対策関連:非常用備蓄品、消火用品、災害用トイレ、省エネ技術、温暖化防止関連機器など。
- その他:VRを使った安全教育、KYTツール、AED、救急用品、交通安全教育機器など。
特に実務上のメリットが大きいのは、安全衛生保護具や機器を実際に見て、導入前の比較検討ができる点です。カタログ上では似ている製品でも、装着感、重量、視界、作業性、メンテナンスのしやすさなどは異なります。現場で使用する人の意見を取り入れながら検討すれば、導入後のミスマッチを減らせます。
安全衛生保護具体験道場も、緑十字展を特徴付ける企画の一つです。中災防が過去の開催内容として紹介している同企画では、保護帽や呼吸用保護具、聴覚保護具、保護めがね、保護手袋などを実際に装着し、正しい使用方法を学ぶ機会が設けられてきました。
また、職場環境改善は、設備を新しくすることだけを意味しません。騒音や温熱環境、化学物質へのばく露、転倒リスク、作業者の身体的負担などを把握し、設備と作業方法の両面から改善が必要です。展示会では、こうした課題に対応する機器やサービスを横断的に比較できます。
安全衛生担当者だけでなく、現場責任者、人事・労務担当者、設備管理担当者、経営者にとっても、導入候補の情報収集や社内改善計画の材料を得られる展示会です。
【歴代開催地・開催実績】全国産業安全衛生大会との関係も整理
緑十字展は、全国産業安全衛生大会と同時開催されることが大きな特徴です。全国産業安全衛生大会は、安全衛生に関する研究発表や講演、情報共有などを通じて、企業や関係機関の取り組みを促進する大会です。一方、緑十字展は製品や機器、技術を実際に確認できる展示会です。
両者は役割が異なりますが、同じ時期に開催することで、参加者は講演や研究発表で得た知識を、展示されている設備やサービスと結び付けて検討できます。なお、全国産業安全衛生大会に参加する場合でも、緑十字展への入場には別途登録が必要と2026年の公式案内で告知されていました。
中災防の過去の開催実績を確認すると、来場者数や出展規模は開催地によって変動しています。2023年から2026年までの主な実績をまとめました。
| 開催年 | 開催地・会場 | 来場者数 | 出展規模など |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 愛知県名古屋市・ポートメッセなごや | 25,562人 | 221社・団体、866小間 |
| 2024年 | 広島県・広島県立広島産業会館 | 14,754人 | 187社・団体、576小間 |
| 2025年 | 大阪府・インテックス大阪 | 27,921人 | 271社・団体、1,025小間 |
| 2026年 | 北海道札幌市・つどーむ | 12,108人 | 開催前の出展規模見込みは700小間 |
| 2027年(予定) | 新潟県新潟市・朱鷺メッセ | 未発表 | 開催概要・出展案内は順次公表予定 |
出典は中央労働災害防止協会の各年度の開催結果・開催概要と、緑十字展2026の閉幕後発表です。2026年の700小間は開催前に示された見込みであり、実績値とは区別する必要があります。
数字を比較すると、2026年の来場者数は2025年の27,921人を下回っています。単純計算では約56.6%少ない数字です。ただし、この差だけで展示会そのものの人気や評価が大幅に低下したと判断することはできません。開催地、会場の規模、地域ごとの参加者層、同時開催行事への参加状況など、複数の要因が来場者数に影響するためです。
緑十字展は毎年開催都市を変える形式を取ってきました。1968年の東京での初開催から、名古屋、大阪、札幌、広島など各地で開催され、2017年には神戸で第50回を迎えています。地域を巡る開催形式は、全国各地の企業や関係者が参加しやすい機会をつくるとともに、開催地固有の安全課題を取り上げる意味も持っています。
来場者数を評価する際は、単年の数字だけでなく、出展規模、来場者の職種、展示内容、商談や導入検討につながる機会を併せて見ることが大切です。
【入場料・参加方法】2026年の登録方法と2027年の確認事項
緑十字展2026の入場料は無料でした。中災防の公式案内では、2026年7月13日から無料の来場者登録が開始され、事前登録を行って参加する方式が案内されました。全国産業安全衛生大会の参加者も、緑十字展に入場するには別途登録が必要とされていました。
ただし、入場料が無料であることと、登録せずに自由に入場できることは同じではありません。開催年によって受付方法や登録条件が変わる可能性があるため、次回参加する場合は、その年度の公式開催概要と来場案内を確認する必要があります。
2027年の緑十字展は、2027年10月6日(水)~8日(金)、新潟市の朱鷺メッセで開催予定です。中災防は2026年9月18日の閉幕発表で次回の開催日程と会場を案内しました。一方、2026年10月時点では、2027年の詳細な開催概要や出展案内は決定次第公表するとされています。
2027年に参加を予定している人は、今後発表される入場料、来場者登録の開始時期、開場・閉場時刻、会場案内、アクセス情報を確認しましょう。展示会への参加に加えて全国産業安全衛生大会にも出席する場合は、それぞれの登録手続きや会場が異なる点にも注意が必要です。
2026年の開催時間は、9月16日が10時から17時、17日が9時から17時、18日が9時から15時でした。最終日は閉場時刻が早いため、過去の開催時間を参考にする場合でも、2027年の予定をそのまま当てはめないことが大切です。
【出展企業・出展費用】参加する企業が確認したいポイント
