2026年10月28日、経済産業省が発表した資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」によると、10月26日時点のレギュラーガソリン全国平均価格は1リットル当たり170.1円でした。前週の170.2円から0.1円値下がりし、わずかながら下落に転じています。一方、政府は10月29日から11月4日までのガソリン補助金を1リットル当たり52.4円に引き上げると発表しました。これは制度開始以降の過去最高額です。
ガソリン価格が今後どうなるのかを判断するには、店頭価格だけでなく、原油相場、円相場、中東情勢、政府の補助金政策をあわせて見る必要があります。2026年3月には全国平均が190.8円に達する記録的な高騰が起きました。10月末の価格は当時より低いものの、補助金によって上昇圧力が抑えられている面もあります。値下がりはいつなのか、年末に向けて再び値上がりする可能性はあるのか、最新データと過去の推移から解説します。
【2026年最新】ガソリン価格は170.1円!全国平均と都道府県別の実態

資源エネルギー庁の石油製品価格調査を基にした2026年10月26日の全国平均は、レギュラーガソリンが170.1円/L、ハイオクが181.0円/L、軽油が159.7円/Lでした。レギュラーは前週から0.1円下がりましたが、下落幅はごくわずかです。
この数値は全国の給油所を対象とした調査結果であり、すべてのガソリンスタンドで同じ価格になるわけではありません。実際、都道府県別ではレギュラーの最高値が長崎県の178.7円/L、最安値が宮城県の163.3円/Lとなり、1リットル当たり15.4円の価格差が生じています。
50リットルを給油する場合、この差は770円に相当します。同じ車種、同じ給油量でも、地域や店舗の選び方によって支払額が変わる計算です。全国平均だけを見て「どこでも170円程度」と判断するのではなく、実際に利用する地域の価格も確認する必要があります。
なお、全国平均が前週比で下がったからといって、今後も連続して値下がりするとは限りません。10月26日の調査結果は、その時点の店頭価格を示すものであり、翌週以降の原油相場や補助金の変更を先取りした予測値ではないためです。
【今後の見通し】ガソリン価格はいつ下がる?170円前後を維持できるのか
2026年10月末時点での焦点は、ガソリン価格が170円前後にとどまるのか、それとも再び上昇するのかという点です。政府は全国平均を1リットル当たり170円程度に抑えるため、燃料油の価格抑制策を実施しています。10月29日から11月4日までのガソリン補助金は52.4円/Lとなり、前の適用期間を上回る過去最高額に引き上げられました。
補助金が継続され、原油価格や為替相場が大きく悪化しなければ、店頭価格は当面、170円前後で推移する可能性があります。ただし、これは政策が維持されることなどを前提とした見通しです。将来の価格が170円を下回る時期や、値下がりが何週続くかを確定できる状況ではありません。
特に注意したいのは、補助金の支給額が大きくなっていることです。政府が価格上昇を抑えるために支援を拡充しているという事実は、店頭価格の数字だけでは原油高の影響を把握しにくいことを意味します。
10月28日には、政府の補助金政策をめぐり、財政負担への懸念を踏まえた制度の見直しや出口戦略も報じられました。今後、補助金の縮小や終了が決まれば、原油相場が大きく変わらなくても価格が上昇する可能性があります。反対に、原油安や円高が進めば、価格を押し下げる要因になります。
したがって、「ガソリン価格はいつ下がるのか」という疑問に対する現実的な答えは、小幅な値下がりはすでに起きているものの、170円を大きく下回る時期は原油・為替・補助金政策次第ということです。次の価格を予測する際は、週ごとの全国平均に加え、政府が発表する補助単価も確認する必要があります。
【価格推移を検証】190.8円の過去最高から170円台へ、何が起きたのか
2026年のガソリン価格を振り返るうえで、重要な節目となるのが3月の急騰です。資源エネルギー庁の調査では、3月16日のレギュラーガソリン全国平均が190.8円/Lに達しました。これは1990年の調査開始以来の最高値として報じられ、2025年4月に記録した186.5円を上回る水準でした。
当時は中東情勢の緊迫化に伴い、ホルムズ海峡をめぐる供給不安が原油相場を押し上げました。3月16日の価格は前週から29円上昇し、5週連続の値上がりとなりました。政府は3月19日から、燃料価格の急激な変動を抑える緊急的な支援策を実施しています。
その後、全国平均は170円前後まで低下しました。もっとも、価格が落ち着いた背景には市場環境だけでなく、政府の価格抑制策もあります。現在の170円台と3月の190円台を比較する場合、補助金による政策効果を切り離して考えることはできません。
主な価格の節目を整理すると、次のようになります。
| 時期・調査日 | 価格・政策の動き | 読み取れるポイント |
|---|---|---|
| 2025年12月31日 | ガソリン税の暫定税率を廃止 | 税負担の軽減に向けた制度変更。価格への効果は事前の補助拡充も含めて考える必要がある。 |
