お笑いコンビ「かもめんたる」のボケ担当として知られる岩崎う大(いわさき・うだい)さん。2013年のキングオブコント優勝をきっかけに広く知られるようになりましたが、その活動はお笑いだけにとどまりません。劇団かもめんたるの主宰、舞台の脚本・演出、テレビ番組の脚本執筆、漫画制作、さらにはお笑い評論まで、独自の視点を生かして活躍しています。
2026年10月現在も、劇団かもめんたるの新作公演や舞台作品の制作が続いています。早稲田大学政治経済学部を卒業した経歴、相方の槙尾ユウスケさんとの関係、岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれた劇作家としての実績、妻や子どもについて公表されている情報まで、公式プロフィールや出版社の書誌情報、本人のインタビュー、最新の公演情報をもとに整理します。
【岩崎う大はどんな人物?】プロフィールと現在の活動を整理

岩崎う大さんは、芸人としての演技力と構成力を土台に、演劇や脚本、漫画などへ表現の幅を広げてきたクリエイターです。一般的なバラエティー芸人という枠だけでは、その仕事の全体像を捉えきれません。
劇団かもめんたるの公式プロフィールによると、岩崎さんは1978年9月18日生まれ、東京都出身。2026年10月28日時点で48歳です。身長165cm、血液型はAB型。趣味は爬虫類の世話や読書などで、オーストラリアへの留学経験を持ち、英会話も特技として挙げられています。
学歴は早稲田大学政治経済学部卒業。大学ではお笑いサークル「WAGE」に参加し、2001年にコントグループのメンバーとしてプロデビューしました。その後、槙尾ユウスケさんとのコンビ活動を経て、2013年のキングオブコント優勝、劇団の主宰、脚本家としての活動へとつながっていきます。
2026年現在の特徴は、ひとつの肩書きに収まらない仕事の広さです。芸人として舞台に立つ一方、自ら脚本を書き、演出を担当し、作品によっては俳優として出演することもあります。テレビ番組への出演や脚本提供、書籍の執筆も続けており、作品を作る側と演じる側の両方を経験している点が大きな特徴です。
なお、「岩崎う大」という名前は芸名として使われています。本人の活動を追う際には、芸人としての「かもめんたる」、創作活動の中心となる「劇団かもめんたる」、そして個人名義での脚本・漫画・書籍という3つの切り口で見ると、仕事のつながりが分かりやすくなります。
【経歴年表】早稲田大学からキングオブコント2013優勝まで
岩崎う大さんの経歴を理解するうえで重要なのは、最初からテレビタレントを目指していたというより、演技やコントを通じて自分の表現を磨いてきた点です。学生時代の活動から劇団の結成、コント日本一の獲得、演劇への本格的な進出まで、主な転機を時系列で整理します。
| 時期 | 出来事 | 主な意味・実績 |
|---|---|---|
| 1978年 | 東京都で生まれる | 9月18日生まれ。2026年に48歳。 |
| 学生時代 | オーストラリア留学、早稲田大学政治経済学部への進学 | 英会話を身につけ、大学のお笑いサークルWAGEで活動。 |
| 2001年 | WAGEのメンバーとしてプロデビュー | コントを中心とした芸人活動を開始。 |
| 2006年ごろ | 槙尾ユウスケさんと「劇団イワサキマキヲ」を結成 | コンビでの創作活動につながる出発点。 |
| 2010年 | コンビ名を「かもめんたる」に改名 | 現在につながるコンビ名で活動を展開。 |
| 2012年 | キングオブコント決勝で3位 | 翌年の優勝につながる実績を残す。 |
| 2013年9月23日 | キングオブコント2013優勝 | かもめんたるが第6代王者に輝く。 |
| 2015年 | 劇団かもめんたるを始動 | コントで培った表現を長編の演劇へ発展させる。 |
| 2020・2021年 | 劇団作品が岸田國士戯曲賞の最終候補に選出 | 第64回・第65回で2年連続の最終候補入り。 |
| 2023年 | 『偽りなきコントの世界』を刊行 | コントの構造や賞レースのネタ分析を言語化。 |
| 2025年 | 自伝的エッセイを刊行 | 『かもめんたる岩崎う大のお笑いクロニクル』で半生を振り返る。 |
| 2026年 | 劇団公演や新作舞台の制作を継続 | 『ピノキオの元カノ』に続き、『ぼくのドラゴンがごはんを食べない!!』を発表。 |
