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地方競馬のSとは?SⅠ・SⅡ・SⅢとJpnの違い、南関東4場の2026年重賞を徹底解説

如月 拓 如月 拓 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
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地方競馬のレース情報で見かける「SⅠ」「SⅡ」「SⅢ」という表記。これは何を意味し、JpnⅠやJpnⅡとは何が違うのでしょうか。実は、Sの格付けは全国の地方競馬に共通する制度ではなく、主に浦和・船橋・大井・川崎の南関東4競馬場で使われる重賞競走の格付けです。

南関東4競馬場の公式資料によると、SⅠ・SⅡ・SⅢは、賞金だけでなく、負担重量や距離、施行時期、歴史、競走内容などを総合的に考慮して設定されています。2026年も各競馬場で多彩な重賞が組まれており、格付けを理解すると、レースの位置づけや世代別の競走体系が読み取りやすくなります。

【まず結論】地方競馬の「S」は何を示す?由来と対象範囲

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地方競馬の「S」は、南関東地区の重賞競走における格付けを表す記号です。数字ではなくローマ数字を使い、SⅠ、SⅡ、SⅢの3段階で競走の位置づけを示します。読み方はそれぞれ「エスワン」「エスツー」「エススリー」です。

この表記が導入されたのは2007年度。関東地方公営競馬協議会が発表した格付け表記の変更に伴い、それまでGⅠ・GⅡ・GⅢと表記していた南関東の重賞競走は、SⅠ・SⅡ・SⅢへと変更されました。一方、ダートグレード競走はJpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢという表記に整理されました。

地方競馬情報サイトに掲載された当時の発表資料では、Sは「Stage(舞台・段階)」「South(南関東の南)」「Special(特別な)」などを表す略称と説明されています。つまり、Sを単純に「Southの頭文字」とだけ理解するのは正確ではありません。

ここで押さえておきたいのは、Sが競走馬そのものの能力ランクを表す記号ではなく、レースに付与された格付けだという点です。SⅠのレースに出走する馬がすべてSⅠ級の馬という意味ではなく、SⅢの競走にも将来の大舞台を目指す有力馬が出走することがあります。

また、SⅠ・SⅡ・SⅢは全国すべての地方競馬場で共通して使用されるものではありません。地方競馬では、地域や主催者によって独自の重賞格付けが採用されている場合があります。検索で「地方競馬のS」を調べる際は、まず南関東の制度を指しているのかを確認しましょう。

【格付けの仕組み】SⅠ・SⅡ・SⅢは何が違う?賞金と競走条件を解説

南関東の格付けは、単純に1着賞金の高い順に決まるわけではありません。南関東4競馬場の2026年度重賞競走番組では、賞金、負担重量、距離、施行時期、歴史と伝統、競走内容などを総合的に勘案し、年齢別に格付けすると定められています。

SⅠは競走体系の根幹を担う最重要の重賞、SⅡはそれに次ぐ重要な重賞、SⅢはSⅠ・SⅡ以外の重賞というのが基本的な整理です。ただし、SⅠには賞金額や負担重量、出走条件に関する要件があり、SⅡはSⅠの要件の一部を満たしていない競走として位置づけられています。

2026年度の公式資料では、年齢や性別に応じた基準1着賞金額も設定されています。例えば、3歳の牡馬・混合競走では、SⅠが2,800万円以上、SⅡが1,800万円以上2,800万円未満、SⅢが1,800万円未満です。3歳牝馬競走では、SⅠが1,700万円以上、SⅡが1,200万円以上1,700万円未満、SⅢが1,200万円未満となっています。

3歳以上の牡馬・混合競走では、SⅠの基準が3,100万円以上、SⅡが2,100万円以上3,100万円未満、SⅢが2,100万円未満です。牝馬限定競走では、SⅠが2,600万円以上、SⅡが1,600万円以上2,600万円未満、SⅢが1,600万円未満と、条件によって基準が異なります。

