2026年10月28日現在、バカリズムが脚本を手がけるNHK連続テレビ小説『巡(まわ)るスワン』は、2027年度前期、2027年春の放送開始に向けて制作が進んでいる。ヒロインは森田望智。長野県の諏訪湖周辺をイメージした架空の町を舞台に、警察署の生活安全課で働く女性警察官の日常を描くヒューマンコメディーだ。
『ブラッシュアップライフ』や『ホットスポット』で知られるバカリズムが、なぜ事件を未然に防ぐ部署を朝ドラの舞台に選んだのか。2026年9月には長野県・諏訪地域で撮影が始まり、10月には脚本の執筆状況についても本人が語っている。放送開始時期、あらすじ、キャスト、ロケ地、SFやタイムリープの有無まで、NHK財団の「ステラnet」や関係者の発表、報道各社の取材内容をもとに整理する。
【2027年度前期の朝ドラ】『巡るスワン』の放送開始時期と基本情報

『巡るスワン』は、NHK連続テレビ小説の第116作として発表された作品だ。2025年11月21日の制作発表でタイトル、脚本家、ヒロインが明らかになり、翌2026年には出演者の発表やロケ撮影が進んだ。
NHK財団が運営する「ステラnet」の番組情報によると、放送予定は2027年春。総合テレビでは月曜から土曜の午前8時から8時15分までの枠などで放送される予定で、NHK ONEでの同時・見逃し配信も予定されている。
ただし、2026年10月28日時点で公表されているのは「2027年春」という開始時期までだ。初回放送日や最終回の日付を確定情報として扱うことはできない。放送開始日を知りたい場合は、今後のNHKの番組発表が判断材料になる。
脚本はバカリズム、主演は森田望智。制作統括は桑野智宏、プロデューサーは舩田遼介、演出には吉田照幸、松木健祐、尾崎達哉らが名を連ねる。
バカリズムにとっては、NHKのドラマ脚本を初めて担当する作品でもある。民放ドラマで独自の会話劇や緻密な構成を生み出してきた脚本家が、半年間にわたる朝ドラという枠組みでどのような物語を紡ぐのか。その点も大きな注目材料だ。
【あらすじを解説】女性警察官・小松美咲が守る「何も起こらない日常」
物語の主人公は、長野県の架空の町・佐和市で生まれ育った小松美咲。森田望智が演じる、20代後半の女性警察官だ。
美咲はもともと地元で公務員として働くことを考えていたが、大学生の頃に見た刑事ドラマをきっかけに警察官を志す。警察学校を卒業し、交番などで経験を積んだ後、故郷の佐和警察署に勤務している。
ところが、彼女が配属されたのは、憧れていた刑事課ではなく生活安全課だった。
生活安全課の使命は、事件を解決することだけではなく、事件が起こる前に防ぐこと。市民からの相談を受け、悪徳商法、不法投棄、行方不明者、少年非行、DVやストーカー、防犯啓発活動など、地域の安全に関わる幅広い問題に対応する。
美咲は防犯イベントで自作の演劇を披露したり、地域住民の相談に乗ったりと、地道な業務をこなす。しかし、犯人を逮捕することに憧れていた彼女にとって、新聞やテレビで大きく取り上げられない仕事には物足りなさもある。
それでも、個性的な上司や先輩、後輩たちと仕事を続け、休日には高校時代の友人とカフェや買い物を楽しむ。友人の車に乗っていると、警察官としての癖が出て、つい安全確認やバックの誘導をしそうになる。仕事と私生活が自然につながる、そんな人物像が作品の特徴だ。