経歴の初期にあたるWAGE時代は、岩崎さんが芸人としての基礎を築いた時期です。早稲田大学でのお笑い活動を経てプロデビューし、グループでの経験を積んだ後、槙尾さんとともに自分たちの表現を追求していきました。
その後、2013年のキングオブコント優勝でコンビとして大きな成果を上げます。しかし、岩崎さんのキャリアは賞レースで完結しませんでした。2015年には劇団かもめんたるを始動させ、コントで磨いた演技と構成の技術を、より長い物語や舞台全体の演出に生かすようになります。
2025年5月には扶桑社から自伝的エッセイ『かもめんたる岩崎う大のお笑いクロニクル 難しすぎる世界が僕を鬼才と呼ぶ』を刊行しました。学生時代から芸人としての歩みまでを振り返る内容で、岩崎さん自身の経歴を知るうえで重要な一冊です。
【かもめんたると槙尾ユウスケ】キングオブコント2013優勝の理由
岩崎う大さんの名前を全国的に広めた最大の実績が、かもめんたるとしてのキングオブコント2013優勝です。相方は槙尾ユウスケさん。2人は単にボケとツッコミを分担するだけでなく、登場人物の性格や人間関係、会話の不自然さまで作り込むコントを得意としてきました。
オリコンニュースや吉本興業の大会関連記事によると、2013年9月23日に行われた決勝で、かもめんたるはファーストステージの「言葉売り」で923点、ファイナルステージの「白い靴下」で982点を獲得。合計1905点で優勝しました。当時の大会では、2本目の982点が史上最高得点として報じられました。
前年の2012年大会では決勝3位に終わっていた2人にとって、2013年の優勝は雪辱を果たす結果でもありました。決勝の2本目で見せた「白い靴下」は、登場人物が極めて真剣に振る舞うほど状況の奇妙さが際立つネタです。大げさなリアクションや分かりやすい誇張だけに頼らず、人物の論理を突き詰めることで笑いを生み出しています。
岩崎さんのコントの特徴は、演じている人物が自分をおかしいと思っていないところにあります。本人にとっては真剣な会話や行動なのに、周囲から見るとどこか異常で、観客はそのずれを目撃することになります。笑いが生まれる一方で、登場人物の執着や身勝手さが妙に現実的に見えるため、単純に楽しいだけでは終わらない印象を残します。
この特徴は、岩崎さんが漫才よりもコントを主軸にしてきた理由とも関係しています。インタビューでは、コントでは別人になりきれる一方、漫才では自分自身として話しているように見られることへの難しさを語っています。役柄を作り、その人物の理屈を信じて演じることが、岩崎さんにとって創作の中心にあるのです。
槙尾さんもまた、女性役から年配の人物まで幅広く演じる表現力を持っています。2人の演技がかみ合うことで、奇妙な設定が単なる思いつきに終わらず、実在しそうな人間同士のやり取りとして成立します。キングオブコントでの優勝は、ネタのアイデアだけでなく、人物描写と演技の精度が評価された結果と見ることができます。
【劇団かもめんたる】岸田國士戯曲賞候補から2026年最新公演へ
岩崎う大さんの活動を語るうえで欠かせないのが、2015年に始動した劇団かもめんたるです。公式サイトでは、岩崎さんが劇団の主宰を務め、劇団作品の作・演出を担当すると紹介されています。かもめんたるのコントを発展させながら、演劇ならではの物語性や人物関係を掘り下げてきました。
劇団作品の評価を示す代表的な実績が、岸田國士戯曲賞の最終候補への選出です。第8回公演『GOOD PETS FOR THE GOD』が第64回、第9回公演『君とならどんな夕暮れも怖くない』が第65回の最終候補に選ばれました。2年連続で最終候補入りを果たしたことは、岩崎さんの創作活動がコントの枠を超えて評価されてきたことを示しています。
ただし、ここで押さえておきたいのは、岸田國士戯曲賞を「受賞した」のではなく、「最終候補に選出された」という点です。候補入り自体が実績である一方、受賞と最終候補は異なります。この違いを理解しておくと、岩崎さんの劇作家としての評価を正確に捉えられます。
2026年の劇団活動も活発です。8月19日から23日には、下北沢の本多劇場で第16回公演『ピノキオの元カノ』を上演しました。岩崎さんが作・演出を務め、槙尾さんや劇団員に加えて、犬山イヌコさん、八嶋智人さんらが出演。公式公演情報では、上演後の配信やアフタートーク映像についても案内されました。
加えて、2026年11月から12月にかけては、岩崎さんが作・演出・出演を担当する舞台『ぼくのドラゴンがごはんを食べない!!』の上演が予定されています。公式発表によると、東京公演は11月5日から23日、大阪公演は11月27日から12月6日まで。B&ZAIの稲葉通陽さんと今野大輝さんがダブル主演を務め、ドラゴンが存在する世界を舞台に少年たちの友情と命を描くファンタジーコメディです。