ただし、これらは格付けの基準であり、賞金だけを見て機械的に格を判断するものではありません。SⅠでは、原則として2歳・3歳戦は性別による重量差を除いて同じ負担重量とし、3歳・4歳以上の競走では年齢・性別による重量差以外は同じ負担重量とすることなどが要件に含まれます。

そのため、SⅠは単に高額賞金のレースというだけではなく、各世代や路線の中心となる競走として組み立てられています。SⅡやSⅢも、出走条件や距離、対象年齢によって異なる役割を担い、南関東の競走体系全体を構成しています。

【早見表】SとJpn、A1~C3は何が違う?混同しやすい格付けを比較

地方競馬のレース情報では、SⅠ・SⅡ・SⅢのほかに、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢ、さらにはA1やB2、C1といった表記も登場します。これらは同じ意味ではありません。公式資料に基づいて整理すると、次のようになります。

表記 意味・対象 確認するときのポイント
SⅠ 南関東の重賞格付けで最上位 路線の根幹となる重要な重賞。年齢や出走条件も確認する
SⅡ SⅠに次ぐ南関東の重賞 競走の役割や条件によってSⅠとは位置づけが異なる
SⅢ SⅠ・SⅡ以外の南関東の重賞 格付けだけでなく、距離や対象世代、次走へのつながりも見る
JpnⅠ・Ⅱ・Ⅲ 全国規模のダートグレード競走の格付け 中央・地方の所属を問わず有力馬が対戦する競走体系
GI・GII・GIII 国際格付けによる競走の表記 Jpnとは格付けの区分が異なる。東京大賞典はGIに分類される
A1~C3 南関東で競走馬を編成するためのクラス区分 重賞の格付けではなく、馬の収得賞金や番組ポイントなどに関係する

JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢは、地方競馬情報サイトが説明する「ダートグレード競走」の格付けです。全国横断的な競走体系として整備され、JRAと地方競馬の所属を問わず、ダート適性の高い馬が対戦できる仕組みになっています。格付けは日本グレード格付け管理委員会によって行われます。

一方、南関東4競馬場の公式Q&Aでは、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢはダートグレード競走の格付け、それ以外の南関東地区重賞はSⅠ・SⅡ・SⅢで表記すると明確に区別されています。

したがって、SⅠとJpnⅠの「Ⅰ」だけを見て、両者が同じ基準で格付けされていると考えるのは誤りです。評価する制度も競走体系も異なるため、単純な換算はできません。

加えて、A1~C3は重賞の格付けとは別の仕組みです。南関東ではA1・A2、B1~B3、C1~C3の8クラスが設けられ、原則として番組ポイントなどに基づいて馬の格付けが決定されます。重賞の「格」と一般競走の「クラス」を混同しないことが、出走表を正しく読む第一歩です。

【2026年最新】浦和・船橋・大井・川崎のS重賞と注目日程

南関東4競馬場では、各場の特徴を生かした重賞が年間を通じて開催されます。2026年の公式重賞日程を見ると、同じSⅠでも、3歳牝馬の重要競走から古馬の主要路線まで、対象世代や距離はさまざまです。

浦和競馬では、3歳牝馬路線の桜花賞がSⅠに分類され、2026年は3月18日に1,500メートルで実施されました。年末には、3歳以上を対象とするゴールドカップがSⅠとして12月23日に1,400メートルで予定されています。短距離路線に注目するファンにとっても見逃せない開催です。

船橋競馬では、4歳以上を対象とする京成盃グランドマイラーズがSⅠで、2026年は3月31日に1,600メートルで実施されました。3歳馬の東京湾カップはSⅡ、2歳馬の平和賞もSⅡに分類されており、古馬のマイル路線と若駒の成長を追う路線の両方を確認できます。

大井競馬では、東京プリンセス賞、大井記念、ハイセイコー記念、東京2歳優駿牝馬などがSⅠに分類されています。対象は3歳牝馬、古馬、2歳馬と幅広く、世代ごとの重要競走が年間に配置されている点が特徴です。なお、大井競馬ではJpnのダートグレード競走や、国際格付けのGIである東京大賞典も開催されるため、表記の違いに注意が必要です。