NHK財団の「ステラnet」が公開した作品紹介では、物語は美咲の成長を長い時間軸で追い、やがて彼女が生活安全課長として地域に信頼される存在になるところまで描かれる。最後に彼女が思うのは、事件の大きさや自分の手柄ではなく、「今日も何も起こらなかった」という日常の重みだ。
この設定が興味深いのは、ドラマの一般的な成功条件を反転させている点にある。刑事ドラマでは事件の発生や犯人逮捕が物語を前に進める。一方、本作では事件を未然に防ぐことこそが仕事の成果になる。大きな事件が起きないことを、どうドラマとして面白く見せるのかが脚本の腕の見せどころになる。
【キャスト一覧】森田望智がヒロイン、警察署と地元の人間関係に注目
『巡るスワン』の魅力を支えるのが、主人公の職場とプライベートの両方を彩るキャスト陣だ。2026年8月までに公表された出演者は計19人。警察署の各部署で働く人物に加え、美咲の姉と幼なじみが登場する。
| 区分 | 出演者 | 役柄・見どころ |
|---|---|---|
| ヒロイン | 森田望智 | 小松美咲。佐和警察署の生活安全課で働く女性警察官。 |
| 姉・幼なじみ | 志田未来、古川琴音、富田望生 | 志田は姉の有賀千夏、古川は幼なじみの笠原七海、富田は幼なじみの小泉真由を演じる。 |
| 生活安全課 | 臼田あさ美、岡山天音、吉田美月喜、平原テツ、大津尋葵、諏訪珠理、矢作兼、野間口徹 | 上司、同僚、先輩ら。美咲が日々の業務に向き合う職場の人間関係を形づくる。 |
| 警察署の他部署 | 夏帆、鳴海唯、田村健太郎、音尾琢真、高橋努、大倉孝二、角田晃広 | 刑事課、交通課、地域課、副署長など、署内のさまざまな立場から物語に関わる。 |
森田望智は、連続テレビ小説『おかえりモネ』『虎に翼』などへの出演で知られる俳優だ。『虎に翼』では米谷花江を演じ、主人公の身近な人物として自然な存在感を見せた。今回は朝ドラのヒロインとして、長い時間をかけて一人の女性警察官の変化を演じる。
森田は2026年9月の取材会で、バカリズムの台本について「セリフが本当に言いやすくて」と話し、普段の会話がそのまま展開するようなリアリティーに期待を寄せた。時には思わず笑ってしまう場面もあるという。日常の細かな会話を軸にする作品だからこそ、俳優同士の呼吸が重要になりそうだ。
美咲の姉・有賀千夏を演じるのは志田未来。千夏は幼い娘を育てながら生活する女性で、美咲が仕事から離れて過ごす時間に関わる人物だ。
幼なじみの笠原七海役は古川琴音、小泉真由役は富田望生。美咲を含む仲良し3人組として、食事や買い物、休日の会話などを通じ、警察署での姿とは違う主人公の素顔を見せていく。
職場の顔ぶれも多彩だ。臼田あさ美は生活安全課の先輩・金子沙織、岡山天音は同僚の山田拓也、吉田美月喜は伊藤陽菜を演じる。加えて、平原テツ、大津尋葵、諏訪珠理、矢作兼、野間口徹らが生活安全課の人間関係を担う。
他部署には、刑事課の夏帆、交通課の鳴海唯、地域課の田村健太郎らが参加。音尾琢真、高橋努、大倉孝二、角田晃広も警察署の人物として出演する。部署ごとに仕事の性格が異なるため、美咲が周囲の警察官と関わる場面も見どころの一つだ。
なお、上記は2026年8月までの発表に基づく出演者情報だ。今後の追加キャストや役柄の詳細は、NHKからの発表によって更新される可能性がある。
【ロケ地の最新情報】長野県・諏訪で9月2日にクランクイン
