デクラレーションオブウォー(Declaration of War)は、アメリカ合衆国で生産され、アイルランドを拠点に調教された元競走馬であり、現在は日本で供用されている種牡馬です。2013年のクイーンアンステークスとインターナショナルステークスを制し、芝のマイル戦から中距離の大舞台まで高い能力を示しました。加えて、引退前のブリーダーズカップ・クラシックではダートでも3着に入り、競走能力の幅広さを印象づけています。
2026年10月現在、日本軽種馬協会(JBBA)の種牡馬紹介では、デクラレーションオブウォーの種付料は2026年度が受胎確認後230万円、2027年度も230万円とされています。産駒にはトップナイフ、シランケド、セキトバイーストなど、日本の重賞戦線で活躍する馬も登場しています。ここでは、JBISサーチ、日本軽種馬協会、海外競馬の公式記録や競走結果資料をもとに、戦績、血統、馬名の意味、種牡馬としての実績、2026年の最新情報を整理します。
【基本プロフィール】デクラレーションオブウォーはどんな競走馬?

デクラレーションオブウォーは2009年4月29日生まれの鹿毛の牡馬です。生産国はアメリカ合衆国で、生産者はジョセフ・アレン。競走馬としてのキャリアではフランス、アイルランド、イギリス、アメリカの競馬場を転戦し、世界のトップクラスと争いました。
2歳時はフランスのジャン=クロード・ルジェ調教師のもとで競走生活を送り、その後はアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎で本格化しました。とりわけ4歳となった2013年は、欧州の主要G1で勝利と好走を重ね、競走馬としての評価を大きく高めたシーズンです。
この馬を理解するうえで重要なのは、「米国生産・アイルランド調教」という経歴です。生産国と調教拠点が異なることは、国際競馬では珍しいことではありません。デクラレーションオブウォーも、アメリカの血統的背景を持ちながら、欧州の芝競馬で磨かれた能力を世界の舞台で発揮しました。
馬主にはマイケル・テイバー、デリック・スミス、ジョン・マグニア夫人らが名を連ねています。国際的な競走馬の所有・育成体制のもとで、欧州の大レースを目指した一頭です。
【戦績と年表】2013年のG1制覇までをデータで振り返る
JBISサーチと日本軽種馬協会の競走成績によると、デクラレーションオブウォーの生涯成績は13戦7勝、2着1回、3着2回です。勝率だけでなく、異なる競馬場や距離で一線級の馬と渡り合った点も評価材料になります。
主な実績を時系列で整理すると、2012年にアイルランドのダイヤモンドステークスを制し、翌2013年にクイーンアンステークス、インターナショナルステークスという2つのG1タイトルを獲得しました。同年にはエクリプスステークスで2着、サセックスステークスとブリーダーズカップ・クラシックで3着に入っています。
| 時期・レース | 実績 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 2011年・フランス | 2戦2勝 | 競走生活の序盤から勝利を重ねた。 |
| 2012年・愛ダイヤモンドステークス | G3・1着 | アイルランドで重賞勝ちを記録。 |
| 2013年・クイーンアンステークス | G1・1着 | ロイヤルアスコットのマイルG1を制覇。 |
| 2013年・エクリプスステークス | G1・2着 | 芝の中距離G1でも上位争い。 |
| 2013年・サセックスステークス | G1・3着 | 欧州のトップマイラーと対戦。 |
| 2013年・インターナショナルステークス | G1・1着 | ヨークの中距離G1を制覇。 |
| 2013年・ブリーダーズカップ・クラシック | G1・3着 | アメリカのダートG1でも上位に食い込んだ。 |
2013年の成績を見れば、デクラレーションオブウォーが単に特定のレースで一度だけ力を発揮した馬ではないことが分かります。マイル戦で勝利し、中距離戦でも結果を残し、さらにダートの大舞台でも3着に入りました。通算7勝という数字の背景には、異なる条件で能力を示した実績があります。
【2013年の歴史的勝利】クイーンアンステークスとインターナショナルステークス
デクラレーションオブウォーの競走馬としての評価を決定づけたのが、2013年の2つのG1勝利です。距離もレースの性格も異なる舞台で結果を出したことが、この馬の強みを象徴しています。
クイーンアンステークスは2013年6月18日、アスコット競馬場で開催されました。ロイヤルアスコットの開幕を飾る芝1マイルのG1で、デクラレーションオブウォーはジョセフ・オブライエン騎手を背に勝利。2着アルジャマヒールに4分の3馬身差をつけました。