| 2026年1月19日 | 154.7円/L | 2026年初頭の安値圏。3月の急騰前に当たる。 |
| 2026年3月16日 | 190.8円/L | 1990年の調査開始以来の過去最高値。中東情勢による原油高が影響した。 |
| 2026年3月19日 | 緊急的な燃料油支援を開始 | 原油高による急激な価格上昇を抑える政策対応。 |
| 2026年10月19日 | 170.2円/L | 10月後半は170円前後で推移。 |
| 2026年10月26日 | 170.1円/L | 前週比0.1円安。10月28日に公表された最新調査値。 |
※価格はレギュラーガソリンの全国平均、税込みの1リットル当たりの金額です。2026年1月の安値は1月19日、3月の最高値は3月16日の調査値に基づきます。
この推移から分かるのは、ガソリン価格が一方向に動いているわけではないということです。税制変更によって価格を下げる方向に働く要因があっても、原油の供給不安が急激に強まれば、その効果を上回る値上がりが起きることがあります。
【値上がり・値下がりの理由】原油価格と円相場がガソリン代を左右する仕組み
ガソリン価格は、原油価格だけで決まるものではありません。日本は原油の多くを海外から輸入しているため、国際的な原油相場に加え、輸入代金を支払う際の為替相場、精製・輸送コスト、税金、政府の補助金などが店頭価格に影響します。
原油価格が上がると、ガソリン価格も上がりやすくなります。産油国の供給制限や中東情勢の悪化、主要な海上輸送ルートの混乱などによって原油の供給に不安が生じると、国際市場で原油価格が上昇することがあります。2026年3月の急騰も、中東情勢とホルムズ海峡をめぐる供給不安が背景にありました。
一方、世界の原油価格が下がれば、国内のガソリン価格にも下落圧力がかかります。ただし、国際相場が下がった翌日に給油所の価格が同じ幅で下がるわけではありません。原油の調達から精製、元売り会社による卸売り、給油所での販売までには時間差があるためです。高値で調達した在庫や卸売価格の改定時期によって、店頭価格への反映が遅れることがあります。
円安もガソリン価格を押し上げる要因です。原油をドル建てで輸入する場合、円安が進むと同じ量の原油を購入するために必要な円が増えます。反対に円高になれば、ほかの条件が同じであれば輸入コストは低下し、ガソリン価格を押し下げる方向に働きます。
ただし、円高になっても原油価格そのものが急騰していれば、ガソリン代が下がるとは限りません。原油相場と為替相場は同時に動くこともあり、片方だけを見て値下がりを判断するのは危険です。
加えて、精製費や輸送費、販売店ごとの仕入れ条件や競争環境も価格差を生みます。全国平均が下がっていても、地域によっては値上がりする店舗があるのは、このような要因が重なるためです。
【ガソリン補助金2026年】暫定税率の廃止後も170円前後にとどまる理由
2026年のガソリン価格を考えるうえでは、税制と補助金を分けて理解が必要です。ガソリン税の暫定税率、正式には「当分の間税率」は、2025年12月31日に廃止されました。資源エネルギー庁の説明によると、廃止前の暫定税率はガソリン1リットル当たり25.1円でした。
ただし、暫定税率の廃止日になって、店頭価格がその日に一斉に25.1円下がったわけではありません。税率変更に伴う急激な価格変動を避けるため、政府は廃止に先立って補助金を段階的に拡充し、価格引き下げ効果を順次反映させる仕組みを採用しました。
その後、2026年3月には中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰したため、政府は3月19日から緊急的な燃料油支援を開始しました。税率の引き下げによる効果があっても、国際的な原油高が続けば、ガソリンの店頭価格が再び上がる可能性があるためです。
10月28日に発表された新たな補助単価は、10月29日から11月4日までの適用分で52.4円/Lです。これは過去最高額となりました。なお、10月26日の調査時点で適用されていた補助単価は42.8円/Lであり、52.4円/Lは翌日以降の適用期間に向けた支給額です。適用期間が異なるため、52.4円を10月26日の店頭価格にそのまま足したり引いたりして、補助なしの価格を算出することはできません。
補助金は、消費者一人ひとりに現金が直接支給される制度ではありません。元売り事業者などへの支援を通じて卸売価格を抑え、その効果を店頭価格に反映させる仕組みです。実際の価格には、調達コストや在庫、卸売価格の改定、販売店の事情なども関係します。
今後の大きな焦点は、この補助制度がいつまで続くのかという点です。補助金には財政負担が伴うため、支援の継続や見直しは、原油価格の動向とともに政府の判断に左右されます。補助金が縮小・終了すれば値上がり圧力が強まる可能性がある一方、支援が継続されれば急激な上昇が抑えられる可能性があります。
【家計への影響と対策】都道府県別価格を比較し、給油のタイミングを見極める
ガソリン価格が高止まりする局面では、全国平均のわずかな変化を追うだけでなく、自分が利用できる給油所の価格を比較することが家計対策につながります。10月26日の調査では、長崎県と宮城県の間に15.4円/Lの差がありました。50リットルを給油するなら、価格差による支払額の違いは770円です。