『巡るスワン』の舞台となる佐和市は実在する自治体ではない。長野県諏訪市など、諏訪湖周辺をイメージして設定された架空の町だ。物語の舞台と実際の撮影地域を区別しておくと、ロケ地情報を理解しやすい。
森田望智の所属事務所ソニー・ミュージックアーティスツが2026年9月14日に掲載した発表によると、撮影は9月2日に長野県の諏訪地域で始まった。ヒロインが地元の警察署で働く場面だけでなく、姉や幼なじみと過ごす日常のシーンも撮影される予定とされた。
9月14日には、諏訪市の湖畔公園で取材会が開かれた。報道各社によると、当日は諏訪湖近くの足湯で、美咲が幼なじみの七海、真由と休日を過ごす場面も撮影された。森田、古川琴音、富田望生が談笑する場面からは、作品が描く穏やかな空気感が伝わる。
地元の市民新聞グループなどの報道では、撮影は諏訪市を中心に、下諏訪町、岡谷市、茅野市などでも予定されている。10月には諏訪湖周辺でロケが進行しているとの情報も伝えられた。
一方、撮影場所のすべてが公式に一覧化されているわけではない。取材会が行われた湖畔公園や足湯の場面は報道で確認できるが、作品に登場する場所と実際のロケ地が常に一致するとは限らない。佐和市そのものが架空の町である点も押さえておきたい。
諏訪湖を中心に山や町並みが広がる景観は、作品の背景としても重要だ。美咲が仕事を終え、友人と過ごし、また翌日に職場へ向かう。その繰り返しを土地の風景と一緒に描くことで、事件の大きさではなく、地域に暮らす人々の生活そのものを見せる効果が期待できる。
【脚本執筆状況】バカリズム本人が語った進捗と制作の苦労
2025年11月の制作発表時、バカリズムは生活安全課を題材に選んだ理由を説明した。事件を未然に防ぐ部署は、事件が起きないこと自体が成果になる。だからこそ、一般的な刑事ドラマとは異なる面白さがあると考えたという。
当初は「正直まだ書き始めていない」と話し、締め切りを守って取り組む意向を示していた。その後、2026年には執筆が本格化し、本人の発言やSNSでの進捗報告が報道されるようになった。
2026年10月9日付の東スポWEBは、バカリズムがナイツ・塙宣之のYouTubeチャンネルで語った内容を報じている。それによると、脚本は毎日執筆しており、最初に提出する稿について「46話とか47話を書いてるぐらい」と説明した。
また、全体の構想が最初から完成しているわけではなく、「1話ずつ考えてる」と話し、最終回の構想もまだ固まっていないと明かした。これは2026年10月の発言時点での状況であり、以後の執筆進捗を示す数字ではない。
朝ドラは半年にわたって物語を積み重ねる長編シリーズだ。1話ごとの面白さに加え、人物の変化や日常の繰り返しを長期間にわたって描き続ける必要がある。バカリズムが制作の負荷を語る背景には、普段の連続ドラマとは異なる執筆量と、長期シリーズならではの責任があると考えられる。
一方、脚本が完成する前から現場で撮影が始まっていることも、制作の進行を考えるうえで重要だ。2026年9月2日のクランクイン以降、撮影と執筆は並行して進んでいる。今後、バカリズム本人が発信する進捗や、NHKからの制作情報が、完成に向けた動きを知る手がかりとなる。
脚本執筆の進捗を追う際は、本人が語った日付と数字をセットで見るのがポイントだ。以前の発言を現在の進捗として扱うと、実際の制作状況とのずれが生じる可能性がある。
【作品比較】『ブラッシュアップライフ』『ホットスポット』と何が違う?SF・タイムリープは?