川崎競馬では、3歳馬を対象とする戸塚記念、3歳牝馬のロジータ記念などがSⅠに分類されています。一方、鎌倉記念やスパーキングサマーカップなどはSⅡです。川崎記念や全日本2歳優駿はJpnⅠであり、同じ川崎競馬場の重賞でも格付け制度が異なります。

2026年10月28日現在、南関東4競馬場の公式日程には、大井のマイルグランプリ(SⅡ、1,600メートル、1着賞金3,000万円)が10月28日の競走として掲載されています。その後は、11月4日の船橋・平和賞(SⅡ)、11月11日の川崎・ロジータ記念(SⅠ)、11月18日の大井・ハイセイコー記念(SⅠ)などが予定されています。

年末に向けては、12月2日の大井・勝島王冠(SⅡ)、12月9日の船橋記念(SⅢ)、12月23日の浦和・ゴールドカップ(SⅠ)、12月31日の大井・東京2歳優駿牝馬(SⅠ)などが並びます。また、12月16日の川崎・全日本2歳優駿はJpnⅠ、12月29日の大井・東京大賞典はGIです。年末の重賞日程を確認する際は、SとJpn、GIの区別も併せて確認しましょう。

これらは2026年の公式日程に基づく代表例です。開催日や出走条件は変更される可能性があるため、実際にレースを観戦したり馬券を検討したりする際は、南関東4競馬場の最新日程と当日の出馬表を確認してください。

【歴代優勝馬から読み解く】Sグレードの実績と公式情報の確認方法

Sグレードの位置づけを理解するうえでは、過去の優勝馬や競走成績をたどる方法も有効です。レース名と格付けだけを覚えるよりも、どの世代の馬が勝ち、どのような路線につながっていくのかを見ることで、競走の役割を把握しやすくなります。

例えば、2026年3月18日に浦和競馬場で行われた第72回桜花賞はSⅠで、3歳牝馬を対象とする1,500メートルの重賞でした。南関東4競馬場の公式競走成績によると、このレースを制したのはアンジュルナです。2着はブレイズエッジ、3着はグッドディーズでした。

このような実際の競走結果を確認するときは、格付けだけでなく、年齢、性別、距離、負担重量、着順、勝ち時計などを併せて見るのがポイントです。同じSⅠでも、2歳戦と古馬戦では求められる適性が異なり、1,400メートルの競走と2,100メートルの競走では展開やスタミナの重要性も変わってきます。

歴代優勝馬を調べる場合は、南関東4競馬場の公式「重賞競走日程」でレース名を探し、掲載されている「歴代優勝馬」や「成績」の情報を確認する方法が基本です。地方競馬情報サイトの「重賞競走一覧」では、南関東以外の競走も含めた全国の重賞日程を確認できます。

ここで注意したいのは、過去にSⅠを勝った馬が、その後のすべてのレースでも有力とは限らないことです。競走馬の能力は成長や距離適性、馬場状態、展開などに左右されます。歴代優勝馬の実績はレースの性格を知る手がかりになりますが、過去の結果だけで次走の着順を判断することはできません。

【レース選びの判断基準】Sグレードをどう読めばいい?よくある誤解も整理

地方競馬のSグレードをレース選びに活用するなら、最初に格付けを確認し、次に出走条件や距離、年齢、性別、負担重量を確認する順番がおすすめです。格付けは競走の位置づけを知るための情報であり、個々の馬の勝率や適性を直接示す数字ではありません。

特に初心者が混同しやすいのは、「SⅠなら必ずJpnⅠと同じ価値がある」「SⅢはレベルが低いので見る必要がない」「A1の馬ならSⅠでも好走する」といった考え方です。いずれも格付けの意味を取り違えています。

SⅠは南関東の重賞体系における最上位の格付けですが、JpnⅠとは制度が異なります。また、SⅢでも将来の有力馬を見つけるうえで重要な競走があります。A1~C3は馬のクラス分けであり、重賞のS格付けとは別の情報です。