アイルランドの放送局RTÉによるレース報道では、直線で進路を探す場面がありながら、最後に加速して抜け出した点が伝えられています。マイル戦で求められる瞬発力と、勝負どころでの対応力を示した一戦でした。
続く大きな勝利が、8月21日にヨーク競馬場で行われたインターナショナルステークス(ジュドモント・インターナショナルステークス)です。距離は約10.5ハロン。クイーンアンステークスより長い距離で行われる芝のG1で、デクラレーションオブウォーは再びジョセフ・オブライエン騎手とのコンビで優勝しました。
レーシングポストの競走結果によると、2着トレーディングレザーに1と4分の1馬身差をつけ、アルカジームが3着。道中は先行馬を追走し、直線で進出すると残り1ハロン余りで先頭に立ち、そのまま押し切りました。
この2勝を並べると、デクラレーションオブウォーの適性が見えてきます。クイーンアンステークスでは直線の切れ味が、インターナショナルステークスでは中距離での持続力と勝負根性が光りました。距離の違うG1を同一年に制した実績は、種牡馬としての評価を考える際にも重要な材料です。
加えて、エクリプスステークスで2着、ブリーダーズカップ・クラシックで3着という結果も見逃せません。特にブリーダーズカップ・クラシックはダートのレースです。芝でのG1勝利だけでなく、異なる馬場でも世界の強豪に迫ったことが、競走能力の幅広さを示しています。
【血統と馬名の意味】ウォーフロント産駒の強みはどこにある?
デクラレーションオブウォーの血統を語るうえで、まず注目したいのが父ウォーフロントです。ウォーフロントは米国で活躍した競走馬で、種牡馬としても多数の重賞勝ち馬を送り出した実績を持ちます。その父はダンジグで、さらに遡るとノーザンダンサーにつながります。
母はテンポウエスト。父はラヒで、母系にはゴーンウエストやニジンスキーにつながる血が含まれています。母テンポウエストは、米国のG1ベルモントステークスを制したユニオンラグズと同じ母を持つ馬でもあります。父系のスピードと母系の多様な血統背景を併せ持つ構成です。
日本軽種馬協会の血統紹介では、デクラレーションオブウォーはウォーフロントの代表的な後継種牡馬の一頭として扱われています。競走実績を見ると、父から受け継いだ芝でのスピードを土台に、マイルから中距離まで対応できる能力を示しました。ただし、血統だけで個々の産駒の適性が決まるわけではなく、母系や育成環境、馬場状態なども合わせて考える必要があります。
馬名の意味は、英語のDeclaration of War=「宣戦布告」です。競走馬名としては印象の強い表現ですが、名前の響きだけから気性や競走スタイルを判断することはできません。実際のデクラレーションオブウォーは、直線での加速力と持続力を武器に、世界のG1で結果を残した競走馬です。
血統面から評価するなら、ウォーフロントの後継としての価値と、母系に含まれる複数の血統要素の組み合わせがポイントです。欧州の芝G1で実績を残しながら、ダートG1でも3着に入った競走歴は、血統の可能性を考えるうえで興味深い材料になっています。
【種牡馬としての実績】世界と日本で活躍するデクラレーションオブウォー産駒
競走生活を終えたデクラレーションオブウォーは、2014年にアイルランドで種牡馬入りし、2015年には米国でも供用されました。2019年からは日本に移り、日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬として供用されています。
日本軽種馬協会の種牡馬紹介では、世界各地でG1勝ち馬を送り出してきた実績が紹介されています。代表産駒には、フランス2000ギニーを制したオルメド、オーストラリアのメルボルンカップを勝ったヴォウアンドディクレア、米国のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフを制したファイアアットウィルなどがいます。
そのほか、米国のベルモントダービーやソードダンサーを制したグーフォ、豪州のヴィクトリアダービーを勝ったワーニング、北米のサマーステークスを制したデコレイテッドインベーダーも代表的な産駒です。勝利した国やレースの距離が一様ではないことから、父の競走能力を受け継いだ産駒が、それぞれの環境で活躍していることが分かります。
日本国内でも、デクラレーションオブウォー産駒は重賞戦線で存在感を示しています。代表例として挙げられるのが、次の馬たちです。
- トップナイフ:2025年の札幌記念を制した実績馬。ホープフルステークスでも2着に入っている。
- シランケド:2025年の新潟記念を制した牝馬。中距離の重賞で父の産駒の存在感を高めた。
- セキトバイースト:2025年の府中牝馬ステークスを制した牝馬。重賞で継続して活躍している。