また、12月10日には渋谷のLOFT9 Shibuyaで劇団かもめんたるのトークライブ「かもめっ子ミーティング」が予定されています。舞台作品だけでなく、劇団員やゲストとの交流を通じて活動を広げていることも、2026年の動きから読み取れます。
お笑いの賞レースで実績を残した芸人が、劇作家として舞台の世界で独自の地位を築く例は限られます。岩崎さんの場合、演劇を別ジャンルとして一から始めたというより、コントで培った人物描写や会話の構造を、舞台全体の物語へ発展させている点に特徴があります。
【脚本家・漫画家としての仕事】テレビから『マイデリケートゾーン』まで
岩崎う大さんは、舞台以外でも脚本家・漫画家として作品を発表してきました。劇団かもめんたるの公式プロフィールには、テレビ番組の脚本やラジオ番組のコント執筆、舞台作品の脚本・演出など、複数の仕事が掲載されています。
テレビ関連では、日本テレビ系『ダメマネ!―ダメなタレント、マネジメントします―』の脚本・出演、NHK『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』の脚本、NHKラジオ『東京03の好きにさせるかッ!』のコント執筆などが公式プロフィールに記載されています。また、テレビ東京の『正解の無いクイズ』への出演も紹介されています。これらは出演だけでなく、番組の中身を作る仕事にも携わっていることを示しています。
舞台脚本では、パルコ・プロデュース公演『スルメが丘は花の匂い』で脚本・演出・出演を担当したほか、『明治座キャッツアイ』の脚本などを手がけています。演劇の制作では、物語を書くことと、俳優の動きや会話を舞台上で成立させることの両方が大切です。コント師としての経験が、こうした複合的な仕事に生かされていると考えられます。
漫画作品として知られるのが、2018年7月27日に発売された『マイデリケートゾーン』です。小学館クリエイティブから刊行された240ページの作品集で、「イクオの秘密」「私の恋はアンデッド」「ヒミコザマンゴー」「ヤンキー缶」など、全10作品に加えて描き下ろし作品を収録しています。
出版社の紹介では、作品のテーマとして狂気、業、エロス、人間愛などが挙げられています。これらの要素は、岩崎さんのコントや舞台にも通じるものです。人物の内側にある欲望や執着を誇張しながら、その人物を単純な善人・悪人に分類しない。漫画でも、そうした人間観が作品の核になっています。
書籍では、2023年8月刊行の『偽りなきコントの世界』も注目されます。KADOKAWAの書誌情報によると、岩崎さんがキングオブコントの歴代決勝ネタなどを分析し、コントの構造や面白さを考察する内容です。自分のネタを披露するだけでなく、他の芸人の作品を分析し、笑いの仕組みを言葉で説明する仕事にも取り組んでいます。
2025年の自伝的エッセイ『かもめんたる岩崎う大のお笑いクロニクル 難しすぎる世界が僕を鬼才と呼ぶ』と合わせて読むと、作品を作る実践者としての顔と、お笑いを分析する批評家としての顔の両方が見えてきます。脚本・漫画・エッセイは別々の仕事に見えますが、人間の不可解さを描き、そこに潜む笑いや感情を探るという点で共通しています。
【妻・家族と独特な作風】私生活の公表範囲と作品の魅力
岩崎う大さんの妻や家族については、本人がインタビューで語った内容が知られています。2022年6月の東京新聞系メディア「東京すくすく」のインタビューでは、妻と3人の子どもと暮らしていることを明かしました。また、妻を台本やエッセイの相談相手として信頼しており、第三者に内容が伝わるかどうかを確認する際にも意見を聞くと語っています。
このインタビューからうかがえるのは、家族が創作活動を支える身近な相談相手になっているということです。一方、家族の生活は本人の創作活動とは別の領域でもあります。公表されている家族に関する情報を超えて、現在の家族構成や個々の生活について断定する必要はありません。
では、岩崎さんの作品はなぜ「独特」と評されるのでしょうか。大きな理由のひとつは、登場人物を単に笑わせるための道具として扱わないことです。人物が何を信じ、何を守ろうとし、どこで他人との認識が食い違うのか。その細部を積み重ねることで、ありふれた日常の中に不穏さや可笑しさを立ち上げています。