給油所を比較するときは、店頭表示価格だけでなく、会員価格、クレジットカードやアプリの割引、ポイント還元なども含めた実質的な支払額を確認しましょう。ただし、安い店舗へ行くために遠回りをすると、移動に使う燃料や時間によって節約効果が小さくなることがあります。
また、全国平均が1週間で0.1円下がったという理由だけで、給油を先延ばしにするメリットは限定的です。仮に50リットルを給油しても、1リットル当たり0.1円の差による節約は5円にとどまります。燃料残量や通勤・旅行の予定を優先し、数円の変動に振り回されない判断が大切です。
価格情報を確認する際は、資源エネルギー庁の石油製品価格調査を基準にすると、全国平均と地域差を把握できます。加えて、原油相場や為替のニュース、政府の補助金に関する発表を組み合わせれば、値上がりの背景や今後のリスクを判断しやすくなります。
価格が下がるまで給油を控えるべきかどうかは、車の使用頻度や必要な走行距離によって異なります。日常的に車を使う人は、特定の価格水準を待ち続けるよりも、利用可能な給油所を比較し、無理のない範囲で燃費改善や移動回数の見直しを進めるほうが現実的です。
【プロの結論】ガソリン価格の先行きを判断するために見るべき3つの指標
2026年10月末のガソリン価格を読み解くうえで、注目したい指標は3つあります。
第一は、国際的な原油相場と中東情勢です。供給不安が強まれば原油価格が上昇し、国内のガソリン価格にも上昇圧力がかかります。反対に供給懸念が和らぎ、原油価格が下がれば、時間差を伴いながら国内価格が下がる可能性があります。
第二は、円相場です。原油価格が横ばいでも、円安が進めば円換算の輸入コストが増加します。原油価格と為替の両方を見ることで、片方の動きだけでは分からない価格変動の背景を把握できます。
第三は、政府の補助金政策です。10月29日からの支給額が過去最高の52.4円/Lとなったことは、店頭価格が政策によって抑えられている状況を示しています。今後の補助単価、制度の継続期間、見直しの発表は、価格の先行きを考えるうえで欠かせない情報です。
ここで押さえたいのは、店頭価格が下がったことと、燃料の調達コストが下がったことは同じではないという点です。補助金によって小売価格が抑えられている場合、国際相場の上昇圧力が表面化しにくくなります。反対に、原油安が進んでも、その効果が店頭に反映されるまで時間がかかることがあります。
したがって、今後のガソリン価格を判断する際は、単に「170円を超えたか、下回ったか」だけでなく、原油・為替・補助金の3要素がどちらの方向に動いているかを確認が必要です。
【ガソリン価格どうなる】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ガソリン価格は2026年11月以降、安くなりますか?
A1:2026年10月末時点では、補助金によって全国平均を170円程度に抑える政策が実施されています。原油価格や円相場が落ち着き、補助金が継続されれば値下がりする可能性はありますが、11月以降の価格が確実に下がると断定することはできません。
Q2:ガソリン価格が190.8円になったのはなぜですか?
A2:2026年3月16日の全国平均190.8円/Lは、1990年の調査開始以来の最高値として報じられました。中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡をめぐる供給不安で原油価格が急騰し、国内の卸売価格にも上昇圧力がかかったことが主な背景です。
Q3:ガソリン補助金52.4円は、店頭価格から52.4円引かれるという意味ですか?
A3:消費者の給油価格から一律に52.4円を直接差し引くという意味ではありません。補助金は元売り事業者などを通じて卸売価格を抑える仕組みです。52.4円/Lは2026年10月29日から11月4日までの適用分であり、実際の店頭価格への反映は調達や流通などの条件によって異なります。
Q4:ガソリン税の暫定税率が廃止されたのに、なぜ価格が170円前後なのですか?
A4:2025年12月31日に暫定税率が廃止されましたが、その後、2026年3月に中東情勢を背景とする原油高が発生しました。政府は価格の急騰を抑えるために新たな補助策を実施しており、現在の価格は税制変更だけでなく、原油相場や為替、補助金政策の影響を受けています。
2026年10月26日のレギュラーガソリン全国平均は170.1円/Lで、前週から0.1円下がりました。しかし、10月29日からの補助金は過去最高の52.4円/Lとなっており、店頭価格が落ち着いている背景には政府の支援策があります。
今後のガソリン価格は、原油相場、中東情勢、円相場、そして補助金政策の行方によって変わります。原油安や円高は値下がり要因になりますが、供給不安の拡大や円安、補助金の縮小は値上がりにつながる可能性があります。
ガソリン価格がいつ下がるかを見極めたい人は、資源エネルギー庁の石油製品価格調査を毎週確認し、全国平均だけでなく都道府県別の価格、補助単価、原油と為替の動向をあわせてチェックすることが大切です。小幅な値動きに一喜一憂するよりも、身近な給油所の実質価格を比較し、必要なときに適切な量を給油することが、家計を守るための現実的な判断につながります。