- タマモブラックタイ:2023年のファルコンステークスを制した馬。芝の短距離からマイル付近の競走で実績を残した。
これらの産駒は、父の現役時代と同じレースを走っているわけではありません。それでも、マイルから中距離まで幅のある条件で重賞勝ち馬が出ている点は、種牡馬としての評価につながります。
一方、種牡馬としての能力を評価する際には、G1勝ち馬の存在だけでなく、産駒の出走数、勝ち上がり、重賞での安定性、世代ごとの成績も確認する必要があります。海外での成功例と日本での成功例を分けて見ることで、デクラレーションオブウォーの種牡馬としての特徴をより立体的に把握できます。
【2026年最新情報と評価】現在の供用状況・種付料・注目ポイント
2026年10月現在、デクラレーションオブウォーは日本軽種馬協会静内種馬場で供用されています。JBISサーチのプロフィールでは2009年生まれの17歳とされ、現役競走馬ではなく、次世代の競走馬を送り出す種牡馬として活動しています。
種付料について、日本軽種馬協会の2026年種牡馬配置表では、受胎確認後支払いの条件で230万円と掲載されています。加えて、同協会の最新の種牡馬紹介では2027年度の種付料も230万円と公表されています。種付料は年度によって改定されることがあるため、繁殖計画を立てる場合は対象年度の公式情報を確認することが大切です。
2026年も産駒は中央競馬と地方競馬の双方で出走しています。日本軽種馬協会の産駒情報では、秋の競走を含む出走記録が更新されており、デクラレーションオブウォーの血を受け継ぐ競走馬が国内で走り続けていることが確認できます。
2026年時点での評価を整理すると、第一に、父ウォーフロントの後継として国際的なG1勝ち馬を送り出してきたこと。第二に、日本でもトップナイフ、シランケド、セキトバイーストなどの重賞勝ち馬が出ていること。第三に、種付料が230万円に設定されていることが主な判断材料です。
ただし、種付料だけで種牡馬の能力を判断するのは適切ではありません。繁殖牝馬との配合、産駒の世代、競走条件によって結果は変わります。デクラレーションオブウォーの場合は、海外のG1実績に加えて、日本で実際に走った産駒の成績を追うことが、現状を理解するうえで重要です。
競馬ファンにとっては、2013年の欧州G1制覇を振り返る楽しみがある一方、国内の産駒が今後どの距離や馬場で成績を伸ばすかも注目点です。繁殖関係者にとっては、血統背景と過去の産駒実績を踏まえ、配合相手との相性を見極めることが評価の中心になります。
【デクラレーションオブウォー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:デクラレーションオブウォーの馬名の意味は何ですか? A1:英語のDeclaration of Warを日本語に訳すと「宣戦布告」です。競走馬としての登録名であり、名前の意味そのものが競走能力や気性を示すわけではありません。
Q2:デクラレーションオブウォーの戦績はどれくらいですか? A2:通算13戦7勝、2着1回、3着2回です。2013年のクイーンアンステークスとインターナショナルステークスを制し、エクリプスステークスでは2着、サセックスステークスとブリーダーズカップ・クラシックでは3着に入っています。
Q3:デクラレーションオブウォーは2026年現在どこにいますか? A3:日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬として供用されています。2026年度の種付料は受胎確認後230万円で、同協会が公表した2027年度の種付料も230万円です。
デクラレーションオブウォーは、アメリカ合衆国生産、アイルランド調教という国際的な経歴を持ち、2013年にクイーンアンステークスとインターナショナルステークスを制した名競走馬です。通算13戦7勝という成績に加え、芝のマイルから中距離、さらにはダートのブリーダーズカップ・クラシックまで上位争いを演じた点が特徴です。
血統面ではウォーフロントを父に持ち、母テンポウエストを通じた母系の背景も備えています。馬名の意味は「宣戦布告」。現役引退後は種牡馬となり、オルメド、ヴォウアンドディクレア、グーフォなどの海外G1勝ち馬に加え、日本でもトップナイフ、シランケド、セキトバイーストといった重賞勝ち馬を送り出しています。
2026年の評価では、現役時代の華々しいG1実績と、世界各地での産駒実績、そして日本国内での繁殖供用状況を分けて見ることが重要です。競走馬としての過去を知るだけでなく、現在の産駒成績や種付料の最新情報を追うことで、デクラレーションオブウォーという種牡馬の価値をより正確に捉えられます。