2022年の演劇関連インタビューでは、岩崎さんはコントと演劇の違いについて、コントでは笑いが中心になる一方、演劇では観客にさまざまな感情を抱いてもらうことが目的になるという趣旨の考えを語っています。この違いを意識しているからこそ、舞台では笑いだけでなく、気まずさ、恐怖、共感、感動などを含んだ表現を追求できるのです。
例えば、登場人物が理不尽な行動を取っていても、本人の中では一貫した理由がある。観客はその論理を理解しようとする一方、行動の異様さにも気づいてしまいます。この二重の視点が、岩崎さんのコントに独特の緊張感を与えています。笑った直後に「なぜこの人物はこんなことをするのか」と考えさせられるのも、作品の魅力です。
こうした作風は、好みが分かれる面もあります。分かりやすい設定やテンポのよいギャグを次々に楽しみたい人には、登場人物の不自然な言動や後味の悪さが気になることもあるでしょう。一方、人間の心理や会話のずれをじっくり味わいたい人、笑いと演劇の境界に関心がある人には、繰り返し見たくなる作品を生み出しています。
岩崎さんの作風を理解するうえでは、本人がネタを演じる姿だけでなく、脚本や演出、漫画、コント評論まで視野に入れることが大切です。表現手段が変わっても、人間の行動を観察し、その中に潜む矛盾や可笑しさを掘り下げる姿勢は一貫しています。
【岩崎う大】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:岩崎う大は何歳で、出身大学はどこですか?
A1:1978年9月18日生まれで、2026年10月28日時点では48歳です。東京都出身で、早稲田大学政治経済学部を卒業しています。
Q2:かもめんたるはキングオブコントでいつ優勝しましたか?
A2:2013年9月23日に行われたキングオブコント2013の決勝で優勝しました。「言葉売り」で923点、「白い靴下」で982点を獲得し、合計1905点で第6代王者となりました。
Q3:岩崎う大は岸田國士戯曲賞を受賞していますか?
A3:劇団かもめんたるの作品が、第64回と第65回の岸田國士戯曲賞で2年連続して最終候補に選ばれています。これは受賞ではなく、最終候補への選出です。
Q4:岩崎う大の代表的な漫画作品は何ですか?
A4:代表的な漫画作品集に『マイデリケートゾーン』があります。2018年7月に刊行され、「イクオの秘密」「私の恋はアンデッド」など全10作品を収録しています。
Q5:岩崎う大の妻や子どもについて公表されている情報はありますか?
A5:2022年の東京新聞系「東京すくすく」のインタビューでは、妻と3人の子どもと暮らしていることを本人が語っています。妻を台本やエッセイの相談相手として信頼していることも紹介されています。
Q6:岩崎う大は2026年現在、どのような活動をしていますか?
A6:かもめんたるとしてのお笑い活動に加え、劇団かもめんたるの主宰、脚本・演出、テレビ番組への出演や脚本執筆などを続けています。2026年11月から12月には、舞台『ぼくのドラゴンがごはんを食べない!!』の東京・大阪公演が予定されています。
岩崎う大さんは、キングオブコント2013で優勝したお笑い芸人であると同時に、舞台の脚本家・演出家、漫画家、そしてお笑いを分析する書き手でもあります。早稲田大学でのお笑い活動から始まったキャリアは、かもめんたるの成功を経て、劇団かもめんたるの舞台作品へと発展しました。
劇団作品が岸田國士戯曲賞の最終候補に2年連続で選ばれたことや、漫画『マイデリケートゾーン』、著書『偽りなきコントの世界』などは、岩崎さんが単なるネタ職人ではなく、物語と人間を多角的に描く創作者であることを示しています。
2026年は『ピノキオの元カノ』の上演に続き、『ぼくのドラゴンがごはんを食べない!!』の東京・大阪公演が予定されており、舞台での活動にも引き続き注目が集まります。今後の動向を追うなら、テレビ出演だけでなく、劇団の公演情報や脚本作品、書籍にも目を向けると、活動の全体像が見えてきます。
作品を選ぶ際の要点は、分かりやすい笑いだけを求めるのか、それとも人物の心理や不穏さ、笑いの奥にある感情まで味わいたいのかという点です。後者に興味がある人にとって、岩崎う大さんの作品は、コント・演劇・漫画というジャンルを横断して楽しめる魅力的な選択肢となるでしょう。
2026年現在の岩崎う大さんを理解する鍵は、2013年の優勝だけで評価を止めないことです。コントで培った人物描写を舞台や漫画へ展開し、さらに笑いそのものを分析する。その創作の広がりこそが、岩崎う大という表現者の現在地を示しています。