バカリズムの朝ドラと聞いて、多くの視聴者が連想するのは『ブラッシュアップライフ』や『ホットスポット』かもしれない。いずれも日常の会話や身近な人間関係を軸にしながら、独自の仕掛けを組み込んだ作品だ。ただし、『巡るスワン』の設定は過去作と同じではない。
『ブラッシュアップライフ』は、主人公が人生をやり直すというタイムリープの要素を日常描写と組み合わせたドラマ。『ホットスポット』は、地方の町で暮らす人々の日常に宇宙人というSF的な要素を交差させた作品だ。
対して『巡るスワン』の中心にあるのは、警察署の生活安全課で働く女性の仕事と私生活だ。少なくとも制作統括の桑野智宏は、2026年9月の取材会で「宇宙人も出てきませんし、タイムリープもしません」と説明している。現時点で示されている作品像は、SFの謎解きよりも、日常の会話や人間関係を楽しむヒューマンコメディーに近い。
制作統括は、作品を通して強いメッセージを打ち出すことよりも、見終わった人がほっとしたり、翌日を楽しみに感じたりするドラマを目指す考えも語っている。制作発表時には『ブラッシュアップライフ』を見た家族が、視聴後に元気になっていたことが、バカリズムへの起用につながったと説明した。
つまり、過去作との共通点は、SF設定そのものではなく、ありふれた生活の中にある可笑しさを丁寧に拾う視点にある。バカリズムの持ち味である自然な会話や、本音と建前のずれ、人物同士の微妙な距離感は、事件を未然に防ぐ生活安全課という舞台とも相性がよさそうだ。
ただし、過去作の特徴だけから『巡るスワン』の具体的な展開を予測することはできない。タイムリープや宇宙人が登場することを期待して見る作品ではなく、地道な仕事と普通の暮らしをどのように面白く描くかに注目したい。
【バカリズム朝ドラ脚本】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『巡るスワン』の放送開始日はいつですか? A1:2027年度前期、2027年春の放送開始が予定されています。2026年10月28日時点で、初回の具体的な日付は発表されていません。
Q2:『巡るスワン』のヒロインは誰ですか? A2:森田望智が小松美咲を演じます。美咲は長野県の架空の町・佐和市で育ち、佐和警察署の生活安全課で働く女性警察官です。
Q3:『巡るスワン』のあらすじは? A3:刑事に憧れて警察官になった美咲が、事件を未然に防ぐ生活安全課の仕事に取り組みながら、地域の日常を守る意味を見つけていくヒューマンコメディーです。
Q4:脚本は完全オリジナルですか? A4:はい。NHK財団の「ステラnet」は、バカリズムによるオリジナル脚本と紹介しています。既存の小説や漫画を原作とする作品ではありません。
Q5:『巡るスワン』にSFやタイムリープの要素はありますか? A5:2026年9月の取材会で、制作統括は宇宙人やタイムリープは登場しないと説明しました。現時点で公表されている作品の中心は、女性警察官の仕事と日常を描く物語です。
Q6:『巡るスワン』のロケ地はどこですか? A6:2026年9月2日に長野県の諏訪地域でクランクインしました。諏訪市を中心に、下諏訪町、岡谷市、茅野市などでも撮影が予定されていると報じられています。佐和市は諏訪湖周辺をイメージした架空の町です。
Q7:バカリズムの脚本はどこまで進んでいますか? A7:2026年10月9日付の東スポWEBによると、本人はナイツ・塙宣之のYouTubeチャンネルで、最初に提出する稿について46話か47話を書いている段階だと説明しました。最終回の構想はまだ固まっていないと話しています。
バカリズム脚本の『巡るスワン』は、2027年度前期、2027年春に放送予定のNHK連続テレビ小説だ。森田望智が演じる小松美咲を主人公に、長野県の諏訪湖周辺をイメージした架空の町・佐和市で、生活安全課の警察官が地域の平穏を守る姿を描く。
2026年9月2日に諏訪地域でクランクインし、同月の取材会では、森田がバカリズムの台本の自然な会話と笑いについて語った。10月には本人が脚本の執筆状況を明かしており、放送に向けた制作は進行中だ。
本作の見どころは、犯人逮捕や大事件ではなく、「何も起こらなかった一日」に価値を見いだす物語にある。『ブラッシュアップライフ』のタイムリープや『ホットスポット』のSF要素を期待する人にとっては意外な方向性かもしれないが、日常の会話や職場の人間模様を楽しみたい人には注目の一作だ。
今後チェックしたい情報は、正式な放送開始日、追加キャスト、撮影の進捗、そしてバカリズム本人が語る脚本の完成状況。『巡るスワン』が朝の15分間にどんな笑いと温かさを届けるのか、2027年春の放送に向けて期待が高まる。