緑十字展には、安全衛生保護具メーカー、機械・設備メーカー、作業環境測定機器のメーカー、健康管理サービス事業者、防災関連企業など、多様な企業・団体が参加します。中災防の2026年出展案内では、職場の安全・健康・快適性に関する機器や技術、情報、ノウハウを提供する企業を対象に、幅広い分野の出展を募集していました。
出展の主なメリットは、製品の認知度向上だけではありません。安全衛生担当者や購買担当者など、導入を検討する立場の人に直接説明できること、現場の課題を把握できること、異業種との連携や新規販路の開拓につながることが挙げられます。
実際に、2025年の開催案内に掲載された来場者データでは、環境・安全衛生分野が35.2%、営業・販売が15.2%、生産・製造が13.5%などとなっています。こうした構成は、安全衛生の専門家だけでなく、製品を販売する側や現場の導入判断に関わる人も来場していることを示しています。
出展費用は、一般展示の小間数や仕様、特別企画への参加、屋外展示の有無、装飾や電源などの追加オプションによって異なります。2026年の特別企画展では、北海道ヒートバリアなどの対象企画における屋内1小間(4.0平方メートル)の出展小間料として、税込22万1,650円が案内されていました。これは特別企画の料金例であり、一般展示のすべての出展条件に適用される金額ではありません。
一般展示の出展を検討する企業は、対象年度の出展案内で、基本小間料、展示面積、装飾費、電気工事費、搬入出費、追加オプションなどを確認し、総額で比較する必要があります。2027年の出展費用については、公式の出展案内が公表されてから判断するのが確実です。
出展が向いているのは、製品やサービスを安全衛生担当者に知ってもらいたい企業、現場の意見を収集して製品改善につなげたい企業、新規顧客や販売代理店を開拓したい企業です。一方、明確な営業目標がなく、展示後の問い合わせ対応や商談フォローを行う体制もない場合は、出展費用に対する成果を得にくくなる可能性があります。
【来場者の評判・参加メリット】行く価値がある人、事前に準備したいこと
緑十字展の価値を判断するうえで参考になるのが、来場者の職種や出展者側の評価です。中災防の出展案内では、従来の出展者から、緑十字展には目的意識の高い来場者が多いという趣旨の評価が紹介されています。これは主催者側の案内に掲載された出展者の評価であり、すべての来場者の満足度を示す統計とは異なります。
それでも、来場対象者や展示内容から、どのような人にとって有益な場なのかは整理できます。
- 安全衛生担当者:保護具や安全設備の比較、現場の改善策の情報収集に向いています。
- 工場・建設・物流の現場責任者:転倒、墜落、機械への巻き込まれ、熱中症など、自社の課題に合った対策を探せます。
- 人事・労務担当者:健康管理やメンタルヘルス対策、職場環境の改善に関するサービスを比較できます。
- 経営者・購買担当者:複数の製品やサービスを比較し、導入候補を絞り込むための情報を集められます。
- 安全衛生分野のメーカー・サービス事業者:新規顧客の開拓、製品のPR、業界関係者との情報交換に活用できます。
一方、一般消費者向けの買い物や娯楽を主な目的とする人には、専門的な展示内容が中心となるため、期待と合わない場合があります。参加する前に、自分の職場で解決したい課題や比較したい製品を明確にしておくことが大切です。
効率よく回るには、まず自社で発生している災害リスクや改善したい作業を整理し、関連する展示分野を優先する方法が有効です。例えば、夏季の作業負担が課題なら熱中症対策用品や温熱環境の測定機器、機械への巻き込まれが課題なら安全センサーやインターロック装置、作業者の身体的負担が課題なら補助装具や運搬設備に注目できます。
気になる製品を見つけたら、価格だけでなく、既存設備との適合性、導入後の教育、保守・点検、消耗品の費用、現場での運用条件まで確認しましょう。展示会で得た情報を社内に持ち帰り、現場の担当者と共有することで、参加の成果を具体的な改善計画につなげやすくなります。
【緑十字展】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:緑十字展2026の来場者数は何人でしたか?
A1:中央労働災害防止協会の閉幕後の発表によると、3日間の合計は12,108人です。日別では9月16日が4,062人、17日が4,873人、18日が3,173人でした。
Q2:緑十字展の入場料はいくらですか?
A2:2026年の入場料は無料でした。ただし、無料であることと登録が不要であることは別です。2026年は無料の来場者登録が案内されており、2027年の参加方法については新年度の公式案内を確認してください。
Q3:緑十字展2027はいつ、どこで開催されますか?
A3:2027年10月6日(水)から8日(金)まで、新潟市の朱鷺メッセで開催予定です。詳細な開催概要や出展案内は、中央労働災害防止協会から順次公表される予定です。
緑十字展2026は、札幌市のつどーむで開催され、来場者数12,108人を記録しました。安全衛生保護具や機械安全、職場環境改善、健康づくり、防災などを幅広く扱い、企業が労働災害防止のための製品や技術を比較・検討できる場となっています。
2027年は新潟市の朱鷺メッセで10月6日から8日まで開催予定です。入場料や来場者登録の詳細、出展費用、展示内容などは、今後の公式発表を確認する必要があります。
来場する人は、自社の安全衛生上の課題を明確にしてから展示を回ること、出展する企業は、来場者層と製品の対象顧客が合っているか、出展後の商談やフォローアップまで実施できるかを判断基準にするとよいでしょう。来場者数だけで評価するのではなく、実際に得られる情報や改善につながる可能性を重視することが、緑十字展を有効活用するポイントです。