実際にレースを比較する際は、次の観点を確認しましょう。

  • 競走の格付け:SⅠ・SⅡ・SⅢなのか、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢなのか、GIなどの国際格付けなのか。
  • 出走資格:2歳、3歳、古馬、牝馬限定など、どの馬を対象にしているか。
  • 距離と競馬場:短距離、マイル、中距離、長距離のどこに適性があるか。
  • 負担重量と競走条件:定量、別定、ハンデなど、馬ごとの条件がどう違うか。
  • 近走と過去の実績:同じ競馬場や距離、同じ路線でどのような走りを見せているか。
  • 最新の公式情報:出走取消、騎手変更、馬場状態、競走日程などに変更がないか。

また、南関東以外の地方競馬では、S以外の独自の格付け表記を使用する場合があります。「地方競馬の重賞はすべてSⅠ・SⅡ・SⅢで分類されている」と考えず、開催場ごとの公式情報を確認することが大切です。

【地方競馬S】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:地方競馬のSⅠ・SⅡ・SⅢは、何の略ですか?
A1:南関東の重賞格付けを示す記号です。2007年度の表記変更に関する発表では、SはStage、South、Specialなどを表す略称と説明されています。特定の単語だけを意味するものではありません。

Q2:SⅠとJpnⅠでは、どちらが格上ですか?
A2:両者は異なる格付け制度なので、ローマ数字だけで単純に上下を比較することはできません。SⅠは南関東地区の重賞格付けで最上位、JpnⅠは全国規模のダートグレード競走における最上位の格付けです。

Q3:SⅢのレースは、あまり重要ではないのでしょうか?
A3:そうとは限りません。SⅢはSⅠ・SⅡ以外の南関東重賞ですが、対象世代や距離、競走体系の中での役割はレースごとに異なります。将来の有力馬を探す場合は、格付けに加えて出走条件や過去の成績も確認しましょう。

Q4:A1やB1といったクラスと、SⅠはどう違いますか?
A4:A1~C3は競走馬を編成するためのクラス区分、SⅠ・SⅡ・SⅢは重賞競走そのものの格付けです。A1だからSⅠの重賞に必ず出走できる、あるいはSⅠのレースに出ればその馬もSⅠ級になる、という意味ではありません。

Q5:2026年のS重賞日程や歴代優勝馬は、どこで確認できますか?
A5:南関東4競馬場の公式サイトにある「重賞競走日程」で開催日、格付け、距離、出走資格、競走成績、歴代優勝馬などを確認できます。全国の地方競馬を横断して調べたい場合は、地方競馬情報サイトの「重賞競走一覧」も参考になります。

地方競馬のSは、主に南関東4競馬場で使用される重賞競走の格付けです。SⅠが最上位、SⅡがその次、SⅢがそれ以外の重賞という基本を押さえると、浦和・船橋・大井・川崎のレース情報が読みやすくなります。

一方、JpnⅠ・JpnⅡ・JpnⅢは全国規模のダートグレード競走、GIなどは国際格付けによる競走の表記です。A1~C3は馬のクラス分けであり、いずれもSグレードとは役割が異なります。

2026年の南関東重賞を追いかける際は、公式日程で格付けと開催日を確認し、出馬表で出走条件や負担重量、距離をチェックすることが基本です。Sの数字を単独で評価基準にするのではなく、競走体系の中での役割と各馬の実績を組み合わせて見ることが、地方競馬をより深く理解するための判断基準になります。

主な参照資料:南関東4競馬場「令和8年度南関東地方競馬重賞競走番組」「2026年重賞競走日程」、地方競馬情報サイト「重賞競走一覧」「ダートグレード競走とは」、2007年3月30日付の南関東重賞格付け表記変更に関する発表。

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如月 拓

家計・住まい・制度の話題を担当。公的機関の公表資料と専門家の見解を照合し、推測と事実を分けて書きます。

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